• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2014年12月17日

1978年(昭和53年)の東京トヨペットの総合カタログ&価格表から

1978年(昭和53年)の東京トヨペットの総合カタログ&価格表から 少し前に掲載した昭和47年の東京トヨペットの総合カタログ&価格表ですが、嬉しいことに好評のようでして、であればもう少し時計の針を進めた第2弾をやろうと思います。

手持ち資料としては他の年もあるのですが、比較的早く出てきた(笑)&掲載し易いという理由から、1978年(昭和53年)で進めていきます。今を遡ること36年前になりますね。

当時のクルマ社会としては、大きな課題であった乗用車の排ガス対策ですが、当面の最終ゴールとなる53年規制への全車適合が見えてきた時期となります。年度末が最終猶予となりますので、価格表の時点では51年規制適合車と53年規制適合車が併売されています。この点については、各頁で補足します。


他にも当時を振り返るキーワードを2つほど書いてみます。

一つには、首都高速のサイトから53年当時の路線図を貼ってみましょう。こちらは、歴史好きにはありがたいことに、開通年毎の路線図を持っているのですね。
湾岸部と東北道・常磐道方面を除いた放射部がようやく完成しつつあった時期であることがお分かりになるかと思います。

もう一つは、一般財団法人 自動車検査登録情報協会のサイトにある車種別の使用平均年数推移表を貼ります。
平成24年の乗用車の平均使用年数は12.64年に至っていますが、昭和53年当時は約6割の7.76年。
ということは、前回紹介した昭和47年式の車を下取りに出したとしても、余程程度が良くなければ、ほぼ間違いなく業販行き。傷や走行距離の減点が多ければ解体行きでも不思議ではないのです。実際、当時のディーラー中古車は5年落ちまでが殆どでありました。
唯一の例外はスポーティカーで、対策車では適えられないパワフルな走りが味わえるということで、未対策車の人気は根強いものがありましたね。


それでは最初に昭和53年8月の総合カタログを紹介。
2015/5/21 画像を全て更新すると共に一部追加をしました。






当時の販売モデルを思い出していただけると、この先の話を一層楽しんでいただけるかと。

ちょうど、マークIIのマイナーチェンジとコルサの新登場が重なった時期ですね。

センチュリーを除く乗用車を軽く解説すると、

 ・クラウンはモデル末期に差し掛かりましたが、年初のマイナーチェンジでテコ入れを図った状態
 ・マークIIは旧型から一転して人気車となりましたがスカイラインのモデルチェンジ後は劣勢
 ・コロナは3代目マークII登場前まで同クラスのベストセラーでしたが、フルモデルチェンジ直前
 ・カリーナは廉価グレードを中心として人気を回復する一方、コロナの需要を吸収しつつあった状態

となります。



続けて価格表の話に入る前に前回同様、国家公務員の初任給による当時の新車価格の補正値の算出を行ってみましょう。

 ○総合職(大卒)平成26年:181,200円、昭和53年:94,600円 ≒ 1.92倍
 ○一般職(大卒)平成26年:174,200円、昭和53年:90,500円 ≒ 1.92倍
 ○一般職(高卒)平成26年:142,100円、昭和53年:76,600円 ≒ 1.86倍

となりますので、便宜的に1.9倍を新車価格の補正値としていきます。
昭和47年の補正値は3.8倍でしたので、僅か6年の間に初任給が約2倍(!)になったというのも驚きではありますが。


価格表は昭和53年4月となります。4ヶ月のズレにより、マークIIはマイナーチェンジ前後、コルサは価格表の掲載なしという差異が発生していますが、ご了承くださいませ。



先ずはクラウンの価格表
この時点の53年規制適合は、2000及び2600の両EFI搭載車
法人需要の多いセダンはATのみに絞られつつありますが、オーナー層の多い4ドアハードトップ(HT)では、まだまだMTの需要も根強いものがありました。
人気の中心は、4ドアHT・スーパーサルーンエクストラ(EX)、続いて若いオーナー層の発掘を目指した、4ドアHT・デラックスカスタムエディション

4ドアHT2600ロイヤルサルーンの4速フロアATは、2,749,000円(補正後:5,223,100円)
4ドアHT2000スーパーサルーンEXの4速フロアATは、2,303,000円(補正後:4,375,700円)
4ドアHTカスタムエディションの5速MTは、1,845,000円(補正後:3,505,500円)





続いてはマークIIの価格表
この時点の53年規制適合車は、クラウン同様2000及び2600の両EFI搭載車、並びに1800のMTという上下両極端な状態
人気の中心はセダン2000グランデ、次点はセダン2000LG、一方でミドルカーからの乗換需要には、セダン2000GL&1800GLも人気でした。

セダン2000グランデの5速MTは、1,833,000円(補正後:3,482,000円)
セダン2000LGの4速MTは、1,333,000円(補正後:2,532,700円)
セダン1800GLの4速MTは、1,131,000円(補正後:2,148,900円)

ちなみにクラウンカスタムエディションとマークIIグランデで価格帯がクロスしていますが、後者のみがオートエアコンとパワーウィンドーを装備。
クラウンはまだまだ高いクルマだったのです。





続いては左頁にあるコロナの価格表
この時点の53年規制適合車は、1800のMT並びに1600DX&GLのMTのみ。同じ1600でもSTDとSLは51年規制となりますが、前者は価格重視?、後者は車両重量の関係のようです。
人気の中心はセダン1800GLと1600GL

セダン2000GTは、1,463,000円(補正後:2,779,700円)
セダン1800GLの4速MTは、1,127,000円(補正後:2,141,300円)
セダン1600GLの4速MTは、1,036,000円(補正後:1,968,400円)


右頁にはカリーナの価格表
この時点の53年規制適合車は、1600及び1800のMT(ただしGTを除く)
人気の中心は、100万円のセダンということで、1600スーパーDX。モデルチェンジに伴い追加された上級グレード1800SEや同じくフルモデルチェンジで復活した1600GTも人気を集めていました。

セダン1600GTの5速MTは、1,407,000円(補正後:2,673,300円)
セダン1800SEの5速MTは、1,239,000円(補正後:2,354,100円)
セダン1600スーパーDXの4速MTは、991,000円(補正後:1,882,900円)

両車共に、標準在庫は上級グレードのみ5速MTで、平均以下のグレードは4速MTというのが時代を感じさせます。上級グレードは本来オプションとなる衝撃吸収バンパーを店頭付属品に含めて半ば標準装備品としているあたりも、当時のユーザーの好みを反映させているようで面白い点ですね。





左頁からはクラウンバンとカリーナバンを紹介
この後、東京トヨペットはマークIIバン、カリーナバンに変わってコロナバンを扱うようになりますが、この当時の乗用車ベースのバンはこの2台のみ。
商業車の排ガス規制は、まだまだ乗用車に比べて緩かったため、小排気量ながらもバンの方が走りがいい印象が強かったようです。

クラウンバンスーパーデラックスの4速フロアMTは、1,383,000円(補正後:2,627,700円)
カリーナバンスーパーデラックスの5速MTは、928,000円(補正後:1,763,200円)


右頁はハイエース
長年続いた初代ですが、ようやく前年にモデルチェンジ。
昭和48年に登場した日産キャラバンとの競争関係が激しくなります。
バンが引き続き人気を集める一方で、復活したワゴンがフリートユースのみならず、オーナー層にもゆっくりと浸透し始めます。

標準バン3/6人乗り 5ドア1600DXは、928,000円(補正後:1,763,200円)
ロングバン3/6人乗り 5ドア1800DXは、973,000円(補正後:1,848,700円)
ワゴンカスタムは、1,332,000円(補正後:2,530,800円)





トヨエースとハイラックスは、70年代前半にモデルチェンジしたモデルのまま継続販売中。トヨエースはこの翌年、ハイラックスは直後にモデルチェンジされます。

前回も紹介した維持費に関する費用ですが、ここでは昭和47年と比較しつつで抜粋してみましょう。5ナンバークラウンで引きますと・・・

 ○自動車税、24,000円 → 31,500円(補正後:59,850円)
 ○重量税、15,000円 → 37,800円(補正後:71,820円)
 ○自賠責保険料、35,450円 → 34,050円(補正後:64,695円)

前回課税開始されたばかりの重量税は順当に増税されていますが、自動車税と自賠責保険料は相対的に下がっていることがご理解いただけると思います。





最後は、またまた拠点の一覧となります。
前にも書いたことがあると思いますが、池袋営業所はちょうど一年前まで”AMLUX東京”があったところですね。
サンシャイン60前とありますが、こちらの開業は1978年4月6日ですから、ちょうど時期が重なります。サンシャイン60は、まだ珍しかった超高層ビルということで当時かなり話題になったことを思い出します。記憶おぼろげですが、開業当初は今のスカイツリーと同じように展望台には混雑でなかなか上がれなかったような。。。



この時期、家にあったのは48年式マークIIL。3年落ちの中古車で購入後2年経過というところですが、上で書いたとおり中古車価格の下落は早く、ましてや2代目マークIIは不人気車の代名詞になっていましたから、たとえ代替であっても査定価格は悲しくなるくらい低い数値でありました。

父の知人・友人関係で何人か紹介を入れたりしていましたが、自分の順番になるまでには、もうしばらく時間を要することとなるのです。
ブログ一覧 | カタログ話(雑談編) | クルマ
Posted at 2014/12/17 20:31:01

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

今日で68歳・・・
RUN.さん

GW前半
どさんこさん

ショートコース⛳
avot-kunさん

エコからオフに参加させていただきま ...
トムイグさん

激安過ぎる寂れた宿へと突撃ス!! ...
アーモンドカステラさん

両日イベント2日目
みずしー feat.Evilzonneさん

この記事へのコメント

2014年12月17日 22:32
またまた勉強になるブログを書いてくださりありがとうございます。

当時の資料を読み解く為に道路網や貨幣価値、
自動車の耐用年数に触れていただいたお陰で
大変感覚が掴みやすかったです。

自動車の耐用年数が7年ということを考えると、
10年乗った人というのは相当大切に乗ったか
ポンコツ(死語?)に乗っていたことになりますね。

そりゃ新車も売れるわけですね。
クラウンは5年で壊れるように作ればいいと発言した某首脳の
気持ちも分からないではないですが・・・。
(個人的にはお客さんを見ない暴言だと思います)

昭和53年の貨幣価値で見た車の価格を考えると、
今では装備が寂しいと感じるカリーナの
中間グレードも十分高価格なのですね。
相対的には今の車は安くなっているのですね。

300万円以上=高級車という俗説がありますが、
この頃の300万円は=570万円そりゃ高級車ですね。
とはいえ、当時の250万円も十分高級だと思いますけどね・・・・。

税金も相対的に安くなっているという指摘もなるほどなと思いました。
来年から20%割り増しみたいですが文句言えないのかなぁ・・・・などと。

コメントへの返答
2014年12月17日 23:57
ノイマイヤーさん、こんばんは

お褒めの言葉、大変嬉しく思います。歴史好きなものですから、つい力が入ってしまいますね。

耐用年数の件ですが、53年当時の10年前だと43年式ですよね。この年式のコロナ、ブルーバード、カローラ、サニー、何れも既に街中では珍しい部類でありました。しかも10年以上乗ったとしても12年目の車検以降は1年しか継続できなかった時代ですしね。
新車が売れた理由には、今よりはるかに、最新型の価値が高かったことが大きいです。4年毎のモデルチェンジでも必ず進歩していましたし。

当時のカリーナはファミリーカーとしては余裕を持った選択です。多くはカローラ1300Hi-DXとかでしょう。これが約80万円で今の152万円相当。これなら昨今のコンパクトカー相応になりますね。
前にも書いたかもしれませんが、物品税が割増だった3ナンバーは、間違いなく高級車です。当時の自動車税は76,500円、任意保険も割増の上に売却の際の査定は減額ですからね。感覚的には250万円はもちろん150万円でもエアコン・ステレオ付ければコミ200万円ですから、充分高級車だったように思います(笑)。

統計情報からすると、現在8,000万台ある車も当時は3,300万台。こうなると(特に地方の)交通機関の中での位置付けが異なってきますから、車への課税については単純な価格以外の部分でも論ずるべき時期なのかもしれませんね。
2014年12月18日 8:10
お~乗ってた乗ってた、この前年のデビュー時に買った、カリーナ・1800SーDX。2HTの御多分に漏れず、4速MTでした。初めてのフルファブリック・シート、リモコンミラー、FMラジオ、そしてトヨペットのミスで付いてきてしまったエアコン・・・当時「いいクルマだなぁ」と思ったのですが、現在価値で言えば、こんな高額車だったとは・・・社宅住まいだからこそできた芸当でしょうか。この後、持ち家に代わり、しばらくこのカリーナを我が家初の継続車検を取って乗り続け、ジェミニ、レーザーとダウンサイズの一途を辿ることになろうとは…そういえばこのカリーナも、すぐに部分改良が入り、ウレタンバンパーがついて、新書体のトヨタエンブレムがついてがっかりした記憶もあるなぁ。そう考えると、まともに乗れるクルマが、最低30万もあれば乗れる現代って、私らクルマバカとしては大いに喜ばなければいかんのですかね。
コメントへの返答
2014年12月18日 19:45
営業部長さん、こんばんは

初代に続いて、2代目のカリーナということですね。上で書いたとおり、1400cc以下が大きなボリュームゾーンだった時期に1800ccの購入ですから、「いいクルマ」という感想も大げさとは言えませんね。

2代目カリーナだと、1800の当初は51年規制ですが半年足らずで53年規制適合。その後ウレタンバンパーがオプション設定になって、さらに1800EFI追加時に書体変更とバンパーコーナーのゴム装着と実に目まぐるしい変遷を歩んでいます。

当時の雑誌にもコミ30万円中古車企画とかもありましたが、買えたのは45~47年式の小型車や大衆車が大半。1車検乗れれば幸運くらいの感覚ですよね。
それに比べれば現代の30万円中古車って、買ってから数年は手がかからず乗れたりしますからね。特にウチらが好む、ちょっと余裕あるセダンは市場の不人気も相まってお買い得だなぁと思うのです。

プロフィール

「近況報告(令和6年4月編) http://cvw.jp/b/1984303/47684123/
何シテル?   04/28 21:33
3台計で20年以上の長きに渡って乗り続けたX80系からW204への代替がみんカラを始める動機となりました。 最初はW204関連を主とするはずだったのですが...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2024/5 >>

   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 

リンク・クリップ

1989年式マークII3.0グランデG感想文 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2021/08/05 19:34:14

愛車一覧

メルセデス・ベンツ Cクラス セダン メルセデス・ベンツ Cクラス セダン
2013年9月14日納車 アドバンストライトパッケージ ボディカラー:988 ダイヤモン ...
トヨタ マークII トヨタ マークII
1995年12月登録(同型最終年月) 2001年6月購入 2013年9月譲渡 ボディカ ...
トヨタ マークII トヨタ マークII
1992年6月購入 2009年3月一時抹消 2009年6月永久抹消 ボディカラー:18 ...
トヨタ クレスタ トヨタ クレスタ
1991年7月登録 2000年11月購入 2001年6月譲渡 ボディカラー:27N パ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation