2008年02月10日
デトロイト・モーターショウにおいて、VW が「パサートCC 」なるモデルを発表しました。写真で見る限り、中々優美かつシャープで私は素直に格好良いと思います。しかし、同時に気になる点もあります。それは、ドライバーの基本的な着座位置が前方寄りであることと、フロントのオーバーハングが長いということです。つまり、外観はクーペ並みにスタイリッシュでありながら、その実は典型的なFFセダンの論法で造られたモデル(中身はパサートそのものだから当たり前ではあるのだが…)であり、それ以外には何も含まれていないように見受けられます。はっきり言って、これではクーペを名乗る資格はないでしょう。間違いなく、これはセダンです。
私がここで述べたいのは、形としてのクーペ・セダンの違いではありません。ドライバーにどんな価値観・世界観を与えてくれるのか、という点での差異に関することなのです。私なりにシンプルに言うと、クーペとは運転席・助手席・エンジンという三者のためにスペースを優先させた車であり、開放感と鷹揚感、あるいは運転そのものを楽しむための車でもあります。逆に、セダンとはそれプラス、後席・荷室のための車(つまり、すべてに少しづつの犠牲を強いる車)であり、実用性を重んじる車ということになります。勿論、どちらが良いとか悪いとか言うつもりはありません。ただ、そういった観点から見た場合、このパサートCC にクーペ的な要素が殆ど含まれていないことは明白かと思われます。単に「後席のヘッドクリアランスを犠牲にしただけのセダン」と言えなくもありません。メルセデスのCLS であれば、金持ちの道楽という一言で表現することもできますが、大衆車メーカーのVW がこれで表現したい世界観とは一体どんなものであるのか、あまり想像したくありません。例えば、同グループ内のアウディにおけるA5 と新型A4 の関係、または現行スカイラインのセダンとクーペの関係と比較しても良いでしょう。今回のパサートCC は、クーペと呼ぶには全く割り切りが足りないと思います。だからこそ、VW 側も「CC 」なんていう有耶無耶な名前にしたのかもしれませんけどね。
2ドアのゴルフは好きですし、同じ2ドアの新型シロッコにもかなり期待をしています。でも、それらはハッチバックであって、クーペではありません。もし、VW に本気でクーペを造る気があるのなら、その時はあのカルマンギアくらいの「オンリーワン」を期待したいところですね。
Posted at 2008/02/10 05:10:06 | |
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車 | 日記
2008年02月09日
ガンダム系のアーケードゲームで「戦場の絆」という作品があります。これは近年ずっと続いてきたネット通信型大型筐体の一到達点であり、16・7年前に「機動警察パトレイバー」の中で描かれた「未来のゲーム」をそのまま現実化したものでもあります。稼動し始めたのは去年のことで、私も当初からその存在を知っていたのですが、プレイに多額の出費を要することから全く気にも留めていませんでした。しかし、本日ふとしたことからこのゲームに興味を持ち、仕事の帰りに試しで一度プレイしてみたところ、…これが意外に衝撃的でした。
プレイヤーは半球状の筐体内に入り、シートに座って左右のレバーと二つのペダルで機体の動きをコントロールします。基本的には「電脳戦機バーチャロン」と同様の操作方法なので、私はすんなり馴染むことができました。ただし、本作品がバーチャロンより格段に優れているのは、前面フルスクリーン化によって圧倒的な視覚効果が得られる点にあります。結論から言うと、私は酔ってしまいました…。後はG が体感できるようになれば、筐体としては完成でしょう。そのうちリニアシートに全方位モニターを備えた筐体が開発されることも、あながち夢物語ではないのかもしれませんね。ゲーム自体の内容に関しては、特に感慨はありません。大体予想していた通りだったので、その意味ではあまり目新しさが感じられませんでした。確かに、これ以上複雑化しても最早意味が無いのでしょうね。
今回少し面白かったのは、このゲームのコーナーにいた背が低くて頭の薄い一人のオッサンが、ゲームの内容について私に何かとレクチャーしてくれたことでした。カードの作り方から親切に教えてくれたそのオッサンを、最初私は従業員かと思って感心していたのですが、どうやら単なる客であったらしく、何か微妙な空気のもとでゲームをすることになりました。おそらく、そのオッサンは良き後輩にレッスンを施したかったのでしょう。残念ながら、私はかつてのアムロ・レイよろしく、筐体に貼られてあるステッカーを見てすぐに操縦方法を理解してしまったので、オッサンの世話になることはありませんでした。プレイを終えて筐体から出てきたときの、「あんた、本当に初心者?」と言ったオッサンの表情は中々面白いものでした。別に嫌味な感じも無かったので、その後20分くらいオッサンとゲームの話をしてから帰途に着きました。見ず知らずの人と話をする(仲良くなるわけではない)のは、ゲーセンならではのシチュエーションと言えるでしょうね。
その昔「連邦vsジオン」をやっていた頃、私はよく見ず知らずのプレイヤーから感謝されることがありました。それというのも、共闘プレイにおいて私は理想的な援護役を演じることが出来るからです。私と組めば8割くらいの確率でゲームをクリアできるため、暇潰しに参加したはずの相手プレイヤーは結果的に思いもよらぬ連帯感を得ることになるのです。私としては共闘にあまり興味がなかった(どちらかと言えば、多数の敵を相手に戦うほうが面白かった。シャアザク=私vsガンダム・ゴック組とのバトルは今でも鮮明に憶えています。あの時の私は間違いなくニュータイプ化していた…)のですが、ゲーム後に楽しそうにしている人を見て不快になるわけがありません。今回の「戦場の絆」でそういった場面に出くわすかどうかはわかりませんが、取り敢えずは周りのガンダム好きに声をかけてみたいと思います。
Posted at 2008/02/10 03:41:41 | |
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