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イイね!
2021年04月18日

そこにいたのか、ユイ!

そこにいたのか、ユイ! シン・エヴァンゲリオンが公開されてはや1ヶ月以上が過ぎました。私が1回目に見たのは3月12日だったので、もはやフレッシュな感情は残っていないのですが、引き続き思ったことを書いておきたいと思います。


■ミサト
ミサトに関しては非常にわかりやすい救いがあったと思います。一つは、加持との間に子を儲けることができたこと。もう一つは、その子と全ての人類を守って立派に死ねたことです。まず、好きな人の子を産めたことは、女性として幸せなことだったでしょう。地球全体の状況が状況なだけに、喜びに浸る時間など全くなかったかもしれませんし、ケジメのために一度も会おうとしなかったようですが、息子が生きているという事実がミサトのモチベーションになっていたことは間違いないはずです。
テレビ版において、ミサトはシンジの保護者役を買って出ましたが、その役目を十分に果たせたとは言えませんでした。親子にしては年が近いこともあって、実際は姉弟の間柄に近く、仕事優先の生活のために家族としての信頼関係を構築することは最後までできませんでした。しかし、Qの時点で14年過ぎていたこともあり、ミサトがシンジと再会したときは本当に親子でもおかしくない年齢差になっていました。ミサトからすれば、もう一人息子が増えた、という感覚だったかもしれません。結局シンジの身を一番案じてくれていたのはミサトであり、最終的には仮の母親としての役目を全うできたと思います。
また、もう一つ印象的だったのが、その散り際が華々しかったことです。旧劇場版においてミサトはシンジを助けるために命を落としたのですが、その最後は寂しいものでした。「加地くん、私これで良かったわよね?」という台詞はなんとも自信無さげであり、ぐったり倒れたまま爆発に巻き込まれる最後のシーンは本来明るい彼女のキャラクターには似合わないものでした。それが新劇場版では、特攻という一番心に響くやり方で迷いなく去っていくことになり、いうなれば昔のガイナックス作品のような王道の感動を与えてくれました。もちろん、死なないで済むに越したことはないのですが、敵方のゲンドウと冬月が死ぬことと照らし合わせれば、そう都合良くするわけにはいかなかったのでしょう。テレビ版第1話で見た「明るく格好良いお姉さん」は、25年の時を経て「強く優しいお母さん」になっていました。そういうイメージで終われたことは、本当に良かったと思います。
ちなみに、このシン・エヴァを見ていて、私は思わず涙が出そうになった場面が一つだけありました。それは、シンジが「加持リョウジ君に会ってきたよ」と言ったとき、ミサトが「どうだった?」と聞き返したシーンです。Qのときからずっと重苦しい口調だったミサトが、このときだけは昔のような軽い感じで話しています。その声のトーンを聞いたとき、何か急に古い記憶を呼び戻された感じがして、ちょっと涙腺が緩んでしまったのでした。こういう経験をすることはもう今後無いでしょうね。

■ゲンドウとユイ
人類補完計画とはゲンドウがユイにもう一度会いたいがために実行されたものではないかと昔から語られていましたが、本作品でそれが正しかったことが明らかになりました。庵野監督も年を取ってゲンドウの方に親近感を覚えるようになったのか、えらく饒舌に自分語りをさせていましたね。そこで見えてきたのは、ゲンドウもシンジと同じような性格をしていたこと、そして偶然にもユイという希望に出会い失ったことで、それまで共存できていたはずの孤独が耐え難い苦痛になってしまった、ということでした。まあ何となくは想像していましたが、あれほどストレートに吐露されてしまうと、こちらも多少は同情せざるをえなくなります。最後の駅のシーンでカヲルとレイが何か会話をしていましたが、あれがゲンドウとユイの生まれ変わりだとするならば、「また一緒になれて良かったね」と素直に祝福したいですね。ゲンドウにとっては最大級の救済であったことでしょう。
しかし、全てを見終わった後でも、私の中には一つの疑問が残っていました。正確に言うと、それはテレビ版が終わった頃からずっと残っていたものです。すなわち、「碇ユイとは一体どんな人物だったのか」ということです。俯瞰的に見れば、この新世紀エヴァンゲリオンという物語は死んだはずのユイを中心に回っていたとも言えます。ゲンドウも冬月も赤木親子もゼーレも初号機もダミーシステムも、計画に参加していたモノは公私両面でユイの影響を受けていました。全ての元凶というとニュアンスが間違っていますが、しかしこのキャラが生前に何か違った行動をしていれば、人類全体を巻き込むような事態にはならなかったのではないかと思います。ただ、そうした重要な存在であるにも関わらず、作中で表現される機会は極端に少ないものでした。テレビ版でも旧劇場版でも、記憶の断片として登場するか、超常的な存在としてシンジの前に現れるだけで、人間としてのユイが深く描写されることはありませんでした。ゲンドウの目標がユイとの再会であるならば、彼女がいかに魅力的な人物だったかを描かなければ、作品として欠陥を抱えていることにもなります。この辺が明らかになることを公開前に期待していたのですが、残念ながらそれは実現しませんでした。「やはりユイについてはわからないままか」というのが、見終わった後の心残りな部分でもありました。
しかし、その後あるストーリーを知ってから、状況が一変しました。それは漫画の単行本に収録された「夏色のエデン」というエクストラエピソードでした。というより、事前に漫画版を読んでいれば、ユイに関する情報をもう少し得られていたはずでしたね。私は昔から父性との対立よりも母性の欠落の方がシンジにとっては問題だと思っていたので、漫画の中で母親としてのユイがしっかり描かれていることで、その辺のわだかまりが解消できたのは良かったです。そして、「夏色のエデン」では若い頃のユイが出てきます。短い話ではあるものの、彼女の魅力を理解するには充分な内容でした。確かに、こりゃ誰でも虜になるわけですね。突然こんな彼女ができて嫁さんにもなってくれたのに、ある日ふと消え去られてしまっては、ゲンドウがおかしくなるのも当然と言えるでしょう。結局のところ、長期にわたる私の疑問は漫画版によって解決されたのでした。


以上、メインキャラに関して思ったことを書き記してみました。次回は作品そのものについて述べてみたいと思います。
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Posted at 2021/04/18 03:13:16

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