あおたくのブログ一覧

　当ブログ「イタフラ車泥沼ライフ」をご覧になられている
読者層というのは、欧州車のＢ、Ｃセグメントのハッチ
バック車に少なからず関心をお持ちの方々であると、
あおたくは考えております。そんな訳で、今回トヨタが
ヨーロッパのハッチバック車とガチンコ対決するために
開発した新型オーリスが、果たしてどんなクルマである
かを、今回レポートしてみたいと思います。なお、今回
試乗させていただいたのは、ネッツトヨタ仙台　日の出
（仙台市宮城野区日の出町2-1-1）さんでした。グレード
はもちろん6MTのRSでした。
80点主義の末路

　最初に、２次元で新型オーリスを見た時は、あまり格好良くないクルマだなぁと思ったのですが、
初めて実物を見てみると、意外とフロントマスクの造形が最近のトヨタに倣ってなかなか凝ってい
ます。ただし、凝っているだけで、素晴らしく格好良い訳ではありません（ああ、上手くCADで描い
たんだねのレベルです）。プレスに結構お金がかかっているデザインの割に、あまり格好良くない
なんて、無駄ですね。


　　キーンルックと言うんだそうです。

　しかもクルマ全体で眺めてみると、なんだかイマイチまとまっていない感じなんですよね。きっと
合議制で最大公約数で作っていくうちに、パッションが薄まっていったんでしょうね。で、アルファ
のジュリエッタをパクったとよく言われるリアデザインは、こんな感じです。


　　　似ているような似ていないような

　次に、クルマの中に乗り込んでみると、開発が力を入れたと言う割には、インテリアは平凡で、
それほど高級な感じがしませんでした。そういえば、エアコンの吹き出し口もジュリエッタに似て
いる感じがします。フロントのシートはトヨタ車にしては、ホールド感があって、これならコーナリ
ング中でも体がづれる事は無いと思いました。
　では、運転してみます。まずクラッチのつながりがイマイチ分かりづらく、合わせに慣れが必要
です。はっきり言って、MiToのQVの方がラクチンです。で、エンジンですが、1.8リッターエンジン
で最大出力が144psなので大して期待しなかったのですが、結構速いです。エンジンもビュンビ
ュン回る感じで、その気にさせられます。そして試乗コースが直線ばかりだったので、あまり試せ
なかったのですが、ハンドリングが今までのトヨタ車の曖昧でダルなフィールと異なり、ハンドルが
切っただけ、スッと（しかも正確に）曲がるような感じで、好感が持てました。一度ワインディングに
持ち込んで運転してみたいです。足まわりもサスがいい仕事をしているような感じがしました（ただし、どっしりした感じは無く。印象は極めて薄いです）。なお、RSと言っておきながらホイールはスチ
ールなので、これには驚きでした。さっさとお気に入りのアルミを履いてね。という感じでしょうかね。
　で、試乗しての感想ですが、今どきの日本車にしては珍しくMT車を売りにしていて、しかも走り
のポテンシャルは結構高そうなんですが、デザインを始めとして、何か物足りないんですよね。正
直、ヨーロッパのクルマと互角に戦えるかと言えば、答えはノーです。VWゴルフを100点とすると、
何かどこまでも80点主義な感じで、これじゃあ、いつまで経っても追い越せないよ、って感じです。
しかもゴルフは間もなくニューモデルが出ますし、これで最低４年間戦うには、ちょっと厳しい気が
します。正直言ってオーリスにわざわざ230～260万円支払ってまで乗りたいクルマでは無いな、と
思いました。それにしても、トヨタって下請け企業まで含めると規模が大き過ぎて、失敗するリスク
を考えると、きっと冒険が出来ないんでしょうね。しかしながら、近年の韓国車の低価格高品質で
しかも攻めたデザインのクルマを見ていると、近い将来追い越される日が来るのではないかと
心配になってきました。
　最後に、日本経済を下支えしてくれているトヨタには頑張って欲しいと思っているのですが、もう
少し格好良いクルマを作れば、もっと売れると考えているあおたくでした。