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2024年04月25日 イイね!

DH-2とアッシュフリーオイル

DH-2とアッシュフリーオイル塩基価についてのブログを先日書きましたが、塩基価を調べているうちに出光のアッシュフリーオイルに辿り着きました。
アッシュ(灰分)が入っていないのでDPFが詰まらない!という革新的なオイルなのですが、その分塩基価(清浄性)が低いです。

DH-2規格のオイルを調べてみると中々興味深い結果でしたので別で書くことにしました。
さすがにトラックは買えませんので検証はしませんよw

また今日も長文です。
需要はあまりないけど調べてしまったのでお付き合いください。





まずDH-2規格について少し書きますが、DH=Diesel Heavy-dutyの略です。
DL-1はDiesel Light-dutyのLです。
DLが乗用とか小型トラック、DHが中大型と考えていただければ宜しいかと。
ハイエースなどもLCVもDL-1が多いですね。
DH-1はDPF非搭載車用、DH-2はDPF搭載車用。
DH-2には燃費性能重視のDH-2FとDH-2(無印)があります。
DH-2Fは5W-30とか0W-30です。
今回はDH-2を取り上げます。




残念ながらDH-2規格もDL-1同様良い規格ではありません。
規格が緩いせいでゴミオイルが流通しています。

塩基価  5.5mgKOH/g以上(塩酸法)
硫酸灰分 1.0%mass以下(DL-1は0.6%)
Noack  18%wt以下(250度で60分加熱後の蒸発量)

塩基価は乗用車と評価方法が異なる(ASTM D4739 塩酸法)ので数値は小さく出ます。(3割くらい低く出る?)
以降このブログの塩基価は塩酸法表記です。
硫酸灰分はDPF詰まり対策で制限していますが、これはACEA規格と同等。
Noackはユルユルで18%wtとなっています。

乗用車の0W-20でもNoackは12%wt程度です。(柔らかい程蒸発しやすい)
優秀なオイルだと0W-20でも10%wt切ります。
DH-2は10W-30と10W-40がメインです。
硬いのでNoackは0W-20の半分程度(7%wt位)になる筈ですが、規格がガバガバ。

これが意味するところは超鉱物油でもSAPS対策さえしてあればOKということ。
オイル蒸発量多いので煤出まくり。
DH-2規格が緩すぎるのでオイルの性能は各社の良心に委ねられています。
商用車は走行距離も多いですし環境負荷が大きいですからオイルも重要の筈なんですけどね。
DPFで外に出ないから問題ないって?たぶん違いますよね。


トラックのオイル交換サイクルのイメージが湧かなかったのですが、UDトラックスのクオンのマニュアルにこんなのが載ってました。
これは明確でいいですね。

VDS-4はボルボのオイルです。
UDトラックスはボルボ傘下でしたのでエンジンがボルボ製みたい。
今はいすゞ傘下になりました。


では、本題のオイルについて
まずは出光のアッシュフリーオイルについて。
無灰をアピールしていて、金属添加剤を使用せずDPFが詰まらないのが最大のアピールポイント。
硫酸灰分は驚異の0.1%wtです。DL-1ですら0.6%wtですからね。
その代わり塩基価が3.3と低く清浄性が悪い。

ここで気づいたのですが、このはオイルDH-2適合品ではありませんでした。
DH-2の性能を満たすような表記でしたが塩基価が足りない。
「実際にDH-2規格を取得している訳ではございませんのでご注意ください。」
との記載も…

このオイルは塩基価が低く清浄性も低いこともあって2.5万km交換指定となっています。
オイル代は掛かるけどDPF交換費用(100万)掛からないからトータルは安い。という理屈。
DPFは詰まらないけどエンジンが壊れないのかが気になります。
2.5万kmで交換し続けて壊れないのか?
DH-2の塩基価を下回っているのでエンジンが故障した際にメーカー保証が受けられるのか?

このオイルでもう一つ気になったのは、リンク先のNoackの部分。
10W-30だとしても5%wtってメチャクチャ良いです。

例によってSDSではベースオイルが鉱油としか判りませんでしたが、鉱油でこれだけNoackが小さいとなるとベースオイルがVHVI+ってことなんでしょうか?
10W-30程度の粘度ならVHVIを使って7%wt程度なのでさらに上。
mPAOは少し入っているようでしたが、それにしてもかなり良い…
無灰の分散剤(コハク酸イミドとか?)にVHVI+にmPAO添加なのかな?
Noackをここまで下げたい理由は清浄剤が少ないので自らオイルを汚さない配慮なのかもしれません。


同じDH-2規格品にシェルリムラR6というオイルがあります。


こちらはACEA E7/E6にも適合し、欧州トラックメーカーのアプルーバルにも適合するオイルです。
ベースオイルはシェルお得意のGTLです。
このオイルの塩基価は9.7もあります。
(旧品は10.6で海外品は12以上?どんどん悪くなるのやめて…)
塩基価が高くてDPF詰まらないならこちらの方が良さそうです。
ベースオイルがGTLなのでNoackも小さいでしょう。(数値無し)

エネオスのポンコツDH-2は10W-30でNoack 12.2%wtもあります。
オイルの蒸発量が多いからエンジン内は煤だらけでしょう。
規格に入ってるから何をやってもいいという企業姿勢がミエミエ。
出光やコスモの通常のDH-2品も12%位あるのでエネオスだけが悪い訳じゃないですが。
塩基価も7程度です。
硫酸灰分が1%に届かないように安い清浄剤を入れられるだけ入れたって感じ。
運送会社も元売り大手だから大丈夫、と思って導入しますよね…

アッシュフリーとシェルリムラR6は価格差が殆どありません。
どちらも20L缶で2.5万程度、エネオス安オイルは8000円。
アッシュフリーは2.5万km交換指定、シェルリムラR6はロングドレイン。
シェルリムラR6は交換距離指定はありませんが、5万km程度では塩基価は5程度残っているようなので倍以上は走れるようです。
アッシュフリーはDPF交換不要(100万)、シェルリムラR6はエンジン保護性能が高い。
そしてシェルにはこんなサービスもあります。
条件によっては10万kmいけるみたい。


Mobilにもハイエンドオイルは当然あって、
Mobil Delvac 1™ 5W-30 Advanced Syntheticは5W-30ながらDH-2、ACEA E9/E7に適合するオイルです。
塩基価も11あってシェルリムラR6と同じ系統。王道ハイエンド。
ベースオイルは当然GTLですが5W-30と低粘度なのでNoackが高め10%massなのが気になるところ。(数値は海外品)


国内元売り三社以外も調べましたがカタログ値で塩基価は出るけどNoackの表記があるところが少ない…

GPS 10W-30 DH-2、VDS4.5 塩基価不明、Noack9.4%
中国興業 Hyper Works DH-2 10W-30 塩基価7.22、Noack6.7%
中国興業 TD-30 10W-30 塩基価9.43、Noack4.8%


GPSオイルはセミシンセと書いてありますが、Noack10%未満です。
恐らくGr.II+IIIと想像しますが、それよりNoackが悪い大手三社のオイルは何を使っているのでしょうか?
中国興業の2種類は良いですね。
ハイパーワークスがVHVIっぽいですが、TD-30はVHVI+なんでしょうか?
TD-30はアッシュフリーに匹敵する低Noackで高塩基価。しかし200L単位…

本来DH-2とて中国興業のHyper Works程度のスペックが「竹」の筈なんですけどね。
DL-1にせよDH-2せよガソリン車より劣るスペックのオイルを流通させる意味が判らない…
規格がダメなのが根本なのでJASOがどこ寄りなのかは想像出来ますが。


出光とシェルは両極端過ぎてどちらが正しいかまでは判りませんが、エネオスなど大手の普及帯がダメと言うのは判りました。
エネオスもディーゼルグランドという自社の中ではハイエンド品はありますが、特筆するようなところは特に無し。
GXディーゼルグランドはバイイオマス由来のベースオイルを使用しているものが唯一特筆出来るところですが、0W-30で粘度指数が240もあります。
何か設計思想がズレているんですよね。
バイオマスは良いけど0W-30で粘度指数240?ポリマー入りですよね?
5000km走行後の実粘度指数は?ゴミになったポリマーはどこへ?
普通に10W-30で作った方がリスクも低いと思うけど…

唯一マトモに見えたのはW-BASEを使用していた頃のディーゼルグランドDX 5W-30ですが、今の配合どうなってるんでしょうね?
X-PrimeもW-BASE表記が消えたのでW-BASEから変更になっていると想像します。
(SKルブリカンツのYubaseに変更になっていると想像)


コスモ石油も特に印象ありません。
バイオマス由来のオイルは発売していてこちらは5W-30と10W-30なのでエネオスよりは耐久性はありそうです。
が、これ売ってますか?アピール商材?

「安オイルでいい」と言うお客様のために安オイルを用意するのは仕方ないですが、松竹梅準備してあげないのは企業の対応としては不十分では?
バイオマス由来のオイルで環境負荷低減をアピールすることも大事ですが、実際に使用されるエンジンオイルの性能を担保することの方が環境負荷は小さくなる筈です。

企業理念が低いのですかね?
益々エネオス嫌いが加速するのでした。
エネオスばかりバッシングするのはリーディングカンパニーだからです。


まとめ
DH-2オイルの導入はシェルと出光に相談しましょう。
両社にメリットデメリットを確認してみるのが一番ですね。
シェルは管理体制も整っているようですし一考の価値ありかと。
個人の方はシェルリムラにしましょう。
DH-2とACEA規格は似ているのでいっそACEA規格品にした方が安心かもしれません。

良いオイルは燃費、DPF管理コスト、ドライバー疲労軽減など乗用車とは比較にならない効果があると思います。
燃費が1%変わったら高いオイル代は回収出来ますしね。
Posted at 2024/04/25 08:30:16 | コメント(7) | トラックバック(0) | オイル | 日記

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「カツカレーの鯖缶。カツカレー=日本のカレー味なのでサバカレーですね。カツは入ってません。」
何シテル?   06/16 00:03
GRカローラでサーキットを走ってます。 オイルの検証も色々してます。 焙煎小屋を建ててコーヒー豆の焙煎もしてます。
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