おそらく、今最大の話題になっている新型アルファード&ヴェルファイアについて、私も書いてみようと思いまして。前回、しばらくネタには困らないと書いたばかりですが、たまには昔語り以外もしたくなるのです(笑)
この2台、良くも悪くも注目を集めているのは間違いなくて、先代のマイナーチェンジ時はアクセスが集中してか、トヨタのウェブサイトの接続がわるくなったりもしました。
さて今回は? と思ったら、長く続いてきたウェブサイトの作りをこれを機に一新してきましたね。
実車の方も、例外的にお金をかけられる環境にあるらしく、先代に続いて今回もプラットホームを一新。クラウンですら、プラットホームは3世代に渡って使いまわしているのですから、何とも贅沢(笑)
エンジンも、3.5のガソリン以外は新世代へ進化(もっともこちらはようやくという言い方が正しい気もしますが)。 トヨタがもっとも得意とする新装備だって、今回発表されたもの多数。
こうして少し取り上げてみるだけでも、同じミニバンながら、昨年出たノア・ヴォクシー・エスクァイアあたりとは、力の入り方も違えば、お金のかけ方も違います。
よそ様のコメントでも書きましたが、Cクラスがメルセデスの”本気”なら、トヨタの“本気“は正しくこの2車なのです。
本気過ぎてか、“ミニバンの頂点だけではなく、高級サルーンの新しいカテゴリー”と仰られているようです。
このあたり、いろいろ考えてみると、つい最近までトヨタはクラウンを中心にいろいろなものを構築してきたが、今やアルファード&ヴェルファイアを中心に移したのだろうなというように感じざるを得ません。(今後はこの2車を「ミニバンのクラウン」と呼ぶよりは、クラウンを「セダンのアル・ヴェル」と呼ぶ方が自然になっていくのかもしれませんね)
このジャンルに興味がない、あるいは否定的だったりすると、意見は分かれるかもしれませんが、この2車の商品力向上にかける熱意は、現行クラウン以上なのはもちろんのこと、それこそ120、130辺りの往年のクラウン黄金期に近いものがあったんじゃないかと、想像したりもするのです。
こういう作り方を可能にしているのは、この市場にかなりの旨味があるということでもあります。
実際、一台当たりの利益は、軽自動車やコンパクトの何台分にもなるようです。しかもこの市場は事実上トヨタの独占。最初は蹴落としたかったライバル車のエルグランドは、現行モデルでは北米モデルのクエストと一体化したことで正面切ってのライバルとはなりませんし、そのことはかつてのエリシオンに近づいたとはいえ、オデッセイも同様。MPVだって違いますよね。
クラウンは輸入車や身内のライバルであるレクサスIS・GSに一部需要を奪われつつありますが、ここはまだ当分の間安泰なのは間違いなく。
これが売れれば、売る方は確実に幸せになる。その一方でこれを買う方・使う方も結構幸せを感じるんだろうなぁと、想像するのです。旦那様よりも奥様族、あるいは同乗者からの評価が極めて高いというのが現状ですからね。
開発者インタビューにある、「徹底的にこだわり抜いたことは2列目シートの乗り心地向上」というのは、ここからの評価をより強固にしたいという意思の表れでもあるのでしょう。
歴代一貫して押し出しを強めてきた顔付に代表される内外装の趣味や、ドレスアップの方向性も含めて、買い手のニーズに売り手の指向がピタッと一致しているのでしょうし、関係者一同、皆幸せでよろしいじゃありませんか、などと若干冷めた視線ながらに思うのです。
豪華装備の割に、アイドリングストップやレーダークルコン等の環境装備や安全装備への普及については、物足りない感がありますが、これも買い手のニーズのとおりと言われれば頷けたりもしますし。
個人的好き嫌いは別として、もしもこの2台が売れない時が来るとしたら、走行安定性なのか経済性なのかトリガーは分かりませんが、社会的に不要だという雰囲気が醸造された時だけだろうなとも。
こういう見方をしてしまうのは、私自身が直接のターゲットユーザーではなく、縁があるとしても、時々借りるぐらいに過ぎないからかもしれませんが。
最後に、直接の関係はない余談風味ながらも一つ。
このクルマが大量に売れるんだとしたら、そもそもエコカー減税って一体何なんだろうと、割と真剣に思ったりします。最軽量グレードでも、車重2トンに到達せんとする車です。現在の技術では、軽自動車2台分以上にも及ぶ車重は、たとえ伝家の宝刀ハイブリッドをもってしても、エコには程遠い存在にしかならないわけで。
ましてや減税は率で行いますので、元々の課税額が高額なこの手の車は、減税幅が大きくなるというある種の矛盾を生じたりもしますし。
まぁ、この部分は車を作る側ではなくて、税制を所管する側の認識の問題なのですがね。
以下、carviewからの転載
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【トヨタ アルファード / ヴェルファイア 新型発表】押し出し感強めたミニバンの王者[写真蔵]
トヨタ自動車は1月26日、6年8ヶ月ぶりにフルモデルチェンジした高級ミニバン『アルファード』、『ヴェルファイア』を発表、同日より発売を開始した。
アルファード/ヴェルファイアはトヨタのミニバンラインアップの中で最高級に位置するモデル。今回のフルモデルチェンジでは基本性能を徹底的に磨き上げたほか、内外装を大幅に刷新。これまで以上に押し出し感の強いデザインを採用した。それぞれのキャラクターは「豪華で勇壮なアルファード」、「大胆不敵なヴェルファイア」。従来にない新しい高級の概念を創造することを目指し開発が行われた。
燃費に関しては、2.5リットルアトキンソンサイクルエンジンに6速シーケンシャルシフトマチックや「E-Four」搭載のハイブリッドシステムを組み合わせたグレードで19.4km/リットル(JC08モード)を達成。新搭載の2.5リットルエンジンにSuper-CVTを組み合わせたモデルでは12.8km/リットル(JC08モード)、3.5リットルエンジン搭載モデルでは9.5km/リットルとなる。
開発を担当したトヨタ自動車 製品企画本部の吉岡憲一氏は、「高級ミニバンの不文律にとらわれない、鮮烈な進化を遂げた新しい大空間高級サルーン」と説明した。
アルファードが全国のトヨペット店で、ヴェルファイアが全国のネッツ店で販売される。月販目標台数はアルファードが3000台、ヴェルファイアが4000台を見込む。価格はそれぞれ319万7782円から。

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新型車雑感 | 日記
Posted at
2015/01/27 22:52:58