
室生 犀星
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食かたゐとなるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや
『抒情小曲集』(大七)巻頭の詩「小景異情」その二(全部で十行)の冒頭。
有名な詩句だが、
これは遠方にあって故郷を思う詩ではない。
上京した犀星が、志を得ず、郷里金沢との間を往復していた苦闘時代、帰郷した折に作った詩である。
故郷は孤立無援の青年には懐かしく忘れがたい。それだけに、そこが冷ややかである時は胸にこたえて悲しい。
その愛憎の複雑な思いを、感傷と反抗心をこめて歌っているのである。
大岡信ことば館
『ふるさとは遠きにありて思ふもの』
美しい詩です。美しい日本語です。
しみじみと故郷の良さや記憶を想起し、ああ帰りたい、でも帰れないという郷愁を漂わせている
・・・かと思わせて。
実は、
「室生犀星は郷里の金沢にいて、東京に帰ろうとする時に詠んだ詩である」
だなんて、冒頭の一句だけでは読み取れないですよね~。
故郷を懐かしく、愛おしく思う時にふっと浮かぶこの詩の一節。
第二の故郷の若者たちの奮闘、それを見守る人々の温かい思いを感じ、嬉しく思っている自分は
やはり、長い間育ってきた故郷のことも、ふとした瞬間に思い出したり気にしたりしています。
西城秀樹さんが亡くなった時には、
( ああ、今は取り壊されてしまった古い市立体育館のコンサートに来てくれたなあ~ )
( ちびまる子ちゃんのお姉さんが大ファンだったなあ )
山本リンダさんの「狙い撃ち」が甲子園の応援曲だったり、
今年の夏祭りのゲストとして来た時には
( ああ、子供の頃、ドキドキしながらテレビで見てたなあ )
( ちびまる子ちゃんで、本人がゲスト出演してたなあ )
( 熟年結婚されたご主人は、たしか静岡の私立大学の教授の方だった。本人は創○学会ね )
( 保育園からの同級生が、そこの大学の先生になったと聞いたわ。 立派! )
『鶴瓶の家族に乾杯』で秋田県の羽後町に
三浦大知(みうら だいち)さんが来た時には、
( 羽後町と言えば「西馬音内の盆踊」。三浦さんも、きっと感激するでしょう )
( 「三浦大知」って名前から、はじめは百恵ちゃんと三浦友和さんの子供だと思ってた )
( 百恵ちゃんと言えば、ちびまる子ちゃんが大ファンだったなあ )
ちなみに。
三浦大知(みうら だいち)さんとは、ダンサーで歌手の沖縄県出身の30歳。
6歳の頃から、安室奈美恵さんを輩出した沖縄アクターズスクールに通い、ダンスと歌を学び、9歳にして歌手デビューし、『ポンキッキーズ』にレギュラー出演。
変声期にはダンスレッスンに集中し、2005年にソロデビュー。昨年暮れには、NHK紅白歌合戦に初出場。今年、NHKワールドから新生「NHKワールドJAPAN」に名称を改めたNHK国際放送のキャンペーン・キャラクターに起用され、プロモーションビデオなどにも出演。
百恵ちゃんちの息子さんとは別人。日本の「ジャクソン5のマイケル」みたいな人。
椎名林檎ちゃんのトリビュートアルバムでも歌っている、ダンスも歌も巧い唯一無二の存在。
子供時代のテレビでよく見た芸能人、スターは、たいてい「ちびまる子ちゃん」で取り上げられてる。
サザエさんとは違って、あの昭和の時代のリアルな出来事や人物が登場するのが懐かしい。
しかも、同じ故郷・静岡県が舞台。
「狐ヶ崎(きつねがさき)ヤングランド」「フェスタしずおか」とか聞くと、ちびってしまうほど懐かしい・・・。
そんなとき。
秋田県羽後町がロケ地の『鶴瓶の家族に乾杯』の画面に、ニュース速報が流れます。
訃報?
えっ、さくらももこさん?? 53歳!?
ええっ! まるちゃん、亡くなったの?
夏休みも終わりに近づいた8月末の「ちびまる子ちゃん」と「サザエさん」は、
カツオくんとまる子の『宿題が終わっていない騒動』が風物詩。
よくぞ毎年ネタがあるなあ~と感心しつつ、安定のネタで過ぎゆく夏を偲んでいます。
今年は出かけていたのでどちらの番組も見ていませんでしたが。
ある意味天才的な機転のよさ、図太さ、抜け目のなさを発揮するカツオくんに対し、
まる子は、愛すべき小心者の怠け者、大人のような穿った視点を持つ小粒感と親近感がわく小学生。
おじいちゃんに宿題の絵日記を任せたら、旧かなづかいの草書で書かれてしまったエピソードが
私の中の「ベストメモリー オブ ちびまる子」。 忘れられません。
実在のおじいさんは、実際はともぞうさんとは正反対の意地悪じいさんだったらしく、
また、まる子と違ってさくらももこさん自身も、実際は目立たなくて地味な大人しい女の子だったらしく。
ご実家は、八百屋さんをやっていたと清水の友人から聞きました。
わたしは「りぼん」「別冊マーガレット」をずっと愛読していたので、さくらももこさんが投稿した作品が新人賞を受賞したときのコメントや、ちびまる子ちゃんの連載が始まった頃の作品も、リアルタイムで読んでいました。
さくらさんと同時期に活躍していた美人ギャグ漫画家、「お父さんは心配症」岡田あーみんさん
「有閑倶楽部」一条ゆかり先生
「ときめきトゥナイト」池野 恋さん
「花ぶらんこゆれて…」太刀掛秀子さん
「空くんの手紙」小田空さん
佐藤 真樹さん、高橋 由佳利さん、萩岩 睦美さん、金子 節子さん、柊 あおいさん・・・。
そして、小学生時代から今に至るまで私の人生に影響を与えている、陸奥 A子先生。
( 「別マ」では、くらもちふさこ先生の大ファンでした☆ 秋風 羽織先生作画♡ )


さくらももこさんは、ベテランの先生方とは一味ちがう、年上の親しみやすいお姉さん。地元ネタ、ちょっと上の世代のテレビネタが、全国で放送されて人気があることが嬉しかった。
「清水東の三羽ガラス」と呼ばれた、長谷川健太さんが登場するのもワクワク。
りぼん編集者、担当と結婚したけど、さくらさんが売れっ子で大金持ちになったら、
銀座で豪遊して、金遣いが荒くDVもどきのことをされて離婚したのは、お気の毒だった。
でも、さくらさんは漫画家としてだけでなく、エッセイストとしても大成功して、
紀行エッセイや息子さんと一緒に絵本を出したりして大成功してよかったね~、と思ってた。
西城秀樹さん、山本リンダさん、山口百恵ちゃん。
私たちの世代よりちょっと年上の人気者を思い出す時は、いつも「ちびまる子ちゃん」とセット。
そのくらい、まる子の世界は、自分の中にいつもあった。
53歳か ・・・。
静岡県出身者のわたしにとって、誉れであり誇りであったさくらももこさん。
いつもそばにいた、ちびまる子ちゃん。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
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もうひとつの哀しい残念なニュース。
学生時代、宵っ張りで早起きな私は、毎朝のように朝日と海を見に、この海岸に通っていました。
夏の夜には友人たちと花火をやったり。
夜中に服を着たまま泳いで、帰りは友達の「テントウムシ」で寝てしまって、気づいたらお風呂に入ってたことも。
普段は、穏やかな海でした。
静岡の外海は、急深で波の荒い海岸が多く、静岡市周辺では用宗や三保くらいしか海水浴ができる海岸がありません。
沼津の大瀬崎から先の伊豆半島には、穏やかな海水浴場も多いです。
昔から、駿河湾では急に高浪が襲ってきて、海の中に引きずりこまれてしまう恐怖を知っています。
小学生が学年の校外学習で波打ち際で遊んでいたら突然の高波にのまれてしまい、
覚悟して追いかけたベテラン先生と共に命をおとしてしまった哀しい事故もありました。
なんと。
台風が来ているのに…。
海の恐ろしさをもっと知っていれば・・・。
大学生になるまで育ててくれたご両親や本人たちの無念を思うと、胸がいたくなります。
静岡・由比の男性遺体、3人目の静大生と特定
静岡新聞社・静岡放送 @S[アットエス]
2018/8/30 12:25
静岡市清水区の由比漁港で28日に見つかった男性遺体について清水署は30日、同市駿河区高松の海岸で行方不明になった静岡大の男子学生(19)=同区=と特定したと発表した。
これまでに同海岸で行方不明になった共に静岡大の女子学生(19)=同区=、男子学生(20)=同区=も遺体で発見された。磐田市の天竜川河口で流された常葉大の男子学生(21)=浜松市南区=も遺体で見つかっている。台風20号の接近で県内の大学生計4人が命を落とす痛ましい結末になった。
常葉大の男子学生は22日午後、友人男性と2人で遊泳目的で河口に入った。静岡大の3人は花火などを楽しむため22日深夜に海岸を訪れたとみられる。
静岡大生の3人はそれぞれ別の場所で見つかり、常葉大の男子学生は天竜川河口から25キロ離れた湖西市の砂浜に打ち上げられた。清水海上保安部の担当者は「強風時は波の動きも変化しやすい。高波が発生する頻度も上がるので注意が必要になる」と話した。
■教訓生きず 夏休み暗転
静岡市駿河区高松の海岸で行方不明になった静岡大生3人は30日までに全員が遺体で見つかった。夏休み中に発生した水難事故は最悪の結末になった。現場近くでは14年前にも静岡大生2人が高波にさらわれて死亡する事故があったが、教訓は生かされなかった。磐田市の天竜川河口で流された常葉大生も遺体で見つかっていて、県内の大学は事故防止へ対応に追われている。
事故に遭った静岡大の学生はいずれも県外出身者。男子学生(21)は「多くの学生が気を付けなければならないと認識している場所。なぜ台風が来ている時に行ってしまったのか」と悔やんだ。
駿河区高松の海岸では2004年にも、部活のバーベキュー中に静岡大生2人が高波にさらわれて亡くなった。大学は毎年、夏休み前に海と山の事故に注意を呼び掛けるメールを全ての学生に送っているが、14年前の事故の情報は具体的に伝えていない。担当者は「全学生に細かく注意喚起するのは難しい」と語る。
卒業生の30代女性は「現場は学校からも近く、夏場に花火をしたりお酒を飲んだりして楽しむ学生は多い。現場で亡くなった人がいることは当時から学生の間でも話題になっていた」と話す。
一方、磐田市の天竜川河口で流された常葉大生は浜松市南区の住民で、帰省中の友人と遊びに来ていた。現場を良く知る地元の男性は「河口部も波で荒れていた」と当時の状況を振り返った。
事故を受け、周囲の大学は水難事故への注意を呼び掛けている。県立大は全学生に対し「危険な場所に近づかない」「飲酒後や体調不良時には水に入らない」と明記したメールを送った。天竜川河口で流されて死亡した男子学生が通っていた常葉大もメールや学内掲示で注意喚起したという。
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ご冥福をお祈りします。