
早いもので、お盆休みも4日目、
どうも雨続きでパッとしない感じですが、先日雨の合間をみて父方の祖父母の墓参りに行って来ました。
自転車で走りながら思い出すのは祖父の事。
祖父は「頑固おやじ」という感じの厳しい人で、親戚の兄さんと悪さをしてカミナリが落ちたこともありましたねえ(^^;。
でも、そこで学んだことも色々ありましたし、厳しさの中にも優しさのある方だったのだと思います。
と、うちの父と母が若かったころ、そんな祖父が「これからは車が必要になるだろうから、お金は出すから車の免許を取ったらどうだ?」と提案してきたことがあったのだそうで。
息子たちのこれからを思ってのことだったのでしょうが、うちの父は「俺にはバイクがあるから、車はいらん」と言って断ったのだとか。
「父さんが断ったから私だけ取るって言いにくくて、結局断ったのよねえ」という母。
逆に言うと、それ位バイクが好きだったのかなあとも考えられるのですが。
なのでウチにはずっと車が無かったのですが、そんなこんなで私が20代後半に差し掛かったころ、父は脳梗塞で倒れてしまったんですよね。
幸い一命は取り留めたのですが、右半身は完全に動くようになるのは難しいだろう・・と。
どうにか杖と装具で自立歩行は出来るようになったのですが、仕事への復帰は難しいだろうという事に加え、バイクに乗ることも断念せざるを得ない状況でした。
そのため、昔の造りの家では歩くのも大変だろうと、元々住んでいた所は土地が狭かったため、別な場所に土地を買って家を建てて引っ越すことになったのですが・・。
引っ越すにあたって父のバイクをどうするか・・という話しになったのですね。
本人も自分の体の事は分かっているでしょうが、私の口から「もう乗れないんだから」とは言えないよな・・と、どう伝えて良いのかやはり悩みました。
不器用な自分なりに考えた末、「体が良くなったら好きなヤツ買うべしさ・・」と伝えると、一度だけ首を縦に振った父。
本当は、「バイクは残しておくから乗れるように頑張れ」と言うべきだったのかもな・・と、今でもその時の事を思い出すのですが、もし私が何かの事情で車に乗れなくなったとしたら、ああも素直に受け止められないような気がします。
いざ手放す段になり、バイク屋さんのことは学生時代に自転車の修理でお世話になっていたので知っていましたから、事情を伝えるとすぐに駆けつけてくれました。
「お父さん、大変だったね」と言いながら、軽トラにバイクを積み込んだバイク屋のオヤジさん。
すると、少し間を置いたあとに「実はさ・・」と続いた言葉は・・
「このバイク、まだ支払いの途中なんだよ」と。
「でも心配しなくていいよ、引き取りで相殺ってことにするからさ」と言うバイク屋のオヤジさん。
結構長いこと乗っていたような印象だったので意外ではあったのですが、色々慌ただしい状況だったので、その時はありがたいという感謝の気持ちだけで終わってしまったのですが。
でも今になってみると、あの時オヤジさんが本当に言いたかったことは、もしかすると支払いが残っているという事ではなかったのかもなあ・・って思うんですよね。
きっと、父が家族のことを優先したうえで細々と支払続けていたということを伝えたかったんじゃないかな・・なんて。
まぁあくまで私の想像であって、思い出を美化しているだけなのかも知れませんが(^^;、大切なことは事実がどうなのかじゃあなくて、私がそれをどう受け止めて何を考えるか・・なのでしょう。
なんて言いつつ、年中車の事しか考えていないようなバカ息子でありますが(苦笑)。
結局、父が再びバイクに乗ることはなく今に至っていますが、もし父が車の免許を取っていたら、ウチにも車があったのかなあ?なんて考えてみたりもするんですけれどもね。
でも、車が無かったからこその経験もあるでしょうし、だからこそ今の自分があるのかなあ・・と。
とまぁ、普段なかなかこういう事を考えたりしないのですが、これもお盆という時期だからなのかなあと、グラス片手に思う琢麻呂でありました。
それにしても、最近の事は思い出せないのに、昔の事は良く覚えているんでしょうねえ?(笑)。
Posted at 2014/08/16 18:43:41 | |
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