2007年09月26日
先日、古い友人から一通のメールが届きました。内容は先ほど公開されたエヴァンゲリオンの新作劇場版に関するもので、「懐かしいから見てみろ」とのお薦めがしてありました。実を言うと私はこの作品を本放送終了後も定期的に観賞していて、2年ほど前にも全話通して見ていたので、新作の劇場版が公開されることを知ってもあまり懐かしさを覚えなかったのです。なので、本当は今回もDVD化されるのを待つつもりだったのですが、突然のメールが入ったことから話の種になるかと思って、本日映画館へ行ってみたのでした。
実際に見た感想を述べるなら、「よく出来ている」と言えるでしょう。あまり期待していなかっただけに、これは嬉しい誤算でもありました。どこが良かったかというと、一つ目は本放送の雰囲気に忠実であるという点です。名場面はなるべく本放送と同じに、逆に繋ぎのシーンには修正を入れるという手法は的確であり、敢えて言うなら「DEATH AND REVERSE」は本来こうあるべきではなかったのかとさえ思えます(まあ、あれはあれで興味深い作品でしたけど…)。また、もう一つ評価したいのは、細部の設定・書き込みが緻密で素晴らしく、「さすがGAINAX」と納得させられるクオリティをしっかり表現できていることです。特にヤシマ作戦における作業風景の描写は凄まじく、「アニメ的なリアルさ」を追求することに成功していると思います。こういう映像を見ると、VFX満載のハリウッド映画よりも、やはり日本のアニメのほうが上だと実感してしまいますね。映像全体の色合いがセル画的質感を保っていることも、個人的には評価したいところです。昨今のデジタル化された作品はやたらテカテカ・チラチラする色合いのものが多く、見ていて辟易させられるのですが、今回のエヴァではそういう場面が殆どありませんでした。古いアニメ好きとしては、このセル画的質感は大事にしていただきたいものです。
反対に気になった点も少しあります。まずは細部の意匠やBGMに統一性がないという点です。たとえばNERVのマークですが、作品中では2種類あって、どちらにどういう意味があるのかよくわかりません。BGMも旧来のものと新しいものが混在していて、「おお、来た来た!」と盛り上がることもあれば、「あれ?何か違うぞ」と違和感を覚えることもあります(初号機が初めて出撃するシーンにおいて、本放送では「A STEP FORWARD INTO TERROR」が流れるのですが、今回の劇場版ではそのアレンジともいえるようなBGMが流れます。そのとき私は「映像だけじゃなくてBGMも変えたんだな」と思ったのですが、別のシーンでは普通に「A STEP ~」が流れたりします。統一性がないとは、つまりこういうことです)。新しい要素を持ち込みたいという気持ちはわかりますが、であればもう少し割り切ってやってくれれば良いのに、というのが正直な感想です。また、作品全体のリズム・テンポが一定だったことも気になった点の一つです。最初から最後まで一本調子(ハイペース)で、特に山場と言える箇所がありませんでした。これは、「序」というタイトルが示している通り本放送前半部の単なるリファイン版であって、次回作のための導入部にすぎない、ということであれば納得がいきます。本放送の場合は放送事故すれすれの「間」(画像が止まった状態)というのも一つの魅力でしたが、総集編的作品にそのリズムの緩急を求めるのは難しいですからね。むしろ、一分一秒を無駄にせず映像を詰め込んだ今回の手法の方が正解だと言えるでしょう。いずれにせよ、気になった点は幾つかあったものの、私にしてみれば総じて不満のない内容でした。
もっとも、「不満がない」だけではこんな長文を書く必要も無いでしょう。今回の収穫は、この「序」自体よりも、次の「破」が面白そうだとわかった(予告は充分に期待させるものだった)ことにあります。「陰鬱なエヴァンゲリオン」は、もうやり尽くしたはずです。次回の「破」が、従来のGAINAX作品らしく陽気で爽快な物語になることを、切に望みたいですね。
Posted at 2007/09/26 23:02:20 | |
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2007年09月21日
BMW・6シリーズ(E24)
Posted at 2007/09/21 15:18:53 | |
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2007年09月21日

マツダ・ユーノスコスモ
Posted at 2007/09/21 15:16:28 | |
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2007年09月21日
シトロエン・C5エアスケープ
このブログで私は再三に渡って「クーペがイイ」と述べてきました。デザイン上の細かい好みは色々あるのですが、基本的には2ドアでロングノーズなスタイルをしていれば、それだけで私は心惹かれてしまいます。今回は、それらクーペの中でも特に脈略のない3台を挙げてみました。
まず最初は、当時「最も美しいクーペ」と謳われたBMWの旧6シリーズです。個人的には「美しい」というよりも、バランスのとれた直線基調のプロポーションのおかげで「格好良い」という部類に入るのではないかと思うのですが、そのデザインを絶賛する気持ちに違いはありません。90年代以降に主流となった丸みを帯びたデザインに比べると、このE24のような80年代的なスクエアなスタイルもまたシャープで良いものですね。
次は、手前味噌で申し訳ないのですが、かつての愛車・ユーノスコスモです。無駄にハイパワーなエンジン、無駄に豪華な内装、そして圧倒的高燃費と、あらゆる面で時代に逆行した稀代の迷車です。しかし、一度乗ってみるとその存在意義が理解できると思います。個人によるものでも集団によるものでもそうですが、持てる技術を振り絞って造られた作品には、他を魅了するほどの「執念」が必ず含まれています。美しさと優雅さを表現するために他の全てを犠牲にしたこのモデルは、バブル時代のマツダの執念と野望の結晶でもあります。ハイテクと快適さをして高級を唱えるレクサスと、優美であることを第一義として高級化にチャレンジし、そして滅んでいったユーノスと、どちらがブランドとして高尚であるのか、このモデルに乗って今一度考えてみるのも良いかもしれません。
最後は、今回のフランクフルト・モーターショウで公開されたシトロエン・C5エアスケープです。このモデルもまた全身からデカダンなオーラを発散しています。メルセデスやジャガー等のオープンモデルに飽きた人であれば、こういう選択をするのかもしれません。私にはコンセプト的に少々鷹揚過ぎるようにも思えるのですが、シトロエンが大型クーペに対するイメージを堂々と表現したことには好感を覚えます。国内の各メーカーもこのシトロエンを見習って、もう少し夢のあるビジョンを提示して頂きたいものです。
今回挙げた3台はクーペであるということ以外に特に共通点はないかと思われます。ただ、大事なことは3台とも実用性よりスタイルとパーソナル性を重視している点です。何とかしてもう一度くらいはこういうモデルを所有したいですね。
Posted at 2007/09/21 15:15:06 | |
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2007年09月12日
去る11日、遂にフランクフルト・モーターショウが開催されました。少し前から至る所で事前情報を見かけていたので、どのような車が出展されるのか、ある程度知っていたのですが、その中でも私が特に心待ちにしていたのがアウディの新型A4のお披露目でした。
フロントオーバーハングの短縮と相俟ってロングノーズなスタイルになった新型A4は、以前初めて写真で見たときから実にあっさりと私の心を捉えました。本当は先日発表された2ドアクーペのA5の方がワイド&ローな分だけ好みであるし、この新型A4にも2ドアモデルがあればと思わなくもないのですが、全体のプロポーションがFFのセダンとしては異例なほど格好良いので、私は「次に買い換えるならこれも有りかな」と、最近何となく夢想するようになっていました。第一候補であるVWの次期シロッコの概要が発表されるまで、おそらくこの状態が変わることはないでしょう。
しかし、新型A4が実際にお披露目されてから改めて様々なことに思いを巡らせていると、どうしてもある二つの点に関して疑念を抱かざるをえません。その内の一つは、ボディサイズの拡大です。全長4.7m以上、全幅1.8m以上というのは、もはやDセグメントという枠を逸脱しかけていると思います。これはつまり、メーカー側にコンパクトなセダンを造るという意識が無いことの証明であるとも言えるでしょう。今年投入されたメルセデスの新型Cクラスは、先代と比べてボディサイズがあまり拡大していない点も好評価の一つとされています。逆に、BMWの現行3シリーズはデビューした際にボディサイズが拡大した点に関して散々指摘を受けました(実際はドアハンドルの部分で横幅が増えているらしい)。後席の居住性確保が大事なのもわかりますが、単にボディサイズを拡大するのではなくて、何か別の工夫が欲しかったですね。
そして、いま一つ気になったのが、細部のデザイン・意匠です。従来のA4はCクラスや3シリーズにないシンプルな優雅さが持ち味だったと思うのですが、この新型A4は少々角が立っていて、落ち着きに欠けるきらいがあります。特にテールランプ周りのデザインは、A5のそれを踏襲しただけの何とも雑な造形になっていて、B6やB7のデザインに比べてデザイナーの配慮が感じられません。スポーティな雰囲気はフロントのシングルフレームグリルだけで充分に表現できるはずです。何ゆえ、そこまでアグレッシブさに拘るのか…。これでは「BMWの後を追っている」と言われても反論できないでしょう。
一番最初に述べたように、私はこの車を格好良いと思います。しかし、アウディというメーカーから生まれたことに対して、また企業のイメージ源となるはずの最量販車種にこういうデザインを採用したことに関して、私は些細だが確実な違和感を覚えてしまうのです。世の流行としてスポーティネスを追求するのはわかります。ただ、できればアウディにはもう少しエレガントな形でそれを実現していただきたいものですね。
Posted at 2007/09/17 02:39:52 | |
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