
最早、定期的な話題の感のある日産ギャラリーの展示車、ヘリテージ系の入替がありましたので、出かけてきました。
今回は諸事情から、初めて公共交通機関を使っての訪問。これまでは、同乗や自家用車で隣接の提携駐車場「横浜三井ビルディング駐車場」、あるいは買い物のついでで「横浜ベイクォーター」に駐車ということばかりだったのです。
初めて横浜駅から歩いてみると、10分足らずという想像以上の近さに驚かされまして。行きは、地下で経路選択を誤り、そごうの中に入ってしまったりしたのですけれど。帰りは、無事最短経路を記憶することができました。駅隣接と言っても過言ではない近さは、駅から傘なしで行くことも可能で、みなとみらい地区の地域開発の賜物ではあれど、まぁ一等地ではありますね。
そんなグローバル本社ギャラリーの最新情報を、早速ご紹介していきます。
●ダットサンフェアレディ1500(1965年:SP310)
生まれる前のこの年代になってくると調べることが必須となってきます。
1965年とのことですが、この年、1600に拡大されたSP311に移行しているため、SP310としては末期型となるようです。
SP310の特徴として左向きの後席を真っ先に思い出すのですが、末期型ということで展示車には備わっていませんでした。
シャシーは初代ブルーバード(310型)からの流用。そこに、一クラス上のセドリック用1500を積んだというのが成り立ち。4気筒ということでホイールベースは延ばさずで対応可能だったようです。ブルーバードのその後、410、510とモデルチェンジを重ねていきますが、フェアレディのシャシーは部分変更のみで最終型まで継続となります。
一からの設計ではなく、セダンからの流用を多用しての成り立ちは当時の精一杯ではあったのでしょう。もっとも同時期のトヨタは、コロナやクラウンをベースとしたスポーツカーの試作を重ねつつ、この年ようやく初の市販スポーツカー、スポーツ800を発売したくらい。スポーツカーから4輪に参入したホンダ以外は国産スポーツカーは皆無に等しい状況でしたから、むしろ早い時期からラインナップに加えていたことを高く評価すべきでしょう。ルーツを遡ると、さらにこの10年以上前からとなりますからね。
実車を見ると、全長こそ3,910mmと現行ロードスター並みの長さながら、全幅は1,495mmという今の軽自動車並みの幅狭さが独特のプロポーションを形作っています。
展示車は、2018年にフルレストア済の個体ということで、時を超えたかのような綺麗さが印象的でありました。
●フェアレディ280Z-T 2シーター Tバールーフ(1982年:HS130)
今回の展示車の中では一番の主目的ということで、画像も多めに。
2代目Zだと、西部警察で活躍したスーパーZを思い出される方も多かろうと思いつつ。私もその一人ではありますが、個人的には父がお世話になっていた自動車整備工場の社長が登場早々に買われた車というのも思い出の一つ。
この社長さん、初代セリカLB1600GTからの代替で、280Z-T 2by2の5速を買われていました。納車直後に親子で偶然見る機会があり、外観は勿論、内装、エンジンと随分詳しく見せてもらったというのは、今でも思い出す記憶。確か、運転席にも座らせてもらったような。
1978年といえば、ようやく排ガス規制が一段落したくらい。セリカXX、RX-7、と新世代スポーツが出始めていて。Zも280が登場できるか危惧された上での登場でした。そんな時代ですから、200万円を遥かに超える3ナンバースポーツって、スーパーカーと言っても過言ではないくらい、凄いとしか言いようのない存在だったのです。
もっともそこから10年以上経ってお聞きした話では、「初期受注分ではP/Sが選択できず、L28Eも2.8というのが信じられないくらいで未対策の2T-Gよりパワーレス。とにかく走っても曲がってもやたら重たい印象で随分高い授業料でした」となるのですが。さらに「後期は随分良くなっていたのが、尚更悔しくて」と。モデルライフの中で、280はECCS化とパワーアップが図られ、P/Sも標準になっていましたからね。
日産ギャラリーの紹介頁では前期の画像で掲載されていますが、展示車はその後期型でした。
私自身はこの頃には、ソアラやセリカXXに心奪われていたのですが、今視点で2代目を見ると、カッコ良いなと改めて。展示車の仕様、2シーターの280Z-T Tバーにマンハッタンカラーって、2代目Zの魅力が全部乗せに思う訳です。あえてATを選んでいるのは伊達ですし、改造されることもなくフェンダーミラーのフルノーマルで残ったのは奇跡にも思えます。
スポーツカーとしては、もう少し早くからパワーアップが望まれていたところですが、暴走族への助長という意味不明な理由で、特にZはターボ化も後回しとされていました。ようやくの国内導入も200のみ。北米では280にターボが出ていた時期なのですが。ツインカムはエンジンの改良だが、ターボは付属物によるパワーアップだから認可に難色というのも、当時聞かれた話ではありました。
次世代でパワーアップへの希望は満たされることとなります。
●フェアレディZ コンバーチブル(1992年:HZ32)
これはそんなに古い認識ではなかったのですが、既に四半世紀以上経過となるようで。
歴代の中ではZ32が一番好きで、その理由の多くがスタイリングにあったものですから、Z32の特徴である屋根を落とした形のコンバーチブルは、個人的には疑問符だったことを思い出します。
安全性のプライオリティが既に上がっていた時代故、ロールバーは残さざるを得なかったのだろうとは理解します。それなら、もう少し位置や角度等精査できなかったのかなとは。とは言え、SP・SR系以来のオープン2シーターであり、次世代以降へ続く端緒と考えると存在は決して否定できるものではないことも間違いなく。
展示車は、レッドのボディカラーにアイボリーインテリアの組合せ。これまたお洒落系のチョイスではあります。一定の年齢以上の方が目を吊り上げずにシレッと乗っている風情ともなれば、私的には目を奪われそうであり。
同世代のGT-Rに影響される形でハイパフォーマンス系に寄りつつあったZのもう一つの提案ですよね。もう少し早く出せていれば北米での展開が変わっていたのかも、ですが。逆にだからこそ希少種に昇華したとも言えそうで。
歴代の名車と近い位置には、現行型のNISMOとVersionSTが展示されていました。撮影はVersionSTの方で。
こうして並べて見ると、前回と合わせてシリーズの血統的なものを感じるのが不思議です。歴代で蓄積されたZに見えるノウハウは把握されているのでしょう。スポーツカーだと他のセグメントよりも伝統やヘリテージ系との相性が良いことも感じます。クラシカルスポーツという言葉が成立するくらいですしね。
新型が発表済ということで、先々月に販売が終了した旨の記載がされていました。
この展示、
11月24日(水)~12月1日(水)は臨時休館となる関係もあるのか、今のところ展示期間は11月23日(火)までとされています。
12月以降の展示内容は不明ながらも、目にする機会は決して多くはないクルマ達であり、気になる方は早めに確認された方がよいかもしれません。
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お出かけ日記 | クルマ
Posted at
2021/11/17 18:35:45