今度はアップvs500vsワゴンR
いやあ、看過できないねえ。
まあ、自分では絶対買わないね、この雑誌。
って、今回は500可愛さあまりの感情論ですけど(笑)
しかも、この号Up!との比較が2回もあるんだわ。
まあ、素人の私めが2名の評論家の方々を論破して差し上げよう(笑)
まず、アップのデザインだけどこんなホンダ・トゥデイ3.0に「黒ヒゲ危機一髪」足したみたいな車を本気でかっこいいと考えているのかね。いっさいの邪念を頭から追い払って今一度自分の心を見極めたまえ。
初代のツインゴにも似ていると思わないかね。ヘッドライトの丸形・角型以外同じシルエットじゃないか!しかも、ツインゴより様式美を欠いている!
あの有名なおっさんデシルバ氏の「iphoneのようなデザイン・アプローチで造形してみました」というハッタリに翻弄されていないかね。
デザインを語るには「コンポジション」という概念をまず理解する必要があるのだよ。あの車はコンポジションが×。後ろのガラスハッチ一つとっても造形に一定のロジックがないし、90年代の日本のデザインコンペで出されたようなラインだともおもうが。ガラスということ自体107、c1、アイゴという一連のお買い得車もかなり前から同じ事をやってるんだよ。
フロントマスクの鋭角な猫目ヘッドライトも側面に向かってパースペクティブを彷彿させるライン構成になってこそ空間の広がりをイメージさせるというもので、かつてのプジョー106や306が正しい解でであろうよ。画になってないとおもうのだよ。車はマッシブな塊であるからこそ、街や風景とのトータルバランスで面の構成を考える必要があるんだが、Up!ではそういうヴァーチャル・シュミレーションは行われてはいないだろうねえ。
まあ、主観にばかり走っちゃいかんので公平にいこう。
例えば周りの女性や子供達に聞いてもいいだろう。500と並べてどっちがいいかを。直感的に判断したら、どういう結果になるだろうねえ。まあ、自分の周りの欧州人は9割500と答えたがね。現時点では欧州の高速ではUp!見かけないねえ。僕的には先代キュービーLupoの方が良かったと思う。
また、シートの作りが秀逸ってのには苦笑したよ。本来、このシートにはゲルマンの重~いお方が座るんだわ。こんなぺらんぺらんだと乗り込むときにシナるよ。すっごーい不安。いや、実際にはシナらないんだけど。
この強度は同セグのアイゴやc1、107の上をいくことで納得していた様子だ。欧州人ならそう解釈するだろうという事。何せ欧州車が日本に輸入される際に、シートをリサイズするとか、リエンジニアリングされるという事は聞いたことがないので(その逆はある。日本車は欧州向けにシートサイズまで変えることがある)、ペランペランがたまたま日本人にフィットしたという結果論でしかない、というのが本当のところだと思う。例えば、革のシート(500の革シートは他社と比べてかなりのレベル)で重量級の人が座った場合には包み込まれる様に中央に向かって収まるようになっているのだよ。ただでさえ、前席の乗り心地は500の方が良い(by福野氏)という話だから、もう比べるべくもないね。他方、後部座席はそもそも論として、大人を常駐させるシートの堅さになってない。子供の体は柔らかいからね。それにその狭さをどうのこうの言い出したら、Up!の兄貴分アウディのA1なんてカーブの度にcピラー側に頭ぶつけるよ(笑)
また、走りに関しても一言。
Up!の弱点としてASGが挙げられ、その上でデュアロジックと比較して実はパワー不足でないだの、という論法が展開されてるんだけど、
あのさあ、この手の欧州車ってさあ、開発のデフォルト値ってMTでとってるんじゃないの?Aセグでしょ、全販売の7割以上はMTじゃないかな。ということは、そもそもASGはサブ的に用意したってことでしょ。DSGじゃないのはそういう事じゃないのかな。デュアロジでも積極的シフト運用すれば、
「Up!おっそー」
と叫んでしまうのが本当のところでしょ。少なくとも自分はツインエアでUp!の後塵を拝すなんて屈辱は味わったことないっす。
それから、正しいドラポジでタコメーターと、スピードメーターの80~100kmが見づらいのは駄目。
何で誰も気付いてないの?
って、それとワゴンR。頑張って500にするか、頑張ることをやめてワゴンRにするかみたいな議論になるような気がする。悪いんだけど、ワゴンRは自分的には美学的要素を全く満たしていない。まず、サイズや空間ありきで設計された時点でアウト。税制優遇という行為を最大限に活かそうとある種のセコさを先入観からか感じてしまう。実は最新ワゴンRの事は知らないし、興味もない。欧州的解釈のスプラッシュですでにおなかいっぱい。このガラパゴス文化的車の生産は「現在の絶滅の危機にある日本の家電メーカー」と同じ方向に思えてしまう。国内動向やニッチな消費者に媚びるやり方でものづくりを続けることが正しいとも思えない。「ベンツのSほど広い」後部座席を誇るのもどうかと思う。僕はこういう書き方がとても悲しく感じられる。「空間に対する乾き」あるいはカタルシス。とりあえずのスペックを満たす事で、車が必要な消費者を助けている事実は確かに認めるけど、もし
「車は文化だ」というフレーズを曲がりなりにも主張する場で対抗場に持ってくるのもどうなんだろう。いや、たぶん僕はワゴンRをどうこう言えない。
が、Up!について一つだけはどうしても認めないといけない事がある。
アップの価格設定が良心的だ!、という点については。正直なところ、
どんなに曲解しても同グレードに並にオプションを並べて500とUp!の値段差は30万円だろう。そうすると、どうしてもUp!は「投売り」かと思えてくる。
とはいえ、今のところ、Up!は欧州で余り見かけない。だからこその弱気販売。そう見取れなくもない。前述した偶然にも日本ではジャストミートしている可能性はある。
あくまでも批評家の皆さんが論じているのとは違う理由からだが。
少なくとも一つ言えることは、500は兄弟車パンダと合わせると、「欧州の同セグメント内でもっとも売れている車」という確固たる事実があり、それですべてがはっきりしていると思う。VWが物量で圧倒しようがセンスのよさや、「個人の趣向がはっきりしている欧州では本当に好ましいもの」が買われてい
くという実状がある。
あーあ、これじゃ論破できてないか。
次回は物証だな。やっぱ。
Posted at 2012/12/16 09:19:42 | |
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