画像は最初の我が愛車だったノーマルAE92GT-Zの借用画像です。
1980年代後半の車種ですが、1980年代の0-100km/hr加速では、速い部類でした。
さて、0-100km/hr加速に必要な時間というのは、0-400m加速に必要な時間と共に
クルマの加速データとして有効な指標となります。
0-400m加速は、速いクルマだと最終速度は160km/hr以上に達しますので、
総合的なデータとしては有効だと思いますが、0-100km/hr加速の方がかなり実用的です。
先日購入したフルテストファイルを見ると1970年から蓄積されたデータの中では、
0-100km/hr加速データは1970年・1971年には、名車432Zとトヨタ200GT以外はありませんが、
1972年以降は基本的測定されています。
そのデータ傾向を見てみると、
1970年代:
9秒台が1975年のサバンナAPGT(885kg・125ps・16.2kg-m【グロス】):9.8秒だけ
10秒台は・・・
1973年のサバンナGT (885kg・120ps・16.0kg-m【グロス】):10.0秒
1974年のカリーナ2000GT(930kg・140ps・17.2kg-m【グロス】):10.0秒
1972年のカローラレビン1600(855kg・115ps・14.5kg-m【グロス】):10.1秒
1975年のカペラロータリーAPクーペGS-Ⅱ(965kg・125ps・16.2kg-m【グロス】):10.1秒
1978年のサバンナRX-7リミテッド(1005kg・130ps・16.5kg-m【グロス】):10.2秒
1973年のコロナHT2000GT(1090kg・145ps・18.0kg-m【グロス】):10.3秒
1975年のルーチェAP HTグランスリツモ(?kg、135ps・18.3kg-m【グロス】):10.5秒
1973年のスカイライン2000GT-R(ケンメリ、1145kg・160ps・18.0kg-m【グロス】):10.5秒
1973年のセリカリフトバック2000GT(1040kg・145ps・18.0kg-m【グロス】):10.5秒
1972年のスカイライン2000GT(ハコスカ、約1000kg・120ps・17.0kg-m【グロス】):10.7秒
1973年のカリーナHT1600GT(930kg・115ps・14.5kg-m【グロス】):10.8秒
1974年のスプリンタークーペ1600GTトレノ(935kg・115ps・14.5kg-m【グロス】):10.8秒
とロータリー・DOHCと言ったハイパワーエンジン搭載車が並んでいます。
でも、1970年代の中で
1970年の432Z(1040kg・160ps・18.0kg-m【グロス】):8.4秒
1970年のトヨタ200GT(1120kg・150ps・18.0kg-m【グロス】):7.5秒
がダントツに速いんですよね。
トヨタ200GTなんて、1120kgもあるのにトルク18.0kg-mしかなくて7.5秒というのは、かなり???
実際にはもっとトルク・パワーが出ていたか、余程ミッションがクロスしていたのか・・・。
やはり車重が殆ど1000kg前後で800kg台と今の軽と同じか軽い位ですから、
パワー・トルクがグロス表示であるにも関わらず、実際には速かった訳ですよ。
1970年代後半は、クルマ=排ガス公害ということで排ガス規制が厳しくなり、
0-100km/hr加速が10秒台のクルマは1978年のサバンナRX-7だけですね。
1980年代:
排ガス規制をクリアしながらハイパワー化がグンと進みます。
0-100km/hr加速が一桁(10秒未満)のクルマがドンドン出て来ました。
ターボ車が台頭してきて、NAのDOHCやローターリーと凌ぎを削った時代から、
DOHCターボやロータリーターボとターボを組み合わせるのが当たり前の時代となりました。
そして、加速に有利なAWDが上位を占めるようになってきました。
5秒台は
1988年のギャラン2000DOHCターボVR4(1340kg・205ps・30kg-m):5.8秒
のみ。
6秒台は
1989年のサバンナRX-7GT-X(1260kg・205ps・27.5kg-m):6.4秒
1986年のソアラ3.0GT【AT】(1500kg・230ps・33.0kg-m):6.7秒
1987年のセリカGT-FOUR(1150kg・185ps・24.5kg-m):6.8秒
1989年のレガシィRS(1290kg・220ps・27.5kg-m):6.9秒
1988年のブルーバード4ドアセダンSSSアテーサLTD(1360kg・175ps・23.0kg-m):6.9秒
の5車種。
マイレガの初代モデルが顔を覗かせています。
7秒台前半は
1986年のサバンナRX-7 GT-X(1260kg・185ps・25.0kg-m):7.0秒
1989年のスプリンタートレノ1600GT-Z(1070kg・165ps・21.0kg-m):7.1秒・・・最初の我が愛車!!
1988年のシルビアK's(1120kg・175ps・23.0kg-m):7.2秒
1989年の180SXタイプⅡ(1170kg・175ps・23.0kg-m):7.3秒
1987年のMR2 G-LTD スーパーチャージャー(1070kg・145ps・19.0kg-m):7.5秒
1988年のミラ-ジュサイボーグ16V-T(1000kg・145ps・21.0kg-m):7.5秒
1989年のセドリックシーマタイプⅡリミテッド(1650kg・255ps・35.0kg-m):7.5秒
といずれも1980年代の加速が速いクルマは全て1986年以降で登場しています。
1980年前半では、5秒台・6秒台はもちろん7秒台は唯一、
1983年のスカイラインHT2000RSターボ(1130kg・190ps・23.0kg-m)の7.6秒だけで、
7秒台前半を記録するクルマはありません。
1990年代:
ハイパワー化が進んで280ps自主規制時代に突入し、
遂に5秒切る車種も出て来て、速いクルマは5秒台でずらっと並びます。
1990年のスカイラインGT-R(R32、1430kg・280ps・36.0kg-m):4.9秒
1991年のGTOツインターボ(1670kg・280ps・43.5kg-m):5.0秒
1992年のアニフィニRX-7タイプR(1260kg・255ps・30.0kg-m):5.1秒
1999年のスカイラインGT-R(R33、1530kg・280ps・40.0kg-m):5.1秒
1991年のNSX(1350kg・280ps・30.0kg-m):5.4秒
1990年のMR2GT(1260kg・225ps・31.0kg-m):5.5秒
1991年のパルサーGTI-R(1240kg・230ps・29.0kg-m):5.7秒
1993年のスープラRZ(1490kg・280ps・44kg-m):5.8秒
1994年のセリカGT-FOUR(1390kg・255ps・31.0kg-m):5.9秒
といったところになります。
6秒台になるとかなりの数になるので挙げませんが、今や名車と呼ばれる車種が
顔を揃えていますね~。
ちなみに1990年代の速いクルマは、殆どが90年代前半に集中していて、
90年代後半で5秒台を記録する新車種はR33GT-Rだけです。
この頃から、クルマの肥大化が顕著になってきて、おデブなクルマが増殖しました。
2000年代:
2000年代前半は各社280ps自主規制を守りながら、スポーツ車種を熟成させ、
2000年代後半は280ps自主規制に縛られず、300psや400ps車種が出現して来ました。
2008年のGTR(R35、1730kg・480ps・60.0kg-m):3.82秒
2003年のランサーエボリューションⅧGSR(1400kg・280ps・40.8kg-m):4.97秒
2003年のインプレッサWRX STI(GDB-C、1440kg・280ps・40.2kg-m):5.27秒
2008年のWRX(GRB、1470kg・308ps・43.0kg-m):5.52秒
2008年のレクサスIS-F(1690kg・423ps・51.5kg-m):5.58秒
2008年のランエボXGSR TC-SST(1540kg・280ps・43.0kg-m):5.61秒
2003年のレガシィツーリングワゴンGT-specB(1450kg・280ps.35.0kg-m):5.93秒・・・マイレガベース車
こうしてみるとGT-Rが1990年代で初めて4秒台に突入し、2000年代で3秒台に突入した訳で、
時代をリードしていることが判ります。
そして、今は亡きランエボが意地を見せて4秒台に割入ってます。
マイレガも含めて5秒台にはハイパワーカーが名を連ねますが、
この頃のインプ系は5秒前中半でIS-Fと伍す実力を持っており、
やはりチューンするベースカーとしては非常に有効な車種と言えます。
2010年代:
ほぼ現代の車種ですが、2000年代とは大きく図式は変わっていません。
新車種で5秒台に入るのは以下の4車種のみ。
2014年のWRX STI(1480kg・308ps・43.0kg-m):5.45秒
2015年のスカイラインハイブリット(1770kg・306+68ps・35.7+29.5kg-m):5.63秒
2011年のフーガハイブリット(1860kg・306+68ps・35.7+27.5kg-m):5.94秒
2014年のWRX S4(1540kg・300ps・40.8kg-m):5.98秒
国産ではありませんが、テストデータでは
ポルシェ911カレラS(1450kg・400ps・44.9kg-m):4.46秒
で4秒台に入っていますが、外車は基本的に外していますので、番外ですね。
2010年代では、大型セダンのハイパワーハイブリット車が顔を覗かせ始めているのが特徴ですね。
こうして1970年から45年を振り返ると、最速7.5秒→3.8秒に約1/2の時間で
発進してから100㎞/hrに達するに至っており、これは凄まじい加速力進歩です。
R35 GTRとトヨタ2000GTの差ですが、車重が1.6倍程度に増えていても
パワー・トルクは実質3.5~4倍にも増えています。
但し、今後0-100km/hrが2秒台に入って2秒中判まで速くなることは、
GTRのような特殊な車種以外では殆どないでしょうけどね。
ちなみに、R35 GTRの1730kg/60.0kg-m=28.833(トルクウエイトレシオ)で3.82秒、
WRX STI1480kg/43.0kg-m=34.419(トルクウエイトレシオ)で5.45秒
のデーターから縦軸に0-100km/hrの加速データ、横軸にトルクウエイトレシオをプロットした
直線の方程式を求めると(中学の数学ですね)、
y=0.2981x-4.593
となりますので、
マイレガのトルクウエイトレシオ1510kg/62.6kg-m=24.121をxに代入すると
マイレガの0-100km/hr加速は、何と2.45秒
と推定出来ます。
当然、GTRのようなシフトロスがないミッション構造でないので、1→2速、2→3速のシフトロスタイム
をトータル0.5秒としても
3秒切る位の実力となります。
もちろん、ピーキーな特性で1点だけトルクが突出しているようなエンジン特性の場合は、
こんな加速は望めませんが、マイレガのトルク発生回転数は、フルチュ-ンエンジンとしては
中回転重視で4200rpmですので、
3秒半ば
は、それ程非現実的な数値じゃない訳です。
上記のR35GTRのトルクウエイトレシオ28.833と加速データ3.82秒、
マイレガのノーマル車のトルクウエイトレシオ:1450kg/35kg-m=41.428と加速データ5.93秒
から同じく方程式を導くと、
y=0.1675x-1.0092
となりますので、マイレガのトルクウエイトレシオ24.121を代入すると、少し遅くなりますが、
やはり
3.03秒と推定され、
データ的にはシフトロス0.5秒を加えても
3秒台半ばは可能。
ちなみに国産最速2.9秒のR35GTR nismoが1720kg/66.5kg=トルクウエイトレシオ25.714で
マイレガ(24.121)の方が上ですから・・・。
そして、益々このデータが現実味を帯びて来るのが、現在施工中のダブルチャージャー化です。
明らかに今よりも低下回転域のパワー・トルクをアップさせる効果がある訳で、
シフトロスを極力削れれば、
3秒前半から2秒台も狙える
ところに来ています。
ん~完成が楽しみです・・・(笑。