ともかく、金足農業の「生活科学科」「生活資源科」「祝品流通課」「環境土木科」「造園緑地科」と共同開発しているそうですから、高校生にとっても地域の食材や特産物を活かして商品化する、よい学習の機会となっていることでしょう。
去年の林檎の甘煮と醤油ベースのパンケーキは、とっても美味でした♪
今回の商品のほかに、第6弾まで販売予定があるようですよ。
秋田に来る機会があれば、ぜひ、お試しください!
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さて、早朝から秋田産あきたこまちの米粉や男鹿の塩、秋田産ブルーベリーが練り込まれている「金農スイーツ」をいただきながら、一緒に購入してきたスポーツ新聞を読みます。
吉田くんが一面、そして次男のあこがれ大谷翔平くん(裏一面は吉田くん)も載ってる四紙。
いちばん読み応えがあるスポーツ紙はズバリ、
「日刊スポーツ」でした!
実家にいる頃は読んでいたスポーツ紙。朝日新聞系列なのはモニョモニョですが、取材力がすごいです。
今回は備忘録のため、ネットに掲載されていた日刊スポーツの記事を転載させていただきます。
以下、日刊スポーツより。
吉田輝星の父「こみ上げるものあった」初勝利を祝福
[2019年6月12日22時7分]
<日本生命セ・パ交流戦:日本ハム2-1広島>◇12日◇札幌ドーム
日本ハムのドラフト1位、吉田輝星投手(18)がプロ初登板初先発で初勝利を飾った。高卒ルーキーの初登板初勝利はドラフト制以降、2015年の楽天安楽以来4年ぶり19人目の快挙となった。
家族にもプロ初勝利を届けられた。札幌ドームに
秋田から両親、祖父母らが駆けつけて観戦した。父正樹さん(43)は、ホッとした表情で「うれしかったです。5回が終わった時に(こみ上げるものが)ありました。ひと言、おめでとうですね」と息子を祝福した。
父には忘れられない瞬間がある。2年前の夏。秋田大会決勝で、当時2年生だった息子が先発、敗れて甲子園出場を逃した時だ。「あの時は、もう全然口を開かなかった。こいつ、このまま野球を辞めるんじゃないかと思うくらいの雰囲気を出していました。あそこで立ち直れていないと、どうなっていただろうな」と当時を振り返る。
それでも、どん底から、はい上がった姿を見てきた。2年の冬は死に物狂いで練習していた日々が鮮明に残る。「あの負けというのはすごく大きいですよね。今に至るまで」。昨夏の快進撃につながる雌伏の時も見守り続け、最高峰の舞台で輝く瞬間も立ち会えた。息子がプレゼントを約束したウイニングボールは「本当に届くんですかね。そう言ってもらえて、うれしいです。一ファンとして、今後も見ていきたいです」。成長した姿に目を細めた。
※絶対に取材に応じないお母さん、カッコいいです。吉田君のお顔はお母さん似。
秋田空港を出発するお父さんと、元チームメイトはインタビューに応じていました。
2019年6月12日22時37分
窮地で直球威力増す!吉田輝星の強心臓評価/西本聖
日本ハム吉田輝星投手(18)が広島2回戦(札幌ドーム)でプロ初登板初先発で初勝利を挙げた。全体の80%を直球で押す強気の投球で5回4安打1失点。日刊スポーツ評論家の
西本聖氏(62)は、
気持ちの強さを評価。内角球という課題は指摘したが、
将来性に太鼓判を押した。
◇ ◇ ◇
高卒ルーキーが5回1失点。結果も上出来だが、内容は結果を上回っていた。甲子園、キャンプ、2軍戦を見ていたが、
こちらの想像を上回る成長だった。
投手として1番、重要なのは気持ちの強さだと思っている。1回、安打と2四球で1死満塁の後、好打者の西川に対し
3球連続の直球勝負。見事に空振り三振に打ち取った。ピンチにひるむどころか、ギアを上げたように腕の振りが鋭くなった。この三振を見る限り、立ち上がりに投げっぷりが悪かったのは、緊張で硬くなっているからでなく、冷静に低めに投げる意識が強かっただけなのだろう。ここ一番で持ち味を発揮できるのは、ハートが強い証しだ。
気持ちの強さは、勝ち投手の権利がかかる5回にも出ていた。先頭の長野は、前の2打席で直球を2安打していた。それでも初球に投げた直球は素晴らしい球で「俺の真っすぐを打ってみろ」と言わんばかりの投球でストライク。2軍では77球が最多投球だったが、1軍のデビュー戦で84球。
疲労感が出るどころか、球の威力は増しているように感じた。
課題もある。
打者の内角に投げるのが苦手なようで、捕手が内角に構えて内角への投球がなかった。外角を狙った球が真ん中高めや内角に抜ける球があったように、特に右打者に死球になるのを注意したのだろう。たまたまではなく、内角をしっかりと狙って投げられるようになれば、
スライダー回転気味に決まる真っすぐの威力は、さらに上がる。クイックやフィールディングは良さそうで、決め球になる、落ちる系の変化球をマスターすれば、ローテーションに入って2ケタは勝てる。
次回の登板がいつになるかは分からないが、体の回復具合を見て決めることになるのではないか。
次回の登板も楽しみで仕方がない。(日刊スポーツ評論家)
2019年6月12日21時46分
吉田輝星“憎らしい”ほどの落ち着き/建山義紀
初登板の日本ハム吉田輝には、
“憎らしい”ほどの落ち着きを感じた。評価したいのは、
持ち味でもある直球で、空振り、ファウルを取る「努力」をしていたこと。これがなければ、プロの打者は抑えられない。
初回1死二、三塁、球界を代表する打者・広島鈴木を迎えた。2ボールとなり、鈴木が「直球1本」に張って待つ中、その直球でファウルを奪った。3回にも1ボールから直球でファウル。
マウンドでやらなければいけないことが明確に分かっているなと感じたし、強力広島打線に通用した。
5回先頭の長野には、スライダーをフェンス手前まで運ばれた(左飛)。
角度よく上がった打球が、それでもスタンドまで届かなかったのは、序盤からストレートの意識を相手に植え付けてきたから。もしその意識がなかったら、柵越えしていたボールだった。直球で空振りを取る努力を続けることは、こうした変化球の失投にも影響してくる。
今後も努力を惜しまず、楽天則本のような日本を代表する投手になっていってほしい。
2四球の初回は31球を要した。どう立て直すかに注目したが、しっかりと試合の中で修正した。またテンポよく投げられるし、ストライクを先行させることもできる。
これは教えられて身につくものではなく、彼が本来持っている能力、投手適性。
120点のデビュー戦だった。(日刊スポーツ評論家、侍ジャパン投手コーチ)
広島長野「ルーキーっぽくない感じ」吉田輝星を絶賛
[2019年6月12日21時37分]
移籍後初の1番先発の広島長野久義外野手が、日本ハム吉田輝から唯一の得点をたたき出した。
2回2死一塁から外角直球を左中間への同点適時二塁打とした。1回には吉田輝のプロ初被安打となる右前打。4月27日ヤクルト戦以来のマルチ安打を記録した。新人右腕に
「マウンドでの落ち着き方はルーキーっぽくない感じがした。セットポジションで長く持ったり、早く投げたりも上手」と絶賛した。
鈴木誠也「あまり見たことない真っすぐ」広島勢談話
[2019年6月12日22時50分]
▽広島鈴木誠也外野手(吉田輝星に四球と右飛。ジェスチャーで、吉田輝の直球が伸びることを示し)「きれいに来るかなと思ったら、真っスラぎみに来て、そっちをイメージするとスピンの利いた真っすぐが来る。
指にかかったボールは、あまりに見たことがない真っすぐ」
▽広島安部(吉田輝に2打数0安打)「
スピードガン(の数値)以上にズドンと来ていた。うまくカーブを使ったり、フォークも決まっていた。
思ったより球が良かった印象」
▽広島菊池涼(吉田輝に空振り三振を含む2打数0安打)「初対戦だったのでみんな(ボールを見て)構えてしまった。真っすぐ自体は僕はそれほどでもと思った。
ただちょっと癖のある真っすぐで、カットぎみに来ていた」
▽広島長野(1回に吉田輝のプロ初被安打となる右前打。2回には左中間への適時二塁打)「
マウンドでの落ち着き方はルーキーっぽくない感じがした。セットポジションで長く持ったり、早く投げたりも上手」
▽広島大瀬良(吉田輝と投げ合い)「初回は緊張していたのかなと思ったが、
途中から躍動感のあるピッチングをしていた」
初勝利の吉田輝星、周囲も驚く体力と練習量と度胸
[2019年6月12日23時37分]

初登板で輝いた。日本ハムのドラフト1位吉田輝星投手(18)が「日本生命セ・パ交流戦」の広島2回戦(札幌ドーム)でプロ初登板初先発し、5回4安打1失点で初白星を挙げた。昨夏の甲子園で金足農(秋田)のエースとして準優勝した右腕は、セ・リーグ3連覇中で今季も首位の強力打線相手に、
最速147キロの直球を軸に押す投球。大舞台での強さを発揮し、
21世紀生まれで初の勝利投手となった。新人の好投でチームは交流戦首位に立った。
◇ ◇ ◇
3万人を超える観衆を前に、夢に見た景色が広がった。ヒーローインタビューでウイニングボールを持った吉田輝が、スタンドの両親へ感謝を伝えた。
「両親にプレゼントしたい。ここまで来られたのも両親のおかげ。やっと1軍の舞台に立てたので、これからもしっかり返せるように」。初勝利は最高の恩返しだ。
昨夏甲子園のような真っ向勝負で、ファンを魅了した。1回いきなりのピンチにも動じない。1死満塁で西川を外角高めの140キロ直球で3球三振、続く磯村には2球連続で帽子を飛ばす力投を見せ、最速の147キロをマークするなど三ゴロに打ち取った。2回表に長野に適時二塁打許すも、その裏味方の援護を受け一気にギアを上げた。
「自分の真っすぐは、ある程度通用したのかなと思います」。初体験の5回も、直球主体で3者凡退。
「5回を投げきったことがなかったので、どうせなら本番でやりたいと思っていた。勝利投手というよりもそっちの気持ちの方が強かった」と笑みを見せた。
努力の蓄積が実を結んだ。強みは基礎体力。原点は中学時代から徹底してきた走り込みだ。中学2年の春から約2年間指導した当時の監督石川英樹さん(56)は驚かされた。
練習の合間、体にくくりつけたタイヤを引いてポール間を走り込んでいた。「常に下半身をいじめていました。やれと言った子は今までも何人もいたけれども、これ以上はやめた方がいいよと言った子は吉田が初めて。こっちが心配になるくらいでした」と舌を巻いた。
プロ入り後も姿勢は変わらない。2月の沖縄・国頭キャンプでも
時間を見つけては走り込んだ。首脳陣やトレーナーはオーバーワークを恐れたが、心配を覆す体力に加藤2軍投手コーチは
「体力があるから」と止めなかった。
試合前、心強いエールを受けていた。昨夏甲子園準優勝の金足農メンバーのグループLINEに「頑張れよ、負けるな」など応援メッセージが次々に寄せられた。短く「おう」と応えた。プロ最長の5回を投げ84球4安打4三振1失点と堂々たる投げっぷり。「1軍で活躍するのがプロ野球選手。ここがスタートラインだと、もう1回気を引き締めてどんどん先に行きたい」。大舞台で力を発揮する度胸と力を増した直球で道を切り開く。【山崎純一】
高卒新人初登板1勝吉田輝星、金足農から38年ぶり
[2019年6月13日2時0分]
日本ハムのドラフト1位、吉田輝星投手(18)がプロ初登板初先発で初勝利を飾った。5回4安打1失点、4奪三振の好投だった。
◇ ◇ ◇
▼吉田輝が
プロ初登板を白星で飾った。高卒新人の初登板初勝利は15年安楽(楽天)以来で、66年のドラフト制後は19人目(2リーグ制後は32人目)。日本ハムでは10年中村以来となり、ドラフト制以前の62年尾崎(救援)を含め7人目になる。吉田輝の相手は現在セ・リーグ首位、昨年優勝の広島で、先発は昨年最多勝の大瀬良。ドラフト制後、首位相手は66年森安(東映)87年近藤(中日)99年松坂(西武)15年安楽に次いで5人目、前年優勝チーム相手は66年森安、15年安楽に次いで3人目。前年最多勝投手との先発対決を制して初登板初勝利は、ドラフト制以前を含め吉田輝が初めてのケースだ。
▼
金足農からは81年小野(西武=先発)に次いで2人目。2リーグ制後、初登板初勝利の高卒新人が2人誕生した高校は、52年清水(毎日=先発)と61年大崎(大洋=救援)の平安、60年波山(大洋=先発)と05年ダルビッシュ(日本ハム=先発)の東北に次いで3校目。ドラフト制後に2人は金足農が初めてだ。
2019年4月12日11時0分
吉田輝星の劇的スクイズ直後の行動/平成の名場面8
9回裏金足農無死満塁、斎藤璃玖のスクイズで2者生還し、サヨナラ勝ちを決め喜びを爆発させる金足農ナイン、手前は近江の捕手・有馬諒
2018年(平30)8月18日、第100回記念全国高校野球選手権大会準々決勝。金足農(秋田)が近江(滋賀)を3-2で退けた逆転サヨナラ2ランスクイズは
「カナノウ旋風」の象徴として強烈なインパクトを残した。驚きと感動が最高潮に達した状況の中で、ウイニングボールを巡るもう1つのドラマがあった。
◇ ◇ ◇
金足農の佐々木大夢主将は、スクイズを決めた斎藤璃玖のバットを片付けにベンチへ戻った。整列に駆け寄ると、本塁付近にうつぶせで悔しがる相手の有馬諒捕手が見えた。両手で抱きかかえ
「来年また甲子園に戻ってこれるよ」と起こしてあげた。
直後、エースの吉田輝星に「ウイニングボール、オレにくれないか?」と言われた。何げなく「いいよ」と言うと、
吉田は「向こうのチームにあげてもいいかな?」と意外な言葉を返した。
近江1点リードの9回裏無死満塁、カウント1-1からの3球目。近江の左腕、林優樹は直球を低く制球した。斎藤は腰を曲げ、三塁前へ少し強めに転がした。一塁手に送られた後、有馬への送球は、ほんのわずか三塁側にそれた。二塁走者の菊地彪吾が頭から突っ込み生還。ダイヤモンドの中で激しく動いたボールは、黒土に顔を押し当てたままの有馬の左ミットの中で、身を潜めていた。
両校の36人が整列すると、ボールは球審から佐々木、1秒もしないで吉田の左手に渡された。そこで冒頭のやりとりがあって、
近江の中尾雄斗主将のもとへ近寄り、勝利球を右手に持ち替え、左胸に押し当てた。吉田は言った。
「これだけお互いを尊敬しあえた勝負ができたのは初めて。ありがとう。監督さんも誕生日だったんだろ。これ、持っていってよ」。中尾は
「こんな勝負をさせてくれて、こちらこそありがとう」と感謝した。勝利球は現在、近江の多賀章仁監督が大切に持っている。
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吉田がとっさに取った行動は、間近で見ていた佐々木の未来を変えた。1年の冬からバセドー病と闘い、卒業後はマネジャー転向を考えていたが、選手を続けることにした。「
負けた相手側に『ありがとう』って言ってもらえるなんて本当にすごいと思った。勝ち負けを超えている。野球だけでなく、人間的にも、こんなことができる人がプロ野球選手になるんだなと思った。自分も選手を続けようと思えた」。日体大に入学し、監督として甲子園に戻る目標を掲げた。
強かったから旋風が起こった…だけではない。
ただ純に白球を追い、相手への敬意を忘れない金足農の選手たちは、万人に響くスポーツマンシップを備えていた。佐々木は「吉田や、みんなとも話していたんです。『今思えば、近江がどのチームよりもまとまりがあって、強かったなぁ』って。まあ、大阪桐蔭は別格ですけれど…」。吉田は「もちろん監督さんにっていうのもありましたけれど、内容的には自分の負け。自分たちは次(準決勝)もチャンスがあったし、向こうは2年生も多かったですから」と振り返った。
劇的な2ランスクイズの直後、アドリブで描いた結末にこそカナノウ旋風の神髄はあった。(敬称略)【鎌田直秀】