以前からマフラー交換は考えていたのですが、今年8月の車検後に・・・と計画していました。で、なぜ前倒し購入・交換したかというと、先日次男のNinja 400のスリップオンマフラー交換に刺激を受けた、というのが正直なところ。
ノーマルとは違って個性的で音が良いし、カッコイイ、と正直感じました(笑。
バイクエンジンの大部分はNAで過給機エンジンは現行だとカワサキのH2系(スーパーチャージャー)以外はありません。昔はターボ車が僅かに販売されていましたが、現存車は殆ど走っているのを見ませんね。K1600GTLもNAエンジンで排圧が元々それほど高くありませんので、『抜け』のよい社外マフラーに交換しても劇的なパワーアップは期待出来ません。
また、バイクも含め最近は排気音量規制が厳しいので公道用社外マフラーに交換しても、普通は音量の変化が少ない仕様になっています。
ではなぜマフラーを交換したいのか?というと、エンジン性能アップというよりカッコ良さ・音質変化・重量の低減、の追求ということですかね。
まず、K1600GTL の一番気に入らないところは、後ろ姿です。
マフラーは太い割にエンドが内側に窄まるような形になっているので、1600ccという排気量・重量・車格相応の『迫力』がないんですよね。パニアがあるからマフラー後端幅はある程度広くても問題ない訳ですが、どこか下半身がか細い感じでアンバランスな印象を持っていました。
社外マフラーに交換すると窄まる感じではなくなり、後ろ姿のカッコ改善に期待があります。
で、次に気に入らないのは排気音が静か過ぎること。
ノーマルマフラーですから仕方ないところがありますが、エンジンは気筒数が多いほど官能的な排気音が味になるもの。フェラーリが8気筒・12気筒に拘るのは、排気音の官能性もあるからです。自分もクルマだと昔の日産L系直6エンジンのタコ足・マフラー音(さらにはソレックスの吸気音)に憧れています。
愛車の水冷並列6気筒エンジンはバイクの中ではウルトラスムースで静かなのが持ち味で非常に良いのですが、折角スポーツ性の高いバイクでしかも超希少な並列6気筒エンジンの魅力ある排気音を堪能しているとは言えませんでしたので、少しでも勇ましい排気音を味わいたい。
そして、最大の欠点である超ヘビー級の重量。
これはK1600GTLを購入した時から覚悟はしていたことですが、純正マフラーに比べると社外マフラーは数キロの軽量になります。クルマに比べて絶対的な車重が少ないバイクでは数キロの軽量も確実な効果が期待出来ます。
さて、K1600GTL(GTと共用)が人気車種ではない?ので、アフターパーツ・マフラーの候補アイテムも少なめです。
フルエキは、現在ササキスポーツクラブからしかリリースされていなく40万コースと非常に高額。以前はR’sギアからもリリースされていましたが、今は販売されておらず、値段的には同じくらいだったようです。フルエキ交換はスリップオンに比べてエンジン性能アップ・重量低減量はやや期待出来ますが、スリップオンの価格が10~20万からの差額を考えるとコスパは???ですので候補から除外。
K1600系のスリップオンは海外製ばかりですが、上記の通り10~20万といったところ。Acrapovicはブランドだからなのか、フルエキに近い35万前後なのでコスパ的に×。
他に国内で普通に?買えるスリップオンは、GPR・REMUS・AC SCHNITZERといったところです。
この中でタイプがいくつか選べるのがGPR(イタリア製)で、当初はマフラー出口パイプが2本(左右あるので合計4本)になっているタイプが他社品と違って個性的な外観でイイな~と思って一昨年前から狙ってはいたのですが、今年1月末にネットサイト(webike)で発注すると、K1600GTL用が既に廃盤となっているとの連絡があり、キャンセルに・・・(泣。
気を取り直して、数日後に別サイト(ヤフオク)で同じGPR製の違う出口パイプ2本タイプが出ていたので、こちらを発注するもまたもや廃盤との連絡が・・・(汗。
で、マフラー交換自体をどうしようか・・・とも少し悩みました。
好みのスリップオンが手に入らないとカッコ良さは少し妥協することになるが純正マフラーよりはカッコ良くなる、どのスリップオンでも音質は大きく変わらないが純正より官能的になる、どのスリップオンも純正より軽いので車重低減効果はある、ことから交換は進めることにしました。
上記の通り、選択肢はGRP・REMUS・AC SHNITZERのいずれも出口1本(左右で合計2本)タイプで、コスパ的にGPRが良いこととからやっぱりGPRから選ぶことに。
自分でもイタリアのGPRサイトをチェックするとK1600GTL用としてリリースされているのは4タイプ(いずれも出口が通常?の1本)で、本体色の好みでブラックのうちアルミセラミック処理かカーボン処理(追加料金あり)かで悩んで追加料金なしのアルミセラミック処理を発注しました。
荷物の追跡が出来るサイトの案内を受けたので見てみると、いつどこに運ばれているか結構詳細に分かるんですね。
2/3に梱包されてイタリアミラノ→イタリアベルガモ→ドイツケルン→中国深圳→成田へと輸送されたようです。
コロナ関係で平常時より輸入流通に時間が掛かるのを覚悟してましたが、毎日荷物追跡サイトを追ってGoogleマップで場所をチェックしながら『今ここにあるんだな~』『世界は繋がって本当に遥か遠方に海外から輸送されているんだな~』『次はどこに運ばれるんだろう?』なんて妄想するひとときを楽しめましたので、イライラ感はなかったですね。
ツーリングやドライブがその当日楽しいのはもちろんですが、どこで何をするかといった目的や走るルートを考えたり、何を食べるかといった準備段階も楽しみの一つ。これと同じで、欲しいものが手に入るまでの過程が分かるというのも楽しみとして良いな~と思いました。
で結局予想外に早く発注して一週間後の2/8に納品されました。
マフラー本体やパーツが布袋に入れられてそれなりの価格に相応しい丁寧な梱包ですが、国内ではありえない段ボールを網目状に切った緩衝材なので、切り屑が沢山出ていて布袋に付着。最初カビが生えているのかと思いました(汗。イタリアにはエアークッションとかないんでしょうかね。
で、2/10の降雪影響を懸念していましたが、何とか積もらず2/11に次男も休みだったので手伝ってもらってマフラー交換作業。
説明書はイタリア語・スペイン語・英語ですが、図が一つだけで文章だけ。流石に懇切丁寧な日本製品の取説とはレベルが違います。
まぁスリップオンは交換が簡単なので取説は見ずに、GPRでK1600GTL の取り付け方法がYOU TUBEでアップされていたので、それを予習して臨みました。
ノーマルマフラー取り外し
遮熱板を取り外す際に前側のボルトがアンダーカウルの内側にあり、アンダーカウルの下側ボルト2本外して少し隙間を空けてから何とか緩められました。
マフラー取り付けパーツ一式
マフラーステーを本体に取り付けするのに、パニアケースガードを取り付けしているので、その厚み分純正ボルトを使うと長さが足りなくなるのでスペーサーを入れずに締め付けました。
中間パイプにバンドを被せて・・・
次男のNinja 400で付けたスリップオンマフラーに付属していた耐熱シリコンを接合部に塗布してから中間パイプをフロントパイプに差し込み・・・
本体のを位置調整と固定。マフラーを固定するバンドの長さがギリギリなので、挟み込んでステーにボルト・ナットで締めるのにかなり苦労しました。
固定用スプリングの取り付けの際もNinja 400のスリップオンマフラーに付属の治具を利用しました。
後ろから見るとマフラー径が左サイドが純正に比べてかなり細身なので迫力がなくなりますが・・・左右が揃えば軽量=細身=スポーティとも見えるかと。
実際に重量は測定しましたが、純正が6kg・GPRが2.8kg弱なので、左右で6.5kg軽量化出来ます。
一旦取り付けた左サイドをパニアケースを装着して側面から見たところ。↓
出来るだけマフラーエンドを外側に向けたかったのですが、そうすると結構カチアゲな感じになって、排気口がパニアケース底面に近くなり長時間走ると排気・マフラーの熱で解けたり変形してしまう可能性があり、位置調整が必要かな・・・。
で、同じように左サイドを取り付け。
ただ、そのまま適当に付けると真後ろから眺めると左右でマフラーエンドの高さ・水平位置がかなりズレてしまいました。
右サイドが先述の通りエンドが上がり過ぎでパニア底面が解けてしまう可能性があるため、もう一度取り外して中間パイプ・マフラーの接続を何度か調整するのに時間が掛かり、遮熱板も取り付けなども含めて作業トータル時間は3時間でした。
左右ともマフラー交換すると細身ばがらスポーティな感じにはなったかと思います。
ちなみに、左中間パイプの下側にセンタースタンドのストッパー位置が微妙にズレて且つ長さが不足して接触しておらず(↓赤〇部分)、代わりにセンタースタンドの足掛けフックが直接中間パイプに接触してしまう状態に(赤□部分)・・・。
このまま走行すると振動でいずれ中間パイプに傷が入り穴が開く原因にもなるので、対処が必要。
2/11の午後は出掛ける用事があったため、この部分は翌日2/12にDIYショップでステンレスパーツを2つ購入して装着することにしました。
中間パイプのセンタースタンドストッパー受け部分が空洞だったので、購入したステンレスパーツを挟み込んでセンタースタンド受け部分を20mmほど嵩増し、ストッパーが受け部分に当たるよう工夫しました。
で、中間パイプとセンタースタンド足掛けフックが接触していた部分に十分隙間が出来ました。
センタースタンドストッパー側のゴムを嵩増しすることも考えましたが、ノーマルマフラーに戻した時にセンタースタンドを上げた状態でも通常より下がってしまうようになるため、中間パイプ側を嵩増ししました。
センタースタンドが下がっているとバンク角が浅くなったり、最低地上高が下がるので、もう少し上げておきたいところですが、センタースタンド足掛けフックと中間パイプの隙間からすると、これがギリギリのところですね。
まぁバンク角的にはステップの方が先に地面に接するので問題なさそうですし、最低地上高も普通に走っている分には問題ないでしょう。
外観的にマフラー直径が細くなったので後ろ姿の迫力は???ですが、少なくともノーマルマフラーのようにエンドが内側に入り込む印象ではなくなったので良しとします。
サイドビューはグレー・アルミ地の純正マフラーからブラックになり、ロゴも入って軽快さかつスポーティさがアップしたと自己満足(↓上:交換後、下:交換前)。
排気音量は少し大きくなった程度でおそらく規制値以内だと思います。
エンジン始動時とアクセルを吹かした時にこれまでの『ヒュー』『フォー』という軽い音から、『バッ』『ブオッ』『ビュー』といった濁音が主体の迫力のある低音が加わり、空ぶかしで回転を上げると高揚感のある排気音が聞けます。
午後雨~雪予報だったのですが、2/13朝一に試乗しました。もう少し乗りたかったのですが、雨がポツリポツリ降ってきてしまい試乗は20分程度。
まず6.5kgの軽量化ですが、サイドスタンドからの引き起こしが僅かに軽くなったかな?程度でしょうか。
走り出すと、軽快な排気音からアクセルレスポンスが良くなった?という感じで、3000rpmから上での加速で、排気音量が高まりつつ甲高い官能的な排気音を予感させる音が聞けました。4000rpm以上回せるコースではなかったので、それは次のツーリングの時の楽しみにしますが、並列6気筒エンジンのバイクを所有している満足感をさらに高めてくれました。
マフラー交換のデメリットというと、この高揚感・満足感を味わえる排気音を聞きたくなってしまい、今までよりも無駄にシフトダウンして低めのギアでより高いエンジン回転数で加速したり、無駄にアクセルを開けたりする機会が増えそうで、結果燃費が悪化しそうなところでしょうか・・・(汗。
近いうちに次男と日帰りツーリングに行く予定なので、じっくりと堪能してみます。