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2012年05月15日 イイね!

実は玄人向け?

半年以上も当ブログを放置しておいて誠に申し訳ございません。突然の復帰ではありますが、先月にスバル・BRZの試乗に行ってきたので、今回はその感想を述べてみたいと思います。

まずエクステリアについてですが、事前の情報通りボンネットの位置が低く、ルーフ高も想像以上に低いものでした。また、写真ではモッサリしている感じのリヤセクションも、実物は割とシンプルに見えたりします。下手な喩をするなら、かつてのトヨタ・サイノスβを、全高を変えずに前後左右に引き伸ばしたような感じでしょうか。マツダ・ロードスターを除けば、現在の国産車としては外観上の無駄が少ない、かなりシャープなデザインのモデルであると言えます。トヨタ・86とはフロントフェンダー上端のパーツと、バンパーの形状において差異があるのですが、私としてはBRZの方がスッキリしていて好きですね。ちなみにボンネットを開けてみたところ、エンジンルーム内にはまだ若干の余裕が残されており、何かしらのパーツを追加で搭載することは可能なようでした。しかし、噂になっているターボ化については、補機類の配置的に難しいのではないかと思われます。エンジンルーム内でもう一つ目につくのはハの字に取り付けられた補強バーで、営業さん曰く、これが無いとフロントの剛性がかなり落ちるそうです。あと面白いのが、エンジンカバーに「D-4S」というオーナメントがデカデカと、それも「BOXER」のバッジより上部に貼られていることです。「おいおい、お前さんのところは今回そんなに偉そうにできるほど頑張ってないだろう」と、初めは私も思いました。しかし、そういうシニカルな気分は後に良い意味で裏切られることになります。この辺についてはドライブフィールの段で触れることにしましょう。

次に車内についてですが、運転席は頭上も足元も特に窮屈ということはなく、適度にタイトで心地良いです。意外だったのは着座位置で、外観から予想されるほど低くありません。それというのも、イメージキャラクターに黒木メイサを採用しているように、スバルとしては割と本気で女性客の獲得を考えているらしく、その座高に合わせて(つまり男からしてみたら若干高いアイポイントで)着座位置を設定しているからです。ボンネットが低いせいもあって見晴らしが良いのは助かるとしても、コスモのような「尻で路面をなぞる感覚」が希薄なのは少し残念でした。もっとも、それ以上に気になったのがインテリアの質感です。同日の夕刻に訳あってダイハツ・ムーヴカスタムのターボ版に試乗したのですが、メーターパネルに関しては間違いなくあちらの方が上質でした。BRZはダッシュボードのパネルやエアコンダイヤルなどのパーツも、メッキ処理もクリアコーティングもされていないので、露骨にチープに見えてしまいます。本当のスポーツカー乗りからすれば、内装など重要でないのかもしれません。ただ、アウディ・TTのようなスポーティクーペが好きな身としては、多少価格が上がってもインテリアにもコストをかけてほしかったというのが正直なところです。いずれ各社からアフターパーツが数多く出るでしょうから、そこに期待するしかないですね。

次は実際に運転してみた感触についてです。高速域での限界性能については評論家や他のみんカラユーザーさんにお任せするとして、ここでは街中を流したりワインディングを楽しんだりする程度の観点から語ることにします。BRZの特徴として最も気に入ったのは、FR車らしからぬ安定性の高さでした。重心高を下げることに拘ったという開発陣の弁に偽りはなく、直進時でも旋回時でもこの車はまさしく路面に吸い付くように走ってくれます。足回りのセッティングに関して、86が前柔後硬、BRZが前硬後柔であることは周知の通り(営業さん曰く、そういう味付けの違いを指示したのはトヨタの章男社長であるらしい)ですが、それを差し引いてもBRZのスマートな身のこなしには純粋な驚きがありました。この「安定性」という点については、もう少し説明を加えたいと思います。実は去年の秋頃、デビュー直後のBMW ・1シリーズの試乗に行ってきたのですが、これがあまりにも期待にそぐわない代物であったため、当ブログに試乗記をアップするのをやめました。それというのも、新型1シリーズは普通に走行している状態ではリヤを引きずっていると表現できるほど挙動が落ち着いているため、何の面白味も感じられなかったからです。電子制御の介入によって強制的に滑らなくしているようなフィーリングが顕著過ぎるのです。超フロントヘビーで強アンダーなコテコテのFF車に毎日乗っていると、たまに乗るFR車に対してニュートラルで軽妙なハンドリングを期待してしまうのですが、新型1シリーズからその喜びを得ることは困難であると言えます。それに対し、BRZが示す安定性とは重心の低さや足回りのセッティングを含めたシャシーのキャパシティに由来するものであり、「もっと前に進める」「もっとアクセルを踏んでも良い」とドライバーのヤル気を喚起してくれます。同時に、車を自在に振り回す技術が無い私としては、皮肉にも「これは限界を追及するのが厳しそうだ」と痛感した次第でもありました。接地感についても、インプレッサやレガシィのようにタイヤ4本で路面を掴む、もしくは路面を引っ掻くという感じではなく、ボディとエンジンの重量が4輪に綺麗に分散されて、その自重のみで路面に貼り付いているといった感じなので、スバル製のスポーツカーにしてはステアフィールが爽やかであるだけでなく、乗り心地も意外に良かったりします。BRZがポルシェ・ケイマンを一つの指標として開発されたらしいのですが、仮にポルシェが300万で買えるスポーツカーを造ったとしても、やはり同じような物が出来上がるのではないかと思えるほど、BRZの基本的な走りの質感は高いと言えます。街乗りやワインディングを楽しむ分には、もうこれで充分でしょう。あとは限界走行時のポテンシャルが如何なるものなのか、各雑誌やユーザーさんの情報・評価に注目したいところですね。

次はエンジンとトランスミッションについてです。先にトランスミッションについて述べると、スポーツカーに載せる6段ATとしては可もなく不可もなくといった感じでしょうか。マニュアルミッションの旨味を再現してくれるAT(シフトチェンジがスムーズかつ一瞬というだけなく、それなりにダイレクト感が味わえる)という意味では、VWグループのDSGがベストであると私は考えているので、この辺については最初から他社の車に期待していません。それでも運転していて特別痛痒を感じることはなかったので、BRZのATもなかなか出来が良いのかな、と思います。マニュアルモード時のシフト操作が「引いてアップ、押してダウン」であるなら、もう少し評価が上がります。が、そもそもマニュアルで乗るべき車なので、そういう部分はどうでもいいような気もします。とりあえずAT派の人でも走りを楽しめることは間違いないですね。それより大事なのは、エンジンの性能に関することです。我が白兎の直4ターボが同じ200psながら最大トルク28.6kgmを1800~5000rpmの間で発揮するのに対し、BRZの水平対向NAはトルクの盛り上がりが3000rpm辺りで一回(およそ20kgm)、6000rpm辺りでもう一回(ここで最大20.9kgmに達する)というふうにM字曲線になっており、少々中弛みする傾向があります。つまり、BRZはGTI ほどの中間加速が得られないのです。私はマイカー選びの条件として、いつでも前車を抜き去れるくらいのダッシュ力を求めるのですが、BRZでそれを試してみたところ、やはりイメージ通りに加速しないもどかしさを覚えました。ちなみに、先に挙げたトヨタの「D-4S」はエンジンの全回転域でレスポンスを良くするための燃料噴射システムであり、トルクの中弛みを抑える働きもしています。この技術がなければもっとダルイ加速しかしないのだということを考えると、今回ばかりはトヨタも的確に貢献していると言えます。もしこの点を改善するなら、排気量を上げるかターボ化するしかありません。個人的にはターボ化にもスーチャ装着にも抵抗はないのですが、エンジンルームの制約とコンセプト的な問題により、実現する可能性はかなり低いのではないかと予想されます。やはり、シフトをマニュアルで操作してエンジンの美味しいところを使うというのが、この車の正しい乗り方なのかもしれませんね。

最後に明らかに不満な点を一つ挙げます。それは、サウンドクリエーターというエンジンの音をドライバーに聞かせる装置です。マツダ・ロードスターにもサウンドエンハンサーというものがありますが、あちらは前から後ろへ音が流れていくのに対し、BRZの場合はほぼ真横からドライバーの顔めがけて音がぶつかってくるような感じになります。しかも、ボクサーエンジン自体が低い音しか出さないため、どれだけ回しても高揚感が得られません。インプレッサのようにタービンの回る音が混じっていればまた違う雰囲気にもなるのかもしれませんが、基本的には不要な装置であると言えるでしょう。こういう下らないことにコストをかけずに、もっと真面目に内装の質感向上に取り組んでもらいたいものです。

総合的な結論を述べると、スバル・BRZは「買い」なモデルだと思います。車に興味の無い若者や女性を振り向かせるほどの魅力はありませんが、車好きな中年男性が再び走り屋を始めるためのベース車両としては優れた資質を備えています。お金をかけてチューニングすることを厭わないのであれば、この車はかなり高いレベルでの「リターン」をもたらしてくれるはずです。周囲でスポーツカーに乗りたいという人がいたら、積極的に勧めてみても良い一台ですね。今後しばらくの間、日本のスポーツカーに関する話題はBRZと86を中心として展開されることになるでしょう。そして、その流れで他社からも新たなモデルが続々と出てくるのだとしたら、BRZと86は日本スポーツカー史上の中興の祖として歴史に刻まれるかもしれません。両車にそれだけのポテンシャルがあるのは事実ですし、そういった意味では今回はトヨタとスバルの仕事ぶりを素直に称賛したいと思います。

ただし個人的な意見を述べると、現行のBRZが購入対象の第一候補に上ることはありません。この先STI が250ps/30kgmくらいの出力で低速域からトルクが沸いてくるモデルを造ってくれるなら話が別ですが、内装にそれなりの質感を求めつつ楽に速く走りたいという本物のスポーツカー乗りではない私としては、依然として次期ゴルフGTI や次期A3、まだ見ぬビートルRやポロR、あるいはBMWの新型3シリーズやTAKERI をデザインベースとしたマツダの次期アテンザの方が魅力的に思えるのです。以前から予測していたとおり、今年は面白そうな新型車が数多く発表されそうなので、それらを楽しみに待ちたいですね。
Posted at 2012/05/15 21:31:34 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記
2011年09月29日 イイね!

エコよりエゴ

先日、フランクフルトモーターショーが開幕しました。内容的には今年度の他のモーターショーに比べてそれほど華やかでもないのですが、個人的にはこのフランクフルトが一番興味深かったりします。それというのも、最も身近なメーカーであるVW から面白そうなモデルが二つも発表されたからです。以下はそれらについてと、もう一車種について、感じたことを書き連ねてみたいと思います。

■ビートルRコンセプト
端的に言えば、次期愛車候補の大本命です。シロッコに裏切られた私にとって、新型ビートルのRバージョンの生産は一縷の希望であったのですが、それが今回のモーターショーでほぼ確約されたことになります。正直なところ、私はビートルという車種にそれほど関心を持っていたわけではありません。私が好きなのは「2ドアのクーペ」であり、そういった意味ではアウディ・TTでもホンダ・CR-Zでもトヨタ・FT-86でも良いのです。しかし、コストパフォーマンスの点でVW 車に勝るのはなかなか難しく、そんな折に発表された新型ビートルのデザインがやけにクラシカルかつシンプルで格好良かったことから、俄かに興味を持ち始めたというわけです。FT-86(もしくはスバル・BRZ)はまだ詳細なスペックが明らかにされていないですし、BMW の新型1シリーズにもかなり惹かれるのですが、とりあえず今後の乗り換え計画はこのモデルを軸として進めていくことになるでしょう。
エクステリアやインテリアのデザインについては、このままでもOKかと思います。さすがに20インチのホイールは頂けないですが、いざ販売となれば18か19インチに下げてくるはずです。全幅がノーマルモデルに比べて30mm 拡大されている点は少々気になりますね。トレッドを拡大した結果であるのなら良いのですが、リム幅の大きなホイールを履かせるためにフェンダーを広げているのなら納得できません。4モーション搭載ならば8J (なんなら7.5J )でも充分だと思います。タイヤの幅でグリップを稼ぐという方法はやめて、ハルデックスとXDSの能力をフル活用した前後左右のトルク配分の妙技でコーナリングスピードを高めて欲しいところです。エンジンはまず間違いなくゴルフRやシロッコRと同じものが積まれるでしょう。客層もゴルフRのそれより若くスポーツ志向が強いことが予想されるので、ROMチューンで簡単に300psオーバー → サーキット走行、というのがトレンドになりそうです。実際のところ、具体的な情報は何も出ていないのですが、このモデルに関しては大いに期待したいですね。

■ポロR WRC
以前から登場が噂されていたポロRが、遂にその姿を見せました。エンジンは1.6L直4ターボで300ps / 35.7kgmを発揮し、駆動方式はフルタイム4WD、車重はWRCの規定により1200kgとなるそうです。このまま市販されることはまず無いでしょうが、エンジンを200~250psくらいにデチューンしたモデルが必ず登場するはずです。車格と車重を考えれば、こと峠においてはインプやランエボと互角に戦えるでしょう。逆に、サーキットや高速道路などのハイスピードなステージおいては、スタビリティやサス・ブレーキのキャパの面で不利を被ることになると思います。もちろん法定速度内で走行する限りは何の問題も無いのですが、ここまでスペックが良いとどうしても「そっち方面」での性能に期待してしまいます。
シトロエンやフォードがC4やフォーカスRSのWRCモデルをレプリカとして限定販売しただけなのに対し、VW はポロRを量産前提で開発しています。企業としての体力が違うとはいえ、このような姿勢はもっと評価されても良いのではないでしょうか。現在、スズキからはスイフトスポーツの新型が発表され、MINI からは小さくも凛々しいクーペが登場し、アウディもA1のクワトロモデルをテストしている状況です。今後は世界規模でホットハッチというジャンルが再び隆盛を迎えるのかもしれませんね。
ポロRの3ドアが国内に導入されるのであれば、これは私にとってビートルRの強力な対抗馬となります。今はあれこれ夢想して楽しんでいるだけですが、来年の今頃には切実な悩みになっているかもしれないし、むしろそうなっていてほしいなと思います。

■up !
フランクフルトショーではVWに関してもう一つ大きなトピックがありました。それは数年前から開発が公にされていた次世代型コンパクトカー「up !」の登場です。むしろ今回のショーにおいては、このモデルをお披露目することがVWの最大の目的であったと言えるでしょう。かつてショーカーの「IROC」が「SCIROCCO」の原型として発表されたことから、「up !」も販売時には「LUPO」と名乗るのではないかと噂されていましたが、実際はそのままになるようです。up !という名前の格好悪さと、旧ルポの知名度の高さを比較すれば、VW の首脳部には今からでも遅くないから是非とも考え直してほしいところですね。
このモデルの詳細については各サイトで確認して頂けるかと思います。率直に言うと、私は何も魅力を感じませんでした。強いて挙げるなら、バギーup !が面白そうかなと思ったくらいです。何故魅力を感じないかというと、それはパッケージングの面で革新的と呼べる部分が全く見当たらないからでした。もっと簡単に表現すれば、「これなら軽でいいじゃん」ということになります。
コンパクトカーが商品として成立するためには、まず何よりも安価であることが優先されます。up !は一般的な軽自動車よりもお手頃なのでしょうか?次にコンパクトカーにとって大事なのは、日常生活における利便性です。up !は一般的な軽自動車よりも広くて乗り降りがし易いのでしょうか?また、現在ではコンパクトカーといえども多少の趣味性(多様性)は必要です。複数のメーカーから把握しきれないほどの種類が販売されている日本の軽自動車群の中に置いてもなお、このup !にはキラリと光る何かがあるのでしょうか?プレス向けのリリースでは盛んに技術面での先進性をアピールしているようですが、それらは全てup !以外のVW 車にも搭載すべき技術であり、このモデルの個性と呼べる要素とはなりえません。そのおかげで価格がポロに近づくのであれば、本末転倒ですからね。どちらかといえば、それらの新技術は満を持して登場するであろうゴルフVII にまとめて搭載するほうが、世間に対して強烈にアピールできるのではないかと思われます。
結論を述べるなら、このup !というモデルは軽自動車の文化を持たない欧州のメーカーが初めて造った軽自動車であり、欧州市場での新たなジャンルの始祖とはなりえても、初代ビートルや初代ゴルフのような自動車業界全体での革新を起こしうる存在とはなりえないと言えます。初代ビートルや初代ゴルフが絶賛されたのは、当時の基準としてそれ一台で充分だと思わせるくらいにパッケージングが優れていたからでした。史上初の「安価に販売される電気自動車」、あるいは史上初の「カーシェアリング用シティコミューター」としてup !がデビューするのであれば、まだ一応の評価もできる(私はそれを期待していた)のですが、残念ながら現状では単なる小型車という以外に何もエポックメイキングな部分は見当たりません。2013年に電気モーターのモデルを追加するというなら、それまで発売を延期しても良かったのではないか…。それが、私の偽らざる感想です。


今回のフランクフルトショーでは、VW 以外のメーカーに関して、個人的にはさしたる感慨を抱くことがありませんでした。いや、より正確には、またしてもトヨタとスバルが確定的な情報を何も出さなかったせいで他に書くことがなかった、というべきでしょうか。スポーツカー好きの日本人にとって今年最大のイベントは、やはり東京モーターショーまで持ち越されることになりそうです。果たして、その時展開されるのは拍手喝采の絢爛絵巻か、はたまた阿鼻叫喚の地獄絵図か。あともう暫く期待をして(あるいは手薬煉を引いて)待っていたいと思います。
Posted at 2011/09/29 01:39:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記
2011年08月03日 イイね!

まだ鞘の内

大した用事もなかったのに日々漫然と過ごしていた結果、いつのまにか8月になってしまいました。すでに上海やニューヨークのモーターショーですら終息し、来月のフランクフルトショーが待ち望まれる中、もはや殆どの方が忘れかけているのではないかと思われる3月のジュネーブショーについて、感想を述べてみたいと思います。

■アウディ A3コンセプト
個人的には今回のショーで最も注目していた1台でした。しかし、実際に展示されたのは未来のS3らしきハイパワーモデルだけで、庶民用のグレードに関しては残念ながら何もアナウンスがありませんでした。外観は、特にリヤの造形がB6型A4に似ており、端正に纏められていて私は好きです。サイドビューも、FFベースのシャシーにしてはキャビンが後方寄りになっていて、非常に格好良いです。ドアミラーやドアノブのデザイン、内装の大雑把さを見る限り、まだまだコンセプトの域を脱していないのは明らかであり、生産型には何らかの変更を加えてくるでしょう。かねてよりアウディの赤いセダンに憧れている身としては、次期A3は実現可能な夢でもあります。現行モデルと同様にクワトロ仕様を500万円以内に設定してくれることを切に願いたいですね。

■トヨタ FT-86Ⅱコンセプト
2009年の東京モーターショー以来の登場となったFT-86に関しては、多少グラマラスになったとはいえ、基本的にはキープコンセプトなデザインのままであり、特に衝撃は受けませんでした。今回の展示でわかったのは、やはりこの「ハチロク」は軽快なスポーツカーとしてではなく、GT的な性格が強いモデルとして開発されているということです。私の周囲ではAE86的なコンセプトを望む声が強く、それゆえこのFT-86に対して批判的な人が多いのですが、私はむしろこちらの方向性で正解だと思っています。マツダ・ロードスターを見れば、現代の安全基準と限られた予算の枠内で軽量・コンパクト・高剛性というモデルを造ることが如何に至難の業であるか、容易に推測できるでしょう。逆に、本気で軽量化に取り組んだモデルがどれほど高額になるかは、ロータス・エリーゼを例に見れば明らかです。過去の理想を求めるような非現実的な願望を反映するよりも、このまま日産・フェアレディZやアウディ・TT と同種の中量級GTとして開発を進めた方が、セールス的にも間違いが少ないと思われます。以前も述べましたが、そもそもこの「ハチロク」という名前が持つ意味を当のトヨタ自身理解できていないことが、無用な誤解と批判を招く原因になっています。トヨタのクーペなら、素直に「レビン」か「トレノ」もしくは「セリカ」と名付ければ良いのです。AE86の伝説から解き放たれて、しっかりと21世紀型のスポーツカー像を提示できるか否か。FT-86の成功は、その点に掛かっていると言えるでしょう。もっとも私にしてみれば、高級ハイブリッドGTと噂される次期スープラこそ、一刻も早く登場してほしいのですけどね。

■スバル BOXER Sports Car Architecture
今回のショーで伏兵的な存在だったのが、このスバルのコンセプトカーでした。FT-86の内部図解用のモデルかと思いきや、実は全長・全幅はFT-86よりもコンパクトであり、ライトウェイトスポーツという意味ではこちらの方に好感が持てました。会社の経営状況を考えれば、FT-86とトレッドの異なるモデルを独自に生産することは限りなく不可能に近いことであり、私もそんなに期待はしていないのですが、同じスポーツカーならトヨタ製よりもスバル製に希望を抱くのは大方の心情でもあるでしょう。ターボと四駆の力でパワフルに突き進むのではなく、非力ながらも切れ味鋭い旋回性能で勝負するマシン。ホンダやマツダが目指す理想に、スバルも一度くらいは挑戦してほしいものです。


後からこんなことを言うのも難なのですが、上記の文章は3月中にほぼ完成しており、そのままアップすることも可能でした。それが今まで伸びた理由としては、もちろん私自身のサボり癖が第一の問題ではあるのですが、正直なところ今回のジュネーブショーが少々期待外れであったことも、ある程度影響しています。そもそも私が興味を持っていた上の3車種について、市販モデルに関する確定的なスペックは未だ何も公開されておらず、まだまだ開発中の段階であることは明白です。これでは、如何に妄想が得意な私としても気分が乗らないのは仕方のないことでした。
現在の私としては上海のショーで公開された次期ビートルの方に全力で注目しています。このモデルについては、すでに欧州での試乗記も出回り始めていて、販売開始に向けてこれからも情報が増えてくるはずです。日本導入は来年になると思われますが、それまでには一度このブログで取り上げてみたいと思っています。
Posted at 2011/08/03 23:52:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記
2010年03月02日 イイね!

21世紀のCYBER SPORTS

21世紀のCYBER SPORTS本日は近所のホンダーディーラーへ行って、CR-Zを試乗してきました。この車に関しては2007年の東京モーターショーでコンセプトモデルが発表されたときから興味を持っていたのですが、先日会社の同僚がディーラーで展示車両を見てきたらしく、しきりに「格好良かった」と言うので、果たしてどれほどのものか確認してきたというわけです。
まず外観についてですが、これはもう本当に格好良いです。ディーラーの玄関に置いてあるのを一目見たときから、心をグッと掴まれてしまいました。ネットやカタログで見る画像と肉眼で見る実物とでは、受ける印象がかなり違います。車両単体で写っている画像などを見ると、リヤ周辺の塊感が強烈で割と重そうな雰囲気すらありますが、実物は全体的にコンパクト、かつフロントもリヤもフェンダーの張り出しの方が目立つため、ボディ後端も「タイトなヒップ」という感じでスッキリと纏まっているように見えます。少なくとも、EF8型CR-Xの外観に魅力を感じる人であれば、CR-Zのデザインも違和感なく受け入れられるのではないでしょうか。個人的には、荷室のサンルーフと化している水平なリヤウインドウにそそられてしまいますね。できるならリヤのワイパーを外して、フラッシュサーフェイス感をより際立たせたいところです。
インテリアについても特に不満に思えるような部分が無く、プライスなりの質感は充分に確保できています。確かに、デジタルのスピードメーターとタコメーターが同軸に配置された単眼インパネは、鮮やかなブルーのライティングこそ未来的で楽しいのですが、視認性があまり良いとは言えません。また、ハンドルのスポークに付いている各種ボタンやインパネ周辺に集約されている各種スイッチ類も、運転席周りの雰囲気を煩雑なものにしています。ただ、それでも大きな不満を感じないのは、その複雑なデザインが外観の奇抜さとマッチしているからだと思います。実用性よりもアイデアや感性を優先させることは、クーペやスポーツカーを造るうえで真っ当な手法だと私は考えています。そうした観点から見ると、このCR-Zのデザインは、制作上のコンセプトや思想を衒いなく反映させているという意味で、非常に完成度が高いと言えるでしょう。着座位置が低くハンドルが小振りであることも、スポーティな雰囲気を演出するのに貢献しています。頭上空間にあまり余裕が無く、斜め後方の視界が絶望的なのは御愛嬌ですね。車内で寛ぎたい人にはお薦めしません(そもそも、そんな人は最初からこの車を選ばないでしょう)が、圧迫感を覚えない程度の適度なタイト感が好きだという人にとっては、ベストな一台となり得るはずです。
さて、いざエンジンを始動させて路上に出てみると、「これで本当に150ps以下なの?」と思えるほど、力強い走りを披露してくれます。中間加速では我が白兎の方が頼りになるものの、出足の良さだけを見ればそれに負けていないどころか、車重が軽い分だけCR-Zの方が爽快だったりします(もちろんDSGをSモードに入れてしまえば、我が白兎の方が圧倒的に面白いのですが…)。ちなみに今回の試乗車はCVTを搭載している方であり、ドライブシステムはスポーツモードしか試していません。それというのも、ノーマルモードやエコモードを重視するならインサイトを選べば良いのであって、この車を評価する上ではスポーツモードの出来映えこそが肝心であると思ったからです。試乗の途中でアクセルをベタ踏みしてみたのですが、爆発的なパワーこそ得られないものの、何ら痛痒を感じないくらいスムーズに加速します。むしろ、エンジンよりシャシーが勝っているという感覚は、「もっと攻めてみたい」という気分を助長してくれます。グリップの良いタイヤを装着して足回りを自分好みのセッティングに変更すれば、パワーはこのままでも充分楽しめると思いますね。また、ドライバーの着座位置が車体の後方寄りになっていることも良い点の一つです。4座が前提の実用車と2座が前提のスポーツクーペとでは、旋回時や減速時に受けるGの感覚が全然違いますし、少し後ろの視点から前方を広く眺める方が、ボディ全体の挙動を掴み易く操作も楽になります。はっきり言って、この点ではVW ・シロッコよりもCR-Zの方が優れているのではないでしょうか。溢れ出るエンジンパワーで怒涛の如く突進することに愉悦を覚えるのではなく、飽くまでも切れ味鋭く軽快にコーナーをクリアすることに快感を見出す…。かつてのホンダ製FFスポーツカーに与えられていた個性(あるいはそうしたイメージ)は、この最新型のCR-Zにもしっかりと受け継がれているような気がします。

結論として、CR-Zは非常に魅力的なモデルあると断言できます。どんな車に試乗しても、我が白兎に乗ってしまえば「やっぱトータルではこちらのほうが上(好き)だな」と思えるのですが、今回ばかりはそういう気分になれませんでした。何故なら、2ドアクーペとしての格好良いスタイル、軽量なボディ、スポーティなハンドリング、ドライバー優先のシート配置、そして手頃な価格と、ゴルフでは望めない要素(それは私がシロッコに望んでいた要素でもある)を、CR-Zは極めて高いレベルで満たしているからです。仮にVI 型GTI とCR-Zのどちらかを選べと言われても、今の私には即座に返答することができないというのが正直なところです。それぐらい、CR-Zから感じられたポテンシャルは衝撃的でした。
マツダ・ロードスターしかなかった国内の小型スポーツカー市場において、CR-Zは久々のヒットモデルになりそうであり、またそうなって欲しいと思います。もしCR-Zが好評を博せば、他社もこれに追随することは想像するに難くありません。そうなれば国内のスポーツカー市場は再び活況を呈することになるでしょう。CR-Zの発売は時代の分岐点となりえるのか、今後とも注目したいですね。



余談ですが、同乗した営業さんに「CR-ZのタイプRは出ないのか」と聞いたところ、「出ない」と即座に言われてしまいました。また、以前から噂されていた新型ビートも開発が凍結されているそうです(去年はテスト車両を市街地で走らせていたのですが、今はそれも全く行われていないらしい)。営業さん曰く「今回のCR-Zは、長引く不況、およびスポーツカーの人気が壊滅的な現状において、ホンダとして出せるギリギリの答えであり、これ以上の発展性は期待できない」とのことでした。ただ逆に言えばそれは、今後しばらくホンダのスポーツモデルのラインナップはシビック・タイプRとCR-Zだけに絞られるということでもあり、ギリギリの存在であるCR-Zにも走りに振った限定モデルや記念モデルが生産されることは充分に考えれます。より高いスポーツ性能を求める人は、そのタイミングを待った方が良いのかもしれませんね。
Posted at 2010/03/03 02:22:43 | コメント(1) | トラックバック(0) | | 日記
2010年02月22日 イイね!

灼熱のジュネーブ

来月2日にジュネーブモーターショーが開催されますが、事前に伝わっている情報から判断すると、今回はいつにも増して盛り上がるような気がします。出展が予定されているモデルの中でも特に気になるのが、VW ・ポロGTI 、アウディ・A1、アウディ・次期A3 の三台ですね。最近はどのメーカーもハイブリッドやEVなどの次世代技術をアピールすることが多いですが、私としてはパワーユニットが何であれ、上質な走りを予感させるモデルであれば興味を惹かれてしまいます。むしろ、内燃機関がいずれ「アナログな物」と化して、一部の裕福な趣味人しか手が出せなくなることを考えれば、今のうちに楽しめそうなガソリンエンジン車を見定めておくことの方が大事なのではないでしょうか。

■VW ・ポロGTI
LEDランプ、デュアルマフラー、赤いブレーキキャリパー、17インチのデンバーのホイールなど、ゴルフVI と殆ど同じ外観で、新型ポロGTI がデビューするようです。内装もGTI らしく専用のデザイン・装備が与えられており、もともと質感が良いのに加えてお洒落感も向上することになりそうです。エンジンは180psの直4のツインチャージャーを搭載し、7段DSGを介して0-100km/h加速6.9秒のパフォーマンスを発揮します。車重が1184kgとゴルフGTI より200kg近くも軽く、更には強制ブレーキシステムであるXDSも装備していることを考えれば、我が白兎と同等かそれ以上の実力があると予想されます。少なくともダウンヒルにおいては、新型ポロGTI の方に軍配が上がりそうですね。どうせ後席空間が狭いのですから、このポロGTI に限っては最初から3ドアモデルをメインとして導入すべきではないでしょうか。もしそうなれば、私も俄然興味が湧いてくるのですが…。GTI でここまでスポーツ性能が高いわけですから、いずれRなどが出たらとても面白い(他メーカーにとっては手に負えない)ことになるでしょう。同じジュネーブショーではクロスポロも発表されるようですし、今年中には1.2Lモデルも導入されるはずですから、しばらくはポロ関連の話題が尽きそうにありませんね。

■アウディ・A1
先日、ついにA1の全容が明らかにされました。ボディサイズは全長3950×全幅1740×全高1420と、VW ・ポロやBMW ・MINI と同じクラスに属するものであり、これまでアウディとは縁が無かった若年層の新規取り込みを主眼として、比較的低価格に設定されています。外観は最近のアウディらしく少々アグレッシブで、内装も期待通りの質感と格好良さが演出されています。特にダッシュボードから生えてくるモニターが良いですね。実際の使い勝手は検証する余地がありそうですが、インテリアのデザイン的には正解だと思います。エンジンはガソリンとディーゼルがそれぞれ二種類用意され、そのうちガソリンエンジンは1.2L(最高出力86ps、最大トルク16.3kgm)と1.4L(最高出力122ps、最大トルク20.4kgm)がラインナップされるようです。動力性能も数値としてはそれほどでもないのですが、全グレードにアイドリングストップ機構とMTが設定されていることは非常に興味深いです。つまり、MINI と同じくらい楽しく走れて、しかもMINI よりも燃費が良いですよ、というのがアウディのアピールしたいところなのでしょうね。インテリアのパーツのカラーリングが豊富に選択できる点も、MINI を意識してのことだと思います。ただ、MINI がともすれば親会社であるBMWと互角のブランド性を誇っているのに対し、A1は飽くまでもアウディのエントリーモデルという位置付けでしかありません。どちらの個性がより際立っているかと聞かれれば、やはりMINI の方が有利だと言わざるをえないでしょう。プレミアムコンパクトという立ち位置としては両者とも真正面からバッティングするわけですから、あとはMINI と違う点を強調できれば、A1にも活路が生じるのではないでしょうか。個人的には素のA1よりもスポーツ性を煮詰めたモデル、通称S1の登場に期待したいですね。新型ポロGTI が180psを発揮するのですから、S1が出るとすれば当然その上をいくはずです。さらに、ハルデックスシステムを搭載してトラクション性能を高めてくれれば、このクラスでは完璧にして無敵の存在となるでしょう。1.2t程度の車重に200psのパワーと電子制御四駆の安定性。それで価格が400万を切るなら、間違いなく次期愛車候補の筆頭になるのですが、果たして…。

■アウディ・次期A3
今のところ、次期A3に関する情報は何も出ていませんし、ジュネーブショーで何か動きがあると噂されているわけでもありません。ただ、去年末にドイツ本国で新型用の工場が新設され生産体制が着々と整備されているのも事実であり、近いうちにコンセプトモデル等がお披露目されることは充分予想されます。また、個人的には先月のデトロイトモーターショーで発表されたVW ・NCCこそ次期A3を暗示する重要なヒントであるような気がしてなりません。そうした流れから、ジュネーブショーでは次期A3に関して何らかのアナウンスがあるのではないか、というのが私の推測であり希望でもあるのです。A1のデビューが確定した以上、エントリーモデルという役目はそちらに譲ることになり、同時にA4の巨大化によってボディサイズのラインナップ上に隙間が生じたことから、次期A3には中核を担う車種としての高級感(つまり、先代A4くらいの大きさと上質さ)が要求されるようになると考えられます。ゴルフより上の車格を狙うとなれば、まさにそこがピッタリ当てはまるわけであり、それゆえ私としては次期A3の詳細がとても気になるのです。全長が4.5mくらいの4ドアセダンか2ドアクーペで、エンジンは1.8Lを搭載して200ps以上(できれば1.4Lで200ps以上)を発揮し、なおかつハルデックスシステムを採用して価格が500万を切る…。そんなモデルが現れれば、これまた次期愛車候補の筆頭になるのですが、まあこちらは現実性に乏しいと言えるでしょうね。そういった無茶な願望は抜きにしても時期A3に対する関心は強いので、ジュネーブショーでアウディが少しでも情報を公開してくれることを期待したいと思います。
Posted at 2010/02/22 19:39:27 | コメント(0) | トラックバック(0) | | 日記

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