スズキの燃費測定方法が、国で定めたものと異なる方法(条件)であったとのことで
これを会社として認めています。
三菱は、測定したデータを改ざんしていました。
もちろん、両社の『やったこと』は異なります。
しかしながら
『やったこと』は不正と言われています。
不正とは何でしょうか?
辞書を引くまでもなく(辞書にもかいてありますが)、
不正とは、『正しくないこと』
『正しいこと』でないことです。
さて、
『正しいこと』とは何でしょうか?
概念的に、正しいことは人によって異なるでしょう。
しかし、多くの人が正しいと感じることが
『正しいこと』になる訳です。
そして、一つの判断基準は、『法律等で定められた条件に沿っていること』になるでしょう。
そう考えると、両社が『やったこと』は異なるものの、『定められた条件に沿っていない』訳で
『不正』をした、ということになる訳ですね。
『不正』は、子供にも教え子供にも判断できるように
『良くないこと』とも言えます。
『良くないこと』とは何でしょうか?
きっと、『子供や孫、そしてどんな人にも誇れることではないこと』ではないでしょうか。
『不正』=『良くないこと』
=『人に誇れることではないこと』
スズキの会長が、
『測定燃費は正規の条件で測定したデータと大して変わりなく、ユーザーに迷惑を掛けていない』
のようなことを言って、販売を続けているようですが、
企業トップがこのような発言をしていることが、スズキの企業としての体質に問題を抱えている
と当方は考えます。
スズキの会長の発言は端的に言えば、
『大して変わらないから違反してても問題ないし、迷惑を掛けていないから良いでしょ?』
ってことです。
迷惑を掛けていないからって感覚も、非常に違和感を覚えますが、
『燃費不正』したことを、
本当に良くないこと=『不正』とは
思っていないってこと
が非常に問題だと思う訳です。
スズキの会長の発言は、『孫や子供を含めて人に誇れる』ような内容でしょうか?
さっき、言及しました通り、正しいことは人によって異なるものです。
ですから、スズキの会長が、世間でいう『燃費不正』を世間でいう『不正』と認識していない、
ということは、あり得ることなのです。
問題であり、
『信頼』出来ないのは、
スズキの会長の『正しいこと』の感覚が、世間の『正しいこと』とは、全くズレていることです。
ちなみに、あの年でその信念や不正の意味を問うて変えるのは、
不可能ではないでしょうが、かなり難しいでしょう。
スズキの会長は、『燃費データを良くするために行った訳ではなく、三菱とは異なる』
ようなことを言っていますが、世間はそんなことを見ているのではありません。
この点で、三菱トップが本当に『正しいこと』をしなかったと心底反省しているかは別ですが、
少なくとも世間に向けての記者会見では、不正を認めていて言い訳をしていないと思いますので
まだ救いはあるのかも・・・。
三菱は、やったことは『正しいこと』ではなく、それを『不正』だとトップが認めている。
スズキは、明らかに世間から見て、『正しいこと』をしなかった=『不正』をしたのにも関わらず、
トップは本当に不正だと思っていないことを、露呈してしまっているんです。
『本当に謝罪しているのか?』 『不正を不正と思っていないよね?』
ってことを直感的に思わせちゃうんですよね、あの発言は。
これは、最近同じような観点で話題となっている舛添都知事の会見と共通な感覚です。
こうした発言をするトップを擁するスズキは、企業風土としての危うさを感じてしまいます。
この感覚で言ったら、他にも色々と世間からズレていること=『不正』があるんじゃないですか?
そう思わせても不思議ではありません。
きっと、当方から見て正常な感覚な方は、今後スズキのクルマを買わないと思います。
そして、スズキの会長がそのまま経営を取り仕切るのであれば、
三菱よりもスズキの方が、問題の根が今後も深いまま残ってしまうと言えるのではないでしょうか。
以前、
『最近気になるメーカー』
としてMITSUBISHIのことをアップした時に似たようなことを書きしましたが、
スズキは一体、何をしたかったんでしょうかね?
本当に燃費が良くて、ユーザーが
満足できるクルマを創ること
これが目標=やりたかったこと、だったんじゃないでしょうか?
それを客観的に判断するために、国の燃費測定条件が決められている訳です。
この点で、ユーザーだけでなく、スズキのクルマを燃費を一つの購入判断基準にしている方にも、
混乱を招き、迷惑を掛けている訳です。
カタログ燃費は、絵に描いた餅?的に世間一般では思われています。
TVで、自動車評論家の国沢さんが、
『カタログ燃費はプロがサーキットを走ったラップタイムのようなもの』
と言っていましたが、確かにそうでしょう。
ですから、一般に使用した燃費は、かなり悪化します。
でも、そのデータを信用して購入判断基準の一つにしている人がかなりいる訳です。
それなら、向かい風の影響を受けた燃費が悪くなる条件で測定したって良い。
もし、国が定めた条件と異なる条件で燃費を測定していたとしても、
より厳しい条件での測定値を申告していたのなら、
世間は180度全く違った評価をするでしょう。
そんな、真にユーザー思いのモノ創りをするメーカーは、ないんでしょうかね。
それこそ、目指すべき企業の姿だと、自分は思います。
企業を形成しているのは、
『人』です。
一人一人は、決して同じではないですし、
正直
『愚直』とは言えない人もいるのが事実です。
しかし、その人たちの集合体である企業は、
『愚直』であるべきです。
『愚直』でない人を『愚直』になるように修正していくのが、企業マネジメントの重要な部分です。
しかし、それをすべきトップマネジメントがそれを出来ないと、
こうした大きな問題を発生させます。
スズキのクルマも、三菱のクルマも、フォルクスワーゲンのクルマも愛車にしたことはありませんが、
きっと良いクルマもあるでしょうし、魅力的なクルマもあったと思います。
でも、自分は正直、
『愛車の中に、
これらメーカーがなくて良かった』
と思いました。
『不正をした企業のクルマが愛車(だった)』としたら、
絶対に自分はとても裏切られた気分になるでしょう。
そして、おそらくそのクルマには乗り続けても、二度とそのメーカーのクルマは買わないでしょう。
そのメーカーを
『信頼』出来ないからです。
『信頼』とは、一度失ったら
取り返しがつかないもの
だと信じています。
『信頼』を取り戻せるように努力します、という言葉を会見等で聞くことがありますが、
それは無理ですね、自分にとっては。
そう思っている方は、世間に相当数いると自分は思っています。
かつて、食中毒問題を起こした『雪印』=『メグミルク』の製品は一切買いませんし、
エレベーターの『シンドラー』など、未だに『信頼』していませんから。
もし『シンドラー』のエレベーターに乗ってしまったら、とても不安を覚えますね。
これらメーカーは、いまだに『信頼』してませんから・・・。
おそらく、どんなことを説明されても、『信頼』は出来ないでしょう。
それだけ
『信頼』とは大きく重いもの
なのです。
クルマ好きの一人として、
・『信頼』出来ないクルマメーカーが
これ以上増えて欲しくない
・今後愛車を選ぶ際の
選択肢を狭めないで欲しい
・その他のメーカーは愚直で乗り手を
第一に思い続けて欲しい
そう切に願って止みません。