「ぴぽぱぽ

ぴぽぱぽ

ぴぽぱぽぽ~ん

」
男の携帯がメロディーを奏でる。
達っちゃんからのメールだ・・・
『早く終われそう?』 との問いに
『いま パソコンの電源を切りました

』
と絵文字付きで返信をする
男は女性社員が帰ったのを確認し、事務所の戸締りを行う。
外へ出ると、夕方ではあるが、気持ちのいい日差しが男を包む
男は愛車のドアをすべて開け放ち、後席でなにやらごそごそやりだした
後席からテニスのラケット、ランニングシューズ、ゴルフシューズ、自転車の空気入れと
いろいろでてくるでてくる・・・
いったい何をつんでいるんだろうか?
男はそれらをサードシートに詰め込んだ。
「さぁ 帰りもよろしく!」 と愛車に声をかけ、ゆっくりとアクセルを踏む
夕日に向かって走ること約10分
とある ショッピングセンターの駐車場に愛車をとめ、かるくクラクションを鳴らす
すると、停まっていたクルマから恰幅のいい男が出てきた
男の顔をみると 「やぁ 久しぶり!」
そう コードネーム「社長」である。
社長は「久しぶり」というが、先週会社で顔を見ているのであるが・・・
社長を助手席に乗せ、愛車を発進させる。
しばらくして、男は白い小さな紙の束を社長に渡す。
男にとってはたんなるゴミだ。 しかし 社長にとっては宝物らしい・・・
その正体は・・・
秘密にしておこう
社長を乗せ、男の愛車は順調に田んぼの一本道を疾走していく
そしてとある交差点を左折、すぐに分かれ道を右に進む。
しばらくすると、「達」っちゃんが道端で待っていた
そう この日は震災のあと、しばらく自粛していた「同好会」の日である
ただ単なる自粛ではなく、各個人はしっかり「らー」の開拓を行っていたのである。
その横には新メンバーの「鳥」ちゃんが
そう 「松」ちゃん、「牛」ちゃんが高血圧と糖尿でリタイヤしたので、1名枠が空いたのである。
新メンバーの「鳥」ちゃん・・・ かわいそうに・・・
彼も病気でリタイヤしなければいいが・・・
男の愛車は4人の怪しげなおっさんを乗せ走っている
今日の行先についてミーティング・・・
男は運転に集中するため、あまり発言をしない
「この前一心屋いったとこだしなぁ」とか「凌駕堂だと連ちゃんになるからいやだ」とか・・・
駄々っ子の集まりである。
「鳥ちゃんはどこ行きたい?」
「どこでもいいです」
あてにならない・・・
男が「去年の6月にオープンしたとこがあるでぇ」というと
みんな一斉に「じゃそこにしよ!」
・・・最初からそこにしときゃよかった・・・ 男はそう思った。
で ついたところが
「麺処 つち田」である
傍からみれば「小料理屋」の雰囲気である。
「社長」もこの道はよく通るらしいが、気づかなかったらしい
ふっ まだまだ 修業が足りないな
店内は落ち着いた雰囲気である。
みんなそれぞれ 思いの品を注文した
約10分ほど待っただろうか・・・
「おまちどうさま」の声と同時に男の目の前に
「中華蕎麦チャーシュー大盛り煮玉子」である。
一口スープをすする
「うまい!」
社長が「豚蔵の味?」
達ちゃんが「一心屋でない?」
そう このお店のご主人は「一心屋」さんで修業をしていたのである。
ただ、一心屋さんの味をそのままだすはずもない
男の感想は
「一心屋さん、麺屋じゅんほど魚介がきつくないなぁ・・・ でも、豚蔵さんほどこってりしていない、でも吟さんのような甘さも少しあり食べやすい」
要するにおいしいお店のいいとこどりをして、それが絶妙なバランスを保っているというものである。
チャシューはとろとろであるが、味付けは薄い、煮玉子もそうである。
トッピング具材がスープの味を壊していないのである。
麺も中太ストレートで最近食べた麺の中でも上位にくる
確かにおいしい!
ただ、なにか特徴的なものがもうひとつ欲しいような気もした。
しかし で ある
ちょっと個性が強めの「らー」は2回、3回といくうちにやはり慣れてしまい、感動が薄まるものである。
逆にこんな感じの「らー」は回数を重ねると、その味が馴染んできてさらにおいしく感じることもある。
男は2~3回連続で通ってみて、そのあたりを探ってみようとおもった
帰りのクルマの中は、「麺処 つち田」の評論会となっていた
「初参戦の鳥ちゃん 今日のお店どうだった?」
「おいしかったです。・・・」
え? それだけ?
Posted at 2011/05/18 17:11:55 | |
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