ステージに「初音ミク」が立っていた。
頭では解っているのに、見えている物が遥かに感覚を凌駕していました。
何の捻りもなく、私の口から言葉が出ました。
「ええっ!嘘だろ?あり得ない!」
きっとBDとかじゃコレは解らない。
「完璧な何か」がそこに居る感覚。
頭を抱えて口あんぐり。
きっとミクさんのコンサートでステージを初めて見た人、全員同じ感覚。
<あり得ない現実が目前で起こる奇跡のコンサート>
ミクの日大感謝祭FINALはそんな場所でした。
先ずは
オープニングアクトのダンスロイドによる「ルカルカ★ナイトフィーバー」と「初音ミク」の声を提供した
藤田咲さんと、「鏡音リン・レン」の声を提供した
下田麻美さんによる
MCでウォーミングアップ。
ダンスロイドの時点で着膨れしていた
私はYシャツ姿になってました。
その位
熱気がすごかったです。
両声優さんの説明によると、
8日、9日両日で、会場に1万人、
映画館ライブビューイング、海外のライブビューイングで三万九千人以上を動員!って事で、
私の予想を遥かに上回る人数の人達が、今この会場に熱い視線を投げかけていると言う事で、
チョット驚きました。
そして遂に会場にオープニングが流れ・・・
流れてきた
イントロは何とGoogle ChromeのCM曲、
「Tell Your World」!
ええっ!?最初に神曲持って来るか?感動!!って思ったのも束の間。
白い幕が上がった時、そこに
初音ミクが立ってました。
(画像はニコニコから、文章は11日の時点で書いてます(^_^;))
いや、
勿論映像です(^_^;)。
映像なんですが・・・
私が見ている位置はかなり高い位置にあるので、
ステージ全体と観客席が見渡せるのですが、
どう見ても
「初音ミクがステージ中央に立っている」
としか見えないんです。
「人間ではない人型の完璧な何か」
が、舞台の中央に立っているという
目で見た現実を受け入れられずに、
軽いパニックに陥りました。
DVDやBD、YouTubeやテレビ放送の「映像」を見た人は、
「技術は凄いけど映像でしょ?映像に声援や掛け声やサイリウムって・・・見てる人も大変だね~(^_^;)」
と、
異口同音に言いますし、
私も今まで心のどこかでそうでした。
でもね、コレは違うんです。
会場で見ると、「本人が来てる」んです。
本人が来て、歌って踊るんですから、もう普通のライブコンサートな訳です(^_^;)。
普通にライブコンサートなので
掛け声やサイリウムは当たり前なんです。
それ以前に、
人間ならざるもの・・・まさしく
「天使がそこに立って歌って踊る」
わけです。
いえいえ、そんな
小理屈は全て後付です。
会場の観客はまさに
「ミクさんが実在する世界」
と言う異空間に飛ばされてしまうわけです。
一瞬で
頭の中の「何かのネジ」が吹っ飛んで、
会場がどよめいたのを感じました。
本当に
頭を両手で抱えて、髪の毛を掴んで
「嘘だろ!?」
と言ってしまうんです。
あの光景を一生忘れないでしょう、
その位印象的なスタートでした。
その実際を体感できない人に、
ある意味「ミクさんのコンサートが凄い!」とか「日本の技術はココまで来た!」とか言葉で幾ら説明しても、理解してもらうのはなかなか難しいんじゃないかと思います。
そこからはもう全曲クライマックス!
嬉しい
定番曲の嵐!
ミクさんの過去のコンサートのDVDなりBDを持っている人なら
合いの手も掛け声も自然に出てきます。
ワールドイズマインでは
「そのいち!」「そのに!」「そのさん!」
と
定番の掛け声で叫びながら飛び上がりました。
すると、会場の
サイリウムの大群も同じ様に躍動して
同じ様に会場全体が叫ぶわけです。
何と言う一体感!
今回、ゲストとして
楽曲提供者自らがステージで演奏するという事で舞台袖から次々とアーチストが登場し、
VOCALOIDと共演してました。
ラマーズPさんは「ぽっぴっぽー」でミクさんとダンスしながら
生ハーモニカを披露!
「そいや!そいや!」
「のって~のって~」
の掛け声の中、ミク・アメリカコスチュームの
初音さんはステージ狭しと走りまわり、激しくダンス&シャウト。
更に
全曲クライマックスは続き、
「初音ミクの消失」までノンストップ!
サイリウムを振る右腕が上がらなくなりかけた時に、
ミクさんの姿が真っ赤になって
消失・・・
あ、赤!?
「変わるわよ!」
慌てて
赤いサイリウムを折った所で
MEIKOさん降臨!
会場が赤いサイリウムで埋め尽くされた!
MEIKOさんのこの曲、
「Change me」はオーケストラの演奏も含め、
今回最も私の感覚に残る曲になりました。
その後、
レンくんの「右肩の蝶」でまた
掛け声大会に!
ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!
そして、
ルカねぇさんの「Just Be Friends」で
ピンクのサイリウムがまるで波のように
左右に打ち振るわれ、
「孤独の果て」でリンちゃんが
ギターを持って登場した時には
ビックリしました。
何とVOCALOIDのギターソロです!
えっ?
それってアリなの?(^^;)。
一瞬疑問が心を過ぎりましたが(笑)、
ステージ上ではリンちゃんがギターを演奏しているとしか見えないので直ぐに
疑問は消えてしまいました(^^;)。
<目に見える物が全て>
そう思ってしまえば
楽になれるんです(笑)。
今回ミクさんが喋る喋る、2010年の感謝祭メンバー紹介ではMCまでやった事自体に驚きましたが、今回は更に
曲間にも色々と喋りが入っていて、勿論
メンバー紹介のMCも滑らかに、本当に色々と
VOCALOID達が「声」をかけてくれました。
単純に観客としては凄く嬉しかったです。
「パズル」そして、
私が大好きな曲、「1/6」と来た時には
本当に涙が溢れそうになりました。
更に
「SPiCa」ではLOSでもやらなかった
スピカ砲が2年ぶりに炸裂!
流石に3階バルコニーまでは届きませんでしたが(^^;)、
テープが舞い散る中踊るミクさんは
本当に幻想的でした。
ココで
暗転、会場は
ミクさんコール大合唱に!
若干、「ミク」じゃない声(肉?)も(笑)混じってた気もしないでも無いですが、
私も一緒に大合唱に加わりました。
そして、
アンコールでは何と3曲!
愛言葉
メルト
ハジメテノオト
「メルト」では客席全員がラーララーと歌い、それに
ミクさんが続くという
素晴らしい一体感を味わいました。
ハジメテノオトでコレで最後か・・・と、ミクさん退場・・・
ん?
あれ?
明るくならない?
「もう一回!」
ええっ?
「もう一回!もう一回!」
いや無理だろ?
「もう一回!もう一回!もう一回!」
アンコール後にもう一回なんて、そんなの聞いたこと無いよ?
でも、
私も一緒にもう一回コールに参加!
終わって欲しくない!もう一度!
そんな気持ちで叫んでいると、
ステージに明かりが!
Project Diva desu が!
「おおおおおおお!!」
地鳴りのような歓声を私は聞いた。
Divaの
ビートに合わせて、ダンサーの人達がステージで踊りまくり!
そして・・・
「ワールドイズマイン」の曲と共にステージ中央にミクさんが現れたんです!
2010年のミクの日感謝祭のスタートの再現です!
とっくに限界を超えた両腕でサイリウムを振り、
間の手を叫び、
拳を突き上げながら、
「もしかして、本当に終わらないんじゃないか?」
「終わらない夢を見ていて、この世界は永遠に続くんじゃないか?」
「終わらなくていい!永遠に続いて欲しい!」
そんな
思いが頭の中を巡りました。
幸せな時間、永遠のワールドイズマイン。
ステージ中央でミクさんが「バイバイ」と言って
手を振り、拍手と歓声の中、
幕は降りました。
全ての演奏が終わって、会場内が明るくなった時、
軽い虚脱状態に陥って、椅子に座ったまま数秒呆然としてましたが・・・
アリーナの
観客の人達が上を向いて手を振っているのにハッとして、私もまだ光ってる
サイリウムを振り返しました。
更に
何処からともなく始まる3・3・7拍子!
会場が間の手の掛け声で包まれて、
雨のような拍手の中・・・
「また会おう!」
「また来年!」
「またな!」
声を掛け合いながら
退場・・・。
私はチョット一拍入れたくなって
ドリンクカウンター横のベンチにへたり込んでしまいました。
そこで、初めてドリンクサービスで買ったアイソトニック飲料の口を開けて一口飲み・・・
「終わってしまった・・・あの世界が・・・」
何か人ならざるものが見えていた世界・・・。
それが
終ってしまったことにより、ポッカリと何かが無くなってしまった喪失感。
2時間のアノ世界がもう無い・・・その事を脳に理解させるのに暫くかかりました。
座って呆然として居ると、急に何か「終わったこと」を記録しておきたくなり、スマホで「何してる?」を投稿。
送信ボタンを押した時、
突然同じ様にベンチで隣に座っていた人に声を掛けられました。
「あの・・・」
「え?はい?」
「どうでした?」
「えっ?」
「と言うか
感想的な何か・・・」
「か、
感想ですか・・・
感想って・・・
ヤバイでしょこれは!」
「(爆)」
「いや、
私舐めてました、
本当にヤバイですこれは!ミクさん居ましたからね!」
「居ましたね・・・」
「何か
言葉に出来ませんよ、
ヤバイです!
色々ヤバくて凄かったです・・・」
「
FINALって付いてましたけど、
やめちゃうんですかね?」
「いやぁ・・・
やめられないでしょうコレ・・・解ってる人は解ってるんでしょうけど、
<やめられないゾーン>に来ちゃってますよね・・・主催者もファンも・・・」
「そうですよね、そうです、うん」
「やっぱり演奏者のスケジュール調整とか大変なんでしょうけど・・・
何か形を変えて続くんじゃないでしょうか?」
「ですよね・・・」
そこで、場内の
退場案内の人から退場を促されました。
「ではまた来年」
「ではでは・・・」
テンガロンハットの黒尽くめの若いおしゃれな人とそこで別れ・・・
東京ドームシティホールから出ようとした所で
「あっ、カメラ預けてあるんだった!」
と、思い出し、引き返しました(^^;)。
カメラの事を
思い出した事により、浮き足立ってた自分を
チョット冷静にさせることが出来ました。
コインロッカーにも荷物があるし、あんな感覚のままウロウロしてたら、
何もかも忘れて呆然と家まで帰る所でした(笑)。
デジカメと荷物を回収し、駅から電車に乗りましたが・・・
あれっ?
全然混んでない?
って、そうか、
たった3000人だもんな、コンサートが終わっても
混む訳無いんだ(^^;)。
球場コンサートとかアリーナコンサートとかだと数万人規模の人出だから、帰りの交通機関も殺人的に混みまくるからな~。
B'zの西武ドームでのコンサートなんて、電車に乗れない事を心配して、かみさんと一緒にアンコール前に会場から出ちゃったし・・・
それを考えれば
最後まで楽しめるし、いろいろ楽だよな・・・。
と、また
ミクさんコンサートの良い所を発見(^^;)。
コンサート終了時点で21時を回っていましたので、帰り途中で食事を・・・なんて考えていた私の目論見は見事に外れ、秋葉原のUDXビル内の
飲食店は軒並みCLOSE(笑)。
和光でとんかつ・・・なんて思ってましたが、全然駄目で、何とかギリギリ開いていた
上野駅内のecuteのレストランで閉店ギリギリで食事にありつきました。
通勤電車に揺られて(この日は金曜なので普通に通勤客で満員(^^;))
自宅の最寄駅から改札を通り抜けた時・・・雨音が物凄いので、傘をだそうとしたんですが・・・
あれっ?雨が殆ど降ってない・・・
雨音だと思ったのは、耳に残ったホワイトノイズ。
<サーーーー>
その音を聴きながら、
駅前駐車場に停めたロードスターのエンジンをかけました。
ロードスターは
サイドブレーキかけ忘れてました(^^;)。
危ない危ない・・・
やっぱり浮き足立ってたんですね・・・気を付けなければ。
そして自宅に到着、
私にとっての「ミクの日大感謝祭」は終わりました。
あの夢の様な2時間、軌跡のステージを創り出した関係者全てに感謝を。
更に会場で一体になった観客の皆さんに感謝を。
そして、
来年以降もコンサートが続いて、より多くの人があの世界を体験できる事を祈っています。
余談
実はク○○ズ○ッ○○代でVOCALOIDや合成音声の解説をしていたの○藤先生によく似た人と通路ですれ違いました(^^;)。
人違いかも知れませんが、VOCALOID好きなんだな~と私は「勝手に感心」しておきます。
<有る意味感謝祭のテーマ曲「ワールドイズマイン」ミクさんは次はどんな世界を見せてくれるんでしょう?>
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初音ミク現象 | 日記
Posted at
2012/03/13 00:43:33