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2002年のジュネーブショウで、アルファロメオから途轍もなく魅力的なコンセプトモデルが出展されました。その名は「ブレラ」。ジウジアーロによってデザインされたこのモデルは、生産を前提として出展されたものであり、多くの人に夢と希望を与えたのですが…。
周知のとおり、アルファロメオ・ブレラは実際に生産され、現在も販売されています。しかし、その姿を見ればわかるように、コンセプトモデルのブレラとは「よく似た他人」でしかありません。むしろ、147や159のほうがコンセプトモデルのエッセンスをうまく取り込めているのではないかと思います。
確かに、現実のブレラも個性的で良いと言えなくもないのですが、コンセプトモデルと比較すると、ノーズが短くなり、逆にリヤが伸びた分だけ、プロポーションが崩れてしまったことがわかります。コンセプトモデルがそのまま生産されないことは重々承知しているのですが、やはりあのスタイルのままで出してほしかった、というのが大方の意見ではないでしょうか。ブレラにはオープンモデルであるスパイダーもラインナップされていて、もっさりとしたルーフが無いことから、まるで別モデルのようにセクシーなスタイルをしています。ブレラという名を使うなら、スパイダーを本家にして、ルーフがある方を「ブレラ・クーペ」として派生モデル扱いにしたほうが、イメージ的には良いのかもしれません。
いい年した大人に憧れを抱かせ、その三年後に幻滅を与えてくれたモデル、それがこの「ブレラ」でした。