
私事で恐縮ですが、PCのHDDが一台ご臨終となりまして、バックアップ済分の消失は防いだものの、ここ最近のデータは消失しましたorz
そのため急遽予定を変更して、先々にお送りする予定だったこのクルマの話をすることにします。
今回取り上げますのは、現在も新車で購入可能なモデル。初登場は1995年12月ですから、ついに20年目に突入した長寿モデルとなります。登場時は10年くらいのモデルライフは見据えていたようですが、その2倍に至ったというのは、作り手側も予想はしなかったのだろうなと思うところです。
長い歴史の中で各所には手が入っていますが、根本的な成り立ちはそのままであるのも事実。基本的な設計思想は正しかったということなのでしょう。
その辺は、これまで
150クラウン営業車、
130クラウン営業車、
Y31セドリック営業車、
80マークII営業車の各モデルのカタログを紹介していますので、合わせてご参照いただければと思います。
ついでに
新車の紹介にもリンクを貼っておきますので、何が変わったのか比べてみるのも面白いかもしれません。
それでは登場後3年を経過した時点となる、1999年(平成11年)1月のカタログから紹介していきます。
2015/4/19 画像を全て更新しました。
最初の見開きは、今は亡き最上級グレードのスーパーデラックスQパッケージ。
オプションで15インチタイヤ&ホイールが装着されている画像ということもあって、最新モデルとの違いは間違い探しの領域となります。
目に付くのは、「フォグランプの色」、「Fフェンダー後部のターンシグナルの有無」、「室内ヘッドレストの大きさ」辺りでしょうか。
続いてはデラックス-Aパッケージ装着車のリヤビュー。比較用に最新モデルの画像を貼ってみます。
こちらは、タイヤ&ホイールの14インチと15インチの違いが大きいですね。次には、先ほども触れた前後ヘッドレストの大きさの違いや前席シートバックに設置された灰皿の撤去が目につきますね。
設計方針としては「お客様のコンフォート」、「乗務員のコンフォート」、「経営者のコンフォート」の3者への満足が掲げられています。
続いては、「お客様のコンフォート」ということで後席を中心とした紹介
これまた、比較用に最新型のリヤシートを貼ってみます。
シート材質の違いはグレードの違い。Qパッケージは、現在のクラウンセダンGパッケージの室内に相当します。リヤ中央席シートベルトの3点式化は法規制の改正に伴う時代の要望ですね。
カタログ右頁では130クラウン営業車との室内寸法の比較がされています。
車高の45mmプラスが効果を発揮していて、座面高を上げたにもかかわらず、ヘッドクリアランスもゆったり。当時2台で並ぶとパッケージングの違いは歴然としていましたね。
「乗務員のコンフォート」ということで運転席周辺の紹介となります。ここでも最新型の運転席画像と比較してみます。
インパネはステアリング形状を除いてほぼ変わらない風景となります。
むしろ後付機器の変化の方が大きいですね。
右頁で謳われている視界の良さは、ベースとなった80マークIIセダンの長所を引き継ぐものですが、視界の狭いクルマが増えた現在の方が、その価値を増したといえるかもしれません。
運転席周辺の紹介の続きとなります。
ATのフロアシフトレバーからセンターコンソールにかけては、80マークIIの系統であることが歴然です。形状を工夫して用具入れや料金トレイを追加したのが工夫箇所です。
コラムシフトには、40/60分割シート(その昔はスプリットシートと呼ばれていました)が付いてきましたが、フロアシフトのみとなってから時間が経過した現在では懐かしい画像となってしまいました。
「経営者のコンフォート」ということでメカニズムの紹介
左頁では優れた耐久性や整備コストの節約が謳われています。
エンジンはスーパーデラックス系には150クラウン営業車と同じ「1G-GPE」、デラックス以下にはこの後もしばらく使われることとなる「3Y-PE」が搭載されていました。
右頁にはそろそろ厳しくなり始めていた安全性の紹介
それでも今と比較するとまだまだ初期段階と言えます。コンフォートの歴史は、年々強化される安全法規への適合の歴史ともいえるのです。

グレードの紹介です。
左頁の2グレードは、2001年にクラウンセダンに変更されてクラウンコンフォートからはグレード抹消となります。
右頁の3グレードは、今も現存するお馴染みのグレード。
グレード間の仕様差はこの頃の方が明確でした。

左頁には主要装備一覧表。
現在の主要装備と比較してみてくださいませ。
右頁は主要諸元表や販売店装着オプション等となります。
当時のスタンダードの車両重量は1,280kg。現在は1,390kgですから100kg以上増えたこととなります。装備の充実ももちろんありますが、増えた主要因は衝突安全基準対応のためのボディ強化で間違いないでしょうね。
駆け足で現在画像を混ぜつつ、カタログ紹介をしてみました。
カタログの発行からでも、既に16年の時が経過しています。2004年以前となるフロントフェンダーのウインカーレスのクルマは、そろそろ見かける機会が珍しくなってきました。それ以前の1G-GPE搭載車はもっと珍しい存在ですし、やがては3Y-PE搭載車やコラムシフト車も珍しくなるものと思われます。
こうして比べると一見同じようでいても、少しずつ変わってきたのは事実なのです。最近では、進化も限界に近づきつつあるためか、後継となる新世代タクシーの噂が出つつあるようです。これまで、クラウンコンフォートのある景色が長らく日常であっただけに、その風景が変わるというのは実は大きな事件なのかもしれませんね。
(お知らせ)
最初に書いたとおり、準備していたデータの消失に加えてPC環境の移行に時間を要するため、次回更新はしばらく時間がかかると思われます。更新を楽しみにされている方には申し訳ありませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。