
いよいよ我が家にも、その時がやってきた。
「ねえ、おかあさん。○○(←息子の名前)も、ゲームがほしいかもしれない」
そうかあ。ついに息子もそう思ったのね。
でも、無理もないのかも。クラスでゲーム持ってない男子、息子だけだもの。
「そっかあ。どうして、ほしいって思ったの?」
「だって、休み時間も、みんなゲームの話しかしないし。そーっと抜けて話しに行くAくんは、福島に帰っちゃうし」
友達のA君は、お母さんもゲームはまだいらないかなと思っていたけど、預けている学童保育でゲームの時間があるため、一人だけ手持無沙汰で可哀想だからとついにゲームを与えることにしたのだそう。本人はそんなに好きでもなく、息子とも話が合うのだけど、残念ながら震災前のように家族いっしょに暮らすため、今月引っ越してしまう。
ゲームを今すぐ、どうしても買ってほしいというわけでもなく、父親も不在中なので、息子と話し合い、親子でもうちょっとゆっくり考えることにしました。
息子が考えるゲームがあるといいこと、良くないことを尋ねてみました。
<よい点>
・みんな持っているから、いっしょに話ができる。
・ちょっとやってみたい気もする。
<悪い点>
・ゲームにばかり夢中になって、宿題とかできなくなっちゃう。
・ゲームでしか遊ばなくなって、プラモデル作ったり自転車で遊ぶ時間がなくなる。
幼稚園時代から去年までよく遊んでいたB君とは、車好きという共通の趣味があったから、お互いの家を行き来したり、お泊りしたりしていました。
私も、コンビニでコーヒーのおまけの車のおもちゃを見つけると、B君の分まで買ってプレゼントしたり。(彼はランボルギーニが好きで、息子は国産車が好き)
でも、B君がゲーム(3DS)を買ってもらってからは、話題はゲームのことだけ、休日の過ごし方も少年団活動かゲームばかりで、一緒に過ごす機会がなくなってしまいました。
B君のお母さんは働いていて息子を学童保育に預けているから、みんな持ってきているのに買ってあげないわけにはいかなかったと話しています。
実は、息子がゲームをほしいなと言いだす前に、子供とゲームと親たちについて考えさせられることがいくつかあったので、記してみます。
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【事例1 子供会行事】
先月、年に一度の町内会の子供会の集まりがあった。
かつては、海やプールに連れて行ったり、BBQをしたりしたそうですが、子供の数や予算も減り、行事は子供みこし、クリスマスプレゼント配布とこの集まりだけになったそう。
参加した子供は全部で5人。家庭は3軒。
幼稚園から中学生までの子供が対象だけど、今年は中学生の参加はなし(中学生女子が二人いるけど、親が子供会担当者ではないと参加しない)
裏のお宅の女の子小5と年長の二人(担当者になったので、初めて子供も両親も参加)と、引っ越してきた年長の男の子(向かいのお宅。×1のお母さんと初参加)。
あともう1軒は、母親が仕事で幼稚園の息子たちは来ないからと、祖父だけが参加。
うちの子以外の3人は、DSを持参。初めからゲームに夢中。
我が子たちは、広い集会場を走り回り、お祖父さん(まだ50代w)の方と相撲をしたり、闘いごっこをしたり。
一昨年までは、中学生のお兄ちゃん達が参加していたので、ゲームも持参していたけど、ずっと年下の息子たちを可愛がってくれて、キャッチボールやかくれんぼなどして一緒に遊んでくれた。その親御さんも、年下の子の面倒をみるよう、声をかけてくれていた。
いい町内に引っ越してきたなあと、優しいお兄ちゃんたちと楽しい時間を過ごし、親子で喜んでいたものだ。
食事が始まり、子供たちも食べ始めるも、ちょっと食べてはゲーム。
「さあ、せっかくみんなで集まったから、楽しくもりもり食べよう」と声をかけても、好きなモノだけちょこっと食べて、またゲーム。
2軒の家庭も親が揃っているけど、何も云わない。
自分より、ずっとずっと若い親。×1で実家に戻ってきた母親は、早く結婚した友人の娘とあまり年も変わらないorz。
「どのお寿司が好き?」
「お母さんのお料理、何が一番好きなの?」
せめて、みんなで食事している時ぐらいはゲームをやめて美味しく食べようと、いろんな話を振って、みんなで食卓を囲むようにした。
親は、大人同士で話をし、お酒を飲んでいる。
なんだか、ヤバい現場に立ち会ってしまったような予感。
年に一度の子供会の集まりで、それぞれがゲームをしていて親は平気なのか。
もしかして、ど、DQNさんたち?
お子さんの名前は、もちろん、DQNネーム、もとい、キラキラネームですが。
現実とは思えない、というか、嘘だと思いたい・・・orz
食事が済むと、息子たちは座布団をかき集めて、テーブルを組み立てて、秘密基地を作りだした。
楽しそうだと思ったのか、男の子が一緒に遊び始めた。
幼稚園の女の子も参加。三人は、下の息子の同級生。
一番年上の5年生のお姉ちゃんは、食事する時も子供たちと同じ場所に座らず、母親の隣でずっとゲーム。
しばらく、子供4人で楽しそうに遊んでいたけど、二人はゲームを持ってきて、暗い基地の中でゲーム。
その後、うちの子がキャッチボールやドッジボールをはじめると、途中で入ってくるけど、またまた飽きてしまうのか、またゲームに戻る。
【事例2 幼稚園行事で】
先月の土曜日に、幼稚園の保護者参観があった。
卒園する子供たちを送る、お遊戯会のような行事だ。
年長さんは、とび箱や縄跳び、フラフープなど、自分が幼稚園でできるようになった得意なことを、みんなにみせてくれて、合奏も披露してくれた。
保護者も、入園したばかりの小さくて不安げだった我が子の姿を思い出し、元気に成長してくれたことを嬉しく思って涙ぐむ。
そんなこころ温まる会の輪の外で。
小学生の子供たちが、保護者と一緒に幼稚園にも来ている。
去年くらいまでは、保護者と一緒に座って、弟妹たちの演技を見たり、拍手を送っていた、気がする。
そういえば、今年の夏のお祭りでも、残念な姿が見られた。
保護者会が企画し、外部から講師をお招きして、歌や楽器の演奏会を開いた。
その会の後ろで、一部の小学生の子供たちが、ゲームに夢中になっていたことをあとから聞いた。
その子たちのお母さんから、自分は参加できなかったけど、他のお母さんから自分の息子がお祭りでおもちゃやお菓子をもらうだけで、後は参加しないでずっとゲームをしていたことを教えられた。
役員の人たちが苦労して開いてくれたお祭りなのに申し訳なかったと、泣きながら謝ってくれた。
自分も、楽しそうに歌ったり踊ったりしていた幼稚園児や小学生の姿に嬉しくなり、子供たちや保護者を盛り上げるのに一生懸命だつたので、影に隠れてゲームをしていた子供たちには気付かなかったから、声をかけられなかったことを詫びた。
後から教えてくれた友達のお母さんも、その時は注意しなかったけど、思い切って言えば良かったかもしれない、一応、お子さんの様子を知らせた方がいいかと思って、連絡をくれたそうだ。
今回も、残念ながら、幼稚園児が一生懸命練習してきた歌や踊りを披露している横で、ゲームや通信に夢中になっている子がたくさんいたそうだ。
どの子も、保護者がいるはずなのに。
そんな小学生のお兄ちゃんお姉ちゃんの姿を幼稚園児達がみれば、自分たちも小学生になったら、ゲームをしていいのだと思ってしまう。
我が家の小学生は、ゲームを持ってきていながらやらずにいた友達と一緒に行動していた。そんな友達もいることを嬉しく思った。
後に、園長先生とゆっくりお話しする機会に、来年度から保護者会を土曜日にせず、平日にしようかと思うとの話を伺った。
小学生が来ても、見てくれるわけでもなく拍手をするわけでもなければ、来てくれない方がいいと。
しかし。
園長先生にお願いをした。
ゲームを持たせて、行事の場でやらせているのは保護者の責任でもあるけれど、やってもいい場かどうか判断させる、教え教育の場とするには、園にも責任があるのではないかと。
個人が判断できないのなら、親に任せず、事前にお便りで「子供たちの発表の場」であることをうたい、温かい目で応援するための機会だから、小学生にはゲームを持参しないように家庭で話してもらうようにするとか、始まる前に注意事項として伝えておく必要があるのではないかと提案した。
たとえ文句を言われても、嫌われても、毅然としてダメなものはダメと注意する必要もあるのではないか。
保護者や卒園児に遠慮することはなく、場にふさわしくないことはいけないと教えていくのが、公共の施設や教育の場の役割でもあると思う。
今はやるべきではないと大人がきっぱり言うことで、あわよくばやろうとしている子供たちにも、自分で判断するきっかけになるはずだし、おとなしくしていればそれでいいとほったらかしの保護者にも教え諭す機会になるはずだが・・・。
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以上は、最近の行事の中で気づいた、子供たちのゲームを取り巻く保護者や大人の姿勢について、疑問に思ったことです。
ゲームに関しては、息子が小学生になってからずっと心配なことや疑問に思っていることがあります。
【事例3 ゲームを買い与えた後に】
ゲームを買い与えることに反対していたお宅が、去年、ついに子供の要望に根負けして買ってあげることにした。母親は反対だったが、父親は子供を喜ばせたくてクリスマスにプレゼントした。
初めは、1日1時間の約束を守っていたが、だんだん守れなくなり、ある日、母親はゲームを隠してしまった。
仕事から帰宅して母は、ゲームが見つからず半狂乱になって、家中をめちゃくちゃにしながらゲームを探している息子を見た。
(こんな子ではなかったはずなのに)
母親は後悔したが、もう、ゲームを取り上げることはできなかった。
【事例4 一緒に遊ぼうと声をかけてくれたが】
その日は、遠足で、息子たちの学年だけが早くバスで帰宅した。
普段は学童保育へ寄って帰る近所の友達が、「一緒に遊ぼう」と声をかけてくれた。
嬉しくて、母は友達の分のおやつも持参させ、待ち合せの公園へ息子は向かった。
途中で雨が降ったから、その子の家にも行ったそうだ。
帰宅して「楽しかった? 何して遊んだの?」と聞くと、「全然面白くなかった」という返事。
公園で自転車や遊具で遊んだのかと思ったら、その友達は、いつもはお兄ちゃんと共用で遊んでいるゲームを一人占めできるから、公園でずっとゲームをし、雨が降ってからは自分の家に帰って、またゲームをしていたそう。
息子は、一人で遊んでもつまらないからと、おやつを渡して帰ってきた。
【事例5 みんなで公園で遊ぼう】
先生方の研修で、小学校が早く終わった日の放課後。
いつもはあまり遊べない離れた所に住んでいる友達とも、我が家の近くの公園へ集まって遊ぶことになった。
自転車で来る子、親に車で送ってもらってくる子、歩いてくる子。
学校以外で近所ではない友達と遊ぶ機会は少ないので、息子も母もワクワクしていた。
目いっぱい遊んで、広報無線の五時のお知らせを聞いてから帰宅した息子。
「すごく楽しかったよ。 でもね・・・。」
一人の子がゲームを持ってきた。その子のゲームを、自分はゲームを買ってもらってない男の子が、ずっとやっていた。
結局、ゲームをやらせてもらった子は、他の遊びは何もしないで、一人でずっとゲームをやっていた。
いつも、だれかと遊ぼうと声をかけてその子の家に遊びに行くけど、それはその子のゲームがめあてなだけで、絶対に他の遊びはしない。
結局、いろんな友達の家へゲームをしたいために遊びに行くその男の子は、親が事情を知って、他所の家に迷惑をかけるくらいならと、反対されていたゲームを買ってもらえることになった。
今でもその子は何処へ行ってもゲームをやっていて、妹たちがいる幼稚園の行事でも、構わずにゲームをやっている。
教育熱心なお母さんと、怒ると厳しいお父さんに注意されても、どうしても我慢ができないようで、どうすればいいのか相談されるけど、私にもいいアイディアは浮かばない。
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自分も、中学生の時には、ファミコンやスーパーファミコンで遊んだ記憶がある。
ドラクエは面白くて、夜遅くまでこっそりやっていたこともある。
その頃から、ゲームに夢中な子もいたけど、携帯できるゲームではなかったから、各家庭に集まって遊ぶことはあっても、外で遊ぶ時にはみんなでゲーム以外の遊びをしていたものだ。
今は、家庭用のWiiやPSではなく、携帯型のDSが幼稚園児、小学生には主流なので、誰もが気軽にもち歩いている。ちょっとした時間でも一人で時間が過ごせるし、初対面の友達とも、同じゲームソフトさえ持っていれば通信して遊ぶこともできる。
スーパーで買い物している時に、お母さんと一緒にいた小学生男児が、周りの人に聞こえるように、
「あーあ。ゲーム持ってくればよかった。歩きながらだってできるのに」
「あーあ。ゲームできないなら、ついて来なければよかった」
そんなことをずっとぶつぶつ言いながら歩いている場面に出くわした。
お母さんは、知らんぷり。きっと普段から、ゲームばかりやっているから、一緒に買い物している時間くらいはゲームから離れてほしかったのだと思う。中毒性があるんだなと思った。
残念なことに、ゲーム好きな子の中には、流行しているゲーム以外をやっている子、ゲーム自体を持っていない子を、バカにする風潮もある。
自分もポケモンで散々遊んだのに今やっている子をバカにして、妖怪ウォッチ以外の話題はしないそう。息子も、妖怪ウォッチは好きで、テレビや雑誌に載っている情報は知っているからそこまでの話題までは一緒に話すそうだけど、ゲームの話になると、持っていないのに話をするのは恥ずかしいからできないそうだ。
この地域のように、せっかく自然に恵まれている環境に生まれ育ちながら、外遊びも身体を使った遊びもしないで、ひたすらゲームだけをやって過ごすことに、自分は大きな疑問を持つ。
子供時代にしかできない体験や、友達との遊び、与えられたものだけでなく自分で工夫して遊びを見つける体験も、読書をすることも、かけがえのない経験だ。大きくなってから体験するのとは、また違う。
ゲームさえしていれば静かでおとなしくしているから。
何処かへ連れて行ったり、一緒に遊ぶこともしなくていいから。
そんな理由で簡単にゲームに子守りさせている親は、取り返しのつかない時間を、ゲームにだけ費やしていることを、後悔しないのだろうか。
自分もゲームをやってきたから、疑問にも持たないのだろうか。
DSゲーム三昧の小学生時代が終わると、スマホのLINE、ゲーム、動画三昧の中学、高校時代がやってくるのか?
本当に、それでいいのかしら?
下の息子も小学校にあがり、二人とも小学生になる。
兄は、今入っている少年団に加え、来年度後半には、もう一つスポーツ少年団に入りたいと言っている。
スポーツ少年団で、身体や心を鍛えたり、異学年の友達や保護者と交流することで、よい経験ができることを期待している。
本人がゲーム自体を好きでやりたいと思っていないなら、ゲームの話をしないと話題についていけなくても、無理することはないと話している。
小学生時代の小さな集団の中で気が合う友達は見つからなくても、中学、高校、そして社会に出れば、自分と同じ趣味の人や気の合う人はきっと見つかる。
自転車乗り、プラモデル作り、手づくりの工作、泥んこ遊び、雪遊び、ミニカーを走らせたり車を眺めたり、本を読むこと・・・、好きなことを続けて、自分の好きなことが仕事や将来の趣味につながった方が、幸せで充実した人生を送ることができるのではないか・・・
そんなことを私は思うのですが。
それぞれのご家庭や、子供の性格や個性によっても、ゲームに対する考え方は違うのかとも思いますが、皆さまはどうお考えでしょうか。
ばあばに相談すると、「私も◇◇さん( ←私の名前)も、古い人間なのかもしれないのねえ。でも、○○ちゃんが仲間外れになるなら、買ってあげたい気もするんだけどねえ」とのこと。
古い人間、ズバリ、おっしゃる通り。
古い人間は、どう考えて、どう接したらいいのでしょうか。
以下は、ネットで拾った「子供とゲームと親」に関する記事です。なんだか、メリットを強調している気も、なきにしもあらず。
でも、いくらメリットがあっても、子供自身がそんなにやりたいと思わないなら、敢えて買い与えるつもりもないのですが・・・。
子供に良い影響を与えるゲームとの付き合い方
http://papimami.jp/22763
(一部引用 開始)
小児科学の専門誌『Pediatrics』では、『1日1時間以内のビデオゲームは、子どもたちに良い影響を与える』とする研究結果が発表されたそうです。
オックスフォード大学の研究チームによると、『ゲームを1日1時間する子どもは、全くしない子どもよりも、生活への満足度が高く、社交的であることが判明した。しかし、1時間以上ゲームをしていた子どもはゲーム以外の活動をする時間が減り、子どもに相応しくないゲームを目にする機会が増えるためか、落ち着きがなく、注意力が散漫になる傾向が見られた』そうです。
ゲームの影響については様々な議論がありますが、ゲームを全くさせないよりは、させた方が良い影響があるというのは興味深い結果ですね。
1日1時間というのは、子どもにとっては短い時間かもしれませんが、ゲームによって他の遊びの機会が奪われてしまうことを考えると、妥当な時間なのかもしれません。
幼児期・児童期の子どもにとって、外で体を動かして遊ぶことは、思考やコミュニケーション、衝動の抑制や、注意の集中に関わる脳の前頭前野の発達を促すために大切なことです。
ゲームに時間を割くあまり、そうした機会を失ってしまうと研究結果が示すように、注意力が散漫になる可能性もありますから、外遊びとゲームとのバランスが取れるよう、ママが上手に誘導してあげたいですね。
(引用 終わり)
1日1時間以内!ゲームが子供に与える良い影響とは
http://papimami.jp/22649
子供にゲーム機を買い与えない場合のメリット&デメリット
http://papimami.jp/13037
ゲームが子供の脳に与えるメリット4つ
http://papimami.jp/13537