
WRC第二戦、ラリースウェーデンが終了しました。
結果は優勝がヒュンダイのヌービル選手、2位にはシトロエンのブリーン選手、3位にヒュンダイのミケルセン選手という結果になりました。
今年のスウェディッシュは素晴らしい積雪量でオールスノーのグットコンディションという事前情報でした。
しかし蓋を開けてみるとスタート順の早い上位陣はその降り積もった雪をラッセルしなければならずそのうえ、同時開催のヒストリックラリーで出来たナローな轍とも戦わなければならず、キロ当たり二ケタ/秒も差がつく展開で、さすがに勝負自体が成り立たないという予想外の展開でした。
結果、前戦で上位だったオジェやトヨタ勢は軒並み下位に沈んでいます。
近年はWRCも各イベントの均一化が進んでいますのでこう言う予想外の展開も起きずらくなってきているんですがまあこれもラリーらしいと言えばラリーらしいですね。‥やってるほうは不満噴出でしょうが(^-^;

モンテでは冴えなかったヌービルがきっちりと勝利し選手権でもトップに立ちました。
ライバル不在で一見余裕とも思えますが去年のスウェディッシュでも終盤までトップを快走しながらSSSでまさかのリタイヤということもありました。結局去年のシーズンもあのスウェーデンでのミスがなければヌービルがチャンピオンだったんですから、勝てるときに確実に勝つのは一年を考えれば非常に大切ですよね。
ヌービル自体ものってくるでしょうしミケルセンが3位パッドンも5位ということでヒュンダイは本領発揮で大量にポイントを獲得し一気に低調だったモンテを取り返しました。これはますますトヨタとの争いが激化しそうです。

トヨタはスタート順からして唯一勝負権があったラッピが序盤は出遅れましたが徐々にペースを上げて最終日にパッドンとの激戦を制して4位を獲得しました。
マニュファクチャーを考えるとエースのみでは結果はでません。こういうポイントを拾っていかなくては。
スバルもエリクソンやリアッティがいて今でもあの頃のチームが一番強かったと今でも思っています‥マニファクチャラーをとるうえでは必ず縁の下の力持ちがいるものです。あ!また脱線してしまった(笑)とにかく大きな貴重な4位獲得でした。

オジェはわざとTC遅着しパワーポイントを獲得、さらにチームオーダーでポイントを加えて5ポイントを持ち帰っています。
奇策といえばそういう見方もあるかもしれませんが、過去のWRCでもわずか数ポイントの差で年間チャンピオンが決まるというシーズンも珍しくありませんし…それどころか1ポイントが勝負を分けることもありました。「もぎ取った」という感じのこのポイントも終盤効いてくるかもしれませんね。

そして個人的には最大のトピックだったのがWRC2での勝田貴元選手の優勝ですね。
これにはホント驚きました ^^) 北欧系の選手が圧倒的に有利なこのイベントでましてはティデマンドとヴェイビーという猛烈な速さを持っているシュコダワークスの二人を破っての堂々の優勝ですから!

ペースも素晴らかったですし敵失ではなくて全日程でラリーを支配しての勝利でしたから素晴らしかったですよね。ちょっと前まで『ノートの精度が…』(笑)というようなコメントが多かったので、ここまで速くなっていたなんて!知らなかったのは私だけ(笑)
日産やトヨタの耐久イベントでの活躍に始まってグループAでのトヨタの王者ランチャへの挑戦、そしてスバルと三菱の頂上決戦がWRCの盟主争奪戦となった時代があり、マツダやスズキも確かな足跡を残しました。そして現在のトヨタの活躍と日本メーカー(たとえ欧州のチームとのジョイントが多かったとしても)のWRCでの存在感は決して小さくなかったと個人的には思います。
ちょうどWRCでの活躍は日本車が販売面でも品質面でも世界に出ていく時期と重なりそんな『青春期』の日本車が成熟した欧州列強とWRCで渡り合う姿が「日本の車もここまで来たんだ!」という思いを強くして尚更ラリーを熱いものにしていました。わたしも若かったなぁ(笑)
しかし、当時から何か足りない思いがあったのですが…なんでセリカやインプやエボが速いのに日本人のドライバーが少ないのかなと言う思いですよね。

もちろん篠塚健次郎選手や神岡政夫選手のRACでの活躍、サファリでの藤本吉郎選手の優勝とか多くの日本人ドライバーの世界での活躍はあるのですが諸々時代の制約もあって未だWRCでの年間チャンピオンという点では輩出していないのが現状ですよね。
今回、豊田章男社長はトヨタの日本人が日本車で戦うWRCが夢だとコメントを出しています。いいですね♪
企業である以上、いろいろ大人の事情はありますが(^^;いちラリーファンとしては素直に2人の若者を応援したい気持ちですね。それで世界と戦えるドライバーが誕生するなら素晴らしいお金の使い方じゃないですか!それでこそ成熟した自動車文化というものです(笑)

これでジャパンも戻ってきて、国内でもどんどんラリー競技が盛り上がってきてくれれば…そういう夢を見させてくれるような(気が早すぎかな)素晴らしい優勝でした。
次戦は3月のラリー・メキシコです。2000メートルを超える高地戦ですね。
各チームの高地対策が勝負を分けそうです。去年は大変でしたがトヨタの対策は今年は万全と思いたいですね。
ちなみに出走順は逆にヌービルが一番出走となります。オジェやタナク、ラトバラの逆襲がみられるのか?彼の真価が問われる戦いになりそうです。
Posted at 2018/02/24 11:59:35 | |
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