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2024年05月07日 イイね!

紐育スタンダード石油會社小冊

紐育スタンダード石油會社小冊珍しいパンフレットを入手出来ました。
















紐育スタンダード石油會社
ソコニーモーターオイル

紐育=ニューヨーク
スタンダード石油=エクソンモービルの前身
ソコニー=Standard Oil Co.of New Yorkの略称

横書きが左からなので戦後のパンフレットかと思ったのですが、どうも大正~昭和初期のものみたいです。
100年位前のパンフの可能性が高そうですが、東燃ゼネラルの沿革を見ても時期がハッキリしません…

オイルのラインナップは粘度別にLM、M、H、EHと判りやすいです。
この時代はまだ水素添加もありませんから良質な鉱物油の産地がキモなんでしょうね。



1924の文字があるので古くても100年は経ってないパンフレットってことですね。
知らないメーカーが沢山…
オーバーランド6はエンジンとTMオイル共用ですか。

国産メーカーが全然載っていないのが気になりますね。
この時代の輸入オイル=セレブ向けでしょうから輸入車しか相手にしていなかった可能性はありそうですね。
トヨタ(豊田自動織機自動車部)と日産(ダットサン商会)が出てくるのはまだ10年先。


営業所に小樽、長崎、門司があるのはいかにも貿易の時代を感じます。



ちなみにスタンダードオイルというのは、かのジョン・ロックフェラーが創業した会社です。
現在のエクソンモービルはロックフェラー家から離れましたが、シェルはロスチャイルド家の資本が残っています。
シェルとモービル、米国と欧州の石油王の二社が作ってるオイルですから、そりゃ高性能でも安価に手に入る訳です。
資本違いすぎ…
Posted at 2024/05/07 19:21:31 | コメント(1) | トラックバック(0) | オイル | 日記
2024年04月25日 イイね!

DH-2とアッシュフリーオイル

DH-2とアッシュフリーオイル塩基価についてのブログを先日書きましたが、塩基価を調べているうちに出光のアッシュフリーオイルに辿り着きました。
アッシュ(灰分)が入っていないのでDPFが詰まらない!という革新的なオイルなのですが、その分塩基価(清浄性)が低いです。

DH-2規格のオイルを調べてみると中々興味深い結果でしたので別で書くことにしました。
さすがにトラックは買えませんので検証はしませんよw

また今日も長文です。
需要はあまりないけど調べてしまったのでお付き合いください。





まずDH-2規格について少し書きますが、DH=Diesel Heavy-dutyの略です。
DL-1はDiesel Light-dutyのLです。
DLが乗用とか小型トラック、DHが中大型と考えていただければ宜しいかと。
ハイエースなどもLCVもDL-1が多いですね。
DH-1はDPF非搭載車用、DH-2はDPF搭載車用。
DH-2には燃費性能重視のDH-2FとDH-2(無印)があります。
DH-2Fは5W-30とか0W-30です。
今回はDH-2を取り上げます。




残念ながらDH-2規格もDL-1同様良い規格ではありません。
規格が緩いせいでゴミオイルが流通しています。

塩基価  5.5mgKOH/g以上(塩酸法)
硫酸灰分 1.0%mass以下(DL-1は0.6%)
Noack  18%wt以下(250度で60分加熱後の蒸発量)

塩基価は乗用車と評価方法が異なる(ASTM D4739 塩酸法)ので数値は小さく出ます。(3割くらい低く出る?)
以降このブログの塩基価は塩酸法表記です。
硫酸灰分はDPF詰まり対策で制限していますが、これはACEA規格と同等。
Noackはユルユルで18%wtとなっています。

乗用車の0W-20でもNoackは12%wt程度です。(柔らかい程蒸発しやすい)
優秀なオイルだと0W-20でも10%wt切ります。
DH-2は10W-30と10W-40がメインです。
硬いのでNoackは0W-20の半分程度(7%wt位)になる筈ですが、規格がガバガバ。

これが意味するところは超鉱物油でもSAPS対策さえしてあればOKということ。
オイル蒸発量多いので煤出まくり。
DH-2規格が緩すぎるのでオイルの性能は各社の良心に委ねられています。
商用車は走行距離も多いですし環境負荷が大きいですからオイルも重要の筈なんですけどね。
DPFで外に出ないから問題ないって?たぶん違いますよね。


トラックのオイル交換サイクルのイメージが湧かなかったのですが、UDトラックスのクオンのマニュアルにこんなのが載ってました。
これは明確でいいですね。

VDS-4はボルボのオイルです。
UDトラックスはボルボ傘下でしたのでエンジンがボルボ製みたい。
今はいすゞ傘下になりました。


では、本題のオイルについて
まずは出光のアッシュフリーオイルについて。
無灰をアピールしていて、金属添加剤を使用せずDPFが詰まらないのが最大のアピールポイント。
硫酸灰分は驚異の0.1%wtです。DL-1ですら0.6%wtですからね。
その代わり塩基価が3.3と低く清浄性が悪い。

ここで気づいたのですが、このはオイルDH-2適合品ではありませんでした。
DH-2の性能を満たすような表記でしたが塩基価が足りない。
「実際にDH-2規格を取得している訳ではございませんのでご注意ください。」
との記載も…

このオイルは塩基価が低く清浄性も低いこともあって2.5万km交換指定となっています。
オイル代は掛かるけどDPF交換費用(100万)掛からないからトータルは安い。という理屈。
DPFは詰まらないけどエンジンが壊れないのかが気になります。
2.5万kmで交換し続けて壊れないのか?
DH-2の塩基価を下回っているのでエンジンが故障した際にメーカー保証が受けられるのか?

このオイルでもう一つ気になったのは、リンク先のNoackの部分。
10W-30だとしても5%wtってメチャクチャ良いです。

例によってSDSではベースオイルが鉱油としか判りませんでしたが、鉱油でこれだけNoackが小さいとなるとベースオイルがVHVI+ってことなんでしょうか?
10W-30程度の粘度ならVHVIを使って7%wt程度なのでさらに上。
mPAOは少し入っているようでしたが、それにしてもかなり良い…
無灰の分散剤(コハク酸イミドとか?)にVHVI+にmPAO添加なのかな?
Noackをここまで下げたい理由は清浄剤が少ないので自らオイルを汚さない配慮なのかもしれません。


同じDH-2規格品にシェルリムラR6というオイルがあります。


こちらはACEA E7/E6にも適合し、欧州トラックメーカーのアプルーバルにも適合するオイルです。
ベースオイルはシェルお得意のGTLです。
このオイルの塩基価は9.7もあります。
(旧品は10.6で海外品は12以上?どんどん悪くなるのやめて…)
塩基価が高くてDPF詰まらないならこちらの方が良さそうです。
ベースオイルがGTLなのでNoackも小さいでしょう。(数値無し)

エネオスのポンコツDH-2は10W-30でNoack 12.2%wtもあります。
オイルの蒸発量が多いからエンジン内は煤だらけでしょう。
規格に入ってるから何をやってもいいという企業姿勢がミエミエ。
出光やコスモの通常のDH-2品も12%位あるのでエネオスだけが悪い訳じゃないですが。
塩基価も7程度です。
硫酸灰分が1%に届かないように安い清浄剤を入れられるだけ入れたって感じ。
運送会社も元売り大手だから大丈夫、と思って導入しますよね…

アッシュフリーとシェルリムラR6は価格差が殆どありません。
どちらも20L缶で2.5万程度、エネオス安オイルは8000円。
アッシュフリーは2.5万km交換指定、シェルリムラR6はロングドレイン。
シェルリムラR6は交換距離指定はありませんが、5万km程度では塩基価は5程度残っているようなので倍以上は走れるようです。
アッシュフリーはDPF交換不要(100万)、シェルリムラR6はエンジン保護性能が高い。
そしてシェルにはこんなサービスもあります。
条件によっては10万kmいけるみたい。


Mobilにもハイエンドオイルは当然あって、
Mobil Delvac 1™ 5W-30 Advanced Syntheticは5W-30ながらDH-2、ACEA E9/E7に適合するオイルです。
塩基価も11あってシェルリムラR6と同じ系統。王道ハイエンド。
ベースオイルは当然GTLですが5W-30と低粘度なのでNoackが高め10%massなのが気になるところ。(数値は海外品)


国内元売り三社以外も調べましたがカタログ値で塩基価は出るけどNoackの表記があるところが少ない…

GPS 10W-30 DH-2、VDS4.5 塩基価不明、Noack9.4%
中国興業 Hyper Works DH-2 10W-30 塩基価7.22、Noack6.7%
中国興業 TD-30 10W-30 塩基価9.43、Noack4.8%


GPSオイルはセミシンセと書いてありますが、Noack10%未満です。
恐らくGr.II+IIIと想像しますが、それよりNoackが悪い大手三社のオイルは何を使っているのでしょうか?
中国興業の2種類は良いですね。
ハイパーワークスがVHVIっぽいですが、TD-30はVHVI+なんでしょうか?
TD-30はアッシュフリーに匹敵する低Noackで高塩基価。しかし200L単位…

本来DH-2とて中国興業のHyper Works程度のスペックが「竹」の筈なんですけどね。
DL-1にせよDH-2せよガソリン車より劣るスペックのオイルを流通させる意味が判らない…
規格がダメなのが根本なのでJASOがどこ寄りなのかは想像出来ますが。


出光とシェルは両極端過ぎてどちらが正しいかまでは判りませんが、エネオスなど大手の普及帯がダメと言うのは判りました。
エネオスもディーゼルグランドという自社の中ではハイエンド品はありますが、特筆するようなところは特に無し。

GXディーゼルグランドはバイイオマス由来のベースオイルを使用しているものが唯一特筆出来るところですが、0W-30で粘度指数が240もあります。
何か設計思想がズレているんですよね。

バイオマス由来のいわゆるバイオシンセティックオイルなので由緒正しき化学合成油なのですが、0W-30で粘度指数240?ポリマー入りですよね?
5000km走行後の実粘度指数は?ゴミになったポリマーはどこへ?
せん断安定性の高いポリマーを使っていると信じたいですが、普通に10W-30で作った方がリスクも低いと思います。
あと、このオイル20Lで5万円近いです。あまり売る気は無いみたい。


コスモ石油も特に印象ありません。
バイオマス由来のオイルはこちらも発売していて、5W-30と10W-30なのでエネオスよりは耐久性はありそうです。
が、これ売ってますか?アピール商材?


「安オイルでいい」と言うお客様のために安オイルを用意するのは仕方ないですが、松竹梅準備してあげないのは企業の対応としては不十分では?
バイオマス由来のオイルで環境負荷低減をアピールすることも大事ですが、実際に使用されるエンジンオイルの性能を担保することの方が環境負荷は小さくなる筈です。



まとめ
DH-2オイルの導入はシェルと出光に相談しましょう。
両社にメリットデメリットを確認してみるのが一番ですね。
シェルは管理体制も整っているようですし一考の価値ありかと。
個人の方はシェルリムラにしましょう。
DH-2とACEA規格は似ているのでいっそACEA規格品にした方が安心かもしれません。

良いオイルは燃費、DPF管理コスト、ドライバー疲労軽減など乗用車とは比較にならない効果があると思います。
燃費が1%変わったら高いオイル代は回収出来ますしね。
Posted at 2024/04/25 08:30:16 | コメント(7) | トラックバック(0) | オイル | 日記
2024年04月23日 イイね!

塩基価

塩基価エンジンオイルの評価値に塩基価という数値があります。
エンジンオイルのアルカリ性の度合いを示すものです。
塩基価が高い≒清浄性も高いので、良いオイルの判断基準のひとつになります。

いつも通り長文です。
私自身の教育資料なのでご了承を。
書くことで覚えるw




エンジンオイルが劣化して酸化してくると塩基価が下がってきます。(酸化する)
Caなどの清浄剤を添加して塩基価を予め上げておくのですが、灰分も増えるのでDPFやGPF搭載車両だと塩基価が高すぎるオイルも使えません。
SP品だとLSPIとの兼ね合いもあります。(CaでLSPI増える)
API品に比べてACEA品は塩基価が高いです。エンジン保護性能重視。


ACEA品がAPI品に比べて塩基価が高めなのはACEAで規定されているからです。
ACEA A3/B4 10 mgKOH/g以上
ACEA C3/C4/C5 6.0 mgKOH/g以上

ACEA A3/B4規格品は12.5くらいあるものがあります。
規制が緩いのでCaたっぷりって感じですね。

Mobil1 0W-40 (12.5)
Valvoline Synpower 0W-40 (12.4)
SK ZIC TOP 0W-40 (12.3)
(この3つはPAO,GTLベースの純然たる化学合成油なのでおススメ)



Low SAPS(硫酸灰分0.6%mass以下)のDL-1規格品だと塩基価は概ね5未満になります。
4を切ってるものもチラホラ。
幻のMobil1 ESP Formula(DL-1適合品)は6.6あったようですが、詳細資料見つからず…
ESP Formula が直ぐ廃盤になったのは塩基価低すぎてボツにしたのかも?
DL-1優先にしたせいで他の規格の清浄性が犠牲になった。
なのでマイチェン版のESPはDL-1非対応になった。
中身が全然違うとすると納得出来ます。

キューミック DL-1 5W-30 (3.9)
ワコーズ マルチロードDL-1 (4.2)
トヨタキヤッスル ディーゼルオイル DL-1 0W-30 (5.4) ←廃番
Mobil1 ESP Formula 5W-30(6.6?)←廃番


各社DPF保護のために清浄性能を削っています。
DL-1規格はホントに良いところ無いですね。
Noack≦15%wt、硫酸灰分≦0.6%mass
Noackも5W-30なら15%も出ません。硫酸灰分だけ規制が厳しい。
Noack緩いからベースオイルは鉱物油でOK。
蒸発した鉱物油は煤となりスラッジとなりDPFやEGRが詰まる。
塩基価の下限値もありませんので清浄性は各社の良心に委ねられます。


DL-1規格はエンジン保護性能に関する規格が無いに等しい。
純正DL-1はまだしも社外DL-1オイル入れられたら最悪壊れる。
国産最新ディーゼル車がACEAに移行した理由は至極当然。
DL-2という規格もありますが、今のところメーカー指定オイルにはなってないです。
(硫酸灰分がACEA規格同様0.7~0.8%massになった)
DH-2も調べましたが長くなったので別で書きます。

DL-1と同じくLow-SAPSでACEA C4という規格があります。
塩基価が6以上でその他要件がACEA C3と同等という規格。
こちらはエンジン保護性能も担保しつつDPF保護性能の高いのでDL-1ユーザーにとってはちょうどいいオイル規格なのですが、如何せん販売されているオイルが少なすぎるのが難点。

ACEA C1というHTHS粘度が2.9~3.5でかつLow-SAPSの規格があったのですが、残念ながら廃止になっています。
DL-1のHTHS粘度が2.9以上なのでACEAのDL-1相当はC1でした。
プジョー PSA B71 2312はLow-SAPSでC1同等なのでどうしてもC1相当が欲しい方は PSA B71 2312適合品を狙うのもありですね。(ただし高い)



話を戻します。
ACEA C2/C3品も全体的に塩基価高めですが、10は超えないように配慮されてる模様。
塩基価が上がるとSAPSも上がるのでMid SAPS(0.8%mass以下)のオイルはそこの兼ね合いが必要みたいですね。
塩基価が各社結構バラバラ

Mobil1 5W-30 SP/C2 (9.2)
Mobil1 ESP 5W-30 SN/C3 (8.4)
Mobil Super3000 XE 5W-30 SN/C3 (8.0)
Mobil Super2000 5W-30 SP (7.5)これは非ACEA品
ユニルオパール OPALJET LONGLIFE 3 5W30(7.2)
レプソル LEADER C3 5W-40 (7.2)
MOTUL SPECIFIC 504 00 507 00 5W-30(6.8)
シェル Helix Ultra ECT C2/C3 0W-30(9.0)※実測値


SP品も載せます。
TEITO ULTIMATE 0W-20 SP (6.5)
出光 アポロステーション 0W-20 SP (7.4)
中国興産 SEAHORSE 0W-20 SP (7.5)
POLO EXTREME ULTRA 0W-20 SP (7.7)
ワコーズ プロステージS 0W-20 SP (9.85)
トヨタ モーターオイル 0W-20 SP (9.97)※実測値


トヨタ純正やワコーズは明らかに塩基価が高いです。
シェルモービルも同様。

最初にも書きましたが塩基価が高いオイル=良いオイルとは言いませんが、少なくとも安物添加剤が入っていない時点で配慮されたオイルです。
見えにくいところで手抜きしていない。



【ここから感想文】
もしかしてベースオイルの灰分の影響で塩基価を上げられないってことあるのでしょうか?
塩基価は高い程良いけど、C2/C3は灰分が0.8%mass以下の制限があるのでベースオイルで灰分が占められていると清浄材を増やせない?
DL-1とC2/C3の硫酸灰分の差は0.2%massですが、この0.2%の差で塩基価が3程度下がっています。
仮にベースオイルに灰分を0.1%程度取られていたら添加剤を増やす余地が減りますよね。

Gr.II以上の鉱物油は硫黄分0.03%以下となっていますが、GTLなど合成油はここがほぼゼロです。
この0.03%が灰分になると何%になるのか計算出来ないのではっきり言えないのですが、GTLをベースオイルに使っているオイルは塩基価が全般高いです。
ベースオイルの灰分の影響が小さいから塩基価が上げられる?
Sって手の数何本でしたっけ?硫酸イオンで6本?
ってことは硫黄分子の3倍に増えるから0.03%の硫黄分も0.09%の硫酸灰分に増える?
(鉱油に含まれる硫黄は分子とは限らないから都合の良い解釈w)

GTLを使ってるオイルが単に良い添加剤を使っているだけって可能性もありそうですが…
どなたか詳しい計算方法教えてください。


ディーゼルに関しては自信ないので言及しませんが、(たぶん同じだけど)
API SPやACEAC2/C3規格品をガソリン車で使用するなら塩基価は高い方が良いでしょう。
松 9以上
竹 8以上
梅 7以上
不買 7以下
って感じ?

塩基価が全てではありませんが、基準を作るならこんな感じ。
灰分と塩基価がベースオイルに依存するとなると益々GTL信仰が強くなります。

ACEA C2/C3品で鉱物油ベースで塩基価9を超えるようなオイルがあれば上の仮説は崩壊しますが、出光のアッシュフリーのような極端にLow-SAPSのベースオイルなら鉱物油ベースでも塩基価を上げられる可能性はあります。
アッシュフリーはNoackも低いので恐らくVHVI+相当だと思うのでGr.II以下の鉱物油は使ってないと思いますが。

5000kmで交換するから塩基価なんて大して無くてもいい。
という考えもありそうですが、清浄分散剤はパッケージ添加剤に含まれているものなので塩基価が低い≒その他の添加剤も安物と考えるのが自然です。
もしくは本来12%添加するところ8%位まで減らしているとか。

高いものはコハク酸イミドのような灰分が増えない添加剤で塩基価を増やしてますよね。


余談ですが、
AMSOILのシグネチャーシリーズはSN Plus品ですが、塩基価が12.5もあります。

これは La Taberna del Motor と言うYoutubeチャンネルから引用しています。
塩基価(TBN)がカタログ値からだいぶ剥離(12.5→9.4)していますが、これは評価法の違いですね。
カタログ値が過塩素酸法(ASTM D2896)でこの動画は塩酸法(ASTM D4379)らしい。
塩酸法の方が塩基価が低く出るようです。

とは言え中身は凄い配合です。
Ca 1276ppm はLSPI対応のオイルとしては普通ですが、Mgが1015ppmも入っています。(普通400ppm位)
あとはMoとBの添加ですね。
Caを抑えてMoとBを添加するのはトヨタのフォーミュレーションだと思いますが、AMSOILはそこにMgを更に2.5倍添加。
Caの代わりにMgで補うのは理屈では合ってますがコストはどこいった?
添加剤「全マシ」状態w

ちょっとスペック坊っぽい感じもしますがそういうオイルがあってもいいでしょう。
見えないところでケチるメーカーより余程いい。
Signature以外のOE MotorOilとかは中身普通でした。
AMSOILとて値段なりかな?

日本の代理店も決まりましたしAMSOILも試してみたいです。
Signatureシリーズメチャクチャ高いので5qt買うと2万ですが。
20qt輸入するかな…


今回塩基価を調べているうちにZnDTPやMoDTCに遭遇する機会がありましたが、あらためて見てもどちらも別に良い添加剤では無いですね。
Znに関しては必須。逆に言えば入っていて当たり前。

特にMoDTCは入ってなくてもいい。
ZnDTPも入れ過ぎはスラッジの元だしMoDTCも同様。
MoDTCはDLCコートと異常摩耗する報告もあります。

シェルやモービルがモリブデンを殆ど入れない理由はちゃんとあります。
Znは必須添加剤なので入れない訳にはいかないですが、どちらも「個体潤滑剤」です、粉。

オイルが劣化してきて本来の性能が機能しなくなった粉がオイル中を浮遊します。
それは何を意味しますか?
「何か凄そう」とか騙されませんよう。
どちらも一定量以上はただの抵抗にしかなりませんし、オイル内にゴミが増えるだけです。



【追記】
DL-1と同等のLow-SAPS規格のACEA C4を調べていたらユニオパールにこんな記載がありました。

「硫黄分がエンジン内部で硫酸化し酸化劣化の原因になると言われていますが、ACEA C4オイルは硫黄分が少ないためC2/C3と比較して酸化速度が1/6になるそうです。」

0.8%が0.6%になるだけで酸化速度が1/6?ホントに?
酸価が低いのかちゃんと調べて無かったですが、この話が正しいならLow-SAPSオイルは酸価もかなり低いはずなので塩基価がさほど高く無くてもいいってことですよね。
酸価についても後で調べてみます。
奥が深いなぁ…



関連ブログ
DH-2とアッシュフリーオイル
Posted at 2024/04/23 12:23:54 | コメント(1) | オイル | 日記
2024年04月16日 イイね!

Shell Helix Ultra VS Pennzoil Ultra Platinum

Shell Helix Ultra VS Pennzoil Ultra Platinum
最近ペンズオイル関連ブログがエラい伸びます。
誰かリンクでも貼ったかな?
闇を語ってた本人がダークサイドでしたからね…



さて、本題
今日もペンズオイルですが、ペンズオイル関連はこれで最後になると思います。

シェルヒリックスウルトラとペンズオイルウルトラプラチナを比較してみました。
気になっている方も居るでしょう?


比較したのは
・Shell Helix Ultra 0W-20 SP(タイ製)
・Pennzoil Ultra Platinum 0W-20 SP(アメリカ製)
の2ブランドのハイエンドオイルのふたつ。

どちらも天然ガスから合成されたGTL(Gas to Liquid)をベースオイルに使用しています。
鉱物油ベースの名ばかりの合成油では無く、由緒正しき化学合成油です。

日本では残念ながらどちらも0W-20のラインナップがありません。
ペンズオイルはウルトラプラチナ自体が販売無し。
日本で販売しているのはプラチナとプラチナユーロ。


で、肝心の比較ですが、
「ペンズオイルの方がいい、でもたぶん中身同じ」
です。


ソースはこれ。各オイルのPDS比較です。
・シェルヒリックスウルトラSN(左上)
・シェルヒリックスウルトラSP(左下)
・ペンズオイルウルトラプラチナSN(右)
・ペンズオイルウルトラプラチナSP(本国サイトにもPDSなし)


私が使ったのはどちらもSP品です。
なのでPDSの比較が出来ませんが、SN品は全く同じ特性なのでSP品も同じでしょう。
同じグループのハイエンド品で両ブランドを併売している国はほぼ無いことを考えれば至極当然の話。
(ペンズオイルはシェルの傘下)

日本でウルトラプラチナを売らないのは差別化なんでしょうね。
それならシェルヒリックスウルトラSPの0W-20売ってください…
0W-30はあるけどLSPI非対応で使えません。

ペンズオイルの方が体感で良かった気がしたのは、恐らくフィルター交換の有無と前油との差です。
いや、気がするじゃなくて明らかにいいんだよなぁ…


交換履歴
GRエンデュランス→シェルヒリックスウルトラ→ペンズオイルウルトラプラチナ

の順で交換して、シェルヒリックスウルトラはフィルター交換無しです。
GRカローラはフィルター交換有だと4.3L必要なので4Lボトルのシェルヒリックスウルトラではフィルター交換出来ず。

対してペンズオイルウルトラプラチナは5qtボトルで4.73Lでしたのでフィルター交換ありです。
前油が中身同じオイル+フィルタ交換しているのでそりゃ体感もいいでしょうね。
やはり組成が異なるオイルを入れる際はフィルター交換必須!
これはいいな、と思ったオイルは2回連続で入れましょう。

そういう意味ではGRオイルも2回使わないとフェアじゃないか。
あのオイルあと2回も使いたくないけど…


話を戻すと、
タイ(香港)製が5700円なのに対してアメリカ製のペンズオイルウルトラプラチナは個人輸入で1.4万ほど掛かりましたのでコスパを考えたらシェルヒリックスウルトラ圧勝でした。


まとめ
・日本のシェルヒリックスウルトラを買いましょうw


日本製のシェルヒリックスウルトラで対応する粘度があるなら日本製をどうぞ。
ペンズオイルプラチナユーロ5W-40とシェルヒリックスウルトラ5W-40で迷う方も居ると思いますが、その場合もシェルヒリックスウルトラですかね。

ただし、日本のシェルヒリックスウルトラが海外版と中身が異なるのもまた事実です。
Shell Helix Ultra ECT C2/C3 0W-30のPDS見ても日本と海外版でちょっと違います。
価格差が殆ど無いので本国レシピのタイ製、香港製を取るか信頼の日本製を選ぶかはアナタ次第。


モービル信者の私がシェル万歳ブログばかり書いてますね。
シェルルブリカンツジャパンさん、そろそろ何かくださいw

この1年間はシェル系のオイルのレビューが多かったので、今年はモービル系を責めます。
今後の予定

・トヨタ純正 0W-20 SN Plus(日本製、モービル)
・Mobi1 0W-20 SP(シンガポール製)
・Mobi1 0W-20 SP(アメリカ製)
・Mobi1 0W-30 SP(日本製)

ここにLOVCAの0W-25も追加したいけど、エクスターFもあるので既に80L近くストックあります。
GRカローラが進まないのはオイル買い過ぎ説ありそう…


【追記】
国内でもシェル ヒリックス ウルトラECT C6 0W-20が発売になりました。
SP規格認証でACEA C6適合オイルです。
LSPIももちろん対応しています。

上の二つより入手性もいいですし安心の国内製です。
中身は例によってアメリカ製、タイ製と若干異なる可能性はありますが、基本は同じ。
このオイルはBMW LL-17FE+認証ですので書類上は最も高性能です。
ベースオイルはもちろんGTLです。

スープラ純正C5もこれと中身はほぼ同じです。(あちらはスペイン製ECT C6)
シェルとペンズオイルで迷うなら個人的にはこれ一択です。
Posted at 2024/04/16 09:55:30 | コメント(3) | トラックバック(0) | オイル | 日記
2024年04月11日 イイね!

日本語で選ぶエンジンオイル

日本語で選ぶエンジンオイル今までオイル関連のブログを色々書いてきましたが、
「じゃあ、どういうエンジンオイルがいいのさ?」
という当然の疑問はあると思います。

今回は日本語で選ぶエンジンオイルについて記載します。
必要な知識は「日本語」です。化学の知識は無くても行けます。






例としてGRオイルのサイトを引用します。
毎度悪い例で使ってしまって申し訳ないと思いますが、オイルがダメだと記述もやはりダメ。
日本語がおかしいサイトはオイルの中身もおかしい好(悪)例です。


まずは白缶、サーキット、ツーリングの説明

これは特に問題なさそうですよね?


次はエンデュランスの説明

ベースオイルのところに注目
「高粘度指数の炭化水素系合成ベース」
とは何ですか?

高粘度指数…これはいいです。
炭化水素系合成ベース…これは日本語が変です。

炭化水素は油のことです。
潤滑油やガソリン、軽油、灯油、重油なんでも炭化水素。

「炭化水素系」 これ変じゃないですか?
鉱物油を石油系炭化水素とは言いますが、炭化水素系石油とは言いません。
石油は炭化水素しか無いですからね。
何系の炭化水素なのか?と説明しなければいけないのにその逆とは如何に?

トヨタじゃないですが「化学合成系炭化水素」も同様に意味が判らない。
化学合成に「系」は要りません。化学合成炭化水素 or 合成炭化水素です。
〇〇系とは系統、分類を意味するので炭化水素ならば大まかな物質名が入ります。
パラフィン系、ナフテン系、エステル系炭化水素など。


次は「合成ベース」
合成ベースって何でしょうか?
合成のベースオイル?ベースオイルの合成?
ベースオイルが合成油(化学合成油)だと言うのなら
ベースオイル:化学合成油
と書けばいいのです。

ベースオイルを略してベースと言うことは海外でもあると思いますが、それなら炭化水素系合成ベースなんて長ったらしい日本語がおかしい。
炭化水素系合成潤油と言ってしまうと鉱物油から精製するVHVI+は該当しなくなってしまうので苦し紛れに合成ベースで止めてる訳ですね。

特殊エステルベースも同様に意味不明。
「特殊エステルベースオイルを使用」と書けばいいのに、炭化水素系合成ベースとおかしな造語を作ってしまった手前、エステルもベースオイルと言えなくなっています。
エステルは純然たる化学合成油なので、炭化水素系合成ベースオイルないし、炭化水素系合成潤滑油と言えるのにね…

ベースオイルに鉱物油の精製油(VHVI+)を使っているからこのような後ろめたい表記なのでしょうが、GRオイルで使用している鉱物油は非常に良いものです。
本当の意味でPAOに近いVHVI+だと思います。(エンデュランス以外は不明)
だから高度に精製された鉱物油を使用とか、粘度指数を掲げて他社よりこれだけいいんです!とかアピールすればいいのです。


こういう表現をするってことはエネオス(トヨタ)のエンジニアはVHVI+は化学合成油に敵わないと自ら言っているのと同じことです。
素晴らしい鉱物油を開発したのなら堂々と鉱物油ベースであることを言うべきです。
GRオイルがダメなのはベースオイルでは無くて添加剤(エステル)の方です。

今回はGRオイルを例として挙げましたが、こう言った表記で消費者を煙に巻くようなオイルのサイトが非常に多いです。
なのでエンジンオイルを選ぶ際には日本語に違和感が無いものを選びましょう。


また、専門用語を使うこと自体は悪くないですが、その場合はgoogle検索で出てくる一般用語を使用しているか?意味の分からない造語を使ってないか?なども判断基準になります。
一般用語の略称もどれも大したものではありません。
ZnDTP、ZDDP、MoDTC、MoDTP、HIVI、VHVIなど入ってて当たりまえの添加剤、ベースオイルです。
これらが書いてあるから「何か凄そう」とか思わないでくださいね。
HIVI(HVI)なんてGr.IIの鉱物油です。むしろダメ。


余談ですが、「ペンシルバニア産」を良い意味で使っていたらアウト。
ペンシルバニア産が良かったのは純然たる鉱物油しか採掘出来なかった時代の話。
50年以上前の話ですね。


揚げ足取りと思う方も居るかもしれませんが、こういった感じでちょっとずつトラップを仕掛けて純度の高い「カモ」に仕上げて釣っているのかもしれませんよ?


NGワード
・炭化水素系○○
・化学合成系○○
・ペンシルバニア産
・独自の造語が多い
他にもあったら教えてください。

炭化水素系○○に入る言葉はあるにはあります。
例えば炭化水素系合成潤滑油、それに対してフッ素系合成潤滑油。
フッ素系合成潤滑油はC-F結合なので炭化水素のC-H結合は含まれません。
なので言葉としては成立しますが、〇〇には入るのは結局「潤滑油(材)」しか無いと思います。

だからエンジンオイル界隈で炭化水素系○○と言う必要が無い。
ちなみにフッ素系潤滑油は超高額(100g1万)なのでエンジンオイルの土俵にあがることはありません。


このブログが皆様にとって違和感のあるブログになっていないことを祈ります(笑)


続編はこちら
Posted at 2024/04/11 21:12:56 | コメント(2) | トラックバック(0) | オイル | 日記

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