以前に
0W-20の難しさというブログを書きました。
0W-20と言っても0W-30並みから0W-8並みの低粘度オイルがあるよと。
その前に
GLV-2の規格についても書きました。
0W-8と0W-12相当の低粘度オイルをポリマーで増粘して0W-16と0W-20相当に仕立てるオイル。
GLV-2が出てきたと言うことはやはり高温時の油膜保持が0W-8や0W-12では厳しいのかな?と思っていました。
JASO GLV-1とGLV-2の
オンファイルリストが今月更新されたので確認したところ日本よりもアメリカで0W-8の登録数が増えてました。
国内向けは全体の1/3で案外少ない。
そしてGLV-2がエネオス以外で登録が無い。
0W-8~0W-16はSAEの粘度定義があいまいです。
100℃動粘度はオーバーラップしています。
HTHS粘度は明記されていますが、「以上」なんですよね。
0W-8の100℃動粘度は6.1cSt未満ですが、これは0W-16の100℃動粘度の下限と同じです。
0W-8のHTHS粘度は1.7cSt”以上”です。
これは非常にややこしいです。
問:
100℃動粘度 6.0cSt
HTHS粘度 2.1cSt
このオイルは0W-8ですか?0W-12ですか?
0W-8の国内と海外大手を一覧にしてみました。
0W-20の二つは友情出演(GLV-2相当0W-20)
(一部粘度指数が高めに計算されています。低粘度過ぎて合わない)

イカれてるのはホンダネクストくらいで他は粘度指数が140~150で普通。
かなり置きに行ってる感じがあります。
トムスは100℃動粘度が判らなかったのでAMSOILの粘度から想像で書いてます。
Mobil1 0W-8が珍しく硬くないのは先のHTHS粘度が1.7~2.0cSt未満を満たすようにベースオイル粘度を下げたと想像します。
(Mobil1 0W-8のHTHS粘度は1.86cSt)
100℃動粘度 6.0cSt
HTHS粘度 2.1cSt
答:0W-8でもあり0W-12でもある。
HTHS粘度が2.1cStあるので0W-12表記の方が適切かもしれませんが、0W-8のHTHS粘度は1.7cSt以上なので2.1も当然含みます。
(ホントにこれ以外にSAE8とSAE12の差異が無いか誰か教えて)
これはACEA C2とC3の関係と一緒ですね。
C2は2.9cSt以上、C3は3.5cSt以上なのでC2/C3なんてオイルが世に多い。
0W-20でも書きましたが0W-8も中々面倒な世界線です。
0W-8のつもりで購入したら中身は0W-12だった!なんてね。
硬い方にオーバーラップするから安全ではありますが、SAE8とSAE12統一してもいいんじゃないかな…
これは明らかにSAEの規格が良く無いですよね。
0W-8の100℃動粘度が0W-12を完全にオーバーラップしてる。
下の表は0W-12を抜いただけですが、これでも成立してますからね。

強いて言えばHTHS粘度が1.7の次が2.3で離れているのでここを考える必要はありますが、0W-8のHTHS粘度を2.0cSt位にしてあまり柔らかい0W-8を普及させないというのもありかもしれません。
いつもの癖でSDS見てみたらMobil1 0W-8なかなか凄いです。

PAO7割で残りGTLとはなんと豪華なこと。
日本でも売ってください!
これだけ超低粘度になると信頼できるベースオイルじゃないと怖すぎるのでこの位ハイスペックなオイルを入れたい。
でも、
0W-16から25%も低粘度化してたったの0.7%しか燃費低減しないのならやらなくてもいいと考えてしまいますよね。
カタログ燃費30km/Lが30.2km/Lでしょ?
それをやるのがエンジニアリングなのでしょうけど。
0W-8を見ると境界(流体)潤滑の限界点が見えてくる感じがします。
最新ATFよりも柔らかい世界線。
摩擦係数の限界なので金属と表面処理の原子レベルの話。
各社個性が出せない。ホンダは別だけど。
エンジンオイルが究極を目指すと皆同じになるのかも?
0W-20でも遊びの無いオイルを目指して欲しいですね。
0W-8なんて怖くて入れられない!!
と言う方には日産ストロングセーブX 0W-20 SPをお勧めします。
これはベースオイルが0W-8並みに柔らかいですが、ポリマー添加して0W-20に仕立て上げられています。
ベースオイルはシェル製GTLで本当の化学合成油で安心。
ポリマー入りとは言えGRカローラでも使えるレベルでした。(サーキットは不向き)
価格も比較的安価です。
Posted at 2025/12/17 08:41:50 | |
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