埼玉の東松山市の市街地からはちょっと外れた都幾川沿いに、この美術館がある。
車の往来する通りから細い横道に入り、しばらく都幾川に向かって進んでいくと、こんな所に美術館があるとはとても思えない、ひっそりとした場所である。

初めて来たのは、8年程前だっただろうか。
知り合いに、日本スリーデーマーチというウォーキング大会のイベントに誘われて参加したが、そのコースの途中にある休憩ポイントの一つが
丸木美術館であった。
ここは、今は亡き丸木位里、俊夫妻が、広島の原爆をテーマにして描かれた原爆の図が常設展示されており、この時に見た印象はやはり衝撃的であった。
ウォーキング大会の途中だったのでじっくりと見ることができず、またいつの日か見てみたいと思っていたが、最近になって美術館のHPを見ると、原爆の図の15作品のうち6作品が6/13からの
アメリカン大学美術館での展示のために貸し出されており、代わりに長崎、大阪、高野山などに点在している、先の15作品以外の原爆図が集められ、特別展示されているとあった。
今年は戦後70年、つまり被爆70年の節目の年にあたることもあって、この機会に再訪してきた。
以下はHPからの借り物画像であるが、実際にあった光景であることを考えると、胸が詰まる思いである。
丸木夫妻は、夫の位里氏の故郷が被爆したため数日後に広島入りし、その時の想いを伝えるべく、原爆図を作製されたとのこと。
奥様の俊氏がデッサンを描かれ、位里氏がその上から水墨を施されているそうである。
美術館にはこれ以外に、長崎の原爆、ビキニ水爆実験、水俣病、南京大虐殺、アウシュビッツをモチーフにした作品も展示されている。
人間は、かくも愚かな生物なのかと思うと同時に、いたたまれない気持ちになった。
美術館の奥の2階には、当時アトリエとして使われていた部屋が休憩室として開放されている。
部屋には丸木夫妻が集められたと思われる、原爆関連の書籍が並んでいた。
写真の左側より、位里氏と俊氏。
小学校、中学校の修学旅行ではそれぞれ長崎、広島を訪れ、平和記念像や原爆資料館を見ており、それなりに感じるものはあったかもしれないが、ほとんど忘れてしまっている。
形は違えど今回改めて見てみると、決して忘れてはならない事と感じた。
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museum | 日記
Posted at
2015/06/12 00:49:46