前橋駅で降りてけやき通りを歩いて行く。
今年の4月に初めてここを通った時はまだ葉はない状態であったが、今は緑にあふれた素敵な通りへと衣替えしていた。
ここ、ぜひ来てみたかった広瀬川!
周囲の建物を除けば
千葉の佐原や
福岡の柳川と良く似ていて、水郷の街って感じがする。
萩原朔太郎って前橋出身だったんだ。

特に気に入ったのが交水堰と呼ばれるこの場所で、いろんな模様を繰り出す水の流れは見ていて飽きることがなかった。

七夕祭りで賑わう弁天通り商店街。

この七夕飾りは確か知事賞を受賞していた。
でも、こっちの方が風情があって好きかな。

さて、この日は商店街の広場から中継されるFM群馬の公開生放送で、森恵のライブが行われる。
もともとストリート出身の歌手であるが、今となってはストリートで歌うこともほとんどないだろうし、仮にあったとしてもその場に居合わせることはまず不可能だろう。
でも、ストリートで歌っている雰囲気に少しでも近いシチュエーションで聴いてみたいと思い、この機会に来てみた。
通りを歩く大勢の人々の喧騒や露店の売り声、子どもの泣き声など、ある意味アウエー状態の中、ライブの幕は上がった。
「星に願いを」の軽快でキレの良いギターサウンドが奏でられ、声量に溢れどこまでも伸びていく歌声が流れ始めると、自分の中では周囲の雑音は一気にフェードアウトしたような感じがして、その一角だけ違う空間になったかのようだった。
続く「ひまわりの街」は静かにしっとりと歌い上げる曲で好きな曲の一つだが、でもこんな場所では不利なはず・・・。
にもかかわらず、一つ一つのフレーズがジーンと心に染み入って来る。
これがストリート・シンガーの持つ歌力なのかと感じた。
この日は計7曲が歌われ、ライブは幕を下ろした。
そして、翌日はカミさんと連れ立って渋谷へと繰り出した。
春からスタートした弾き語りLIVE TOURの最終日で、109の隣のビルにあるMt.RAINIER HALLがその会場である。
これまで見たライブは、
ストリングスとピアノを伴った厳かな雰囲気の品川ライブと
フルバンド編成のロックな六本木ライブの2つであるが、今回はギター一本真っ向勝負の完全な弾き語りのライブである。
CDや動画を散々聴いてきた中、やはり彼女の歌の素晴らしさが一番感じられるのは弾き語りだと思っているので、今回は今まで以上に期待してライブに臨んだ。

そして、いよいよライブが始まったが、それは期待を大きく超えるものであった。
歌唱力は言うまでもないが、
ギターもすごく上手なので、それぞれが高めあう感じ。
パワフルでキレのあるのストローク。
力強くメロディアスなアルペジオ。
歌に合わせて緩急自在にコントロールされ、歌い手の情感とシンクロして弾かれるので、これを聴いてしまうと他の楽器が入る余地がないように思えてしまう。
それほどまでに歌い手とギターが一体化している。
軽快でポップな曲が数曲続いたあと、ギターを持ち替えてゆっくりと奏で始められたのが「せんたくもの」。
ワンコーラス目はギターのインストで終わり、そこから歌が始まる。
おいおい、そんなにも切なげに歌ってどうするの?
これ、泣かせる曲じゃないよね?
涙が頬を伝わった・・・。
続いての曲は「月夜」って、それ反則でしょう?
この2曲は何かが降臨したような、ちょっと魂が揺さぶられる歌唱であった。
聴いててヤバいと思った。
こりゃ、完全に術中にはまったな・・・。
漁師の投げた投網にかかり、あとはなす術もなくズルズルと手繰り寄せられるだけ・・・。
そんな感じだ。
CDで聴くのとは大違いだ・・・。
最新のカバーアルバムのCOVERS Grace of the Guitar+に入っている「残酷な天使のテーゼ」の16ビートの前奏が始まってしばらくすると、ステージから「弦が切れた!」って叫びが。
スタッフの方が弦を張り替えている間の臨時トーク・タイムに、「前の曲はピックが割れた」って笑って話していたが、そのくらいにパワフルな演奏である。
張り替え終了後、再スタート!
さらに曲は進んで、メジャー・デビューして2枚目のシングルにある「傷」が始まった。
まだCDは持ってないが動画では何度か見ていて、ワイルドでスピード感があって、ちょっと男前感のあるイケてる曲。
弾き語りのライブはいつもこんな感じなのか、それとも進化しているのか、何かエライもん見てしもうたなってのが、終わったあとの率直な感想だった。
カミさんも感動したようで、また来たいって言ってた
それほどのインパクトのあったライブの後遺症はひどく、今までは何ともなかった曲でも、聴くと目頭が熱くなってしまう。
困った・・・。
Posted at 2016/07/13 21:16:11 | |
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