最近、じみじみと思うのです。
そうだったのかと、腑に落ちることがあるのです。
子供時代から学生時代の、多感な時期。
その頃に聴いた音楽、観た映画、読んだ本やマンガ、笑ったギャグ。
川での魚釣り、メダカすくい、土遊び、自転車乗り、探検ごっこに秘密基地。
好きな食べ物、好きな色、好きな景色に好きな車。
今になっても、どれも相変わらず、色あせずに好きなのだということを。
子供の頃は、大人になったら演歌を好きになるのかと思っていました。
自然に、俳句や短歌や詩吟や盆栽が趣味になるのかと思っていました。
落ち着いた、常識と品格のある女性になっているはずだと思っていました。
いいえ。
現実は、子供の頃から好きなものは好き、興味を持って続けていることは相も変わらず好きなのだと。
子供の頃から感じていた本能的な嗅覚や違和感や基本的な性格は、社会事情や環境の変化によって少しずつ形を変えるものの、そう大きく変化していないものだと。
まさに、
「三つ子の魂百までも」です。
子供時代の家庭や学校での教育は、なんて大切なことであるのか。
マスコミなどのメディアが伝える報道や情報は、なんと大きな影響ほ及ぼすのかと。
改めて、手遅れにならないうちに、私たち現代の日本人が次世代のために正しいと思われる歴史、情報、大切だと思う精神を伝えていかなくてはならないことを感じます。
(昨日からメールや電話で、毎年遊びに来る主人の姪っ子の悩み事相談にのっているうちに、我が事も省みていました)
本日12月14日といえば、赤穂浪士討ち入りの日。
元禄15年12月14日(新暦1703年1月30日)、大石内蔵助(おおいし・くらのすけ)率いる47人の赤穂藩浪士(四十七士)が、主君だった浅野内匠頭長矩(あさの・たくみのかみ・ながのり)の仇討ちとして、吉良上野介義央(きら・こうずけのすけ・よしなか)の屋敷に討ち入った日です。
子供の頃に大好きだった
大河ドラマ「峠の群像」を観てから、毎年なんとなく自分の中では記念日となっていました。
どうしてこのドラマが好きなのかは、当時は深く考えていませんでしたが、改めて動画を観たり、忠臣蔵について詳しく調べたりまとめている方のサイトを読んで、なんとなくわかってきました。
一番の理由は、小林薫さん演じる「クールで無骨で愚直で右翼的な」w 不破数右衛門様がめっちゃ魅力的だったから(*´ノ∀`*) ダ・イ・ス・キ♪
それ以来、ずっとファンです♪
他にも、樋口可南子さん、吉田日出子さん、古手川祐子さんら女優陣がみなさんチャーミングでステキだったこと。
大石内蔵助役の緒形拳さん、吉良上野介役の伊丹十三さん、浅野内匠頭役の隆大介さん、近松門左衛門役の中村梅之助さんが、ハマり役で忘れられないこと、ナレーションの加賀美幸子アナウンサーの語り口が秀逸だったこと。
未だに、大河ドラマの中で一番好きかもしれません。
原作本も読みましたが、忠臣蔵、赤穂浪士事件を題材としながら、江戸経済、文化の頂点である「元禄」という時代、その時代を峠のように武士がくだりおり、町人や商人が台頭していく陰影や浪漫を描いた元通産相官僚の堺屋太一さんの視点が独特で、従来の忠臣蔵のドラマとは違うおもしろを感じました。
峠の群像 OP
NHKアーカイブス
NHK名作選みのがし なつかし:
大河ドラマ 峠の群像
http://cgi2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009010274_00000
■番組詳細
赤穂浪士の討ち入りを軸に、元禄の時代と人間たちを描く。大石内蔵助役の緒形拳にとって、「太閤記」に次いで2度目の「大河ドラマ」主役となった。原作は元通産官僚で、後に経済企画庁長官も務めた作家、堺屋太一。元禄を高度経済成長の「峠」を上り詰めた時代として捉え、赤穂藩断絶を企業倒産になぞるなど、経済の視点から「忠臣蔵」を見つめ直す。
原作:堺屋太一 脚本:冨川元文 音楽:池辺晋一郎 語り:加賀美幸子
■主な出演者
緒形拳、丘みつ子、松平健、伊丹十三、多岐川裕美、隆大介、郷ひろみ、小林薫、古手川祐子、中村梅之助
※こちらのサイトでは、3分32秒のダイジェスト映像を見ることができます。
12月14日は赤穂浪士討ち入り記念日!でも忠臣蔵がウケたのは昔の話?【その日歴史が動いた】
武将ジャパン
http://bushoojapan.com/tomorrow/2013/12/13/11055
12月の歴史的な出来事といえば、やはり忠臣蔵の元ネタである元禄赤穂事件。
一昔前まではこの時期毎年ドラマなりドキュメンタリーでみかけましたが、最近はたいした頻度でもないようで。
というのも、事件や忠臣蔵に対する世論が大きく変わってきたから。
もっと正確に言えば、当時と一昔前、そして現在では一般庶民のうちことの経緯を知っている人の割合が変わったのでしょう。
忠臣蔵はお芝居なので脚色がすごいのは当然と言えば当然のなのですが、前後事情も現代人からすると「ゑ?」とツッコみたくなる点が多すぎますからね。
以下、つづきは
こちらから。
※かつては、吉良上野介悪人説、やむにやまれぬ赤穂浪士たちの敵討ち、武士の本懐をとげる天晴れな仇討、無慈悲なお上に対する不満、勧善懲悪が主流だった気がします。
今は、吉良上野介はそんなに悪い人ではなかった、むしろ浅野内匠頭に問題があり、アスペルガー説、統合失調症説、人格障害、発達障害説の方が有力ではないでしょうか。
・・・そうなると、四十七士に感情移入して忠臣蔵を見ることは、難しくなりますね。
「くすや」は忠臣蔵を愛してやまない漫画家・もりいくすおが
無責任編集で運営しているサイトです。
峠の群像
漫画家 安富崇史のブログ様より 転載します
2011年12月7日
実はおすすめです 本 テレビドラマ「峠の群像」
昔、私が大好きだった漫画や映画、小説などで、残念ながら現在ではあまり話題にならなくなったものの、今でもやはりおすすめなものがあります。そういうものを勝手に少しずつ紹介して行きます。機会がありましたら、ぜひぜひご鑑賞を。
「峠の群像」 小説 テレビドラマ 堺屋太一 1982
ご存知忠臣蔵、赤穂事件を基にした傑作です。NHKの大河ドラマにもなりました。私は忠臣蔵が大好きで、タミヤの1/35兵士セットならぬ「忠臣蔵セット」も買ってしまい、討ち入りを題材にした持込漫画も描いてしまいました。(ホームページにUPしています。しつこい)
忠臣蔵はこれまで(もちろんもともと歌舞伎の大入りのタイトルですが)それこそ無数の映画、ドラマ、小説になっています。特に小説は、大仏次郎、海音寺潮五郎、山田風太郎、森村誠一、柴田錬三郎・・・様々な作家がそれぞれの忠臣蔵を書かれていて、その「解釈」が十人十色なところに妙味があります。四十七士の銘々伝的なものから、スタンダードなもの、新解釈のもの、吉良善人説のもの、大石悪人説のものまで百花繚乱、飽きることがありません。
その中で、とりあえず堺屋太一「峠の群像」を紹介します。
この忠臣蔵の特徴は何と言っても、討ち入り場面がほとんどない、というところです。ええー(大河ドラマ版ではそうも行かず、割とスタンダードな忠臣蔵になっています)。そう、この小説のテーマは、「忠臣蔵」を書くことではなく、赤穂事件を通して、江戸経済、文化の頂点である「元禄」という時期を描くところにあるのです。
元通産省の官僚で、経済小説を数多くものされている堺屋太一さんならではの視点です。「元禄」というのは、あらゆる意味で、「江戸時代システム」が最高潮にあった「峠」の時代です。
例えば商業ですが、元禄には紀の国屋文左衛門などの豪商が名を連ねています。これは、各大名家が米や麦だけでなく商品作物や工業原料などを積極的に生産し流通させた結果です。その商社的マネジメントを請け負う商人が台頭してくるわけです。
そして、都市町人の富裕層は、あらゆる分野での文化の発展を促します。いわゆる「元禄文化」というやつです。尾形光琳、野々村仁清、近松門左衛門、井原西鶴・・・みな元禄人です。
そして、元禄の終わりと共に、慢性的インフレがずっと続く時代になります。度重なる貨幣改鋳はインフレを悪化させ、無生産階級である武士は対応できず借金漬けになり、大名家も借金なしでは立ち行かなくなります。今風にいえば、実質経済から金融経済が支配する世の中になっていきます。かっての元禄商人とは質の違う、金融業である札差商人が巨利を得るようになります。時代は、はっきりと「峠」を降りて行くのです。
「武士道」という価値観も元禄あたりをピークとしてその流れに飲み込まれていきます。元禄は、武士たちの峠でもあったわけで、「武士道的武士」と「領地を経営する経済官僚としての武士」が交代していく大きな流れになっていきます。
まさにその時期、「武士道的武士」の価値観の極である赤穂事件が起るのです。
「峠の群像」では、「武士道的武士」の象徴として大石ら四十七士をとらえ、「経済的武士」として赤穂藩の製塩事業の責任者、石野七郎次(架空の人物です)をもう一人の主人公として配置します。
石野は、製塩こそ赤穂藩の命綱であるという信念のもと、塩つくりをシステムから改革します。労働条件を変え、中間業者の利権を排し、新たに塩田を開発し・・・苦労の末、良質な塩を大量生産できるようになります。
石野はそれにとどまらず、大坂の商人とも交渉し、全国への販売ルートをも開拓するのです。(本書の大半はこの石野の奮闘と江戸時代の流通システムの描写です。これがメチャクチャ面白い)最初は「商人のような武士」と石野を蔑んでいた藩士たちも、石野の手腕や塩田を評価しはじめます。
ところが・・・まさにそんな折、藩主浅野内匠頭の刃傷事件が起ってしまいます。(それも実は赤穂の塩が遠因という皮肉なもの)お家断絶、改易、吉良への復讐・・・。どれも石野には理不尽な事ばかりです。石野にとっては、主家より何より、製塩事業の継続の方がはるかに重要な事だったのです・・・。
大河ドラマ版は、この経済面の描写が少なからず削られていて、その点はイマイチなのですが、通常の忠臣蔵より同時代人がはるかに沢山出てきて、「峠の群像」とよぶにふさわしい作りになっていました。個人的には、「大河ドラマベスト5」に入る名作です。
…… 以上、転載 了 ……………………………・・
忠臣蔵、赤穂浪士四十七士の討ち入り事件から、江戸元禄という時代、武士が武士たるゆえんである武士道、商人や町人の台頭、そこから明治維新へつながる大きな時代の流れを、1702年12月14日を定点として見つめ続けることで、学べることがあります。
「峠の群像」は、総集編のみDVD販売なので、当時ワクワクしながら見ていた生き生きとした登場人物の細かなエピソードを見ることができないのが、残念です。