2007年03月16日
先日、本屋で二冊のムックを衝動買いしてしまいました。一つは「機動戦士ガンダム 一年戦争全史(上)」というもので、どこぞの出版社が出している歴史本のような真面目な作りと、極力アニメ色を排して現実味を帯びさせようとするリアルなグラフィックが少々笑いを誘う一冊です。ガンダムに関しては「公式年表」というとても分厚くて内容が堅苦しい本もありますが、個人的にはこの「一年戦争全史」のように真摯にパロディを貫くほうが、作品本来のテイストに合っていると思います。膨大なる設定の後付け、つまり業界内外のファンによって創られた仮想世界、それがガンダムというジャンルの一番の魅力です。一通り目を通しましたが、書いている内容よりも、こういう本を出版したこと自体に敬意を表したいですね。もちろん、下巻も購入するつもりです。
そして、もう一冊の方は「伝説巨神イデオン 公式設定資料集」という3000円近くもする本です。中には本当に設定資料しか掲載されていないので、プラスアルファを期待すると肩透かしを食らうことになるでしょう。イデオンマニアの方には必須のアイテムかと思われます。
この「伝説巨神イデオン」という作品、特に劇場版の第二部にあたる「発動篇」は、日本アニメ史上において間違いなく最高レベルの傑作(あるいは最大の問題作)だと言えます。凄惨なシーンの多用や破滅に向かって突き進むストーリーなど、万人にお薦めできる内容ではありませんが、作者の主義主張が一切の遠慮無く叩き込まれた物語には、やはり見る人の心を打つものがあります。世界中で認められた宮崎駿ですら描ききることが出来ない究極の「救い」が、「発動篇」では圧倒的なテンションによって表現されています。最後のカンタータ・オルビスまで聴き終えたなら、爽やかな疲労感を味わうことが出来るでしょう。ロボットアニメに嫌悪感を持たない人であれば、一生に一度は観ておくべき作品ですね。
しかし、ここまで人間の業に満ちた作品は、恐らく今後二度と出現することがないでしょう。幼い頃に初めて買ってもらった超合金の玩具がイデオンであった(変形・合体する)ことも、今にして思えば偶然にして貴重な体験だったと思います。
Posted at 2007/03/31 04:28:33 | |
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2007年03月04日
今日は「TRICK劇場版2」のDVDを借りようと思ってツタヤに行ったのですが、全て無くなっていたため仕方なくCDコーナーを物色していたところ、興味深い1枚を発見しました。それは、80年代を彩ったガールズユニットの一つ、BANANARAMAのベストアルバムです。イギリスでデビューした彼女達は紆余曲折を経て1986年に「VENUS」で世界的にブレイクしました。その後は公私共々話題を提供し続け、あの有名な「Band Aid」にも参加しました。楽曲に関しては定番である「VENUS」や「I HEARD A RUMOUR」もさることながら、「CRUEL SUMMER」「AIE A MWANA」など他にもポップで楽しい曲がたくさんありますので、このアルバムを一聴する価値は大いにあると言えるでしょう。
BANANARAMAの三人の中で私が気に入っていたのはカレン・ウッドワード(写真中央)でした。端正な顔立ちにショートの黒髪とブルーの瞳の組み合わせは、国籍不明の神秘さもあってゾクゾクするほど魅力的でした。「VENUS」のPVでも彼女は儚げな美しさを見せていますが、できれば「Do They Know It's Christmas?」のPVを見て頂きたいと思います。ドキュメンタリー風の撮影であるため、各アーティストともチラチラとしか映っていませんが、ぼんやり眺めていても彼女の存在には目を惹かれるはずです。何故か物憂げな表情(単に眠いだけ?)に間違いなく心が擽られることでしょう。しかし、あの頃は皆若かったなぁ…。
Posted at 2007/03/15 02:44:13 | |
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2007年02月26日
第79回アカデミー賞において、マーティン・スコセッシ監督が6度目のノミネートの結果、初めて監督賞を受賞しました。素晴らしい作品を幾つも撮ってきた監督ですし、今回の「THE DEPARTED」も面白い作品のよう(まだ観ていない…)ですから、この受賞は当然だと言えるでしょう。一般的に巨匠と呼ばれる人達は、年を取ると自分の趣味の世界に閉じ篭りがちになるものですが、スコセッシ監督は今でも外界に刺激を求めようとする姿勢を保っています。その若々しさがある限り、これからも良作を創り続けてくれることと思います。
スコセッシ監督の作品の中で私が最も好きなものは、1976年に公開された「タクシードライバー」です。私は「羊達の沈黙」の頃からジョディー・フォスターのファンになったのですが、彼女が出演した作品を一通り観てみようと思って、一番最初に選んだのが「タクシードライバー」でした。初めて観た時は、ジョディーの出番の少なさに正直不満を覚えたものの、この作品が何となく普通でないことは感じ取ることができました。それ以来、もう10回以上は全編通して観ていると思います。学生時代は平日の昼間にワインとチーズを手にしながら、ロバート・デ・ニーロの暴れっぷりをぼんやりと眺めるのが一つの贅沢でした。
「タクシードライバー」について、個人的に良いなと思う点は二つあります。一つ目は、作品全体にダルな雰囲気が横溢していて、最後の過激なシーンでも「これって現代の御伽噺だよなぁ」と思わせるくらいの、良い意味でのルーズさが味わえることです。これに関してはムーディーなBGMも多大に貢献していると思いますね。もう一つ私が気に入っている点は、物語が終わってもトラビス(デ・ニーロ)が孤独であり続けるということです。最後にトラビスはベッツィー(シビル・シェパード)と再会するのですが、両者の間には静かな和解と、爽やかな別れが待っています。純然たるハッピーエンドで終わるわけではないのです。ストーリーとしては寓話性に満ちていながらも、一人のタクシードライバーの人生としては決して楽観的に描かれていません。この何ともいえない曖昧な後味こそが、「タクシードライバー」という作品の魅力ではないかと思っています。この作品を知らない人がいたら、一度観賞してみることをお薦めします。
Posted at 2007/03/01 01:47:54 | |
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2007年02月23日
バンダイからまたおバカな商品が販売されるそうです。それは「TYPE CHAR」という名のヘルメットの第三作目で、今回は完全なフルフェイスタイプになるようです。しかし、毎度のことながら、色を同じにしても角が付いてなければ意味が無いと言えるでしょう。あれがあるからこそ三倍の速さで動けるというのに…。できれば次回は「TYPE GARMA」なんていうのを造ってほしいですね。速度を感知するセンサーが内臓されていて、時速100kmを超えると「ジオン公国に栄光あれ!」と耳元で鳴り響く高揚感抜群の一品…いかがでしょうか。
最近は安彦良和の「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」を読んでいます。安彦氏の作品に関しては、アニメでは「アリオン」、漫画では「ヴィナス戦記」くらいしか今まで観たことがなかったのですが、人の生死のリアルな描写と、情念が渦巻く独特の雰囲気の暗さがとても印象的でした。今回の「THE ORIGIN」では、そういったテイストが若干薄れているようにも見受けられますが、あの超名作アニメが作画監督自身の絵によって全編再現される(一部独自の解釈も含まれている)という点だけでも充分に楽しめます。やはり、同じセイラさんでも安彦氏が描いた方が一番可憐で美しいと思いますね。シャアにしても、アニメでは表現しきれていなかった本質的な気性の荒さがしっかり描かれていて、改めて魅力的に感じられます。あとは、私が最も共感できるキャラクターであるカイ・シデンがどのように表現されるのか、まだ6巻までしか読んでいないので何とも言えませんが、ミハルとのエピソードとその後の成長ぶりがじっくり描かれることを期待したいところです。
しかし、未だにあの作画力を維持し続けているのは凄いことだと思いますね。相変わらず彩色も素晴らしいし。これからは「ジャンヌ」や「イエス」「虹色のトロツキー」など、今まで何となく敬遠していた作品群も積極的に読んでみるつもりです。
Posted at 2007/02/24 03:32:40 | |
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2007年02月12日
先日、ツタヤでWHAM ! のベスト盤「THE FINAL」を借りました。目的は「Careless Whisper」をゲットすることでしたが、「Bad Boys」や「Young Guns」など他にも良い曲がたくさん収録されていたので、かなり得した気分になれました。WHAM ! といえば何といっても「Last Christmas」が有名ですが、それ以外にもたくさんヒット曲を残しているんですね。もっと早くから知っていればよかった…。
私はよく有料チャンネルなどで昔のプロモ-ションビデオを集めたりしているのですが、やはり80年代は良い音楽の宝庫だと思います。それぞれのアーティストが独自色を出そうと躍起になっていて、まさに百花繚乱という時代でした。しかも、MTVの存在によりビジュアル面でもアピールする傾向が強く、アーティストのイメージが掴み易いという利点もありました。MTVに関しては一方で批判もあるでしょうが、音楽に多大なエンターテイメント性を与えたことは一つの功績だと思います。POPSというジャンルが最も輝いていたのが、80年代だったのではないでしょうか。もうしばらくは、当時の楽曲を発掘していたいですね。
Posted at 2007/02/17 00:18:42 | |
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