今年の3月に飯能市の名栗の山奥にある
白岩集落跡を見に行ったが、そこから峠を越えた先にある秩父の浦山ダム湖の周辺にも既に廃村になった集落跡がいくつもあることが分かった。
今回はその中の一つである岳集落跡を、11月末に見てきた。
秩父市街から程近い所にある浦山ダムは157mの高さがあり、重力式コンクリートダムとしては奥只見ダムに続いて2番目の高さだそうである。
ダム内のエレベータも一般開放されており、上まで自由に行き来できるようになっている。

浦山ダム湖沿いに走って車を停め、そこからは歩いて集落に向かう。
こちらは岳集落の手前にある日向集落で、この辺りはまだ実際に住まわれている方がいらっしゃる家屋が多いが、中には空き家になっていると思しき住居もあった。

ちょっと先に進むと、明らかに廃屋と分る朽ちた家屋が忽然と姿を現した。
ちょっと中に入ってみよう。

古い時代の家屋だけあって、大黒柱はかなり太い。
中はそれ程荒れていない。

It's a Sonyのロゴが懐かしい。
ソニー神話が復活する日は来るのか。
日向集落を後にして、本日の目的地である岳集落へと向かう。
ここから先は山を登って行くが、人の気配は全く無く、ちょっと怖い雰囲気。

岳集落は「サイレン」というホラーゲームの舞台のモデルの一つになっているそうだ。
ゾンビ系のゲームらしいが、この先、こんなのに出会ったら・・・。
夜中に行ったら、気絶間違いなしだろう。
20分程歩くと集落の入り口に到着。

おぉ、かなりの朽ち果てっぷりではないか!
昨年2月の大雪による倒壊なのだろうか。
付近にあった数軒は多少の違いこそあれ、いずれもこんなような感じであった。

恐る恐る近寄ってみる。

何とか中を覗けそうなので、ちょっと入ってみるか(やめとけ!)
外観に劣らずの廃れ具合だ。

使われていた日用品からすると、廃墟になってからかなりの時間が経っているようだ。

すすの跡が、かつてはそこに人の営みがあったことを感じさせる。
私が幼少の頃に住んでた家は五右衛門風呂で、後になってバーナーが付けられたが、それまでは石炭で沸かしていた。
なかなか火がつかず、煙突もすすが良く詰まっていたので、親は大変だったのだろうと思う。
近くにある蔵も形は何とか保っているものの、結構傾いている。

周囲はとても自転車が走れるような道はないのだが、何台もの自転車が置き去りになっていた。
二度と動くことのないバイクのギアが、何とも言えずもの悲しい。

この建物には風呂があったが、共同浴場だったのか。
集落の外れにある十二社神社。
人の気配はないのだが、この様子からするとある程度管理されているようだ。
廃村となろうとも、守り続けていくということなのだろうか。
きれいな景色を求めてのドライブを続けて行く中で、ときおり垣間見たくなる世界が廃墟の中に潜んでいる。
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鉱山 遺構 廃墟 | 日記
Posted at
2015/12/20 18:01:38