ティグアン 2.0 TDI 6MTブルーモーション
レンタカー会社ハーツのバウチャーが余っていたのだが、気が付いたら期限切れになりそうだった。
で、使っちゃうことに。
借りたのはティグアン2.0TDI つまりは欧州における主力モデル。しかも、まだ200㎞も走っていないまったくの新車 !?
革シート以外ほぼ全部付のモデルだ。マイチェン前のモデルにも乗ったことがあるが、今回丸1日付き合って、この車の品質に驚かされるばかりだ。
ベースとなってるのは6代目ゴルフと聞いているが、作りこみや精度ははるかに上がっている。正直なところ、自分の持つ2010年版アベンシスよりはるかにかっちりとした造りで、ドア周りのプラスチックの裁断処理と接合の制度はこの手のトヨタ車のはるか上をいっているし、大凡レクサスと同等だろう。なにせ、使ってる素材がかなり高い。
質感だけでいうと、メルセデスと比べても大差はない。造形はやや凡庸ではあるもの、ゴルフほど俗でもなくSUV特有の「粋」を帯びてもいるので、街でもフィールドでも活きてくる存在にも思える。つまりのところ、高級レストランでもキャンピングにも溶け込める車というわけだ。革シートでないが座面のアルカンタラ風処理がそれなりに高級路線なのもまたよし。
しばらく高速を走らせてみて更に驚いた。それなりに
視界が広く確保されているので巡航するのも意外と気持ちがいい。1年前に乗ったRAV4とは比較にならない。安定しているし、
空力特性も好ましい。クルコンの出来もACC付でないトヨタ車より上だろう。大変扱いやすいと感じた。正直、自分の車アベンシスでは全く歯が立たないかと思ったし、車高が高いこいつだと、アルプスの山に迫るアプローチロード(オフロード)もある程度こなせてその面でも実用的だ。
ようし、と思って渓谷側に進路を取る。気
が付くとスピードメーターとタコメーターの間に表示されるトリップコンピューターにナビの一部も表示できることに気づき、つくづくVWの優秀さを痛感させられた。どのスイッチ類も使いやすく文句のつけようがない。おまけにアイドリングストップも驚愕の出来だ。アップデートした500bGよりも勿論よい…オーディオの出来も同時期のゴルフやポロ程度かと思っていたら、はるかに上の出来。すべてオートに設定した場合はどうやらクラシック音楽に強いようだ。ロックではやや低音域が弱い。ただ、どうしようもないトヨタ車のオーディオとは雲泥の差でディーゼルを売りたかったらこの程度はやってないとダメだと確信した。遮音材・吸音材がアウディレベルになっているし、
勿論自分のD4-D程の振動も発していない。現時点ではガソリン車と遜色ないレベルだ。2年後にこれだったらマジですごい…トランスミッションの設定は、あくまでも好みの問題だが引っ張れるししなやかさがあるD-4Dが自分的にはいい。サスペンションはやっぱり想定内のゲルマンハードだが、バシッと一回で振動を抑えてもたつきは一切ない。最近、ますますこの設定が世界標準になってきて胃弱の人にはかわいそうな気がする(笑)ともかく、標準でこのスペックはすごいと言わざるを得ない。
さて、崖っぷち側に向かう道路でいくつかの気づきの点が出来てきた。出木杉君にも弱点はあるのだ(笑)
というか、
必死にあら捜しをしないといけないほどこの車はすごいのだが(爆)
1. まず、SUVの宿命かもしれないが、ESPの過剰介入が運転の楽しさをスポイルしている。この点ではトヨタのワゴンにしては低いシートポジションを取れるアベンシスにはかなわない。
2. 長時間のドライブでようやく気が付いたが、欧州の高速を走るにはハンドリングのダイレクト感高すぎ。この設定だと車高とも相まって風に煽られると長距離移動では疲れてくる(といってもこれはセダンやワゴンと比較した場合)。とはいえ、街での取りまわしを考えるとこの的確さが最適値か。
3. ランバーサポートの出来は必ずしも良くない(エア注入タイプの方が好ましい)
4. 前席下のエアダクトの切りっぱなし処理は残念。他が完ぺきなだけに少し驚き。
5. 今やMTだと当たり前となったシフトアップインジケーターの出来はいまいち。数字は読みづらいし、シフトアップも適正表示されていない気がする。
6. やっぱり地味。そういうのが好きな人には+の要素。
というか、ワゴンであるアベンシスと比較して車高の不利を除いた殆どが勝っているティグアン恐るべし。ドイツ車の正確無比さをみると、アベンシスはむしろややラテンな感じがするくらいだ。
1日に1000㎞を走るという旅スタイルを続けなければ自分でも購入検討に値する車だ。
どのラインナップでもかなり本気度の高いVWはやっぱり現在勢いに乗っている会社だと思う。
Posted at 2013/06/15 07:36:18 | |
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