もはや普通のドライブでは物足りなくなり、どんどんマニア化が進行している。
今月の初めに投稿されたCatDogさんのブログで、太平洋セメントの日高工場と武甲山は20kmを超える地下トンネルで結ばれており、ベルトコンベアで石灰石が運ばれていること初めて知り、驚いた。
石炭採掘の炭鉱でも数km位だと思うが、列車でも車でもなく、石灰石を運ぶためだけに20kmものトンネルを掘るとは、その発想に恐れ入った。
調べてみると、地下トンネルはここだけではなく、群馬県の神流町にある叶山鉱山と秩父工場の間にもあるとのこと。
その距離はなんと23kmもあり、ルートはというと以下(借り物)のようにほとんどR299に平行して走っている。
ドライブにおあつらえ向きじゃないか・・・。
見に行くしかない。
では、出発。
秩父鉄道の貨物駅である武州原谷駅の線路脇から、太平洋セメントの秩父工場を臨む。
叶山鉱山からベルトコンベアで秩父工場まで運ばれた石灰石は、ここでデキ505機関車などに牽引される貨物車に積まれ、熊谷工場へと運搬されるとのこと。
隣はD304ディーゼル機関車で、構内の入れ替え用として使われているそうである。

さて、次に行こうと思ったら、電車が接近。
影森駅に向かう5000系と、羽生駅に向かう7000系であった。
ちなみに、鉄道は好きだが、全然詳しくない。
偉そうに書いているが、その都度、調べているだけ・・・。

踏切を渡り、工場側へと移動。
以下に見えるは、秩父駅方面へと延びている路線跡。
かつては、武甲山の麓にある影森駅(ここから三輪鉱山への引き込み線が出ている)と、行き来があったのであろうか。
遠い眼差しでしばらく見つめていた(お前、何者?)。

工場の裏手に回ってみた。
萌え~。
そこから、荒川に向けてちょっと移動。
秩父オートキャンプ場で楽しげな家族連れを横目に、歩いて河原に降りて行った。
そこに見えたのがこれ。
中にベルトコンベアが通っている、鉄橋(というのか?)であった。
思い描いていたのより、ずいぶんデカい!
ここから先は叶山鉱山まで、ずっとトンネルでつながっている。
って、やっぱりすごい。

先に行こう。
冒頭に載せた地図の搬送ルートで、クランクしている箇所にあるのが、この巣掛砕鉱場。

そこから叶山鉱山方向に少し行った、県道37号の巣掛トンネルの入り口近くに見えるのが、荒川でも見たこの搬送路。
石灰石の搬送ルート中、地上に出ていて、見ることが可能なの箇所は、おそらく先ほどの荒川の所とココだけではないかと。

R299を神流町に向けて走って行くと、途中、左手に見えるのが東電の変電所。
これまで気に留めたことはなかったが、かなり巨大な変電所である。
調べてみると、長野県の安曇発電所からここまでの168kmがつながっているという。
山の地下深くにトンネルを掘る。
片や、険しい山間を縫って送電線を敷設する。
人間の力ってすごい。



R299を右に折れ、R462を少し走ると叶山の麓にたどり着く。
山を見上げて目を凝らすと、頂上にショベルカーの姿が。
32倍ズームでようやくこの大きさ。
かなりギリギリまで攻めていて、落ちそうにも見える。

ここから山へと分け入って行く。
ナビでは途中で道が終わっているが、行けるところまで行ってみよう。
トンネルが現れたが、ゲートが降りている・・・。
クルマを降り、近寄ってみると、ココから先は叶山鉱山関係者以外は立ち入り禁止となっており、これ以上先に進めない。
ここからよじ登る訳にも行かないし、搬送ルートを遡っての旅はここで終了とした。
トンネルの中は真っ暗で、先が全く見えない。
前に立つと、中からとっても冷た~い冷気が流れ出てきており、寒い。

この頃には既に夕方になっており、仕事が終わったのか、しばらくすると中から数台の車が出てきた。
トンネルの脇には、連絡用の黒電話が・・・。
「これから中に入ってもいいですか?」と、心の中でコールした。

登山者ブログからの借り物画像だが、叶山の山頂はこのようにフラットに削られている。
先程のショベルカーは、ここで活躍していたのかと。
以下、太平洋セメントのHPにあった叶山鉱山の断面模式図。
決して外からは伺い知ることができない世界が、山の地中深くに存在しているのである。
トンネル入り口の左手には、近くに落差20mの白水の滝があり、この日、最後の撮影。
自然の息吹を感じた!


今回、できれば最後の叶山鉱山での採掘現場を直接見たいと考えていたが、来てみて、それは無理からぬことと分かった。
しかし、半年前前は、よもや石灰石の追っかけをやろうとは、夢にも思ってなかった。
帰りは土坂峠経由で帰路に着いたが、社会科見学モードから一気に走行モードへと切り替わった。
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鉱山 遺構 廃墟 | 日記
Posted at
2014/08/15 15:53:40