
ボルボに入れているMobil1 0W-30がそろそろ交換時期です。
133000kmで交換して現在139000km。
少し劣化してきたかな?と感じるようになりました。
【先に推論】
乗用車ならDPF再生回数10回程度でオイルの劣化は始まる。
ディーゼルオイルはガソリンエンジンオイルよりも圧倒的に条件が厳しいです。
煤の発生を抑えるということも重要ですが、燃料希釈に耐えることも同じように重要です。
ガソリン車と違ってディーゼルエンジンは燃料が隅々まで燃える訳ではないので冷間時の未燃焼軽油や
DPF再生中の未燃焼軽油がオイル内に落ちます。
特に厳しいのはDPF再生時に起きる燃料希釈でしょう。
DPF再生中は圧縮上死点外で燃料を噴射して酸化触媒まで軽油を届けます。
通常時の酸化触媒は不完全燃焼した炭化水素や一酸化窒素を燃焼させて二酸化窒素などに無害化します。
この時は200~300℃くらい。
DPF再生時は未燃焼軽油を酸化触媒に送ることで酸化触媒の燃焼温度を上げて排気温度を上昇させます。
DPF再生中はこの排気温度で煤を焼きます。
だいたい600℃くらい。
未燃焼軽油が全て酸化触媒に流れれば良いのですが、当然シリンダーからオイルパンに落ちるオイルもあります。
この軽油がエンジンオイルを希釈します。
どの位の量だと思いますか?
ボルボV60はエンジンオイルが規定量だとデジタルゲージは35~40mmの間です。(OBD2で確認出来ます。)
DPF再生終了時はこれが5mm位増えます。
結構増えますよね。10%以上希釈されています。
しばらくすれば蒸発して元の油量に戻ってきますが、油温が上がらない場合や燃焼室温度が上がらない乗り方をしていると増えたままかもしれません。
また、蒸発する成分は軽油の中でも軽い分子量のガスなのでエンジンオイル内には不純物と分子量の大きい軽油の留分が残ります。
軽油の中の重質留分≒鉱物油に近い感じでしょう。
例えば、100%化学合成油のディーゼルエンジンオイルがあります。
DPF再生するごとに軽油の重質留分がオイル内に増えていきます。
DPF再生を10回した後のオイルには不純物が随分増えていると思います。
不純物入りの合成油は果たしてどの程度の性能が残っているのか?
鉱物油程度の性能に落ちていたりしないでしょうか?
清浄分散性の高いオイルであればこの重質留分を浄化する能力がありますが、清浄成分は硫酸灰分になりやすいです。
硫酸灰分=DPFが詰まる金属です。
なのでディーゼルオイルは清浄成分が少ない。
無灰の清浄材もありますが、高いので安いオイルには入っていない。
ボルボに乗って1年が経過しました。
初回以外は全てMobil1の0W-20ないし0W-30を使っていますが、だいたい6000km位で変性した感じがします。
Mobil1はGTLベースの合成油なので煤はそれほど増えませんが、ボルボのDPF再生間隔はPM量7gまたは600kmなので煤量に関わらずDPFは600kmで強制再生されてしまいます。
オイル自体が煤を出さないのにDPF強制再生時の未燃焼軽油のせいでオイルはどんどん汚れます。
オイルに軽油の重質留分(煤の元)が入るのでオイルからも煤が出る。
そう言えばDPF再生間に溜まるPM量もオイル交換直後よりも6000kmの方が多い気がします。
新油時は4gくらいでしたが、今は6g超えるくらい。
600kmより先に7gに達することはありませんが、考えてみれば多い気がする。
Mobil1のような合成油をベースオイルにした場合はこの程度ですが、Gr.III鉱物油(VHVI)だとDPF再生間隔は300km位です。
つまり3000kmで劣化してしまう。
実際にはVHVIはGTLよりも不純物が多いので3000km以下でしょう。
これがGr.II鉱物油も混じっている安物のDL-1オイルだったらより酷いことになりますね。
元から煤が多いから早めにDPF再生も入るし、DPF再生でオイルは更に不純物が増え更に煤は増え…
DL-1は清浄分散材も少ないのでそれも拍車をかけることになり、ポリマー入り鉱物油ならもう地獄!!
CX-60やCX-80のDPF再生間隔は1000kmを超えるようです。
燃料満タンで1回再生入る程度もあるらしくその場合は1400kmとか?
距離で強制再生させることでオイルが劣化することが判ってくればPM量だけでDPF再生フラグを管理した方がより煤も溜まらないですよね。
マツダは距離毎の強制再生をやめたのかもしれません。
ボルボも600km強制再生フラグを切りたい…
【まとめ】
乗用ディーゼルオイルはDPF再生回数が10回で劣化する。
ディーゼル乗りの皆さんどうでしょうか?
300km間隔再生だと3000kmくらいで音大きくなっていませんか?
Posted at 2025/10/07 15:24:03 | |
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