
トヨタC5 for Dieselをリピートするか迷ったのですが…
国内最安値であろう化学合成油を購入しました。
シェルヒリックスHX5 Plus 0W-20です。
お値段なんと11,992円です。
5W-30だともう少し安い。
SDSを見るとベースオイルが何となく判ります。
シェルのSDSフォーマットが昨年あたりから本国と同じフォーマットになりました。
ペンズオイルは旧フォーマットのままですね。一番下に掲載しました。

「以下の CAS 番号 を 1 つ以上含みます」と書いてあってCAS#の羅列があります。
64742-53-6, 64742-54-7, 64742-55-8, 64742-56-9, 64742-65-0, 68037-01-4,72623-86-0, 7262 3-87-1, 8042-47-5, 848301-69-9, 68649-12-7, 151006-60-9, 163149-28-8, 64741-88-4, 64741-89-5
鉱物油、VHVI、PAO、GTL全部書いてあって何だかわかりません。
0-90%の意味は各々0%〜90%入っている可能性があると。
0%のCAS#は除いて欲しいですね。
JIS準拠のSDSは第15項で鉱油が通知対象物になっています。
これを手掛かりにベースオイルが何か探ります。

鉱油の含有量が載っています。
この鉱油はGr.Iの鉱物油だろうがGr.IIIのVHVI+だろうが全て鉱油扱いなのでここの総量が少ない程鉱油以外がベースオイルと言うことが判ります。
ベースオイル以外の添加剤で鉱油が含まれていた場合でも含有量は総量に対しての含有量なので確実に鉱油の量が判ります。
第3項でベースオイルは90%とあるので添加剤は約10%
添加剤はだいたい鉱油で溶かしているのでこの10%はほぼ鉱油。
第15項で鉱油の含有量は30%となっているので、添加剤の鉱油が10%で残り20%がベースオイルに含まれる鉱油と推定出来ます。(最大)
鉱油以外が70%と言うことは判ったのでそれが何か?
シェルのSDSはCAS#の記載がありましたので、この中で鉱油に該当しないものは
68037-01-4(PAO)
848301-69-9(GTL)
68649-12-7(PAO)
151006-60-9(PAO)
163149-28-8(PAO)
これだけある…
まあ、価格帯的にPAOと言うことは無いのでGTLですよね。
GTLの中でも梅クラスかと。
CAS#一覧は
コチラ。
使用しているGTLは梅クラスだとしても合成油ですからここは良いとして、ベースオイルの残りの鉱油の20%が何なのか。
中には嫌なCAS#も書いてありまして…
64742-53-6 石油留分又は残油の水素化精製又は分解により得られる潤滑油基油(Gr.I鉱物油)
水素化処理してGr.III鉱物油(VHVI)を精製した残油ってことですね。
出涸らしです。
Gr.I鉱物油が含まれていると確実にそれらが足を引っ張ります。
果たしてどの程度影響があるのか?
長くなったのでHX5 Plusのレビューは
次のブログでw
おまけ
ペンズオイルのSDSは旧シェルルブリカンツジャパンのフォーマットのまままです。(2025年12月現在)
新フォーマットに更新されると思いますが、一応説明します。
これは
プラチナムユーロの5W-40のSDSです。

潤滑油基油 60-70%(ベースオイル)
潤滑油添加剤 30-40%(添加剤の溶剤を含む含有量)
ベースオイルが70%なのでGTLは60-70%なのか?⇒違います。
添加剤には清浄剤や潤滑剤、ポリマーなどが含まれています。
これが30-40%ですが、添加剤の「溶剤」もこの中に含まれます。
溶剤はオイルです。
この溶剤が鉱油なのか合成油なのか判断するにはその下の
労働安全衛生法 表示対象物(通知対象物) 鉱油 1-10%
ここを見ればOKです。
日本のSDSでは鉱油が通知対象物なのでここに記載される鉱油はエンジンオイルの総量に対する割合です。
添加剤の溶剤も含む鉱油の含有量です。
このオイルの場合、鉱油割合は10%未満ということです。
鉱油割合はSDS第3項か第15項に記載されています。
添加剤の割合は?と思われるかもしれませんが、エンジンオイルに含まれる固体は1%以下だと思ってください。
(ポリマーたっぷりだとそれ以上あるかもしれません)
鉱油以外が何か?
4ストエンジンの場合鉱油以外≒合成油です。
これは色々可能性があります。
ポリαオレフィン(PAO)、GTL、エステル、ポリアルキレングリコール(PAG)などなど。
ここは各社アピールポイントなのでカタログに何を使っているか書いてる筈です。
ペンズオイルの場合の合成油はピュアプラステクノロジー(=GTL)なのでGTLが90%と推察出来ます。
余談ですが、2ストオイルだとひまし油が入ってくる場合があります。
カスターオイルですね。カストロールの語源のやつ。
カスターオイルは植物油なので鉱油ではありません。
SDS上での鉱油割合が少ないので合成油か!と思わないでください。
最近だと植物由来の合成油(バイオシンセティック)もあります。
こちらは植物成分から発生するメタンガスなどから合成油を生成しているだけで中身は完全に合成油です。
植物油とは異なるのでご注意を。
ペンズオイルのSDSが不親切?
いやいや、そんなことを言っていたら国内大手元売りのSDSなんてね…