2007年08月22日
最近私の会社では新車の購入を考えている人が急に増えていて、今日はその内の一人(私よりかなり年上の方)と一緒にマツダのディーラーへ試乗に行ってきました。お目当ては、最近デビューしたばかりの新型デミオです。以前からこのモデルには興味があり、自分の父親にも何となく薦めたりしていたのですが、実際乗ってみると予想以上に楽しいものでした。やはり、車にとって軽さは大事ですね。
今回試乗したのは13Cというグレードで、ディーラーの方の許可を得て、いつもGTIで走っている峠道へ連れ出すことができました。本来なら私は単なる付き添いに過ぎないのですが、好奇心で目が輝いていたことは否めません。同僚の運転で登り道をある程度進んだ後、今度は私の運転で坂を下ることになりました。走り出してまず思ったのは、トランスミッションやブレーキの味付けが他の国産コンパクトカーとよく似ているということでした。基本的にこのクラスのモデルは婦女子の足車として使われることが前提となっているため、街中でストップ&ゴーがしやすいようにギア比やブレーキの効きが味付けされているのですが、新型デミオも例外ではなく、クリープ状態ではこちらの予想より早い速度でスルスルと前に進み始め、ブレーキもほんの少し踏んだだけで急に効くように躾けられていました。特に今回のデミオに関しては制動距離の短さも売りの一つになっているようで、このセッティングは多分に意図的であるかと思われます。大多数の使用環境・条件を考えると確かに「合理的」と言えるでしょう。ただ、私としてはもう少しフィーリング上の「緩さ」が欲しいのですけどね。
さて、そういう感慨を抱きつつ走り出したのですが、いざワインディングロードに入ると楽しくて仕方がありませんでした。FFのハッチバックという点は我がGTIと同じであり、当然ながらコーナリング時の基本的な挙動は似ているのですが、デミオの方は重量がGTIの2/3であることから慣性モーメントが小さく、何事にも俊敏に反応します。車体がロールしてもフラットな姿勢へ戻るのが早いため、次の切り返しが楽なのです。GTIが粘るリヤサスとタイヤの力で「グリグリ」と旋回するのだとしたら、デミオはアイススケートのように「ツー」と滑るような感じでしょうか。13Cでこれだけ良いのですから、1.5Lエンジンと専用サスを装備したスポルトであれば、より楽しめるのではないかと思いました。また一方で、最近発表されたプジョー・207GTIもこんな感じなのかな、と想像してしまいました。運転して楽しいというのは、車重の軽さだけでなく、マツダならではのニュートラルなステアリングフィールも大いに貢献していると言えるでしょう。常用の速度域ではノーズが思い通りにイン側に向いてくれるので、どんなにきついコーナーが連続してももどかしさを感じずに済みます。トヨタ車や日産車のハンドリングに慣らされた人であれば、マツダ車の挙動を「クイックすぎる」と感じるかもしれませんが、アクティブセイフティという観点からすればマツダ車の方が優秀であり、何より昨今喧伝されている「欧州基準」というものに照らし合わせれば、それに最も忠実なメーカーがマツダであることはすぐにわかると思います。新型デミオも主戦場をヨーロッパに定めているようですが、その素性の良さは本国日本でも充分に通用するものであると、今回試乗してみて確信しました。現在コンパクトカーの購入を検討している方がいれば、一度はデミオに乗ってみることをお勧めしたいですね。
世間の風評を見ていると、「格好良いから」とか「玉木宏が宣伝しているから」という理由でデミオを選ぶ人もかなりいるようです。ただ、その内の何%かの人達が運転することの楽しさに気付いてくれれば、こちらとしては有難いと言えます。何故なら、それこそが自動車産業の活性化に、そしてスポーツカーの復権に不可欠な下地なのですから。
Posted at 2007/08/23 02:46:30 | |
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車 | 日記
2007年08月10日
少々前のトピックになりますが、次期スカイラインクーペの生産モデルがお披露目されました。全体の雰囲気としてはデトロイト・モーターショウで発表されたコンセプトモデルよりも現行のセダンに近いと言えますが、エッジの効いたデザインはむしろクーペにこそ相応しくもあり、充分に華やかさを具えていると思います。強いて挙げれば、もう少しロングノーズ・ショートデッキであればより魅力的なのですが、恐らくコストの関係からそこまで変えることができなかったのでしょう。いずれにせよ、絶滅種となりつつある国産クーペの世界において新たなモデルが投入されることは諸手を挙げて歓迎したいですね。
一つ気になるのは、搭載されるエンジンの排気量が3.7Lだということです。車格を考えると別に違和感はないのですが、税金の面で少々苦しいことになるかと思われます。少なくとも、単なる車好きの若者が気軽に所有できる車種ではないと言えるでしょう。しかし、このようなクーペモデルが請け負う使命には、若者に夢や憧れを抱かせるということも含まれています。「いつかはああいう車に乗ってみたいなぁ」と思わせることが出来たら、そのモデルは成功したも同然です。果たして、次期スカイラインクーペはそこまでの存在になれるのかどうか、今から楽しみにして待ちたいと思います。
Posted at 2007/08/11 01:36:47 | |
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車 | 日記