ということで、
珍しく飽きずに書き上げたので後編です。
前編では、ホイールベアリング交換をしてみようと決意したところで終わりまして、後編は実際のベアリング交換についてのアレコレなど。
さて、まずはホイールベアリングについてですが、トリッカーのリヤホイールに関しては、KOYOの6202というベアリングが使われているようです。

写真はすでに取り外した現品で、オープンタイプ(シールド無し)のフロントに対し、リヤは両側接触シール型という両面にシールドがついたタイプで、3個とも同じものでした。
こういったベアリング交換に関しては、先人の情報が色々ありまして、ベアリングについては、各ベアリングメーカー(KOYO、NSK、NTNなど)の同一品番であれば互換性があるようです。
純正だと1個1000円くらいしますが、社外品は2~300円とリーズナブルなのも魅力。
ということで、ベアリングを購入しようと思ったところ、お友達のチャックさんから、ベアリングには「内部すきま」が存在しており、純正はC3指定ではないか?という情報を頂きました(感謝)。
ベアリングには、アウターとインナーレース間のガタといえば良いのでしょうか、「内部すきま」というものがあり、C2<CN<C3<C4<C5といった順にすき間が大きくなるのだとか。
一般流通しているものは普通すき間の「CN」らしく、今回は情報を参考にC3指定となる、NTNの「6202LLUC3/5K」を購入しました。

べつにNTNにこだわりがあったワケではなく、パッと目に入ったのがコレだったので(笑)。KOYOであれば「62022RSC3」になるようです。
いざ交換作業に移りまして、こういったベアリングの抜き取りには、パイロットベアリングプーラーという工具を使うようですが、残念ながらウチにはありません。他の無駄なプーラーはあるんですけどねえ(^^;。
ということで、こちらも先人のお知恵を拝借して、コンクリートアンカーを使うことにしたのですが、どうも打ち込み方が悪いのか
自分のネタくらい滑って上手く行かないのですよ・・。
下手に深く入れるとカラーごと引っ掛けてしまいそうですし、そんな感じで色々試行錯誤した結果が、こちらです。

アンカーをベアリング内径ギリギリ(手では押し込めないくらい)まで開いておいて、ハンマーで打ち込んでベアリングとカラーの隙間に上手いことアンカーの端面を合わせ込むという方法です。
(カラーの端面に達するとコツンという感触があるので、そこで打ち込みを止める)
実際パイロットベアリングプーラーのツメは、こういう原理でベアリングをひっかける構造らしいですので、それを参考にした感じですかね。
アンカーの反対側にはネジ(M10)が切ってありますので、そちらにボルトをかけてプーラーの原理で引き抜いても良いと思います。
で、2個まではどうにか抜けたのですが、最後の3個目がどうにも固い(^^;。
ここまで使っていたアンカーではすっぽ抜けてしまうため、ボルトにナットの組み合わせにチェンジし、アノ方に登場頂きます。
「私の戦闘力は53万です」
いつものラスペネ様・・ではなく、フリーザ様もといフリーズルブです。
潤滑油と同時に冷却剤を噴射して、凍結収縮によって固着を断ち切るというものらしいですが、ロードスターの固着がスーパーサイヤ人のごとく強力でお蔵入りしていたのを思い出して、持ち出してきたのでありました。
結果は見事に打ち出せたのですが、本当にフリーザー様の53万パワーなのかは神のみぞ知る・・であります(笑)。まあネタということで、ひとつ。
ここからはベアリングの打ち込みですが、念のため荒れている雰囲気のあるハブ内面はペーパー掛けしたうえで、念のためカジリ防止として潤滑剤を塗布します。
そして、今回打ち込みに使用した当てものは、コチラ。

ベアリング外径の35mmに切った厚紙持参で、ホームセンターを不審者のごとく徘徊し、塩ビ管コーナーで見つけた端面用のキャップです。
実測値で34.5mmと、まるで専用品のごときフィット感(笑)。
念のため金属製の配管ソケットも購入しましたが、無事これで打ち込めました。
特に整備書には打ち込みの順番が無かったので、私は2個打ち込むことになるスプロケット側からやってしまいましたが、巷の情報ではブレーキディスク側からという意見が多いような気も・・。
考えてみると、ディスク側はキャリパーやパッドとの位置関係がありますし、チェーン側なら微妙にズレてもチェーンラインに影響しないような気もしますので、ディスク側が正解なのかも。
フローティングキャリパーなので多少のズレは大丈夫(なのか?)ということにして、作業中の指示があるバイクもあると思うのですが、皆さんはどうされていますか?。
そんな訳で素人感満載ですが、片側が終わったところで反対側です。
色々この手の情報を見ていると、打ち込み過ぎは厳禁・・とされているようです。

実際、打ち込んだベアリングと打ち込む側のハブの当たり面の実測値と、カラー長を測ってみると、カラーのほうが約0.5mm長いですね。
そのため単純にベアリングのアウターを打ち込んでしまうと、インナーがカラーに当ってもアウターはハブの当たり面に到しないため、打ち込み過ぎとなるようです。
ということで、スーパーコンピューターのごとき頭脳で計算した寸法を狙って打ち込み開始。
途中、打ち込み過ぎに気を付けつつ、カラーが微かに動くギリギリの所まで圧入しました。

この状態だと、片側のベアリングを回すと反対側も回るものの、両方それぞれ逆にも回せて、実測で計算値と0.02mm程度のズレでしたので、ベストポジションではないでしょうか!?。(自画自賛)
こんな感じで初のバイク分解ということもあり、アレコレ
迷走試行錯誤していたら、今日のところはこれで終わってしまいました。
残すところはリアキャリパーのオーバーホールと、ドライブスプロケットとチェーンの取り付けですかね。そうだ、クラッチワイヤーも交換しなくちゃダメだったな(^^;。
まだ先は長いような感じもしますが、何とか次の休日で終わると良いなあ。