2008年11月06日
本日は、残整理。
経費の計算と、お通夜・告別式に来ていただいた参列者のまとめ、
そしてお位牌の準備と、組内への挨拶などなど、やることはてんこ盛り。
朝、7時ちょっとすぎに起きる。
寝てるのに、ぜんぜん寝た気がしない。
父の遺影の前でしばしの時を過ごす。
不思議と涙が出ない。自分をしっかりと保ててる。
俺はやり遂げた。反省点などひとつもない、最高の葬儀を行った。
喪主として、息子として胸を張れる。
でも、そのために昨日、一昨日とエネルギーを使い果たした。
後のことを考えずに絞りつくした。最高の葬儀を行う、ただそれだけのため。
今まで35年間生きてきた中、ここまでエネルギーを使ったことはない。
人間って、ここまでエネルギーを集中して物事が出来るんだ。
自分の限界が、自分の感じていた所より、とてつもなく上にあることを
父が教えてくれた。今まで言ってた限界など甘い。大甘だ。
今回の限界にいかに近づけて、能力を発揮できるようにするのが今後の課題かな。
父の、最後にくれた最大の贈り物。
しかし、その反響で午前中は抜け殻状態。全くまとめが進まない。
だらだらとまとめを続ける自分に妹よりツッコミ。
途中で整理を打ち切り、祭壇の小物を購入しに。ついでに位牌も作ろう。
サイズを確認するため、祖父の位牌を仏壇より持ち出す。
そういえば、祖父が亡くなった日、自分は幼稚園に通っていた。
幼稚園の窓から、田圃のあぜ道に救急車が止まっているのが見えて、
「あ、救急車だ」と見ていたら、急に呼び出しがあって帰ったことを思い出す。
止まっている位置はなぜかいまだに覚えている。
そのときは、死というものすら判っていなかった。
何でみんな泣いているのかなと思ったのと、人がいっぱい集まってるなと。
花を刺していた緑色のスポンジで遊んだ。祖父の葬儀で覚えているのはこれくらい。
あと、祖父は電車を見せに良く連れて行ったなぁ。
ピンク色とクリーム色の電車が好きだった。
青い機関車か、ピンクの機関車か、黒い貨車か、小豆色の貨車か。
何が来るか楽しみにしてた。当時と比べると今の電車は味気なくなりましたよ。
祖父としばしの語りをしつつ、仏具店に到着。位牌の申込み手続きを行う。
店に置いていないお盆を探しにホームセンターに行ったが、ない。
そうなると諦め切れないのが自分。お盆を探して車を走らせる。
その途中、ふと、想いがこみ上げてきた。車を止めて車内で一人泣く。
どんなにやり遂げたって父は帰ってこない現実が押し寄せる。
いくら、やり遂げたことを糧としても、
いつかは必ず受け入れなければならない現実。
受け入れられるのだろうかと不安になりかけるが、その不安を気合で散らす。
そう、前に向かって進んでいくんだと父に誓ったんだ。
自分を取り戻し、桜が刻み込まれているお盆を購入した。
そのあと、繰出し位牌のお願いにお寺に行き、住職と話をする。
(位牌が多くなったときにまとめるのが、繰出し位牌)
無事儀式を終えたことのお礼と、49日のお願い。
式の次第はブログを住職にお見せして報告する。
住職はふと目頭を押さえて、涙が目の端に浮かんでた。
そして・・・立派だった。よくやったねと言ってくれた。
その言葉に父が喜んでいる姿が見えた。肩の荷が下りたような感じがした。
さぁ、がんばって次に進もう。
Posted at 2008/11/06 23:44:40 | |
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介護 | 日記
2008年11月06日
ありがとう。
みんなが見てくれている。有難いコメントを頂いた。皆様の想いに支えられて、後悔のない式ができた。
自分は決して強くない。いや、弱い。
ただ、一つだけ強いものがあった。それは父への想い。全力で父を送る。
それが弱い自分を動かし突き進む原動力となった。でも、それだけでは足りない。
後悔しないようにやりとげるにはどうすればいいかを考えつつ、今日の内容をブログに書き、頑張れと自分に言い聞かせる。PV、コメントで皆様の想いを受け、力に変える。
式中、何度もブログ、コメントを見直した。そして力を貰う。
一人の力はたかが知れている。焼け石に水。それが周りの皆様の力を得て、大水となり石を冷やす。
やり遂げたのは皆様のお陰。ありがとう。

Posted at 2008/11/06 08:49:17 | |
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介護 | モブログ
2008年11月06日
式場に戻った。
精進落しとは協力いただいた組の人に感謝の意をこめてもてなすこと。
喪主の挨拶で、組の人への感謝の意を伝え、宴が始まる。
その後、参加いただいた組の方の挨拶を行い、
食事を済ませて、いよいよ父のところに。
父の遺影の前で立ったままたたずみ、2人で日本酒を飲み交わす。
こみ上げてくる涙を拭きつつ。
父へ、俺はやった。一人前にやり遂げた。ベストを尽くしてあんたを送った。
妹・弟・親族・組の方・参列者の皆様、住職様、斎場のスタッフたち、そして、satoko。
みんなやってくれた。おかげでベストを尽くしてやり遂げることが出来た。
本当にやり遂げた。後悔は全くない。
この、やり遂げたことを糧にして、あんたの子供たちは前に進んでいく。
その先には分からない所だらけだ。しかし、協力してくれる周りの皆様がいる。
心配は要らない。安心して見守っててくれ。安らかに。
そして・・・・ありがとう。
Posted at 2008/11/06 00:58:58 | |
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介護 | 日記
2008年11月06日
霊柩車が火葬場に近づく。
位牌を自分の体で抱き込む。いよいよだ。
到着し、霊柩車のドアが開き、
幾度も見たことのある機械が父のお棺を迎えに来る。
この機械で運ばれている姿はモノ扱いされているようでいつ見ても嫌なもの。
出来たらぎりぎりまでこの手で運んであげたい。
釜まで移動する。通路はとっても寒かった。これは温度だけではないと思う。
そうして、釜に到着。しばし父の顔を見る。でも、記憶に焼き付けない。
生前の父の姿を重ね合わせる。そう、記憶には生きている父の姿だけ残ればいい。
・・・と言っても、この姿は忘れられないだろう。
最期の最期の別れ。参列者が父に語りかける。
自分は語り掛けない。どんな言葉を出しても足りないから。
その代わり、心で語りかける。
そして、幾重にも重なるドアが開き父のお棺を飲み込む。
そして、幾重にも重なるドアが順番に閉まり、最期のドアが閉まる。
最期のドアはどう見てもエレベーターのそれ。
父は、天国に向かうエレベーターに乗ったのだ。
納骨までのしばしの時間を休憩室にて過ごせ・・・なかった。
参列者を確認した後、早々と釜のところへ。そして、一人で泣き崩れる。
ふと後ろに人の気配。satokoだった。
参列者が喪主を呼んでいるとの事。そう、大切なことを忘れるところだった。
式はまだ終わっていない。泣き崩れるには早すぎる。
悲しいのはみんな同じ。喪主だけが特別に悲しいのではない。
喪主として、頑張ってやり遂げるんだ。役目を果たした後に泣き崩れるんだ。
同じ場所に弟もいた。兄弟同じ事を考えているんだなとうれしかった。
久しぶりのいとこ集合。皆と食事を共にする。
親孝行について熱く語ってしまった。
叔父から変わっている人だよねと言われた。
もちろん場の雰囲気を和ませようとしてくれていること。
素直に受け入れ、熱くなった自分を覚ますことが出来た。危なかった。
ま、実際に一族の中ではかなりの変わり者ですからね。自分は。
子供は親の見れない所を見ている。それを親に見せる。
それによって親の世界を広げるのが親孝行と思っている
知らない温泉郷に連れて行くなどまさにそう。
自分は一人旅が好きでいろいろ見てきた。でも、見れない世界もたくさんある。
だから、いつもそう思っていた。
でも、父に違う世界を見せられそうで見せられなかったことを後悔している。
父が動けるときは旅行に連れて行くことを疎んでしまい、
結局連れて行けずに手遅れになってしまった。
いろいろ見せれなかった。思い出が作れなかった。
その思いを皆にさせたくない。
この言葉がどう受け取られたかは分からない。
いよいよ、骨ひろい。
あっけなかった。父はひとかたまりの骨となっていた。
でも、骨壷に収まらない。骨を砕くガリガリ音。
大嫌いだ。目を閉じてこぶしをぎゅっと握り締めて耐え抜く。
蓋を弟・妹と共に閉める。
3人の指紋が蓋についた。でも、拭かないで残した。
子供一同で父を送った証として。
お寺に戻って初七日の法要を終えて、納骨を行う。
そして、四十九日までお寺で供養いただくようにお願いした。
大きなイベントはこれで終えた。
今度は、協力いただいた組の方々へのお礼。
式場へ戻る。
Posted at 2008/11/06 00:35:24 | |
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介護 | 日記
2008年11月05日
いよいよ告別式。
お棺の中の父の顔を見つづけ、しばしの間たたずむ。
俺は喪主として、そして、息子として立派にあんたを送る。力を貸してくれと。
でも、もう限界を超えている。
友人から、仕事で寄れないけど、斎場前を通る時にクラクションを5回鳴らすから。
というメールが携帯に来た。
参列していただいた方にご挨拶をしながら友人の通過を待つ。
赤い車が見えた。あのミラノレッドのアンテナはまさに友人の車の証。
そして、クラクションが5回聞こえた。手を上げて相手に答える。
自然に涙が流れ、想いがあふれ出す。ふらっとくる。
危ない危ない。まだ式は始まっていないぞ。
なんとか自分を取り戻し、友人に「気持ちは受け取った。ありがとう。」
感謝のメールを送る。
いよいよ式が始まる。
読経、焼香。そして、お棺の中を花で飾るとき、
ついに自分の限界を突破した。
喪主が最初にお棺の中に入れる。それは父が好きなアンパン。
受け取った後、想いが堰を越えてあふれ出す。
どうしても体が動かない。お棺の中に入れられない。
涙がとどまることなくあふれ出す。
そのまま泣き崩れてしまいそうな自分をがんばって押さえつける。
ここで崩れてどうする?何のために頑張ってきたんだ?この時のためだろ!
喪主の自分が入れなかったら、式が進まないぞ。
何とか頑張って、父の顔の隣にアンパンを置く。
次に、これまた父の好きだったりんごが手渡される。
限界をすでに超えている自分。だめだ、体が動かない。
泣き崩れそうだ・・・泣き崩れたい・・・でも!
自分に叱咤激励をしつつ、何とかお棺の中に入れる。
その後、父の棺からはなれ目頭を押さえる。
時が経ち、ようやく落ち着きを取り戻し、
参列者が入れ替わり立ち代り花を置きつつ、
美しく飾られていくお棺の中を見る。
自分でも、もっと飾ってあげたいと思ってる。が、今の状態では無理。
菊の花びら1枚だけであっても、バーベルよりも重い。
美しく飾ってくれる参列者に感謝しつつ見守る。
そして、飾りが終わって最期の締め。扇子が喪主の私に手渡される。
扇子を持ち、しばし声を押し殺して泣いた。入れられなかった。
堰を超えてあふれ続ける想い。為す術もなくそれに押し流され続ける。
それでも、最期の気力を振り絞り、父の手の上に置く。
いよいよ、蓋を閉めるときが来た。
親族と妹弟と話し合い、釘うちは行わないことにしている。
蓋を心をこめてかぶせる。
自分にとって、釘うちは故人との未練を断ち切る儀式と思っているが、
今は釘うちを行わなくて正解。現在の自分では耐えられない。
その後、棺の上に小さい花束を置く。置くのは喪主である自分。
花束を持ってしばしたたずむ。涙はとどまるところなくあふれ続ける。
気力はすでに使い果たした。倒れて泣き崩れないのが不思議な状態。
自分に向けてフラッシュが焚かれる。それで自分を取り戻し、
将来への決意をエネルギー源として棺の上に置く。
これが置けないようでは、今後やっていけないぞ!
最期に喪主の挨拶。
父は裏表なく人と接し、陰口も虚勢を張ることもしない。
それを貫き通した偉大な人物であったこと。
そして、「しない」ことに気づくことの難しさ。
最期に、自分たちは前に向かって歩いていく事を話した。
言うことはしっかりと紙にまとめた。それを朗読すればよいだけのはず。
でも、涙で文字がぼやけて読めない。
しかし、父が助けてくれた。頭の中に文面がクリアに浮かび上がる。
それを心をこめて、ひとつ、ひとつ口に出す。
喪主である自分は、父の位牌を持って退場。そして、無事、式が終了した。
自分は全力を尽くした。使い果たした。
移動する霊柩車の中、父の位牌と対面。俺はやったよと語りかける。
次は、いよいよ火葬。もう、父の姿を見ることが出来ない。
Posted at 2008/11/05 23:49:49 | |
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