アクティブアスパラのブログ一覧

先日、「サーキットの狼」ごっこ（前半 、後半 ）で、箱根、伊豆を走り回りましたが、この走りはアスパラに、ある時代を思い出させるきっかけとなりました。

「サーキットの狼」は1975年から連載されましたが、この公道グランプリの舞台になった道は、ほとんど60年代に作られています。逆に言えば、50年代まではろくに道路もなかったのです。
多くの方は、生まれたときからあった道なので、何の感慨もないでしょうが、アスパラにとって60年代は、ひとつひとつの道の開通に心躍らせた、思い出深い時代なのです。

アスパラの家に自家用車というものが来たのは1961（昭36）年のことです。新しもの好きの親父殿が、タイトル写真にあるクラウンＲＳ（1957年式）を中古の中古で買い込みました。家族5人を満載して、横浜から富士五湖を一周して、沼津の親戚まで走りましたが、まだ道路は未開拓です。乙女道路なんて存在しなくて延々箱根外輪山を登って長尾峠を越え、朝霧高原は未舗装どころか掘れた道を床を擦りながら下るという過酷な道路状況にあって、ドライブというのはまだアドベンチャーの世界でした。

60年代になって、道路公団、静岡県道路公社を中心に、さらに民間デベロッパーまで加わって、ものすごい勢いで道路建設が進められました。富士箱根伊豆国立公園内であり、いまなら難しいかもしれませんが、当時の日本は所得倍増計画の真っ只中で、観光推進を目指して国立公園を管理する厚生省まで道路建設を後押し、この時期に道路網の骨格ができました。


箱根伊豆60年代の有料道路

東伊豆道路伊東区間（56年）、下田区間（57年）、真鶴道路（59年）は開通していましたが、その他の道路はみな60年以降の開通です。これらの道がないとしたら、クルマでの移動がいかにたいへんか、あるいはそもそも成り立たなかったことが、容易にご理解頂けるでしょう。

いまでは多くの道が無料開放されていますので、これらが有料道路でいちいちお金を払っていたなんて、信じられないかもしれませんが、利便性との引替えに、喜んで通行料を払っていたという歴史があります。

有料時代には、それぞれの道にも名称がありましたが、段々に忘れられているようです。未だに当時の名称をしつこく使うというのは、年寄りだからでしょう。みなさんは地図を見て、それぞれの道の名称が、どれくらいわかるでしょう。


今回は思い出に突き動かされて、箱根、伊豆にあった有料道路を調べましたが、なかなかたいへんな作業でした。その道の存在は確かに覚えていても、開通日まではなかなか調べがつきません。いまだに日通富士見パークウェイの開業日は特定できていません。


富士見パークウェイ沿いの別荘地にて（73年）　「サーキットの狼」の時代
【追記】'18.5.9
チョンボしました。
なんと、1965年開通の「熱海ビーチライン」をもらしました。