先日のブログでご紹介したのは、三台目の愛車であった「ミラージュ サイボーグ」でした。
という事で今日は、ちょうどその頃に出会う事になった、今や三菱の顔と言っても過言ではないであろうアノ車との出会いについて書いてみようかなと思います。
ちょっと
無駄に長いかもしれませんが、お時間ありましたらお付き合い頂ければ幸いです。m(__)m
そんな訳で、まずは
この曲を(笑)。
当時、車好きの多い職場の中でも特に親しくさせて頂いたのが、T先輩とO先輩。
二人とも
自分と同じで物静かな方でしたが、趣味となれば熱いものを持っているのは同様でして。
T先輩の愛車は当時R31スカイラインで、エンジンがノーマルな以外はかなり手が入っている車だったそうですが、腕のほうもO先輩いわくかなりのものという話しでした。
そんな愛車も走行距離がかさみ、いよいよ修理が追いつかないような状況になったため、ついに乗り換える事を決めて選んだのがアノ車。
それがランサーエボリューション(ランエボ1)だったのです。

(写真が手持ちにないため、画像は「Goo-net」の情報ページからお借りしました)
VR-4に搭載された4G63型エンジンは初期型の205馬力から始まり、後期型では240馬力にまで至ったのですが、それをさらに10馬力アップしたエンジンをミラージュ程度のボディーに搭載したという、まさに化け物。
T先輩が乗っていたのはシルバーでしたが、初めて間近で見た時は、当時異例の大きさを誇ったリアウィングに迫力を感じると同時に、「これに2Lのエンジンが載っているのか!?」と、そのコンパクトさにも驚いたものでした。
そしてあれは昼休み時間だったと思いましたが、車にも慣れて来たT先輩が助手席に乗せてくれると言うので、喜んで同乗体験へ。
エンジン音はやはり三菱らしいというか4G系らしいというかVR-4やミラージュと似たような感じで、そしてノーマルにしては野太い排気音。
とは言え普通にトコトコ走っていると、本当にそんな凄いパワーの車なのか?と思ってしまうようなスムーズさに妙な違和感?を覚えたのですが、これがまさに「嵐の前の静けさ」だった訳でして。(ちょっとたとえが違うか(^^;)
いよいよエンジンも暖まって来た頃、一旦止まって「じゃ、行ってみっか」と声を発したT先輩。
「ウィーン、ウィーン」とレーシングしたあと、「ドン!」とクラッチミートして走り出したランエボ。
その瞬間、自分には「空が見えた」のです。
もちろん、サンルーフが付いていたとか、そういう話しではなく(笑)。
純正としては硬めにしても、恐らくあのパワーにはそれでも柔らかかったのでしょう。
リアが沈み込み、まるで前輪が浮いてウィリーでもしているんじゃないか?と思うような姿勢で、低回転のモーターのようなそれから「クコォ~ン」という音に変わって加速していくランエボ。
もう、驚いているのか笑っているのか、良く分からない状態でした、ええ(笑)。
その荒々しい加速に、「自分には乗りこなせないなぁ・・」と思いつつも、心の中でVR-4以上の存在になってしまったのも事実でしたが、この時はまだ遠い存在としか考えていなかった自分。
しかし人間、どこでどうなるか分からないものでして。
それからしばらくして、O先輩が車の乗り換えを考えているという事で、T先輩が懇意にしていた中古車屋さんを紹介する話しになったのですが、「琢麻呂も一緒に来いよ」と誘われてついて行くことに。
実はそこの店長さんは三菱の車で競技をされている方で、T先輩が店長さんに、「この手(ランエボ)が好きな奴が後輩にいる」と話したら、「今度連れてきなよ」という話しになったのだそうで。
と、いざお店についてみると、何とそこには白いランエボ1が!。
白ってどことなく味気ない色にも思うのですが、ランエボのそれはやはりラリーのイメージ。
もう視線釘づけですよ、ええ(笑)。
そんな興味津々な姿を店長さんも感じていたのでしょう。メインであるO先輩の買い換え話しが一段落したころ、ふと店長さんが「ちょっと見てみるかい?」と一言。
吸排気とコンピューターにまで手が入っているらしく、エンジンをかけてもらうと、ノーマルよりも迫力のある排気音に、感じる雰囲気はもはやラリーカーそのもの。
とは言え、それまで50万位の車を乗り継いできた自分には、150万というのはやはり高額でして。
ダメもとで「ミラージュは下取りつかないですよねぇ?」と聞いてみると、「買い手の目処はあるから、これ位でどう?」と、相場にプラス10万位の好条件を頂き、ますます揺れる心。
迷っているふりはしても心は殆ど決まっていましたが、「家に帰って相談してみます」と店をあとにし、結局後日購入に至ったのでした。
で、本来メインであったはずのO先輩は、結局この時は乗り換えなかったんですけどね(笑)。
エボシリーズといえば、毎年のようにマイナーチェンジが行われた車ですが、普通なら「また新しいのが出るのかよ!」となりそうなそれも、どこかその進化していく姿を喜んですらいたような気もします。
エボ7のCMだったでしょうか。そこにあった、
「OUR SPIRIT OUR EVOLUTION」
というフレーズ。
ひたすらな勝利へのこだわり。
メーカーとユーザーの想いによって進化しつづける車。
(英語は苦手なので実際の意味がどうかはあれですが(^^;、まぁ雰囲気で)
そんなマインドがファンを魅了したのではないかと思いますが、その反面、今それだけ熱い想いを込められる車って、どれだけあるんだろう・・と思ったりもするのですけどね。
確かに車はメーカーが造り出したもの。そして名前は「記号」でしかないかもしれません。
しかし、そこに想いを寄せるユーザーたちの心があるという事。
幸いランエボはシリーズを継続していますが、特に自分と同じか上の世代ですと、車はもとより「○○党」というメーカー自身へのファンも少なくなかったかと思います。そんな方々が、かつて胸を熱くしたであろう車名が消えゆくなか、今のメーカーに何を想うのか・・。
そんなことをふと思うオヂさんなのでした。