先週、クラッチペダルを踏むとクルコン解除が出来るように、DIYでリレー配線を組みました。
元々クルコンの解除は、①クルコン本体のボタン、②リモコンの『SET▽』ボタンの長押し(3秒)、③ブレーキペダル、の3つで出来ました。
ですので、クラッチスイッチによるクルコン解除機能は4つ目ということになります。
さて、クルマが周囲の状況とは無関係に速度を一定に維持するのがクルコンですから、ドライバーが解除したい時にすぐに簡便にクルコンを解除出来るようにしておくことは、安全上とても重要です。
また、クルコンをより便利に活用するという点においても、速度設定の簡便さのみならず、解除の簡便さ・タイムリーさがやっぱり重要です。
そこで、まずクラッチペダルによるクルコン解除を改善することにしました。
クルコン解除に利用したクラッチスイッチは、元々ギアがニュートラル以外に入っている時にセルを誤って回してクルマが動かないようにする安全装置(クラッチスタート機能)です。従ってクラッチが完全に切れる状態までペダルを踏みこんだ状態でONになるように出来ています。
つまり、クラッチを奥まで踏み込む=クルコンが解除されるまでにタイムラグ出来てしまいます。
例えばクルコン作動中に上り坂に掛かると速度を維持するためにスロットルが開いた状態になりますが、ここでクルコンを解除しようとクラッチペダルを踏みこんだ場合、クルコンが解除される前にクラッチが切れてしまいます。
すると、エンジン回転数がグッと上がる『空吹かし』が起き、その後にクルコンが解除されますので、ヒヤッとします・・・。坂道傾斜がきつければ、空吹かしは余計に大きくなりますので、落ち着いてクルコン走行し難くなってしまいます。
そこで、クラッチスイッチを早めにON状態に出来ないか、クラッチスイッチ付近を見ながら考えました。
クラッチペダルアーム上部↓赤□(画像は取り外してあるので穴が開いている)に付いている、取り外し可能な丸いゴムパーツがあり、これがクラッチスイッチ先端を押してスイッチONになりますが、クラッチを踏んでいない状態では、このゴムとスイッチの隙間が30㎜強開いており、これがタイムラグの原因になります。
この隙間を無くしてペダルの踏み始めにクラッチスイッチを押し込めれば解除レスポンスが良くなるのですが、スイッチのストローク(スイッチが押し込まれる長さ)が少ないので、ペダル側のゴム部分を単純に硬い物で厚みを増やしてしまうと、クラッチペダルが奥までしっかり踏めず、クラッチが完全に切れなくなってしまいます。
それじゃぁ、ゴムパーツ上にスイッチのバネより硬めだけど、弾力がある物を追加し、踏み始めでスイッチを押し込んだ後に、追加物が収縮すれば良いのでは?と考え、試しに鉄摸用に昔買っておいた円筒型のやや硬めのスポンジ4枚を重ねて・・・
ビニテで固定し、これをクラッチペダルに戻してみました(画像がピンボケですが・・・)。
クラッチペダルを奥まで踏む際に、スポンジの潰れで踏力が少し余計に必要になりましたが、ペダルの踏み始めに近いところで、思惑通りクラッチスイッチがON=クルコン解除が出来るようになりました。
これはまずまず行ける・・・とニヤ付いたのですが、クラッチを踏む回数が多く、クラッチスイッチの押し込みにソコソコの力が掛かることから、徐々に追加したスポンジが当初の形を維持出来ずに変形。
結局、クラッチスイッチのONOFFが安定しなくなってしまい、試験品は耐久性・安定性がダメでした(汗。
第二弾として、形を維持出来るような一体物や固定方法の工夫も考えたのですが、クラッチスイッチがONになった後のペダル踏力が意外に必要で、この方式で進めた場合はロングドライブでは左足の疲労が増えることは確実と思い、別の方法をトライすることにしました。
で、次の工夫として思いついたのが、工業的にもよく使われている小型のリミットスイッチの応用です。既存のクラッチスイッチはそのままに、踏み始めにONになる追加スイッチ・組み方がないか、ネットを徘徊しつつ暫し考えました。
自分でリミットスイッチを購入して使った経験はないのですが、いろいろな種類があり、それ程高いものでもありません。
装着されてそのまま使っているクラッチスイッチもリミットスイッチの一種な訳ですが、よくドアなどに使われているヒンジレバータイプで、かつ配線次第でレバー上下によってONもOFFも両方設定出来るタイプの中で、レバーが50mmと長いものを試しにアマゾンで購入してみました。10個入りで899円、1個89円と凄く安価です。
ちなみに、運転席ステアリング下に何度も潜り込んだので、クラッチペダルの付け根をよく観察したのですが、クラッチスイッチが2つあることに気付きました。
↓画像は昨年クラッチペダルASSYを取り外した時のものですが、赤〇と赤□が2つのスイッチです。
クルコン解除機能配線を接続したクラッチスイッチは↑赤〇の方でペダルを踏み込んでスイッチが押し込まれてONになるタイプ。ペダル上部でも少し施工し易い位置にあります。
一番最初に購入したクラッチアダプターの配線を接続させたスイッチがペダルの一番上に付いている↑赤□方だったのですが、ペダルASSYの最上部に付いていて、こちらはペダルを踏んでいない時にボタン(棒)が押し込まれている状態(おそらくOFF)です。
赤□のスイッチの方がクラッチの踏み始めに作動する(棒が伸びてONになる)ので、ホントはクルコン解除には適しているのですが・・・。
クラッチペダルASSYがボディ側に取り付けられている状態だと、
①スイッチが手が殆ど入らない上部の奥まったところにあり、結線するのが難しい(クラッチアダプターを最初に接続しようとしたら配線が経年劣化で被覆を剥こうとした際に切断してしまい、再結線が大変だった)こと
②このスイッチ信号がどのように使われているのか、ネットでも情報が全くなく、今回の回路のように完全に独立させて切り離した場合に不具合が出ないとも限らないこと
③このスイッチ配線を切り離さずにIGNを接続した場合、やはりショートなど不具合が出る可能性があること
などからこちらのスイッチの応用は避けることにしました。
そこで、レバー稼働でON・OFFのどちらも選べる今回のリミットスイッチを応用する際にも、スイッチONのレスポンスを良くするには、通常のペダル位置でリミットスイッチレバーが押し込まれた状態ではOFFになっていて、ペダル踏み始めでレバーが動きスイッチが離れてONになる使い方が良いと考えられました。
で、クラッチペダルのクラッチスイッチを押すゴムパーツに円スポンジ4枚を加えたスポンジ部分を外してゴムパーツだけを戻し(最初の状態)、このゴムパーツ取り付け位置の反対側を利用してリミットスイッチ=第5のクルコン解除装置、を取り付けることにしました。
リミットスイッチのレバーは50㎜と長いのですが、幅が少ないので、金属製の薄板をビニテで巻いてくっつけ、接触部分の面積を広げてスイッチ作動の確実性を上げておきました。↓
施工・取り付けは9/3と9/4に進めたのですが、固定にはかなり苦労しました。
昨年クラッチペダルASSYの取り外しの時もかなり大変でしたが、頭をペダル付近に突っ込んで上向きに寝転んだ状態だと、肩付近が狭くて腕が中々自由に動かせないし、かつ腰部分にはクッションを敷いていますが、そのまま足を出していると『逆エビ反り』状態になるので、暫くすると腰が痛くなります。
しかも、頭の付近は風も全く通り抜けないので、この時期は気温も高くて汗を流しながらのキツイ作業でした・・・。
取り外した円スポンジを上記のペダル上部付近の凹部にビニテで巻いて固定してリミットスイッチの接触部分を作り、ここに対して90度直角の位置にある金属ボックス接続コネクター部分に配線を付けたリミットスイッチを、結束バンドを何回かダメにしながら複数を組み合わせてスイッチ位置を調整しながら何とか固定。
スイッチレバーの折り曲げ角度も調整しつつ、クラッチペダルを踏み込む前にスイッチが押し込まれた状態・ペダルを踏み始め直ぐにスイッチが離れてON=クルコン解除信号(IGN)が流れるように出来ました。
尚、リミットスイッチを取り付けた位置が奥側にあって狭く、光が届きにくい上にカメラが近接過ぎるため、取り付けた状態を上手く画像に残せていません・・・(汗。
リミットスイッチの配線は、クラッチスイッチと同じく(並列で)、スイッチONでリレーとクルコン本体に同時にIGN通電=信号が入るように結線。
リミットスイッチはON・OFFのストロークが短いこともあってレスポンスアップに貢献している感じで、試走すると思惑通りクラッチペダルを踏み始めでクルコン設定を気持ち良く解除出来るようになりました。
課題は、スイッチ機能の安定度・耐久性ですが、最初にクラッチスイッチONのレスポンスを上げるために付けた円スポンジで押し込みスイッチを押す場合に比べると、スイッチそのものとその接触面に掛かる物理的なエネルギー(負荷)は、今回の場合はほぼない状態なので、稼働回数が多くても固定したリミットスイッチの位置や調整したレバー角度などの変化が少ないはずで、すなわち解除機能の耐久性は高いだろうと推定しています。
もちろん、ペダルの踏力も増えず、通常に戻ったことも大きいかと・・・。
当然、クルコンを設定しなくても何度もクラッチを踏む=何度も今回設置したリミットスイッチが動きますので、スイッチ自体の耐久性にも注目します。
さて、リミットスイッチはクルコン解除信号をレスポンス良く伝えられて、利便性を向上出来ることが分かりましたが、購入したリミットスイッチがまだ9個もあるので、第6のクルコン解除スイッチを増設することにしました。
クルコン本体にも解除スイッチは付いているのですが、基本的にクルコン本体のスイッチは条件設定用を想定していますし、クルコン本体の取り付け位置が↓だと、ステアリングを握っている手をステアリングセンター奥まで移動させなければなりませんから、タイムリーなクルコン解除に全く適していません。
また、ウインカーレバー先端に付けたリモコンスイッチでも解除出来ますが、下側の『SET』ボタン↓の3秒長押しなので、これも迅速さ・利便性に欠けます。
ですが、ウインカーレバーはステアリングを握っている手による操作性が最も優れた位置であり、このリモコン設置位置の付近にリミットスイッチを取り付けました。
ちなみに、マイレガは前期型BP5のマニュアル車なのでありませんが、後期型のAT車などはステアリングサテライトスイッチが設定されていて、位置的にも便利なのでこれを利用することも検討しました。
見た目も良いですが、中古のステリモ単品が殆ど出回っておらず、新品は13000円はするようです。ステアリング一式としてスイッチ付きで5000円前後で出品されていますが、スイッチも10年は使用されていると推定されるので耐久性に不安がありますし、さらに配線コネクターがポン付け出来ないなどコスパが悪いということで、却下しました。
さて、スイッチレバーの先端はそのままだと味気ないのと、幅が細いので黒のビニテを数回巻いて太くすることで、操作性を上げました。
配線は、クラッチに付けたリミットスイッチと同じく並列に接続しましたので、クルコン解除レスポンスは同じで、クルコン設定後にこのリミットスイッチを指先で手前にクリックする感覚で操作すると、気持ち良くクルコン解除が出来るようになりました。
こちらは、クルコン設定時にしか作動させない(しない)のでスイッチ自体の耐久性はクラッチに付けたリミットスイッチに比べて数倍良いと推定されますが、暫くは様子見ですね。
これでクルコン関係の工夫改善はひと段落付きました。
利便性・レスポンスが上がると高速道路でなくても、チョコチョコとクルコンを使いたくなってしまって、使用頻度のアップが耐久時間ダウンに繋がってしまう可能性もあるので、痛し痒しなところがあります(笑。
ただ、最近レガの不具合が連続した中で、クルコン解除機能のレスポンスアップが、便利なものをより気持ち良く使えることに繋がって、満足度がさらに向上して良かったです。
ちなみに、まだ改善後2日間の通勤往復ですが、かなりの回数クラッチを踏んでも第5のクルコン解除機能としてクラッチペダルに新規追加したリミットスイッチの作動状況は全く変わらず、レスポンス良くクルコン解除が維持出来ているので、耐久性は結構期待出来そうです・・・。