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2022年05月31日 イイね!

0W-20の作り方

次回検証はもう少しお待ちください。
只今実験機材を集めてます。試験管挟みが届きません。

最近は寝ても覚めてもエンジンオイル。
今日はエンジンオイルのブレンドの資料を拾ってきました。
これを見ればあなたも今日からオイルブレンダー?
SKルブリカンツのパートナー向け資料のようなのでもしかしたら削除するかもしれません。
このブログは私が書くことで覚える私向けの教育資料ですw

前回までのおさらい
鉱物油を水素化精製(分解)処理したもので粘度指数(VI)が120以上のものをAPIカテゴリーGrIII、VHVIと呼んでいます。
VIが130以上でVHVI+とかGrIII+とか、140以上でGrIII++とか俗称もあります。
VIが大きいほど温度変化に対する粘度の変動が少なく安定したオイルと言えます。
HVI=Hi Viscosity Index(≧100)
VHVI=Very High Viscosity Index(≧120)
XHVI=eXtremery High Viscosity Index(≧140)

XHVIはシェルの商標なので一般呼称ではありません。

PAOがVI=120以上からラインアップがあるのでVHVIはPAO以上だから合成油と表記しても問題ないよね?と言ったところが合成油という表記が紛らわしくなってしまった発端。
最近はVHVI級の性能だから合成油でいいよね?ってなHVIも出てきてメチャクチャ…
ちなみにヨーロッパは合成油表記は禁止。
Mobil1もEU向けはSyntheticの表記無し。似たような表記はあるけど。

先日のブログでもチラっと書きましたが、このVHVIは国内製油所は殆ど作ってまいせん。ソース
国内消費量の1割が国内精製品らしい。
なので輸入しているのですが、恐らくその多くをSKルブリカンツのYUBASEシリーズが担っています。(S-Oilも国内大手と提携してるから多いかも?)

VHVIの良いところは鉱物油がベースなので潤滑性能がそこそこ高く、それでいて粘度指数も高いので油膜の性能も結構いい。
PAOは耐久性がいいけど高い。エステルは潤滑性良いけど加水分解が早い。
間を取るとVHVIが一番無難?安いし。←世の中心はここ

で、私が注目してるのがGTL(Gas to liqiuds)と呼ばれる天然ガスから置換してオイルを作る製法。
シェルがXHVI、エクソンモービルは俗称無くてC18-50ホニャララとSDSに書いてるやつです。(どちらもCAS#同じ)
国内にはシェルの最終処理工場が四日市にある模様。エクソンモービルは不明。
新潟に国内メーカー6社で作ったGTL実証プラントがあるのですが、ここで作られるオイルは製品展開されてないんでしょうか?期待したいところです。(実証実験終了して稼働してない模様)
で、このGTLの性能ってどうなのよ?と思ってたのですが、YUBASEの資料に載ってました。

縦軸のNoack volatilityは250度で60分加熱して損失分を算出するテスト。
横軸のCCS visは-30度の粘度を表してます。
左下に行くほど揮発性が低く、低温時に低粘度となり柔らかいのに揮発しにくい良いオイルとなります。

で、この資料ではYUBASE+が他社のGrIIIに比較して優秀ですよ!とアピールしてるのですが、その左にはGTLとPAOが載ってます。
他社VHVIより高性能だけど、GTLやPAOよりは劣ると。
ただ、ここに記載のあるYUBASE+はVHVI+なのでYUBASE(VHVI)はどこ?という疑問は残ります。

無印YUBASEの疑問はあるもののはGTLやPAOより劣ると書いてしまっているところからすると、この二つとは競合してないということかもしれませんね。
PAOは高いから割合は増やせないし、GTLは外販してない。
そもそも価格的に競合してない。
だからメインストリームはYUBASEしかないでしょ!って感じかな?
実際シェルとモービルを除く日本の高性能オイル市場はその通りになってます。
エネオスや国内元売りも韓国製のVHVIを使ってます。


そして、YUBASEさん、ブレンドサンプル載せてます。
この表によるとこれらのブレンドはAPI SMはクリアしてるっぽいですね。

YUBASE4は柔らかいVHVI、YUBASE4+はその高性能版、YUBASE6はVHVIの硬い版。
100NはGrIIと書かれているので恐らく潤滑材としての添加剤かカサ増し用、VIIは粘度指数向上剤。
Additiveはパッケージ添加剤でしょうね。
SM規格用添加剤を8-12%程度添加すると思います。
PAO-4はPAOの中では柔らかめのPAO。

Cは-35度の粘度が一番低いので燃費性能重視。
B、D、EはHTHS粘度が2.6超えてるので諸々条件満たせばACEA C5適合出来る?
EはGrII添加の影響か揮発分が多いので無理か。
DがACEA C5かな?高そうですけど。
AはYUBASE4とVIIだけなので安く作れまっせ。って感じですかね。

で、恐らくAに近いレシピで作ったであろうオイルがこれ。
コメリの0W-20オイル、500円ちょい。


シンプルにVHVIを高配合して残りは適当に添加剤とVII。
コメリはこの粘度のペール缶はSKルブリカンツのZICオイル(中身YUBASE)なんですよね。
なので3Lと4L缶はコメリオリジナルだけど中身はZICそのままなのかも?
この予想が正しければ0W-20の割には硬い筈。
まさかYUBASE4+では無いと思いますし…
(CAS#はVHVIもVHVI+も同じなので判別不能)
余計なものが入ってませんが、自分で添加剤を追加して楽しむのもアリな感じです。
PAOは通販で4L 1.5万くらいで買えますし。
添加剤のSDSを見るとまた色々見えて来ますけど…

【追伸】
他も調べてみたらシェブロンのいい資料がありましたよ。

もうGTLとPAOでいいんじゃね?という結果ですね。PAOすら要らないような?

GrII+は粘度指数115以上のGrII鉱物油です。
国内で精製出来るので流通量は結構あると思いますがこのグラフで見る限りゴ〇ですね。
並のGr.IIIと比較しても明らかに劣ってますし。


いずれにせよVHVI、GTL、PAOの中から選べば良い、あとはコスト。
それ以外を選ぶ必要無しって感じですね。
SDSから十分確認出来るので検証する必要性を感じなくなってきた(笑)
Posted at 2022/05/31 21:58:37 | コメント(2) | トラックバック(0) | オイル | 日記

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「カツカレーの鯖缶。カツカレー=日本のカレー味なのでサバカレーですね。カツは入ってません。」
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GRカローラでサーキットを走ってます。 オイルの検証も色々してます。 焙煎小屋を建ててコーヒー豆の焙煎もしてます。
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