日本のテレビ、ラジオ、新聞では、決して目にし耳にすることのない真実が語られています。
学校の教科書や先生が教えない、国益に適うことが書かれています。
この国を愛し、守りたい人々の気持ちが結晶となれば、再びその歩むべき道を取り戻せるはずだと、私は信じています。
井沢満氏ブログより
2014-02-06
アメリカその罪と友情
原稿に集中せねばならぬのに、どうも都知事選の行方が気になって
集中出来ない。
田母神さんの応援に大阪から駆けつけた「永遠の0」の作家、百田尚樹さんの
応援演説が私には、不穏当な言い方かも知れないが、面白かった。
仮に私が田母神さんの応援に立ったら言うに違いないようなことを
おっしゃる。百田さんは能弁であり、私など弁舌に不器用な者と比較は失礼だが。
ちょっと部分的にどうなのかな? とも思う箇所もないではなかったが、アメリカの
戦争時における不当性の部分はそのとおりである。
私も弊ブログに書いたばかりだが、どう言い繕おうと原爆投下と大空襲は非戦闘員の
大殺戮でしかなく、東京裁判はその残虐性から目を逸らせるための
戦犯でっち上げつつの、犯罪国日本演出・印象拡散裁判である側面が大きい。
何も今更アメリカの旧悪を蒸し返して反米感情をかき立てようと言うのではない。
日米同盟は必要である。彼らの時として見せる友情も偽りではない。
ただ、靖国参拝の是非がA級戦犯云々で言われるなら、当然東京裁判にまで
遡るしかない。そういうことである。それと、現在も日本を苦しめ続ける韓国と中国の、必ずしも根拠が明快ではない反日攻撃も、つまるところアメリカに行き着く。
大空襲の指揮官カーチス・ルメイがいみじくも述懐したごとく、「もし戦争に敗れていたら私は戦争犯罪人として裁かれていただろう。幸運なことにわれわれは勝者になった」
彼には無論、罪もない女子供赤ん坊まで焼き殺したのだという認識はあった。
それを責めても仕方がない。彼は命令に従っただけであり、それが戦争である。
ただ正邪による裁判ではない、という認識は持っていたい。勝ち負けによる裁きであり、勝者が文句なく正義であり、敗者は裁かれるままである。それが戦争の実相であり、それに関して泣き言も言い訳もきかないが、しかしその不当裁判の結果裁かれたA級戦犯が合祀されているので靖国参拝はならぬという言い分は、言いがかりでしかない。まして、それを外交上のカードとして切ってくる韓国中国はともかくとして、アメリカが尻馬に乗って日本に「失望した」というごときは、フェアではない。まして強制の従軍慰安婦の濡れ衣を着せられた日本が、
それを晴らすための言動もならぬとは、これはもう力による口封じであろう。
自分たちは過去どんなきれいなことをして来たのか。
百田さんは、安倍総理がNHKに経営委員として送り込んだ方であり、本来
安倍総理の側につく方なのだろうが、田母神さんにつかれた。三橋貴明氏も
「愛国主義」という言い方は失礼だろうか、靖国神社の例大祭でも姿をお見かけし、
また自民党員でもおありだそうだが、今回は田母神氏について
安倍総理に反旗を翻された。百田さんや三橋さんが安倍総理を裏切ったのではない。
安倍総理の今までの言説・姿勢の延長線上にあるのは田母神氏であり、舛添氏ではないのだから、裏切りといえばむしろ安倍総理のほうであろう。
百田さんも、三橋さんも本来安部総理の思想と軌を一にする人たちである。
相当数の支持者の失望と憤りを買うことは承知での、舛添候補の応援である。
よほどの、事情が背後にあると見るべきであろう。単に分析上の勝ち馬に乗って
恩を売り、支配下に置く目的のみの応援であるなら、それはもう絶句するしかないのだが。
応援のさまを動画で見ると、痛々しい。身振り大きく、熱を込めて
語られるほどに寒々しく、そして舛添氏の顔面筋肉を機械的に動かすだけの不自然な笑み、
本来党是からして足場が決定的に異なる公明党の山口氏と手に手を携えての呼びかけは、
笑えない道化にしか見えない。聴衆のしらけきった気分も濃厚に伝わってくる動画ではあった。
といって、即安倍自民の批判というわけでもなく、ただ
背後にある不気味なものを見据えたいのである。
安部総理の「戦後レジウムからの脱却」とは、畢竟アメリカ源流の、
中韓による反日への屈服からの脱却ではなかったろうか。
靖国参拝でやっとその小さな一歩を踏み出したとたんの、舛添氏支援なので
多くの人が面食らい、また憤りを口にしているのだろう。
安部総理を擁護する人たちは「芝居」「腹芸」と言い、私も「芝居」までは
その通りだと思うのだが、その芝居の動機が明瞭ではなく推測するしかないので
すっきりしないものが残るのだ。あの見事に心に届かない、熱く、しかし虚しい言葉の
連打。
そういう背景もあって、私には百田氏が田母神氏を応援するにあたって
アメリカをその話題に選んだことが興味深かった。
アメリカにとって、田母神氏は実に嫌な都知事候補ではあろう。
《補遺》 田母神氏へのネガティブ・キャンペーンとして、田母神氏が戦争を
したがっているとか、安部総理が憲法改正して国軍を言うのは戦争を
するためである・・・・というのがあるが、それは噴き出すほどにもおかしげな
言いがかりであるが・・・・これも百田氏が、コンパクトに反論してくださっている。
「田母神さんが都知事になれば日本は戦争するんじゃないかと。
どうして東京が戦争できるんですか。あほなこと言うなと思うんですが。
実は憲法改正の話をちょっと言いますと、私は憲法改正派です。
と言いますのは、今の憲法は、戦争が起こってほしくないなぁと、ただそれを願っているだけの憲法だと私は作家としてそう解釈しております。
それをどう変えるか、絶対に戦争を起こさせない、そういう憲法に変えるべきだと僕は思っています。
よく安倍さんがいわゆる国防軍にしたい、と。安倍さんは戦争をやりたがっているのか。とんでもないです。
戦争を起こさせないために軍隊が必要なんです。
軍隊は今、戦争を抑止する一番の力です。
そして今日本人で絶対に戦争を起こしてほしくないと思っている人は誰か。
これは実は自衛隊員です」
短い言葉でわかりやすい。
「平和」を叫び、反戦詩を読んでいても平和は来ない。
戦争は自分の主義や都合で起こったり起こらなかったりするわけではない。
何か目的があり、あの国やってやろうと思われた時、起きる。
平和、と叫んだ口の中に銃口を突っ込まれ、反戦詩を読んでいるその舞台ごと
吹き飛ばされる。
それが戦争である。9条は紙っぺらに書かれた反戦詩と同等に無力である。
それと、反旗を翻した、と書いたが百田氏は安部総理を否定はしていない。
おそらく・・・・・国政安倍・都政田母神のビジョンが頭におありだと読む。
そういう意味でなら、私もまた安部総理の桝添氏支持は一過性の
「身過ぎ世過ぎ」レベルであろうかと、いまだ思っている。
井沢満氏ブログ