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2023年04月24日

フロントスプロケットの交換とその是非

フロントスプロケットの交換とその是非 先日、Youtubeの視聴者さんの紹介により、フロントのスプロケットを交換しました。
選んだのはサンスター製で、歯数は1丁増やして16にしました。
実際に換装したのが4月10日だったので、この原稿をアップした時点で2週間経っているわけですが、その間に体感した変化と、それについての感想・評価を述べてみたいと思います。

■何の為に交換したのか?
今回フロントスプロケット(以下スプロケ)を交換したのは、1速・2速のピーキーさを抑制し、低速域での扱いやすさを向上させるためでした。スプロケを交換する場合、歯数を増やせばギヤレシオがワイドになります。つまり純正状態に比べると、最高速が伸びる代わりに加速が鈍る、ということですね。結論を先に述べると、スプロケ交換後は実際にトルクの立ち上がりが緩くなったので、その目的は達成されたと言えるでしょう。しかし、そこで生じた変化は他の部分にも影響しており、ある種のデメリットを抱えることにもなりました。それではどのような変化が生じ、どのような結果をもたらしたのか。幾つかの項目に分けて見ていきます。

■各ギヤの性質について
【◎】1~3速が使いやすくなった
スプロケを交換して真先に実感できたのが、1・2・3速が楽に使えるようになったことでした。従来はスロットルを開けると、回転数が一気に上がるのと同時に、トルクも急激に立ち上がるので、調整に気を使っていましたが、スプロケを交換した後はトルクの立ち上がりが以前より緩くなったので、ある程度適当な操作でもスムーズに走れるようになりました。たとえば発進してすぐに右折左折する時など、今までは急いで2速に上げてから旋回していましたが、現在では1速のままでも悠々と旋回できるケースが増えました。また2・3速で走る際も、トルク変動がリニアになったおかげで、イメージ通りに速度調整・車間調整ができるようになりました。市街地走行や渋滞時にストップ&ゴーを繰り返すときなど、雑な操作をしてもギクシャクしにくいので、気分的にはかなり楽になりましたね。今回スプロケを交換した目的は、低速域での操縦性向上にあったので、それが100%実現できたという意味では大変満足でした。
【○】4速が万能ギヤになった
ワイドレシオ化によって使い方が大きく変わったのが4速でした。従来は5速が常用域だったので、発進後はなるべく早く5速まで上げていたのですが、現在は4速まで上げた後、まだ加速し続けたいなら4速を引っ張る、巡行状態に移るなら5速に入れる、という風に変わりました。4速はトルクバンドを長く使えるようになったので、早めに5速に入れるよりも、4速を適度に使ってから5速に上げた方が、速度のロスが少ないと思います。のんびり走っているときは音や振動が気になるので、結局5速のお世話になるのですが、キビキビ走るのであれば4速だけで充分ですね。ただ、一つのギヤで事足りるというのは楽である一方、面白味に欠けるとも言えます。ここは人によって評価が分かれる部分でしょう。
【△】5速がオーバードライブ化、6速はほぼ不要
4速がオールマイティになったのに対し、5速はトルクやキレが失われて、モッサリ感が強くなりました。以前と同じ感覚で早めに5速に入れてしまうと失速するので、現在は4速で少し回転数を上げてから5速に繋ぐようにしています。役割としてはオーバードライブに近い感じですね。旧5速はトルクもパワーも薄味だったのですが、その代わりに独特の軽快感がありました。あれが味わえなくなったのは少し残念だと言えます。
6速は色々試してみましたが、空走感が強いので積極的に使う気になれません。クラッチを切って惰性で走っているような感覚に近いので、ちょっと気持ち悪いくらいです。極限まで音と振動を減らしたいとか、極限まで燃費を追求したいとかじゃない限りは、もはや使わなくて良いでしょう。

■副次的な変化について
【○】エンジンブレーキの恩恵を受けやすくなった
トルクの上昇がマイルドになった分だけエンブレもマイルドになっており、良い具合に効く場面が増えた気がします。少なくとも前後輪のブレーキを使う時間は確実に減りました。加速だけでなく減速もしやすくなったのは嬉しい誤算でした。
【△】登り坂や向かい風に弱くなった
これは先述の話とリンクしているのですが、5速が非力になったせいで、気付けば失速している、というシーンが増えました。もちろん4速に落としてスロットルを開ければ全ての問題は解決するのですが、今まで5速でもなんとか走れた場所・状況で、それが出来なくなったというのは一つのデメリットだと思います。
【△】刺激や爽快感が減った
抽象的な表現になりますが、しかしこれは否定できない感覚として確かにあります。自分なりに考えると、その原因はやはりトルクバンドの使い方が変わったからだと思われます。従来は細かくギヤチェンジすることで、トルクの美味しい所を繋ぐようにして走っていました。ミスれば一気に失速しますが、滑らかに繋げれば速く走れるので、それが緊張感や爽快感の源になっていたと思います。しかし現在は各ギヤ毎にトルクの美味しい所を使える時間が増えたため、失速する危険性が減り、それと同時に刺激も薄れてしまいました。これは扱いやすさとのトレードオフなので仕方がないのですが、残念な部分でもあります。

■走るステージ別での評価
【◎】市街地
頗る良いです。全てがコントローラブルで気楽に運転できます。
【○】峠・ワインディング
私が時々行くダム周辺は「3速だと吹け切ってしまう」「4速だと立ち上がりが鈍い」というコーナーが多く、速く走るためには細かいスロットル調整と頻繁なギヤチェンジが必要になります。また4速に入れた後、その先にある程度のストレートがあれば更に5速に上げることになるので、次のコーナーが来たときには素早く3速まで落とさなければなりません。下手くそな私には、これがかなり億劫でした。しかしスプロケ交換後は、コーナーをなんとか3速で曲がり切れて、ストレートは4速の上の方で対応できるので、ギヤチェンジの回数が減ってイージー且つスムーズに走れるようになりました。ただし、それで速くなったのかと言われれば…どうなんでしょうね。ギヤチェンジの上手な人が操縦すれば、純正(15丁)の方が速く走れると思います。結局のところ、走る場所とギヤ比が合うか否かは偶然の結果であり、今回は飽くまでも私にとってピッタリだったということで、こういう評価にしました。
【?】サーキット
最初に述べた「加速が鈍る」というのは本当でした。停止状態からフルスロットルで加速した場合、僅かではありますが到達速度に差が出てきます。また、最高速度が伸びるという性質は疑った方が良いかもしれません。何故なら、先に述べた通り5・6速は力強さが失われており、その速度域だと前方からの風圧に負ける気がするからです。最高速度に達するまでの時間と距離を考えれば、15丁の方が実用的でしょう。もっとも、公道を走るうえで全開加速する機会などほぼ無いわけで、この辺の違いはサーキットを走る人にしかわからないとも言えます。

■最後に
今回はフロントスプロケットの歯を一つ増やしただけですが、バイクの性格は決定的に変わりました。その違いをシンプルに表すと以下のようになります。

15丁=刺激と軽快感=スポーツ走行向け
16丁=楽=通勤・通学・ツーリング向け

バイクの運転に慣れている方、運転が上手くなりたい方、もしくはバイクに乗る際は必ず刺激が欲しいという方は、15丁のままが良いでしょう。そもそもホンダはCB125Rをスポーツモデルとして定義しているわけですから、速さのために的確な操作が必要となる15丁の方が「正しい」と言えます。逆に、通勤通学で毎日使用する方、長距離・長時間のツーリングをする方などは、16丁に替えても良いと思います。運転しやすい・疲れにくいということは、安全性の向上にも繋がるからです。
ちなみに、私が15丁に戻すかというと、それは無いですね。私は朝3時4時に出発して、夜9時10時に帰ってくるような長時間ツーリングが好物で、そのためには快適に走れることが何より重要だったりします。また、見知らぬ街中や山中を走る機会も多く、その際に低速走行が楽になったのは確実なメリットなので、このままで良いと考えています。
フロントかリヤか両方か、歯の数を増やすか減らすか、スプロケ交換には数多の選択肢があり、どれが「正解」なのかは個人によって違います。それほど高いパーツでもないので、色々試して究極の自分好みに仕上げるのも良いかもしれませんね。
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Posted at 2023/04/24 20:04:42

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