整備手帳で記しましたが、自車を週末に引き取ってきました。
W205からW204に戻ると、やはりシンプルかつクラシカルな印象は否めません。エンジンノイズも一回り騒々しく感じますし。
そんな印象も、ものの2~3分も走れば、身体はすっかり馴染んでしまうというのが、クルマの面白いところ。これ、きっとクルマの良し悪しからは離れたところなのでしょう。35,000kmの付き合いは伊達ではないのです。
さて本題。
またまた、軽く特別仕様車ネタをお送りしてみます。
今回はFRの最終世代となる140コロナです。
140コロナは、1982年(昭和57年)1月の登場。ちょうど今から35年前となりますね。
前代が3年4ヶ月の短命に終わったのを引き継ぐ形で登場しています。
それまでのコロナは、独自のシャシーで構成されていましたが、この世代ではカリーナ/セリカの系列に組み込まれることとなりました。このため、ボディサイズこそ先代よりもやや大型化されたものの、ホイールベースは25mmほど短縮されていたりします。
このモデルチェンジ、セダンがカリーナに近い形で登場したのは想定の範囲内でしたが、ハードトップがカリーナよりもセリカに近い形で登場したのは意外でした。カリーナのハードトップが転じたクーペは、あくまでもセダンベースでしたし。
この時期、セダンベースのハードトップというのは、販売に翳りが見えていましたので、スペシャルティーカーに近づけたというのは、一つの戦略ではありました。
登場したのは、ちょうど父が2代目マークIIから3代目マークIIに代替しようとした時期と重なりますので、結構記憶に残っています。これまでのコロナのイメージから離れて、すごく垢抜けた&若返った印象が強かったですね。「あのコロナが大きく変わったね」といったところでしょうか。
あとは、登場時期こそやや離れてとなりますが、やはりツインカムとターボの論争に終止符を打った、ツインカムターボの存在でしょうね。当時のCMのフレーズ通り「クライマックス、ここに極まる」といったインパクトがありました。まぁ、本題外れて長くならないようこの話は軽くということで(笑)
そんな140コロナでしたが、時代はFRからFFに急速に移行していた時期ということで、この世代は翌1983年10月には、FF4ドアの登場を以て、併売はされつつも販売の主流からは外れることとなります。
結局、ブルーバードとベストセラーを競う形で販売の最前線に位置していたのは、実質2年未満となりますから、販促を担う特別仕様車も前後世代と比較すると、数が少なくなっています。
・・・ということで、話がようやく特別仕様車に辿り着くと(笑)
〇1500GXエクストラ
(外装色/内装色)
a1.ホワイト(033)/ブルー
a2.ブルーM(889)/ブルー
a3.レッドM(391?)/ブラック
(生産時期)
1982年8月 ~ 1983年10月
(特別装備)
A1.パワーステアリング
A2.タコメーター
A3.高級フルファブリックシート&トリム
A4.マッドガード
A5.ドアサッシュブラックアウト
A6.デジタルクオーツ時計
A7.フタ付コンソールボックス
A8.サイド&リヤエンブレム
A9.AM/FMマルチラジオ
A10.電動リモコンミラー
〇1800GXエクストラ
(外装色/内装色)
a1.ホワイト(033)/ブルー
a2.ブルーM(889)/ブルー
a3.ベージュM(4A5)/ブラウン(~1983年6月)
a4.ライトベージュM(4D2)/ブラウン(1983年6月~)
(生産時期)
1982年8月 ~ 1983年10月
(特別装備)
A1.パワーステアリング
A2.タコメーター
A3.高級フルファブリックシート&トリム
A4.マッドガード
A5.ドアサッシュブラックアウト
A6.デジタルクオーツ時計
A7.フタ付コンソールボックス
A8.サイド&リヤエンブレム
A9.カラードウレタンバンパー
カタログは1983年(昭和58年)2月の発行となります。
今回の掲載にあたって、軽く調べてみたところ、1800のベージュのカラーが変更されていたのは意外でした。しかも、変更後のベージュは専用色っぽくもあり。
この時期解禁となったドアミラーの関係かなと推測したものの、ハードトップではドアミラーが選択可能となっているのですが、セダンはフェンダーのみのままでした。かなり難解な変更なのです。
特別仕様の内容としては、当時の最多量販であるGXをベースに、ちょっとした豪華装備を追加するといったもので、理解し易い内容ではあります。
1800GXには、デジタルメーターやバックソナーを装備したGX-ADも設定されていて、少々の未来感覚を訴えていたのですが、コロナの購買層には、こうした特別仕様車の仕立ての方が解り易かったというのは、あるでしょうね。このGXエクストラの追加以降、GX-ADはやや影が薄くなった感があります。
また、カリーナが売れ筋の1500に次々とグレード追加をしたのとは異なり、ライバル車との関係や車格差を意識して、1800に販売の主流を置いたことから、こちらは1500には上級グレードを設定しない状況が続いていましたので、やや上級を求める声に応えられたというのも大きいですね。
コロナに1500を追加するに際しては、一クラス下となる大衆車クラスとの競合を意識して、同じGXながら1800とは仕様を変えた部分がありましたので、こうして特別装備の一部も変えられると、見た目の印象はだいぶ違ってきますね。
モデルチェンジ後、半年強での特別仕様車の追加はやや早い気がするところです。
このコロナは、モデルチェンジ直後こそ、60マークIIと60カリーナが挑み、肉薄しつつも成しえなかった、910ブルーバードの小型車クラス(1400cc~2000cc)の販売台数連続1位の記録を止めることに成功しています(そうした点では、正しく「舞台は主役を待っていた」なのです)。しかしながら、その後は再びブルーバードが勝る月が多くなる状況となっていますから、販売台数の上積みという意図が働いているのでしょう。
この特別仕様車、先代や70カローラの特別仕様車との対比というのも面白い視点かもしれません。
・
130コロナ後期の特別仕様車
・
70カローラ後期の特別仕様車
先代ではDXがベースでしたが、この世代になると一つ上のGXがベースとなっています。特別装備として追加される内容は近いものがあったりですが、基本となる装備水準は明らかに上がっていますね。
また、70カローラとの比較では、上級車である分の差を見出すことが出来そうです。実際の商戦では、特に1500GXエクストラの方は、カローラの1500エクストラやSEサルーンとの競合は相当数あったでしょうし。
次世代となる150コロナでは、車格とか性格付けの部分が一旦リセットされています(140コロナの流れなら、むしろ10カムリ・ビスタの方が近いような)ので、ここが一つの完成形と見ることはできるかもしれません。長い歴史をもっているクルマですから、ファミリーカーとして一貫しているように映りつつも、詳細に見ていくと、各々の時代を反映して多少の性格違いは出ていたりしますね。
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カタログ話(特別仕様車編) | クルマ
Posted at
2017/02/14 22:17:33