2012年11月07日
唐突ではありますが、先月は多忙な日々が続いていました。その原因は、次期主力戦闘機の導入に関することです。少し前のブログで我が白兎が抱えている問題を報告したばかりなのですが、その後も他のトラブルが相次いで発生した(エンジンの吸気系の不具合、飛び石によるフロントガラスの破損、天井の内貼りの剥がれ等)ため、実は9月末に買い替えを決断したのです。それ以降は様々な手続きのため休日の度にディーラーへ通っており、またプライベートの諸事情もあって、10月中は遠出する時間も得られないような状態に陥っていました。
さて次の愛機についてですが、最終的にはVW ・シロッコ R-Line に決定しました。当ブログではシロッコについて割と嫌味なことを述べてきたため、結果として掌を返したと言われても仕方がありません。なので、以下でその経緯について説明させていただきたいと思います。
今回の件で最初の分かれ道となったのは、各部を修理して未来のゴルフVII GTI やビートルR 等を待つか、それともその修理代や下取り価格を頭金として次の車に乗り換えるか、ということでした。しかし、VII のノーマルグレードの日本上陸が来年5月であることを考えれば、次期GTI の導入が2014年春以降になるのは確実であり、そこまで期間が開いてしまうと修理しないわけにもいきません(特に異音は耐えきれない)。また、たとえ修理して乗り続けたにしても、別の箇所にトラブルが発生してまた費用が掛かる可能性も出てきますし、その間の車検代や下取り価格の下落も含めれば、損失の方が大きいといえるでしょう。そもそも、最近は私生活面でちょっとした変化が起きたことから、車への出費を抑える必要性に迫られ始めたところでした(どちらかといえば、これが最大の理由になるかもしれません)。そういうわけで、最初の選択肢としては買い替えを選んだのです。
次の分かれ道は、どの車にするかということでした。VW 以外で私が興味を持っていたのはマツダ・新型アテンザ、同CX-5、ホンダ・CR-Z、スバル・BRZ、アウディ・A1ぐらいでした。が、選択肢としては現行のGTI が一番無難であり、それを凌駕するほどの魅力が上の5車種にはありませんでした。ゴルフであれば何ら不満は無いし、以前からディープブラックのVI GTI は凄く格好良いと思っていたので、やがては「ごちゃごちゃ考えるくらいなら、さっさとこれに決めようかな」という気分になっていたのです。そんな状況下で、ふと気になったのがシロッコでした。シロッコはデビュー直後に2.0を一度試乗したきりだったので、ゴルフより旋回性能が高いということ以外はあまり記憶に残っていませんでした。しかし、CR-Zを検討しているうちに「それならシロッコもありじゃないか」という考えに至り、候補に含めることになったのでした。
此度の買い替えに際して、私は1.4、2.0(中古)、Rの全てのグレードを試乗することができました。そして、その中で運転していて最も楽しかったのが1.4でした。確かに2.0やRの方がパワーに余裕があって楽なのですが、ディーラーの許可を得て峠を走ってみたときには1.4の軽快感に感心させられました。1.4と2.0では車重が20kg程度しか変わらないのに、S字の切り返しなどでは1.4の方がかなり機敏に動いてくれます。これは軽さの影響というより、エンジンが非力な分だけ挙動をコントロールし易いからだと言えるでしょう。溢れるパワーをブレーキで抑えるのではなく、少ないパワーをアクセルで絞り出す方が、攻めている感じが強くて面白いことを再認識した次第です。私がマイカー選びの基準としていた「前車を抜きたいときに抜けるだけの加速力」という点で、痛痒感が残るのは否めません。ただそれを差し引いても、私には1.4の扱い易さが一番魅力的に感じられました。またインテリアに関しても、日本への導入直後はゴルフVと同じパーツが使われていたせいで興醒めしたのですが、2010年に本国仕様と同等になったことから質感が幾分向上していたので特に不満も無くなっていました。走りも内装も納得できるレベルで纏まっている上に、同じVW 車であること。最終的にはこれが決め手となって、シロッコが次期愛機の最有力候補として一躍浮上してきたのでした。
余談ながら、今回意外だったのはRの味付けがとてもジェントルであったということです。FFにしては過剰なパワーを有していながら、いつでもグリップを失わないようにコンピューターが上手く調整してくれるため、安心してアクセルを踏むことができます。足回りは一番硬いモードにしてもなお乗り心地が良いと感じられるほどであり、排気音も回転数を上げない限りはそれほど刺激的でなく、夜中に住宅街を走っても問題は無いでしょう。雑誌やネットの試乗記ではバリバリのスポーツカー的な評価をする向きが多いのですが、荒々しさという点ではV GTI の方が顕著であり、むしろ高級GTカーとしての性格が濃い部分に私は好感を覚えました。サーキットを全開で走るのも楽しそうですが、高速道路をゆったり流す方がこのモデルには相応しいのかもしれませんね。
話を戻しまして、最後の分かれ道はノーマルモデルとR-Line の選択でした。といっても、これに関しては最初からR-Line しか眼中にありませんでした。ノーマルモデルの外見的なネガを全て解消した専用エアロと内装の加飾だけでも元が取れるのに、なかなか格好良い18インチホイールが付いて29万円の差なら、こちらを選ばない手はないでしょう。ただし、そこで立ちはだかったのが納期の問題です。R-Line は殆ど受注生産に近く、在庫を抱えているディーラーが皆無なため、納期は最短でも来年の3月になるとのことでした。ノーマルモデルをコツコツとカスタマイズしていくのか、あるいはゴルフVI GTI にするのか、それともいっそ白兎を修理してVII GTI が導入されるまで乗り続けるのか…。9月末頃の私は、そういう妥協に迫られていたのです。ところが、10月に入ってすぐに他店で納車直前のキャンセルというイレギュラーな事態が発生し、交渉の結果その個体を譲り受けることができたことから、納期の大幅な短縮が可能となりました。そして、目途さえ立てばあとの話は早いもので、以後は各種手続きと白兎の下取り価格アップ作戦を実行に移すことになりました。偶然にも助けられたとはいえ、この一連の流れにおいて担当の営業さんとメカニックさんが果たした役割は大きかったと思います。諸々の理由により細かい内容は書けないのですが、普通のディーラーでは不可能な対応をしてくれたと言えるでしょう。かくして、今回の買い替え騒動は最初から最後まで予想外の展開を経て、一応の決着を見たのでした。
R-Line を選んだことで、当初は「もうこれ以上手を加える必要はないな」と思っていたのですが、最近ネットでシロッコ用のパーツを検索していると、興味深い物を幾つも見つけてしまいました。納車は今月の中旬になりそうですから、それまではパーツの購入予定リストの作成に勤しむ日々が続くことになるでしょう。高揚感というよりも、高枕安眠というか泰然自若というか、激動の一ヶ月を過ごしただけに、それが今の偽らざる心境ですね。
ちなみに、白兎は先月30日に某所で売却しました。初めての新車であり、一番長く乗った車でもある彼(彼女?)については、次回で語るつもりです。
Posted at 2012/11/07 04:17:04 | |
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