これまで見てきた鉱山には、
ニッチツ鉱山、
叶山鉱山、
大谷石地下採掘場、そして
足尾銅山があるが、いずれも見応えがあるものばかりであった。
それは、鉱山そのもの存在感であったり、過去の歴史や遺構、その周辺の廃墟が醸し出す得も言われぬ雰囲気であったりする。
そんな鉱山からもしばらく遠ざかっていたこともあり、また見たくなって、マニアの方のサイトをウロウロしていた中で見つけたのが、白岩鉱山であった。
飯能市の名栗の山奥にあり、石灰石が採掘されている現役の鉱山である。
で、そこが何故マニアのサイトに載っているかと言うと、その近くに既に廃村になっている白岩集落の跡があり、これがマニアのターゲットになっているからであった。
早速、行ってみた。
オフ中のキャンプ場に車を停め、しばらく歩くと白岩鉱山こと、JFEミネラルの武蔵野鉱業所が見えてきた。
廃キング道はこちらですよ、との矢印に従い、

ほな行きましょかと、鉱業所の横に設けられている階段を登って行く。
階段を登りきると見えるのがこちら。
無論、関係者以外は立ち入り禁止なので、柵外からの撮影となる。

そして、鉱業所の裏手を登って行くと、運よく石灰石を運搬して、トンネルから出てきたトロッコ貨物車に出逢うことができた。

もう、これで満足!
では、帰りますか。
違うでしょ?
ヘタレ探検家は、さらに山奥へと足を運ぶのであった。

しばらく登って行くと、鉱業所から山の上に向かって延びている、一本のレールらしきものを発見。
資材運搬用なのか、今はもう使われてないのかも知れない。

さらに進むと、かような行先板が。
おどろおどろしい峠の名前が、行く先の光景を予感させる。
周囲は木に囲まれて、誰一人いない世界。

と思っていたら、後ろの方からガガガッという、何やらエンジン音らしきものが。
来たよ・・・。
先程のモノレールは、現役バリバリであった。
私は怪しい者ではありませんよ!、というのをアピールするかのように、運転手の方には会釈し、相手の方も返してくれた。

また一人きりになり、坂を登って行く。
そして、鉱業所を出て30分程歩いたであろうか、目の前に白岩集落の廃屋が忽然と姿を現した。
かつては炭焼きで生計を立てていた方々が住んでいたそうであるが、今は誰一人住んでいない廃村と化している。

見上げると、山の中腹辺りに先程のモノレールが通っているのが見えた。
その先に採掘現場があるのだろう。
付近をさらに探索する。
風雪に屈した、無残な家屋の姿があった。
近くには主を失い、放置された家電製品の悲しき姿も。


「しらとり」の看板が掲げられた土産物店があった。
ハイカー向けの店だったのだろうか?
「こんにちは!」
返事がなくて、ホッとした。



奥に進んでみる。

小学校低学年用の教科書があったが、ここから通学するのはさぞかし大変な事だったであろう。

樹脂成型技術がまだなかった時代の遊具車。
ボディ剛性は高そう。
ピンクレディーのバイ・バイ・カーニバルのアルバム。
調べると、1978年の発売とあった。

集落の一番奥にあった廃屋。

ローラー絞り機付きの洗濯機。
昔、ウチにもこれがあったよ。
ハンドル回すと、洗濯物が煎餅のようになって出てきたっけ。

時代の流れや環境の変化などに逆らえず、やむを得ず廃墟と化していったのであろう。
しかし、
人間の都合によって作られた家屋や家電、日用品などが、人間の都合によって取り残され、その後も朽ち果てるまでそこで耐えて行かなければならない。
そんな怨念が、廃墟を見るたびに感じられる。
使い捨ての時代だからこそ、物を大事にしなければと、今さらながら感じた。
物作りに携わる者として。
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鉱山 遺構 廃墟 | 日記
Posted at
2015/03/11 00:34:07