機械式LSD選び

フルノーマルのDC5インテRでサーキット走行に入門し、コツコツとひたすらタイムアタックを続けておりますが、そろそろ機械式LSDの装着を検討する時期に入ってきました。

いままで走ってきた中で、体験と想像も含めて実感として感じるのは…。

・マフラー、エアクリを換えても速さには直結しない
・タイヤによる差はある
・足回り交換による差はある
・ファイナル交換による差はある
・機械式LSD装着による差はある
・軽量化による差はある

ということです。

エアロパーツやECU交換による差はあるのかも知れませんが、ミニサーキットでは、先に挙げたパーツのほうが効果が大きいです。

特にタイムに大きく差が出るのがコーナーリングスピードとコーナー立ち上がりで、このへんを左右する足回りの差はテクニックで埋めがたいものがあります。コースに合っていない足は、問題以前ですけどね。

で、このコーナーの差を付ける機械式LSDをどうしよう？ というのが今回のテーマです。

DC5インテRにはヘリカルLSDが標準装着されています。ふつうに街乗りしていてもまったく効果は感じませんが、サーキットだとアクセルを床まで踏んだままコーナーに入ったり、あるいはコーナー立ち上がりでアクセルを強めに踏むと、ステアリングに奇妙な反応があります。ガガッとステアリンが重くなったり、意図せぬ方向に吸い込まれたり。

スポーツランドやまなし(SLy)を走行してヘリカルLSDの効果を感じるのは、

・第3コーナーを2速で床まで踏みながら曲がるとき
・第4コーナーでアクセルを強めに踏んで立ち上がるとき

です。

すべてのコーナーで効く訳ではなく、しかもヘリカルLSDを効かせないように走った方がタイムが出ています。要するにアクセルを踏みすぎたときに効果が出ているので、ほとんど意味がないって感じです。実際は他のコーナーでもヘリカルLSDの効果でうまく走れているのかもしれませんが、効いているならわかるように効いてくれよ…ってのが、いまのわたしの感想です。まー要するに効きが弱いってことです。

ヘリカルLSDから機械式LSDに変更すると、おそらくすべてのコーナーでイヤでも手応えを感じざるを得ない状態になるでしょう。

その機械式LSDですが、1wayと1.5way、2wayのどれを選ぶのかっていうのは、大きな悩みどころです。

はじめは1wayを考えていました。アクセルオンで効くタイプですね。コーナーへのターンインではLSDの効果はなく、クリップからアクセルを踏んでいくとLSDの効果が出ます。

1.5wayや2wayだと、コーナーへのターンインでもLSDの効果が出てしまうので、クルマの向きが変わりづらいまま進入することになります。

「おお、じゃあ1wayのほうがいいじゃないか！」

こう考えるのは早計で、クルマのターンインから立ち上がりまでの挙動を考えていません。

1wayだと、ブレーキングしてコーナーへのターンイン。ここまではノーマルと同じです。クリップに付いてからブレーキをアクセルに踏み換え…ここから突然LSDが効き始めます。つまり、アクセルを抜いているときと踏んだときで、クルマの挙動が思いっきり変わるわけです。

もっと緩いコーナーの場合がより顕著です。たとえば、アクセルをやや抜きながらクリップに付き、そこから踏み足していく…という状況。アクセルのオン・オフでLSDが効く・効かないが切り替わってしまうので、挙動がどう変化するか予想できない。これをコントロールするのはやや難しくなります。

これが1.5wayや2wayだと、アクセルのオン・オフによるLSDの効き具合は差が少ないので、クルマの挙動がコーナー進入から立ち上がりまで安定しています。操るドライバーにとっても、一瞬先を読んでドライビングする、いままでの挙動で先を予想するわけですから、1.5wayや2wayのほうが一瞬先を読みやすくなります。

こう考えると、1wayより1.5wayのほうが進入から立ち上がりまで安定した挙動でコーナーリングできるし、逆に言えば1wayはアクセルオンでLSDが効き始める、トリッキーな動きになるといえます。

実際にはカム角、イニシャルトルク、ミッション(デフ)オイルによってLSDの効き具合は変わりますから、効き味を変化させることは可能です。

したがって、「どのコースを走るのか」「どういうクルマの挙動をさせるのか」ということが、機械式LSD選びとセッティングの大きな要素となります。

足回りもそうですが、コースに合っていない足でがんばったところで、いいタイムが出せるはずはありません。機械式LSDも、こういう知識や経験の裏付けのあるお店で組んでもらわないと、あとあとどえらく苦労するだろうな～と思います。