毎日報道されているこの問題、海外の専門家はどう見ているのか、いくつかニュースを集めてみました。難しい問題ですし、私自身結論を保っているわけではないので論評することは差し控えますが、国内のみならず、IAEA、フランスなどの専門家の見解も見てみたいと思います。また、中国の政府機関からも見解が出ています。
IAEA、福島とチェルノブイリ「完全に別物」と強調
2011.4.13 01:37
国際原子力機関(IAEA)のフローリー事務次長は12日、日本政府が福島第1原発事故の国際評価尺度(INES)を「レベル7」に引き上げたことを受けて記者会見し、福島原発事故と旧ソ連のチェルノブイリ原発事故は規模などの面で「完全に別物だ」と強調した。
フローリー氏は、福島第1原発の全ての原子炉が東日本大震災直後に停止したとする一方、チェルノブイリ原発は原子炉が試験運転中に爆発するなどの事態が発生したと指摘。放出された放射性物質もチェルノブイリに比べ少ないとして、福島の事故をめぐる日本側の措置を「信用している」と述べた。(共同)
レベル7に「驚き」露原子力企業総裁
2011.4.13 22:30
東京電力福島第1原子力発電所をめぐる事故評価が、最高の「レベル7」に引き上げられたことについて、ロシア国営原子力関連企業ロスアトムのキリエンコ総裁(元首相)は13日、「私たちの評価では6にも達していない」と述べ、日本の決定に驚きを示した。国営ロシア通信が伝えた。
社長は、「(世界各国が)レベル5か6だと述べたとき、日本はレベル4だと主張していた。いま、日本はそうする代わりに別の方向に(評価を)変えてしまった」とした上で、レベル7への引き上げは原発の問題ではなく、保険の免責や財政上の問題と関係があるとの見方を示した。(モスクワ 佐藤貴生)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110413/erp11041322310010-n1.htm
ロシア専門家は、引き上げに「行き過ぎ」「レベル4にも届かない」批判
2011.4.13 07:02
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小型無人ヘリが撮影した福島第1原発3号機の原子炉建屋=10日(東京電力提供)
日本政府が12日、福島第1原発事故の深刻度を国際評価尺度で旧ソ連のチェルノブイリ原発事故並みの「レベル7」に引き上げたことに対し、ロシアの専門家らからは「行き過ぎ」などと疑問の声が上がった。タス通信が伝えた。
2011/4/14 9:13.チェルノブイリの再来ではない-福島原発事故で中国が見解.Japan Real Time で検索 .記事 コメント (5) Japan Real Time トップへ戻る ».印刷 Twitter
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中国は福島第1原発の同国への影響について、四半世紀前に旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故と比べて極め小さいことを挙げ、この二つの事故の影響を同一視すべきでないとの見解を示した。
Reuters/Tokyo Electric Power/Handout
福島第1原発で放射能汚染水の流失防止用のフェンスを設置する作業員(12日)この声明は、中国の原子力安全当局である中国環境保護省のウェブサイトに掲載されてものだ。中国政府は日本の原発危機への対応に関して、これまで情報などの透明性を高めるよう求めてきた。日本は12日、福島第1原子力発電所の事故の評価について、国際原子力機関(IAEA)が定めた国際原子力事象評価尺度(INES)に従って最悪の「レベル7」に引き上げた。これは1986年のチェルノブイリ原発事故と同レベルである。
中国環境省は声明の中で、同国の環境に及ぼす影響はこれまでのところ小さく、チェルノブイリ事故時の影響の1%程度にすぎないと指摘している。
実際、中国の大部分は福島原発からかなり離れている。たとえば、北京までの距離は2100キロ強もある。ただ、距離という点では、チェルノブイリはさらに遠い。中国西端の新疆ウイグル自治区からでも3500キロ以上離れており、北京からだと6500キロ近くもある。
中国政府の当局者は、福島原発から飛来する放射性物質の影響に関する国民の不安を和らげる努力をしてきた。同国政府のデータによると、放射性物質はこれまで同国で広く検出されているが、それは非常に僅かなレベルにすぎない。
また日本政府の当局者も、評価尺度が危機的レベルに引き上げられたものの、問題の封じ込めはチェルノブイリ事故の時ほど難しくないと主張してきた。
経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は12日の記者会見で、今回の原発事故における放射性物質の放出量はチェルノブイリ事故の1割程度と指摘し、「チェルノブイリとは相当異なる」と述べた。
中国は先週、日本が約1150万リットルの放射能汚染水を太平洋に放出したことについて、懸念を表明した。さらに同国政府は、日本産の食品および餌の輸入禁止対象地域を計12都県に拡大すると発表した。
中国の温家宝首相は12日、菅首相と電話で会談。中国国営の新華社通信によると、温首相は中国には今回の汚染水放出に対する懸念感が依然根強いと語るとともに、日本に対して国際法を順守するよう求めたという。
国営原子力企業ロスアトムのノビコフ報道官は「当初の評価(レベル4)は低すぎたが、今度は振り子が逆に振れ、高すぎる」と指摘。事故発生時に深刻な健康被害が出ていないことなどを理由に、レベル5より高くはないとした上で、レベル評価を含む政府の対応をこれ以上非難されないための政治的判断との考えを示した。
ロシア科学アカデミー原子力エネルギー安全発展問題研究所のアルチュニャン副所長は、福島の事故で住民が浴びている放射線量は、日常生活で自然環境から受ける量の10分の1程度であり「健康への影響から判断すればレベル4にも届かない」と述べた。
(共同)
「極めて重大だが、チェルノブイリに匹敵しない」仏研究所が見解
2011.4.13 08:59
フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)のグルメロン放射線防護局長は12日の記者会見で、国際評価尺度(INES)の暫定評価で、最悪の「レベル7」とされた福島第1原発事故について、重大だが旧ソ連のチェルノブイリ原発事故には「匹敵しない」との見解を明らかにした。
同局長は「現時点で福島事故は極めて重大だが、チェルノブイリ級ではなく、将来そうなることもない」と指摘。
福島事故で深刻な放射性物質の放出が起きたのは3月12日から21日の間で、放出量はチェルノブイリ事故の10分の1にとどまっている点が「根本的に違う」と説明した。
局長は、放射性物質の広がりについて、風向きや気象の影響で福島原発周辺の限られた地域にとどまっているとも指摘。欧州への影響は「チェルノブイリ事故と比べれば、無に等しい」と述べた。(共同)
Posted at 2011/04/17 23:30:15 | |
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