
本日もポリマーです。
エンジンオイルでポリマーと言ったら粘度指数向上剤のポリマーです。
ポリマーとは高分子化合物の総称です。
対義語はモノマー(小分子)です。
エンジンオイルの粘度指数向上剤には色々ありますが、ポリマーの場合、材料は樹脂です。
つまり固体。
粘度指数向上剤のポリマーは低温では縮んでいます。
黄色がオイルで黒のグルグルがポリマーだと思ってください。
40℃のこの状態だと分子の物理的な大きさはどちらも大差ない。
次は100℃の状態です。
ポリマーは線状に伸びてオイルが運動する際の「抵抗」になります。
抵抗=増粘ですので見かけ上のオイルの粘度が上がります。
実際にこんなに綺麗に線状に広がるか微妙ですがイメージです。
例えば、黄色のオイルだけで作ったノンポリマーオイルが0W-20相当とすると、ポリマーを入れたオイルは低温の粘度は同じでも高温域での粘度が上がるので0W-30相当のオイルになります。
温度による粘度変化の少ない高粘度指数オイルが出来ます。
(硬いオイルは黄色自体が大きいです)
ただ、上のポリマーのように直線状(直鎖)に伸びるポリマーは増粘効果は高いですが、せん断安定性が低いです。
見ての通り金属の隙間に入り込んだら直ぐ切れそうですよね?
このポリマーにも色々種類があります。
上のポリマーは直鎖状でせん断安定性は低いですが、立体や円形状のポリマーは増粘効果は低いですがせん断安定性は高いです。
増粘効果とせん断安定性は反比例すると思っていいです。
ロングドレインオイルは耐久性の低い直鎖状のポリマーは性能が維持できないので採用しないようです。
ポリマー以外で増粘したり分子量の小さいポリマーを採用したり。
そのため粘度指数は全般低めです。高くても180程度。
エネオスだって欧州やアメリカ向けオイルは粘度指数は高くないです。
X-PrimeもACEA適合品の5W-40だけは粘度指数低い(180)です。
ポリマーの説明はざっくりこんな感じ。
ここで気になるのがポリマー自体の潤滑性です。
テフロンのような樹脂は確かにスベスベですがエンジンオイルのヌメヌメと比べて滑ります?
固体潤滑って意味での機能はありますがオイル程の潤滑性ってあるのでしょうか?
大して入っていないから影響は無い?
高粘度指数オイルはベースオイルは柔らかいので吹け上がりは軽いですが、イマイチ滑らかさを感じないです。
オイル自体が作れる油膜が薄い&固体が入りこむことからなのでは?とずっと思っていまして。
シリンダーとピストンリングの間にこの固体が挟まってるイメージ。
挟まっては切れ、挟まっては切れみたいな。
オイル自体の持つ油膜も薄いのでどうしても滑らかさが出ない。
ピストンクリアランスがミクロンオーダーでオイル分子量がナノオーダーなので大きさが違うだろ、というツッコミは判りますがオイルと金属が接するレベルまで拡大すれば最終的には分子同士の話です。
ポリマーはオイルに溶けているとは言え分子量はデカいです。
金属 VS 固体樹脂の対決にならないのか?
オイルに溶ける位なので私が思ってる以上に液体なのかもしれませんが、猫だって液体になる時代ですからね。
解釈によってはポリマーも液体になるのかもしれません。
加えてこれは誰も言ってませんが、樹脂は絶縁体ですが帯電はしますよね?
オイル自体も絶縁体ですけど帯電したポリマーはエンジン内でどういった振る舞いをするのでしょうか?
帯電しないと聞きますが周りが絶縁体だらけで放電出来ないだけで帯電してるのでは?
帯電していれば余計に抵抗になりそうですけどどうなんでしょう?
導電性の樹脂を用いれば解決しそうですがこれをやると油圧センサや油温センサーがオイル漏れした時にショートします。
流石にそんな樹脂は使わないと思いますが…
この辺りの知見お持ちの方是非コメントください。
この個人の感想文を知的で学術的なブログに昇華させてくださいw
粘度指数向上剤
Posted at 2025/05/28 12:03:38 | |
トラックバック(0) |
オイル | 日記