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nino8446のブログ一覧

2025年09月24日 イイね!

Idemitsu Rotary Racing

Idemitsu Rotary Racing
出光からロータリーレーシングというオイルが発売になりました。
リニューアルなのかな?
また海外のみです。
プランテックレーシングもそうでしたが、国内でも販売して!
(ECサイトは英語だけど国内発送だそう。だけどねぇ)


粘度は10W-30と20W-50です。





これは10W-30のSDSです。20W-50もだいたい同じ。


主成分はポリアルファオレフィン(PAO)です。
これが70%で残り15%が鉱物油、あとは添加剤溶剤の鉱物油が15%ですね。


ロータリー専用オイルでPAOがベースオイルです。つまり化学合成油。
「ロータリーには鉱物油が最適」と言ってたオイル屋さんを全否定する内容です。
マツダ純正オイルを製造している出光がロータリー専用オイルを化学合成油で発売している件についてコメントを頂きたい…


10W-30や20W-50という粘度もポリマー無しで作っているような粘度です。
ノンポリマーか不明ですが、ほぼノンポリマーでしょう。
ポリマーが入っていれば0W-30ないし10W-50ですから。


中身の成分はLa Taberna del Motorチャンネルで分析していました。


参考にMobil1 0W-40 FS(PAOベースのSN品)を載せています。
ロータリーレーシングは思ったほど低灰分じゃないですね。
SN規格相当と思えばリン(P)も亜鉛(Zn)もカルシウム(Ca)も普通。
最新のSP規格品よりはまだまだ灰分も多いです。

モリブデンが791ppmでリンもそれなりなのでMoDTP配合なのかな?
ロングドレインでは無さそうですが滑らかオイルのイメージは出来そう。
これは日本のレシプロ用オイルでもよく見る配合ではあります。


それにしてもMobil1 FSの配合が凄い。
塩基価13.4でCaが3600ppmって何よ。
今のSP規格のMobil1の約3倍のCa量…



結局大昔の鉱物油と比較して低灰分、低スラッジという話なんでしょうね。
だから今のGr.II鉱物油でもまだマシ、ノンポリマーで低スラッジという説も当時のポリマー入り鉱物油と比較しての話。
ノンポリマー鉱物油はただ硬いだけの昭和基準の高性能オイル。
(どこのオイルとは言ってません)


Idemitsu Rotary Racingは最新の基準でずっと高性能で遥かに低スラッジなのでロータリー専用オイルが欲しい方はIdemitsu Rotary Racingを入れましょう。
価格は結構高いですけど。


アメリカで1qt(946mL)で$22位するのでAMSOILやロイヤルパープルは余裕で買えます。
それならそっちのハイエンドの方がいいかも…



PAOだとオイル漏れが気になる?
これもPAOが使えないオイル屋さんの都合のいい言葉です。

PAOは確かにシールを収縮させますが、鉱物油やエステルを添加することで相殺出来ます。
PAO以外に鉱物油が入っているのはそのためだと思います。
この辺はUkiponさんのブログに詳しく書いてあります。

PAOがダメなんて言う業者の話は聞か無くていいですよ。
高級すぎて自分たちが使えないのでネガキャンしているだけです。
使ったことが無いから正しい評価も出来ていないのかもしれません。


出光はアッシュフリー、プランテックレーシングなど意欲的な製品が増えてきました。
この調子で高性能オイルをどんどんリリースして欲しいですね。国内も!
PAOの原料のアルファオレフィンの製造元ですしPAO製品のラインナップが増えて欲しいところです。
Posted at 2025/09/24 14:27:02 | コメント(1) | トラックバック(0) | オイル | 日記
2025年09月21日 イイね!

スズキエクスター 75W-85 シンセティック

スズキエクスター  75W-85 シンセティック
スズキ純正オイルはシェル、エネオス、出光と三社購買でバランスがいいです。
その中でもシェル製オイルはベースオイルがGTLのものがあります。
シェル製の0W-16や0W-20、5W-30はベースオイルがGTLです。

5W-30は鉱物油が混入していたと騒動になりましたが…
知らない人が殆どだからただの報告か。






スズキが他社と異なるのはギアオイルも二社調達を行っています。
ギアオイルは出光とシェルの二社調達。(一部エネオスもある)

シェル製ギアオイルはやはりGTLベースのものがあります。
スズキ製ギアオイル主要品番をまとめました。
SAE粘度表記のあるT/Mオイルとデフオイルだけ抜粋しています。

・75Wシンセティック(シェル製GTL)  99000-22B27-036
・75W(出光製)
・75W-80(出光製)
・75W-85シンセティック(シェル製GTL)  99000-22B65-045
・75W-85(シェル製)
・75W-90(シェル製)
・80W-90(シェル製)

75W-85はシェル製で鉱物油とGTLベースがあります。
これは完全に見逃していました。
同じ粘度、同じ製造元でベースオイル違いだすのかよ…


もっとも、商品表記だとスズキの場合判りやすくなっています。
商品にSyntheticの表記があればGTL製です。
側面の主成分が:化学合成炭化水素と書いてありますし。
鉱物油ベースだとここが石油系炭化水素と書いてあります。


75W-85シンセティックのSDSはコチラ
鉱油割合が1-10%です。




主成分:化学合成炭化水素
鉱物油ベースのVHVIでは書けない表記ですね。
シェルはこの表記で他社と差別化したら良いと思います。





GRカローラはミッションオイルの純正粘度が75Wですが、今は75W-90を入れています。
夏場はまだ良いですが冬は硬すぎてギアが全然入りません。
スズキの75Wシンセティックは2回使いましたが最初はいいけど持ちが悪い。
中間の75W-85で多少良くなって欲しい。。


と言うことで入れてみましたが、
「前油の方が良い」
でしたw

75W-85で少し柔らかくなりましたがシフトフィール全然違う。
これから馴染む可能性ありますが前油を超える事は無さそう…
(この馴染むって感じも嫌なんですけどね。)



75W-90で堅いとは言え相手が悪かったかぁーw




と言う事でミッションオイルもMobil1継続します。
今回トランスファーオイルもMobil1に変えたのでデフ、ミッション、トランスファー全てMobil1 75W-90で確定です。
多少の粘度調整はアルキルナフタレンでやることにします。


来月の鈴鹿はスズキのこのオイルでお試し。
ダメならMobil1に戻してSUGO行きます!



【後日談】
やっぱりダメでした。
何故かスズキエクスター75Wシンセティックよりも良く無いです。
同じGTLの筈なのに…



オイル関連インデックス
Posted at 2025/09/21 17:09:05 | コメント(1) | トラックバック(0) | オイル | 日記
2025年09月18日 イイね!

ATFとDEXRON

ATFとDEXRON最近ボルボのATが滑ってきているのでATFを交換しようと思います。


ボルボV60のATはアイシン製8AT
アイシン型番 AWF8F45(AWF8G45かも?)
ボルボ型番 TG-81SC

純正のATF品番
31256774, 31256775, G055540A2



ボルボ純正は高いので互換品を買うことになりますが、手っ取り早いのがアイシン製のATFを購入すること。


アイシンはATF適合表があるので検索も簡単。
大半の輸入車用ATFがAISIN AFGで代替出来てしまいます。

アイシンAFGが凄いのかATF規格が全体ザルなのか…
たぶん後者。SDS見ても各社大して頑張ってない。
結構Gr.II鉱物油が多い印象。


ATFの大元のDexronがGr.II鉱物油以上を指定しているところが起源になっている気がします。


DexronはGMのATフルード規格です。
主要規格を抜粋するとこんな感じ

各世代のATFの一番の違いは粘度です。
低粘度化が進んでいます。100℃動粘度は以下の通り。

DexronII(E) 7.5cSt以下 Gr.II鉱物油以上
DexronIII(H) 7.5cSt以下 Gr.II+鉱物油以上
DexronVI  6.4cSt以下 Gr.III鉱物油以上
Dexron-HP 5.95cSt以下 Gr.III+鉱物油以上
Dexron-ULV 4.5cSt以下? Gr.III+鉱物油以上?

GMはDexronIII(H)以前の規格は廃止していてDexronVIで互換出来るとしています。
現在市場に流通しているIII(H)以下は互換品で認証品では無いので注意です。
Dexron認証品が欲しい人はDexronVI認証品が必要ということ。
ベースオイルも良くなっていて粘度低下が起きにくいから低粘度ATFでもOKという話ですね。


そこを逆手に取って
「DexronVIは柔らかいから旧車にはDexronIIが良い!」
といういつもの鉱物油商法はお約束ですねw

柔らかいATFを入れるとクリアランスの広がったATではシフトショックが大きくなるのでその通りですが、IIとIIIの粘度は同じです。
殆どのATFがIII(H)互換なのでより古いIIにこだわる必要は…

それでもDexronII(D)が結構流通していて、DexronII(E)の流通が少ない理由は低温流動性でしょう。
DexronII(E)は電子制御4ATへの対応ということですが、流動点が低下しています。

エンジンオイルで言えば10Wから5Wに下がった感じ。
DexronII(D)は鉱物油が使えるけどII(E)はちょっとしんどい。
II(E)満たせるならDexronIII(H)まで行けるベースオイルだからIII(H)で売る。
だから安く作れるDexronII(D)は残った。
今ならIII(H)もどちらも安いですけど。




話を戻して、
更に新しいDexron-HPは当初PAOベースで規格化されましたが、現在はGr.III+で落ち着いたようです。
Mobil1もPAOとGTLベース両方ありました。
GMはHPとVIは下位互換があるので置き換え化としていますが、Gr.III鉱物油(VHVI)も使えないとなるとコスト的にも追従されないですよね。


最新のDexron-ULVは超低粘度ATFです。
スペック詳細が判りませんでしたが、市販品を見る限り100℃動粘度上限は4.5cStのようです。

超低粘度化はGM以外も同様で、欧州系の多段ATも動粘度4.5cStがトレンドの様です。
PAOかGTLの領域なので変なオイルは今のところ無さそうですね。
この辺とか参考になります。
アリソンATも同じように低粘度化が進んでいるので商用車も関係ない。



問題はアイシンのAFGがどの程度の性能なのか?ですね。
Dexron-VIまでは対応していますが、HPとULV非適合です。
欧州系も一部非適合あり。アイシンの低粘度ATFのAW-2も非対応。
ULVのATFには非対応ということか。

私のボルボのミッションがAWF8G45だとするとAW-2相当なので適合しない可能性もありますね。
2016年あたりでAWF8G45に切り替わりのようなのでどちらのミッションが搭載されているのか…
私のV60は初期型D4の8ATだからAWF8F45だとは思います。


AW-1までは割とゆるいATF(DexronVI程度)、AW-2以降は超低粘度なのでPAOとかGTLベースしかない。
硬い分には大丈夫だとは思いますが、こんだけオイル関連のブログ書いておいて「心配だから硬いの入れまーす」は無責任ですよねw



無難にAFGにするか迷います。いやその前にミッション型式か。
AFGはなんせ価格がヤバい。

あれ?AW-1で良いなら廉価版のAFW+で良いのではないか?
AFW+はAW-1互換ATFでATGの1/3の価格です。



どちらも行けそうな都合良いこれ気になってるんだよなぁ~w

ちゃんとW-BASEでZP(ジンクピー)が入っている古き良きエネオス。
ポリマーが当然入っていますよね。


文献のグラフから40℃動粘度23cSt、100℃動粘度6.3cStとすると…

粘度指数250!!!
うーん、作動油だから大丈夫と言い聞かせて入れてみるか…


W-BASEは粘度指数145!がウリでしたが、Yubase+も145あるんですね。
そりゃ自社で作らなくなりますね。
SKに作ってもらった方が安いですから。
ZPもいつのまにか聞かなくなり、独自技術は何も入ってないX-Prime…


【追記】
choji-funksさんよりコメント頂き、こちらのサイトを教えていただきました。

やっぱエネオスダメですね。
何故か必要以上に低粘度化したがる。
しかも使うポリマーがPMA(ポリメタクリレート)という粘度指数は上がるけど寿命が全然ないポリマー。

粘度指数が200を超えるとだいたいこのポリマーです。
最初はいいけど直ぐ粘度低下が起きます。
X-Primeも同じです。GRオイルもポリマータイプは同じ。

エネオスはバ〇の一つ覚えみたいにPMAを使いますが何か縛りでもあるのでしょうか?
PMAのせいでポリマーは全て悪みたいな風潮になっていますが、せん断安定性の高いポリマーや合成油ベースの粘度指数向上剤もありますからね。

粘度指数が高い方が良いのはベースオイルの話で、PMAで粘度指数を上げても何の意味もありません。
欧米のオイルはロングドレインなので粘度指数は低いです。
エネオスも日本で販売しているオイルだけ粘度指数が高いです。

日本向けだけ粗悪で高価なオイルを売りつける商法。
これだから日本のオイルダメなんてレッテルを貼られてしまうんです。


続編
アイシンのATF
Posted at 2025/09/18 10:00:00 | コメント(5) | トラックバック(0) | オイル | 日記
2025年09月09日 イイね!

ACEA C4オイル

ACEA C4オイル今回はACEA C4規格を取り上げます。
これも珍しい規格ですね。












前回のACEA C2オイルブログでも使ったACEA表

基本的な性能はACEA C3に準拠します。
違う点はLow-SAPSと言うところですね。

メーカーアプルーバルのC4相当はルノーのRN0720です。
先日日産のディーゼルオイルでも書いたエクストレイルとかで採用しているM9Rエンジンです。
他にはMB226.51とかもC4相当。


ACEA C4は硫酸灰分が<0.5%wtです。
JASOのDL-1が0.6%wtなのでそれより規制が厳しい。
それでいてHTHS粘度も3.5以上なので日本で使う5W-30としては硬め。

硫酸灰分の規制が厳しいので塩基価も低いはずですが、ACEA C4は塩基価(TBN≧6.0)の規制もあります。
塩基価を高めると硫酸灰分が規格に入らない。
両立させるにはベースオイルの純度を上げる必要もあるし難しそう。
恐らく適合品はTBN6.0~7.0の間くらいでは無いでしょうか?

ACEAオイルの割には塩基価が低く清浄性が弱いのでC3適合エンジンが無理してC4オイルを使うメリットは殆どありません。
(C3品の塩基価は7~10位)

どちらかと言うとDL-1指定エンジンにピッタリです。
硫酸灰分はDL-1規制値以下で塩基価やNoackの規制もあるのでエンジン保護性能もDL-1より高い。


そういやかつてのMobil1のESP FormulaはACEA C2/C3適合でJASO DL-1まで適合するスペシャルオイルでしたが、硫酸灰分は0.6%wtでした。
ギリギリDL-1には適合出来たけどC4までは無理だったようです。
やはり塩基価が低すぎて(TBNが6.6だったという話)Mobil1の目指すロングドレインと両立が無理だったのでしょう。
結局ESP Formulaは直ぐにESPにモデルチェンジしてDL-1適合が外れて別物のオイルになりました。
使ってみて違いは判らなかったけど…



ACEA C4は万能なエンジンオイルですが、ラインナップが殆どない上に超高いです。

・トタル CLASSIC 9 C4 クラシック 5W-30
・エルフ SPORTI 9 C4 5W-30
・ユニオパール OPALPERF X-TRA 5W-40 ACEA C4
・ユニオパール OPALJET X-TREME 5W-30 ACEA C4
・リキモリ Top Tec 4400 5W-30

トタルとエルフは中身同じでしょうね。
ユニオパールとリキモリはPAOベースで煤も少ないのでDPF再生間隔は伸びると思います。
高性能なVHVIはPAOに匹敵する性能はありますが、こと煤問題となるとやはり合成油のPAOやGTLが圧倒的です。

不完全燃焼が当たり前のディーゼルと鉱物油(VHVI)の相性がやはり悪い。
この辺はまた別の機会に書きます。
C4オイルは高いし、せっかく買うならユニオパールかなぁ?
合成油ベースで低灰分なので酸化スピードは相当遅いはず。
塩基価は低いけど汚れにくいのでチャラ。


需要は少ないですが、規格改訂は行われていて最新はC4-23です。



オイル関連インデックス
Posted at 2025/09/09 08:50:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | オイル | 日記
2025年09月01日 イイね!

GTLの潤滑油

GTLの潤滑油みんな大好きGTL(違うか)


写真は新潟のGTL実証プラントです。
(エネオスのサイトより引用)
住所調べたらすぐ横まで釣りに行ったことあったw






GTL = Gas To Liquid
ガスから液体を作る。
天然ガス→合成ガス→FT(フィッシャートロプシュ)法にてGTL合成油、液化炭化水素、FTワックスを合成する。
石炭ガスから合成する場合は(CTL = Coal to Liqiud)と呼ばれます。


戦前ドイツより石炭から石油を作る方法を伝授されたというのはコレ。
FT法以外にも石炭を加圧して水素添加して液体燃料を抽出する石炭直接液化法なんてのもあったようです。
ホントに石油まで製造出来たのかは怪しいところ。
山本五十六が騙されたとか所説ありますが時代が時代なのでどこまでホントなのか怪しい。

「水(H2O)からガソリン」なんて詐欺臭い話に聞こえますが、ターゲットとなる炭化水素(HC)はCをどこからか取ってくれば成立します。

例えば灯油は(C12H26~C15H32)です。
炭素数C12からC15で形成される炭化水素。

CとHしか無いのでそこら辺にある物質から作れそうな気はします。
問題はどうやって分解して合成するか。
分解する際に使う触媒が高いとコストは高くなります。
安い触媒で効率的に製造出来れば夢の人口石油の出来上がり。
炭素数30位になると粘度が上がって潤滑油になります。



話を戻します。
GTLの製造工程では合成処理が行われることから不純物が少ない純度の高い燃料、潤滑剤が製造されます。
GTL合成油とて不純物は含まれるので水素化処理によるアップグレーティングが行われます。
(鉱物油→VHVI精製みたいな処理)
固体化したFTワックス分はイソパラフィンに異性化して高粘度指数潤滑油へ。


GTLは天然資源から製造するのでAPIベースオイルカテゴリーIII+に属していますが、同じグループIIIの鉱物油(VHVI)との決定的な違いは「合成」です。
VHVIは鉱物油から不純物を取り除く「精製」を繰り返すだけで物性の変化はさせていません。
(鉱物油も異性化しているもはあるのでこれは高性能)


ある程度物性のコントロール出来る合成に対して不純物を取り除くことを繰り返す精製。
当然精製作業では思うような物性にはなりません。
どうしても分子量は揃わないし不純物も残る。


通常、鉱物油(原油)は常圧蒸留して石油ガス、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油を作ります。
軽油まで作った残油はそのまま重油にするか減圧蒸留して水素化処理とか脱蝋処理して潤滑油とワックスにします。
最後まで残った残油はC重油とかアスファルトとか。



GTLも似たような工程を辿るのですが、合成なので作る分子量のコントロールはある程度出来るはずです。
分子量が小さいものはガスや燃料、分子量が大きいものは潤滑油やワックスなど。
ターゲットをどこに向けるかである程度製造させる合成油の範囲は変わるはず。

GTLの欠点は合成する過程で損失があることです。
天然ガスからGTL合成油を生成すると40%位損失が出るそうです。
あまりエコでは無いのですよね。

GTLの潤滑油をあまり見ないのは各社燃料を多く製造しているのか?
GTL燃料の方が作り易くて売り易い?

ざっくり言って天然ガス(LNG)のまま使った方が安いしラクw




GTL事業は石油メジャーの多くが参入しています。
その割に潤滑油を製品化しているメーカーが全然無い。
モービルとシェル以外はほぼ無いです。
モービルだって自社生産がどれだけあるか怪しいです。
シェルから購入している分の方が多いかもしれません。

外販の商品があるのはシェルだけっぽいですし。
(Qatar GTL QHVI、Ondina、Risella)

シェルと言えばXHVIの呼称がありますが、カタールGTLは「QHVI」と更に別の商品名です。
XHVIは現在はVHVI+鉱物油の商品に使っているようです。




シェルのエンジンオイルのラインナップを見る限りGTLの生産量は相当潤沢ですよね。
シェルブランドにとどまらずQS、ペンズオイルまでGTLで作っています。
シェルはカタールのPearl GTLでGTL合成油を生産をしています。(14万バレル/日)



もしかすると比較的分子量の大きいGTL合成油の量産に成功しているのはシェルだけなのかもしれません。
殆ど潤滑油とかワックスだけ作れるような技術が確立出来ていたら?

水素化処理で精製されたGTL潤滑油とFTワックスから異性化して出来たGTL潤滑油があるとしたら、異性化したGTL潤滑油の方が不純物が少なくてより高粘度指数化しそうですね。
GTLの低グレード品と高グレード品はこの辺に差があるのかも?
VHVIとVHVI+みたいに。



しかもカタールで天然ガス→潤滑油まで製造しているようなのでコスト的にも相当アドバンテージありますよね。

天然ガスをLNGで運んできて日本でGTL作ってたら勝ち目無いですね。
日本のGTL実証プラントが継続しなかった理由も納得です。

が、日本の海底には天然ガスが相当量埋まってるらしいのでGTL事業は細々と継続させておいた方が後々の結果につながると思います。

たぶん「GTL合成油出来たー」で終わってるだろうし。
分子量のコントロールまで検証してないだろうな。

GTLはともかくFT法で作る合成炭化水素の分子量コントロールは必要だと思います。
FT法はガスから合成油を生成する方法なのでバイオマスでも石炭ガスでも合成油が生成出来ます。

バイオマスを量産化するなら分子量コントロールは必須でしょう。
合成灯油(ケロシン)から潤滑油までC10~C30位の量産コントロールが出来たら?
結構強みになりそうですけどね。
Posted at 2025/09/01 21:45:10 | コメント(4) | トラックバック(0) | オイル | 日記

プロフィール

「ABSセンサがリア両輪壊れたから制御できないってことね。
左リアは1年前から壊れてるので右も壊れたと。」
何シテル?   11/16 19:38
GRカローラでサーキットを走ってます。 オイルの検証も色々してます。 焙煎小屋を建ててコーヒー豆の焙煎もしてます。
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