
黄色ナスさんが洋書のドラテク本(Going Faster)を紹介されていたのに触発されて、私も唯一読んだ洋書のドラテク本の紹介をしたいと思います。
Speed Secretsというシリーズの6作目の「The Perfect Driver」という本です。1~5作目は読んでないのですが、どうも操作中心のいわゆる一般的なドラテク解説なのだと思います。で、6作目の本書は運転操作の説明よりも、速く走るための意識の持ちようとか、イメージトレーニングのやり方などに重点を置いて書かれています。
例えば、いくつかの章の題目を挙げますと、「初めてのコースを走るときのコツ」、「限界で走るとは」、「減速しすぎる(のを克服するには)」、「学ぶことを目的にせよ(勝つことではなく)」といった感じです。日本語のドラテク本は大概読み漁りましたが、あまり書かれてない内容で非常に興味深かったです。
中でも特に、やっぱそうだよねー、なるほど!など印象に残っている部分をいくつか紹介します。
まず、Driving the limit(限界で走る)という章で紹介されていた記事。だいたい要約すると、「常に限界点で走るレベルに到達するには往々にして限界を超えた走りをする必要がある。それを現したのが下のグラフで、直線が車としての限界だとすると、波線のように往々にして限界を超える(テールスライド、アンダー、ブレーキロック、、)必要がある。

初心者はこの限界線を全く越えなかったり、極まれに大きく超えてしまったりする。上達するにつれて、限界を超える頻度は高くなり、限界(直線)と実際の運転(波線)の差が小さくなり、外から見てても失敗してるのが分からないようになる。」というもの。別の章でComfortable being uncomforatble(不快な状態に慣れる=常に限界付近を走ることを常態化する)という言いかたもしてました。
この記事を読んでからは、どれだけの頻度で限界を超えられたか、タイヤが微妙に滑るか滑らないか、をかなり意識するようになりました。タイヤが全く滑らなかったらまだまだ攻めたりてないと判断するようにしてます。ただ、自分の操作の悪さで限界を落として、滑ってる場合もあるので、その辺の見極めも必要だと思いますが。まだまだ頻度も、傍から見て分からないレベルなんてのもほど遠いですが。。
Adaptability(適応力)という章では、自分の運転を車やコースに効率よく適応されるには、運転する中で下記をいろいろと変えて試してみると良いと書いてました。
・ハンドルを切り始めるタイミング
・ハンドルを切りはじめる時のハンドルを回す速さ
・コーナリング中に最大舵角を維持する時間
・コーナー後半でハンドルを戻すタイミングと、戻す速さ
・進入でブレーキをリリースするタイミング
・進入でブレーキをリリースする速さ(スパっと離すか、じわーっと離すか)
・完全にブレーキをリリースしてからアクセルを踏み始めるまでの時間
・脱出時のアクセルを開ける速さ
・アクセルコントロールする際には、アクセル開度の変化の大きさと、変化の速さ
「これらは、単独でも、複合的にも変える必要がある。このうちの一つでも適応させる努力を怠ると「パーフェクトドライバー」とは言えない。」らしいです。
こういったことは漠然とは意識してるものの、整理して書かれていて良いなーと思いました。これら全てに対してベストを探れているか、しかも複合的に、っていうと難しいよなー。
Learning a new track(初めてのコースを走る際のコツ)は、以下だそうです。
①Be a sponge最初は「スポンジ」になったつもりで、コースのあらゆる情報を感覚をフルに使って吸収する。走り方に応じた、景色の見え方、 Gのかかり方、エンジンやタイヤの音の変化、などに意識を集中する。
この際にはラップタイムは気にせず、とにかく車の挙動、音に集中する。
②Drive the car, not the track 綺麗なラインで走る、などコースを意識するのではなく、あくまで車の挙動を学ぶことに意識を集中する。そのためにも、あえて遊ぶつもりで、わざと限界を少し超えてみる。
③気づいた点、注意すべき点、意識すべき点などはコースマップにどんどん書き込む。その上でそれに基づいたイメージトレーニングを行う。
①、②はタイムを気にせず行うのが基本ですが、案外この際に、その日のベストラップがでることが多いと書いてありました。これは経験的にもわかる気がします。ライン多少外しても踏めてる方が速いとかありますしね。
ちなみにイメトレに重点を置いてますので、下の図のようなことも大真面目に推奨されてます。家族がいる中でやると、確実に変人扱いされると思いますが(^_^;) イメトレは重要ですよね。
そんなに分厚い本ではないのですが、2年くらいかかりました(^_^;) が、内容は大変面白かったです。
Posted at 2015/04/30 17:17:58 | |
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